軌道離心率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/03 07:58 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2011年7月)
|

宇宙力学 |
---|
![]() |
軌道力学において、軌道離心率(きどうりしんりつ、英語: orbital eccentricity)とは、天体の軌道がどれだけ真円から離れているかを表すパラメーターであり、0から∞までの値をとる。軌道離心率は天体の運動を決定する6つの軌道要素のうちの一つである。
軌道離心率eは
焦点Fと準線Lを固定し、離心率 e を変えて描かれた円錐曲線。 一般に円錐曲線の離心率
周期が等しく離心率が異なる軌道の運動
0.0 · 0.2 · 0.4 · 0.6 · 0.8オウムアムアの双曲線軌道 地球の軌道離心率は惑星間重力の相互作用により、長年の間にほぼ0から約0.05までの間を振れており、現在は約0.0167である[2](月は0.0549[3])。水星は0.2056と、太陽系の他の惑星と比べてかなり大きい値を持つ[4]。準惑星の冥王星はさらに大きく、0.248である[5]。太陽系の小惑星のほとんどは0から0.35の間で、その平均は0.17であるが、比較的大きい値を持つものは、木星の強力な重力の影響による。太陽系の中で最も値が小さいのは、海王星の衛星トリトンの0.000016である。
彗星の軌道離心率はほぼ1に近い。周期彗星は非常に長細い楕円軌道で1よりわずかに小さく、例えばハレー彗星は0.967である。非周期彗星は放物線に近い軌道を描き、やはり1に近い。例えばヘール・ボップ彗星は0.995086、マックノート彗星は1.000030である。前者の値は1より小さいため、実は楕円軌道で西暦4380年頃に再び現れる。一方、後者は双曲線軌道であり、太陽系を離れれば二度と戻ることはない。1980年に発見されたボーエル彗星は1.058と、太陽系内で観測された天体の中での最大記録であったが、2017年に発見された観測史上初の恒星間天体であるオウムアムアは1.199と極端な双曲線軌道を描いており、最大値を大きく更新した。その後、2019年に発見された2番目の恒星間天体であるボリソフ彗星は離心率がおよそ3.3と、最大値をさらに更新した。
観測された中で最も値が小さい(=真円に近い)軌道を持つ天体は、白色矮星EQ J190947-374414と連星になっているパルサーPSR J1909-3744の0.000000135である。
出典
- ^ “離心率 天文学辞典”. 2024年3月8日閲覧。
- ^ “Earth Fact Sheet”. アメリカ航空宇宙局. 2019年10月2日閲覧。
- ^ “Moon Fact Sheet”. アメリカ航空宇宙局. 2019年10月2日閲覧。
- ^ “Mercury Fact Sheet”. アメリカ航空宇宙局. 2019年10月2日閲覧。
- ^ “Pluto Fact Sheet”. アメリカ航空宇宙局. 2019年10月2日閲覧。
関連項目
軌道離心率 (Orbital eccentricity) ( e {\displaystyle e} )
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/04 05:25 UTC 版)
「軌道要素」の記事における「軌道離心率 (Orbital eccentricity) ( e {\displaystyle e} )」の解説
真円の軌道では0。楕円軌道では0<e<1で扁平になるほど大きくなる。放物線軌道ではe=1、双曲線軌道ではe>1。観測データが少ない小惑星ではe=0、彗星ではe=1を仮定して軌道要素の計算が行われることがある。楕円軌道ではq=a(1-e)、Q=a(1+e)の関係が成り立つ。
※この「軌道離心率 (Orbital eccentricity) ( e {\displaystyle e} )」の解説は、「軌道要素」の解説の一部です。
「軌道離心率 (Orbital eccentricity) ( e {\displaystyle e} )」を含む「軌道要素」の記事については、「軌道要素」の概要を参照ください。
- 軌道離心率のページへのリンク