離心率による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 03:29 UTC 版)
円軌道(Circular orbit) 軌道離心率が0で、円の形をした軌道。 楕円軌道(Elliptic orbit) 軌道離心率が0より大きく1より小さい軌道。楕円を描く。軌道離心率が特に大きいものは、長楕円軌道(Highly elliptical orbit,HEO)と呼ばれる。静止トランスファ軌道 (GTO) 近地点が低軌道上で、遠地点が静止軌道上にある楕円軌道を代表例とする、静止軌道への遷移を目的とした軌道(という意味では、パラメータではなく目的に着目した分類である。たとえば通常のGTOの他、スーパシンクロナス・トランスファ軌道がある。詳しくは静止トランスファ軌道の記事を参照)。 モルニア軌道(Molniya orbit) 軌道傾斜角が63.4°で、周回周期が地球の自転周期の半分である楕円軌道。 ツンドラ軌道(Tundra orbit) 軌道傾斜角が63.4°で、周回周期が地球の自転周期と同じである楕円軌道。 準天頂軌道 (QZO) 適切な軌道傾斜角と軌道離心率を持たせることで、特定の1地域の上空に長時間とどまる軌道。日本の準天頂軌道衛星「みちびき」は、離心率がおよそ0.1で、軌道傾斜角がおよそ45°、周回周期が地球の自転周期と同じである楕円軌道。 双曲線軌道 1以上の離心率を持つ軌道。第二宇宙速度以上の速度を持ち、天体の引力を振り切る。 放物線軌道 離心率が1である軌道。第二宇宙速度と同じ速度を持ち、地球の引力を振り切る。速度が増加すれば双曲線軌道になる。脱出軌道(英語版) (EO) 物体が第二宇宙速度で地球から離れていく放物線軌道。 捕捉軌道(英語版) 物体が第二宇宙速度で地球に近づいていく放物線軌道。
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離心率による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 05:47 UTC 版)
別な定義のしかたとして、直線と、その直線上に含まれないような点 F を取り、点 F から直線への垂線に対して点 F のある方向が正と定めそれを x 軸とする。直線上で点 M' を動かすとき、その直角位置上で FM : MM' = e : 1 (e > 0) を満たすような点 M の集合は円錐曲線を描く。この時、FM と MM' の比の値 e を離心率といい、直線を準線、 点 F を焦点という。 ここで、焦点 F を極とする平面極座標 (r, θ) を新たにとれば、動点 P の軌道は r ( θ ) = l 1 − e cos θ {\displaystyle r(\theta )={\frac {l}{1-e\cos \theta }}} という極方程式によって表すことができる。r は線分 FM の長さ、θ は線分 FM が x 軸となす角度である。この式は、e と l という2つのパラメーターを通じて、楕円・放物線・双曲線の3種の円錐曲線を統一的に表しているといえる。 離心率 e は、描かれる円錐曲線の概形を次のように決定するパラメーターである。 0 < e < 1: 楕円 e = 1: 放物線 e > 1: 双曲線 他方、l は半通径または半直弦と呼ばれるパラメーターで、焦点 F から準線 l までの距離に離心率 e を掛けたものである。 なお、この方法で円錐曲線を描画した際、正円は現れない。これが円錐曲線に正円を含まないことがある由来になっているのだが、数学で円錐曲線を考える際は、便宜上 e = 0 であるとき円を描くとされる(実際は点となる)。あるいは、準線と焦点を無限に離した極限で円になると考える。
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