きどう‐マヌーバ〔キダウ‐〕【軌道マヌーバ】
軌道マヌーバ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/06 15:58 UTC 版)
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軌道マヌーバ(Orbital maneuver)は、宇宙機が推進システムを使用して軌道を変えること。
大幅な軌道変更を実施するものはデルタV、小規模な軌道修正はTCM(Trajectory Correction Maneuver、軌道修正マニューバ)[1]、深宇宙探査機がスイングバイができる天体がないポイントで実施する軌道修正はDSM(Deep Space Maneuver、深宇宙マニューバ)と呼ばれる[2]。
衝撃マヌーバ
衝撃マヌーバは一度で、そしてほぼ一瞬で宇宙船の速度を変えるものであるが、実際には小さい宇宙船でも質量があるため、真に一瞬で速度を変えることは不可能である。しかし、宇宙ミッションの計画の段階で、設計者はまず衝撃マヌーバを用いた宇宙船の軌道の変更を概算する。これにより、正しい軌道遷移を探す際の複雑さを大幅に減らすことができる。一瞬での速度の変更は、デルタブイ一覧

軌道マヌーバ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 04:04 UTC 版)
詳細は「ツィオルコフスキーの公式」を参照 軌道マヌーバは、スラスタに点火して機体上で発生する化学反応力によって達成される。この力の大きさは、以下の式で表される。 f = V e x h ρ {\displaystyle f=V_{exh}\ \rho \,} (1) ここで、 Vexhは排出ガスの速度 ρは燃焼室へのプロペラントの流速 この力による機体の加速度 V ˙ {\displaystyle {\dot {V}}\,} は、 V ˙ = f m = V e x h ρ m {\displaystyle {\dot {V}}={\frac {f}{m}}=V_{exh}\ {\frac {\rho }{m}}\,} (2) ここでmは機体の質量である。 燃焼中、燃料の消費のために機体の質量は減少し、時間の経過に応じた質量は次のようになる。 m ˙ = − ρ {\displaystyle {\dot {m}}=-\rho \,} (3) もし燃焼中に力の方向、即ちノズルの方向が固定されていれば、燃焼の開始時 t 0 {\displaystyle t_{0}\,} から終了時t1まで速度が増加する。 Δ V = − ∫ t 0 t 1 V e x h m ˙ m d t {\displaystyle \Delta {V}=-\int _{t_{0}}^{t_{1}}{V_{exh}\ {\frac {\dot {m}}{m}}}\,dt} (4) 積分変数を時間tから機体の質量mに変えると、 Δ V = − ∫ m 0 m 1 V e x h d m m {\displaystyle \Delta {V}=-\int _{m_{0}}^{m_{1}}{V_{exh}\ {\frac {dm}{m}}}\,} (5) V e x h {\displaystyle V_{exh}\,} を燃料の量に依存しない定数と仮定すると、この関係は次のように積分される。 Δ V = V e x h ln ( m 0 m 1 ) {\displaystyle \Delta {V}=V_{exh}\ \ln({\frac {m_{0}}{m_{1}}})\,} (6) これがよく知られたツィオルコフスキーの公式である。 例えば打上げ時の質量の20%がヒドラジンスラスタの典型的な値となる2100m/sの定数を与えるとすると、姿勢制御システムのキャパシティは以下のようになる。 Δ V = 2100 ln ( 1 0.8 ) {\displaystyle \Delta {V}=2100\ \ln({\frac {1}{0.8}})\,} m/s = 469 m/s. V e x h {\displaystyle V_{exh}\,} が燃料の残量の非定数関数であるとすると、 V e x h = V e x h ( m ) {\displaystyle V_{exh}=V_{exh}(m)\,} 姿勢制御システムのキャパシティは積分により次のように計算される。(5) スラスタによる加速度(2)は、機体にかかるその他の加速度(力/質量)に付け加えられるものであり、軌道はスラスタからの力を含む様々な力によって容易に変わりうる。しかし、研究やマヌーバの最適化等の多くの目的に対しては、図1に示されるような瞬間的なマヌーバを(4)で与えられる Δ V {\displaystyle \Delta {V}\,} で近似することができる。このように、あるケプラー軌道から別の軌道への遷移としてのマヌーバを、速度ベクトルの瞬間的な変化としてモデル化できる。 この近似は多くの場合、少なくとも化学推進剤が使われている時には非常に正確である。ただし、電気推進システム等の推進力の小さいシステムでは、この近似は若干正確性に欠ける。しかし、数時間もスラスタを燃焼させて電気推進で人工衛星を静止軌道に乗せるような場合でも、この近似は正しい値を与える。
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