軌道上での回避
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 04:03 UTC 版)
「衝突回避 (宇宙開発)」の記事における「軌道上での回避」の解説
衝突回避マヌーバ(collision avoidance manoeuvre; CAM)とは軌道上に存在する他の物体との衝突を回避するために、宇宙機が実行するマヌーバである。回避する対象がデブリの場合、デブリ回避マヌーバ(Debris Avoidance Manoeuvre; DAM)とも呼ばれる。 国際宇宙ステーションが行うデブリ回避マヌーバは、ドッキングしている無人宇宙補給機のエンジンを短時間燃焼させることによって行われる。このマヌーバの結果、ステーションの軌道が数キロメートル上昇、もしくは下降することとなる。 国際宇宙ステーションが行う衝突回避マヌーバには、自動ドッキングをアボート(中止)することによっても行われる。例えば、欧州補給機のドッキング制御を行うソフトウェアにはCAMの手続きが組み込まれている。この CAM はISSのクルーがドッキングの最中に問題が発生したとき、緊急オーバーライドとして作動させることができる。欧州補給器の初号機であるジュール・ヴェルヌでは打上げからすぐにこのマヌーバを実証し、その後2008年3月末に行われたデモ・デイ2では宇宙ステーションに接近中に宇宙飛行士がアボートをシミュレートした。 宇宙ステーション補給機にも衝突回避マヌーバ機能が搭載されており、初号機のHTV技術実証機では飛行3日目の運用検証試験において衝突回避マヌーバの機能が試験されている。
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