重力圏
作用圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:03 UTC 版)
狭義の重力圏の外側に存在しているのに、月が地球を周回しているように見える現象が起こる理由は、月は地球と一緒に太陽の周りを公転しているため、太陽からの引力が公転速度による遠心力で相殺されて、同様に公転する地球から見ると、太陽が月に及ぼす引力は太陽が地球に及ぼす引力との差分(潮汐力)でしか働かないためである。このような場合には、地球の月に対する重力と、太陽の月に対する潮汐力(距離の3乗に反比例する)の比較で考えた方が好都合であり、このようにして定まる領域を作用圏(影響圏、Sphere of Influence)と呼ぶ。作用圏の半径は近似計算によれば質量比の2/5乗に比例し、太陽に対する地球の場合は93万キロメートルと近似され、月は地球の作用圏の内側に位置する。一般的な重力圏という言葉の語感としては、この作用圏の解釈が妥当であるかもしれない。
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