作用時間による限界脱線係数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/10 21:27 UTC 版)
「脱線係数」の記事における「作用時間による限界脱線係数」の解説
脱線係数が限界脱線係数の値を超えたとしても直ちに車輪の乗り上がりが発生するわけではないので、超過が非常に瞬間的ならば脱線まで至る危険性は低いと考えられる。よって、作用時間が短い脱線係数を評価する場合は、限界脱線係数の値は通常よりも緩和(大きく)できると考えられる。このような考えを基に鉄道技術研究所の松平精らにより次のような限界脱線係数の式が提案された。 ( Q / P ) l i m i t = π i B G tan θ − μ 1 + μ tan θ P w h P g 1 t {\displaystyle (Q/P)_{limit}=\pi {\frac {i_{B}}{G}}{\frac {\tan \theta -\mu }{1+\mu \tan \theta }}{\sqrt {\frac {P_{w}h}{Pg}}}{\frac {1}{t}}} … (11) ここで、iB:衝突が起きる車輪の反対側車輪とレールの接触点回りの輪軸の慣性半径、G:軌間、Pw:バネ下重量のみによる輪重、P:輪重、h:車輪の飛び上がり高さ、g:重力加速度、t:横圧の時間歴波形を正弦波とした仮定したときの横圧作用時間、である。特に、式 (11) での輪重Pの定義は、通常輪重として定義されている車輪・レール間上下作用力から輪重の慣性力を除いた値(= 輪軸の静的自重 + 軸受に作用する押し付け力)として定義されているので注意が必要である。 日本では、このような定義の輪重による脱線係数を第二脱線係数と呼ぶ。一方、通常の輪重定義による脱線係数は、第一脱線係数と呼び区別している。
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