インディアン座とは? わかりやすく解説

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インディアン‐ざ【インディアン座】

読み方:いんでぃあんざ

南天星座の一。10月上旬に南の地平線にその一部見えるが、明るい星がなく目立たない学名 (ラテン)Indus


インディアン座

分類:星座/神話


名称:インディアン座
学名:indus
小分類:南半球
日本観測できる時期:日本からはほとんど見えません
見ごろ季節:冬(20時正中は1月中旬)

つる座くじゃく座の間にある、人の形をした星座で、17世紀はじめにバイエルによって作られたものです。ちょっと昔までは、日本では訳語から「インドじん座」とされていましたが、本当はこの星座作られ17世紀ごろに新大陸(アメリカ大陸のこと)で見つけられインディアンの姿をなぞらえてます。一番明るい星は3等星ですので、少し見つけにくいですが、南半球星座の中では比較的見つかりやすいかもしれません。

1.見つけ方ポイント
くじゃく座つる座の間にある星座です。沖縄より南に行き8月から11月頃、南の空でつる座くじゃく座の間に「人」の字の形をした星の並び探してみると良いでしょう3等星以下のさほど明るくない星座ですので、少し見つけにくいかもしれません。

2.神話内容について
1603年ヨハン・バイエルによって作られ星座ですが、もともとは1516世紀大航海時代全世界の海に乗り出した船乗りたちによって作られ星座です。日本ではインド人座」などと言っていましたが、本来はアメリカ大陸(新大陸)発見によって、知られるようになったアメリカ・インディアンの姿をなぞらえてます。神話はまったく関係ありません。当時作られ星座は、この他にもほうおう座きょしちょう座など、船乗りたちが見つけた珍しい人や動植物の姿を模したものがほとんどです。

3.同じ時期見え星座について
南半球では9月頃の夜に高く昇る星座ですので日本の秋の頃の星座一緒に見ることができます。まず北にはけんびきょう座やぎ座一緒に見え、東にはつる座みなみのうお座きょしちょう座などが見えでしょうまた、南にははちぶんぎ座、西にはくじゃく座やぼうえんきょう座などを見ることができます

4.主要都市での観測について
本州などでは見えませんが、奄美大島沖縄まで行くと、全体像を見ることができます

参考文献:「星座クラブ沼澤茂美著(誠文堂新光社)、「星のポケットブック」(誠文堂新光社)、「星座天体観測図鑑藤井旭著(成美堂出版)、「星座夜空四季小学館学習百科図鑑、「星座博物館・春」、「同・夏」、「同・秋」、「同・冬」、「同・星座旅行瀬川昌男著(ぎょうせい)、「星空ガイド沼澤茂美、脇屋奈々代著(ナツメ社)


インディアン座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/07 14:59 UTC 版)

インディアン座
Indus
属格 Indi
略符 Ind
発音 英語発音: [ˈɪndəs]、属格 /ˈɪndaɪ/
象徴 the Indian
概略位置:赤経 21
概略位置:赤緯 −55
20時20分正中 10月7日
広さ 294平方度 (49位
主要恒星数 3
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
16
系外惑星が確認されている恒星数 1
3.0等より明るい恒星数 0
10パーセク以内にある恒星数 1
最輝星 α Ind(3.11
最も近い星 ε Ind;(11.867光年)
メシエ天体 0
流星群 None[1]
隣接する星座 つる座
きょしちょう座
はちぶんぎ座
くじゃく座
ぼうえんきょう座
いて座(角で接する)
けんびきょう座
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インディアン座 (インディアンざ、Indus) は、南天の星座の1つ。日本からは星座の全域を見る事はできない。

主な天体

恒星

2022年4月の時点で、国際天文学連合が固有名を認証した恒星は1つもない。

  • α星:3.11等[2]。インディアン座で最も明るい恒星。中国の星図でインディアン座の領域が「波斯」とされたことに由来する「ペルシアン (Persian)」という名が知られる[3]
  • β星:3.65等[4]
  • ε星太陽系から11.867 光年と非常に近くにある恒星の1つ[5]

星団・星雲・銀河

ハッブル宇宙望遠鏡が撮像した渦巻銀河NGC7038。

由来と歴史

ウラノメトリア』に描かれたインディアン座(中央上)

ペーテル・ケイセルフレデリック・デ・ハウトマンが残した観測記録を元にペトルス・プランシウス1597年に作成した地球儀に残したものが最初である[6]ヨハン・バイエル1603年に発刊した『ウラノメトリア』でそれを引用したことにより世に知られるようになった。ケイセルたちは、16世紀末にマダガスカルからスマトラジャワにかけて航海しており、この間に接したアフリカ南部からマダガスカル、東インド諸島原住民をモデルにしたものと考えられている[6]

中国末期崇禎帝の時世の1631-1635年にかけてイエズス会士アダム・シャール(湯若望)が徐光啓らとともに編纂した天文書『崇禎暦書』では、この星座の領域にペルシアを意味する「波斯」という名前の星官が置かれた[7]

インディアン座は新しい星座であるため、神話や伝承は伝わっていない。

呼称と方言

日本では、時代とともに呼称が改訂されている。明治期は「アメリカの蛮族」という意味の「米蕃(べいばん)」[8]という訳語が充てられていたが、日本天文学会の会誌『天文月報』1910年2月号から「印度人(インドじん)」と訳が改められた[9]。1952年7月、日本天文学会が「天文述語集」を刊行した際、星座名はひらがなまたはカタカナで表記することとされ[10]、同時にこの星座の名称は「インデアン」と改められた[11]。この頃、東亜天文学会系列の研究者の一部では「インデヤン」の表記が用いられた[12]。さらに、1974年に文部省から『学術用語集天文学編』が刊行された際に「インディアン」と表記が改められた[13]

出典

  1. ^ Anonymous (2007年2月3日). “Meteor Showers”. American Meteor Society. 2008年5月7日閲覧。
  2. ^ "alp Ind". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月4日閲覧
  3. ^ Kaler, James B.. “Persian”. STARS. 2022年11月4日閲覧。
  4. ^ "bet Ind". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月4日閲覧
  5. ^ "eps Ind". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月4日閲覧
  6. ^ a b Ridpath, Ian. “Star Tales - Indus”. Star Tales. 2014年1月28日閲覧。
  7. ^ 大崎正次 『中国の星座の歴史』雄山閣出版、1987年、104-114頁。 ISBN 978-4639006473 
  8. ^ 九月の天」『天文月報』第2巻第6号、1909年9月、 12頁、 ISSN 0374-2466
  9. ^ 星座名」『天文月報』第2巻第11号、1910年2月、 11頁、 ISSN 0374-2466
  10. ^ 『文部省学術用語集天文学編(増訂版)』(第1刷)日本学術振興会、1994年11月15日、316頁。 ISBN 4-8181-9404-2 
  11. ^ 星座名」『天文月報』第45巻第10号、1952年10月、 13頁、 ISSN 0374-2466
  12. ^ 原恵 2007, p. 44.
  13. ^ 原恵 2007, pp. 181–182.

参考文献

座標: 21h 00m 00s, −55° 00′ 00″


インディアン座

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 23:57 UTC 版)

固有名詞

インディアン インディアンざ)

  1. 南天星座一つ構成する主な星としてペルシアンがある。

翻訳



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