ぎょしゃ座とは? わかりやすく解説

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ぎょしゃ‐ざ【×馭者座】

読み方:ぎょしゃざ

北天星座の一。2月中旬午後8時ごろ天頂付近南中する五角形をなし、α(アルファ)星はカペラ光度0.1等。学名(ラテン)Auriga

馭者座の画像

ぎょしゃ座

分類:星座/神話


名称:ぎょしゃ座(御者座)
学名:Auriga
小分類:北半球
構成する主な星雲星団恒星:M36(NGC1960)=散開星団/M37(NGC2099)=散開星団/M38(NGC1912)=散開星団/カペラ(アルファ星)/メンカリナン(ベータ星)/サダトーニ(ゼータ星)
神話主な登場人物:エリクトニウス/ヘーパイナス/アフロディテ/ヒュッポリトス
日本観測できる時期:-
見ごろ季節:冬(2月中旬午後8時に正中)

主星カペラ中心にした5角形と、カペラの脇の小さな3角形作られる星座です。1匹の雌山羊と2匹小山羊を抱く御者なぞらえられます。小さな3角形は、「小山羊(The Kids)」とされ、古代からよく知られいました

1.見つけ方ポイント
ペルセウス座ふたご座の間で、天の川沿う星座です。冬の夜天頂付近に黄色く輝くカペラ目印です。

2.神話内容について
諸説あり、メソポタミア神話では、鍛冶屋の神で醜男のヘーパイナスと美の神アフロディテの子エリクトニウスといわれます。足が不自由でしたが、成長してアテナイの主となり、馬車駆って活躍しましたギリシャ神話では、馬車名手純潔象徴ヒュッポリトスとされています。

3.同じ時期見え星座について
ふたご座/ペルセウス座/おうし座/オリオン座/おひつじ座/きりん座

4.主要都市での観測について
日本では見ることができません。


ぎょしゃ座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/31 02:51 UTC 版)

ぎょしゃ座
Auriga
属格 Aurigae
略符 Aur
発音 [ɔːˈraɪɡə] Auríga, 属格:/ɔːˈraɪdʒiː/[注釈 1]
象徴 the Charioteer
概略位置:赤経 6
概略位置:赤緯 +40
正中 5月20日21時
広さ 657平方度 (21位
主要恒星数 5, 8
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
65
系外惑星が確認されている恒星数 6
3.0等より明るい恒星数 5
10パーセク以内にある恒星数 3
最輝星 カペラ(α Aur)(0.08
最も近い星 QY Aur;(20.0光年)
メシエ天体 3
流星群 Alpha Aurigids
Delta Aurigids
隣接する星座 きりん座
ペルセウス座
おうし座
ふたご座
やまねこ座
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ぎょしゃ座(ぎょしゃざ、馭者座、Auriga)は、北天の星座トレミーの48星座の1つ。

α星は、全天21の1等星の1つであり、カペラと呼ばれる。

主な天体

恒星

1等星のα星(カペラ)以外に、2等星が1つ(β星)ある。

以下の恒星には、国際天文学連合によって正式に固有名が定められている。

  • α星:カペラ (Capella) は、ぎょしゃ座で最も明るい恒星で、全天21の1等星の1つ[1]。この星は、神話のヤギ、アマルテイアに関係している。ζ星、η星は、その子供とされる[2]
  • β星:メンカリナン[3] (Menkalinan) は、ぎょしゃ座で2番目に明るい恒星で、2等星[4]
  • ε星:アル・マーズ (Almaaz) は、最も変わった種類の連星である。変光周期は27.1年で、約2年間食が続く。肉眼で見えるほうの恒星は黄色を帯びたF型の輝巨星または巨星である。伴星のタイプは不明である。
  • ζ星食変光星で、変光周期970日。主星AはK型の赤色超巨星、伴星BはB型の主系列星である。主星AにはSaclateniという固有名が付けられている。
  • η星:固有名はハエドゥス[3] (Haedus) 。
  • θ星:固有名はMahasim。
  • ι星:固有名はHassaleh。
  • HD 45350:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でルクセンブルクに命名権が与えられ、主星はLucilinburhuc、太陽系外惑星はPeitrussと命名された[5]
  • HD 49674:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でベルギーに命名権が与えられ、主星はNervia、太陽系外惑星はEburoniaと命名された[5]
  • HAT-P-9:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でイスラエルに命名権が与えられ、主星はTevel、太陽系外惑星はAlefと命名された[5]

その他、以下の恒星が知られている。

ぎょしゃ座には、カペラ、β星、ε星、ζ星、等の連星がある。ε星とζ星は、それぞれ連星進化の非常に珍しい段階にある。

星団・星雲・銀河

由来と歴史

もともと馭者と山羊は別々の星座であったが、トレミーによって一つの星座とされた[2]。そのため、馭者と山羊を結びつける神話は存在しない[2]

一説にはこの星座は Rukubi(戦車)としてバビロニアの時代にさかのぼる可能性があるとされる。[要出典]

中国ではぎょしゃ座の4つの星とおうし座β星を結んだ五角形に注目し、「五車」と呼ばれた[3]。日本でも同様の見方から「五角星」と呼ばれる[6]

神話

この馭者が何者であるかについて、ギリシア神話に複数の伝承が伝えられている。

もっとも有名なのは、ギリシア神話の鍛冶神ヘーパイストスが女神アテーナーに欲情して、大地にこぼした精液から生まれた息子であるアテナイエリクトニオスとするものである[2][7]。アテーナーに育てられた彼は、馬を飼い馴らす方法を彼女から学び、ヘーリオスを思わせる巧みな手綱さばきで4頭立ての戦車を操ったとされる[2][7]。そして、これを称賛したゼウスにより天に上げられ星座となったとされた[2]

別の伝承では、ヘルメースの息子ミュルティロスであるとする[7]。ミュルティロスはピサの王オイノマオスの馭者であったが、タンタロスの息子ペロプスとオイノマオスの娘ヒッポダメイアに唆され、オイノマオスの馬車に仕掛けをしてオイノマオスを死に至らしめた。その後ミュルティロスはペロプスに海に蹴落とされて溺れ死んだ。その死を悲しんだヘルメースによって、ミュルティロスは空に上げられ、ぎょしゃ座になったとされる[2]

また、テーセウスの息子ヒッポリュトスとする伝承もある。ヒッポリュトスは継母パイドラーに求愛されたがそれを拒絶した。絶望したパイドラーはテーセウスに彼を讒訴して自殺し、彼女の讒訴を信じたテーセウスは無実の息子をアテーナイから追放してしまった。さらに、テーセウスの呪いによってヒッポリュトスは戦車から落ちて巻き込まれて死んだ。後にヒッポリュトスはアスクレーピオスの手により生き返ったが、これはゼウスがアスクレーピオスを雷で撃ち殺す遠因となった[2][8]

アラートスによると、星図で左手に抱えている山羊は、クロノスから逃れてクレタ島イディ山に隠れていた幼少時のゼウスに乳を与えて育てた山羊アマルテイアであるとされる[2][6]エラトステネースもムーサイオスの伝えとして同じ山羊であると説明しているが、こちらではアマルテイアとはその山羊を所有する女神(ニュンペー)の名とされ、山羊自身には名前がない[7]

画像

ぎょしゃ座の星図

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ OED

出典

  1. ^ Results for NAME CAPELLA”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2013年1月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i Ian Ridpath. “Star Tales - Auriga”. 2016年6月9日閲覧。
  3. ^ a b c 原恵 『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、233-234頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  4. ^ Results for V* bet Aur”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2013年1月30日閲覧。
  5. ^ a b c Approved names” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2020年1月10日閲覧。
  6. ^ a b 草下英明 『星座手帖』社会思想社、1969年。 ISBN 4-390-10658-9 
  7. ^ a b c d 伝エラトステネス『星座論』(5) しし座・ぎょしゃ座”. 2022年8月31日閲覧。
  8. ^ 伝エラトステネス『星座論』(3) へびつかい座・さそり座・うしかい座”. 2022年8月31日閲覧。

外部リンク

座標: 06h 00m 00s, +40° 00′ 00″


ぎょしゃ座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:40 UTC 版)

星・星座に関する方言」の記事における「ぎょしゃ座」の解説

ぎょしゃ座 五角星(群馬)、五つ星岐阜カペラ カンビンボシ(カンビンかん徳利愛媛)、能登星(福井京都)、佐渡星(富山)、矢崎星(佐渡。ヤザキ・ヤザキサン・ヒトツボシともいう)、昴の相手星スマルのエーテボシ(壱岐)、キタスマイ(スマイスバル兵庫)、銭星ゼニボシ(埼玉) サキボシ・アヲボシ(青森野尻抱影推定) 『日本の星』153156196頁、『星座手帖198

※この「ぎょしゃ座」の解説は、「星・星座に関する方言」の解説の一部です。
「ぎょしゃ座」を含む「星・星座に関する方言」の記事については、「星・星座に関する方言」の概要を参照ください。

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ぎょしゃ座

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 04:43 UTC 版)

固有名詞

ぎょしゃぎょしゃざ

  1. 北天星座一つトレミーの48星座一つ馭者にちなむ。構成する主な星にカペラがある。

翻訳


「ぎょしゃ座」の例文・使い方・用例・文例

  • ぎょしゃ座で最も明るい星
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