くじ‐がわ〔‐がは〕【久慈川】
久慈川
久慈川は、茨城県、福島県、栃木県との県境に位置する八溝山(標高1,022m)にその源を発し、山間部を流下しJR水郡線に沿って流れ、浅川、山田川、里川等の支川を合わせ、日立市・東海村間で太平洋に注いでいます。 久慈川流域は、茨城県、福島県及び栃木県の三県にまたがり、流域面積は約1,490km2、流路延長527km(幹川124km・支川403km)となっています。 |
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今でも残る昔からの治水対策 「霞堤と水害防備林」 那珂郡大宮町を流れる久慈川 |
河川概要 |
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![]() ○拡大図 |
1.久慈川の歴史 |
"水戸藩の穀倉地帯として開けた久慈川沿岸では、度重なる洪水の被害から逃れるため、文久2年(1862)に竹林による水害防備林の整備が始められ、現在でも多数の地区で残存しています。また、その他にも霞堤・水屋などの洪水との戦いの歴史が残されています。" |
特有の歴史、先人の知恵の活用 |
このように、昔からの工法が現在でも流域の安全を守るため活かされています。 |
2.地域の中の久慈川 |
"久慈川では、アユ・鮭など川の恵みが豊富で、江戸時代に整備された水利システムがいまでも活用され稲作等が盛んな地域でもあります。また、それらの周辺には豊富な種類の動植物が生息し、自然観察などの場としても貴重なものとなっています。" |
地域社会とのつながり
ここ、久慈川周辺は鮎・鮭など川の恵みが豊富で、漁業が古くから行われていました。その中には、竹を束ねて川の中に沈め、鮎が川岸に近づいたところを投網で捕まえる「縄張漁」や鮭の囮を網の中に入れておき、産卵のため囮に寄ってきた鮭を捕まえる「サケの囮編み漁」などがあり、現在でも伝統漁法は引き継がれてきています。
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3.久慈川の自然環境 |
"自然豊かな久慈川は、水際での散策や親水レクリエーション、高水敷でのスポーツなどの場として活発に利用され、清流として有名な久慈川の流水は、流域の貴重な水源にもなっています。また、沿川では多くの県立公園が立地され、四季を通じた観光客でにぎわいを見せています。" |
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4.久慈川の主な災害 |
"昭和61年の出水では、浸水区域面積:1,820ha、浸水被害戸数:250戸 平成11年の出水では、浸水区域面積:218ha、浸水被害戸数:8戸 が確認されました。" |
主な出水と被災履歴
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(注:この情報は2008年2月現在のものです)
久慈川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/02 13:41 UTC 版)
久慈川 | |
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常磐自動車道橋上より見た上流方向
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水系 | 一級水系 久慈川 |
種別 | 一級河川 |
延長 | 124 km |
平均流量 | 26.8 m3/s (山方観測所2000年) |
流域面積 | 1,490 km2 |
水源 | 八溝山(福島県と茨城県の県境) |
水源の標高 | 1,022 m |
河口・合流先 | 太平洋(茨城県) |
流域 | ![]() 福島県、茨城県、栃木県 |
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久慈川(くじがわ)は、福島県および茨城県を流れる一級河川。久慈川水系の本流である。流路総延長527 km(幹川124 km[1]、支川403 km)。日本で有数の鮎の釣場として有名である。また、瑪瑙、赤瑪瑙、水晶がよく採れる川としても有名である。
地理
福島県と茨城県の県境にある八溝山の北側斜面に源流を発する。阿武隈川から流路を河川争奪したと考えられている[2]。八溝山地と阿武隈高地の間を南へ流れ、茨城県に入って大子町、常陸大宮市などを経て、日立市と東海村の境界から太平洋に注ぐ。
シガ
厳冬期、上流の山間部は日差しがあまり当たらないうえ放射冷却もあって一部が凍ることがあり、茨城県大子町辺りまでは川面を氷が流れ下る「シガ」という現象が見られることがある[3]。
支流
支流に里川、山田川、浅川、川上川、矢祭川、八溝川、押川などがある。大子町で合流する滝川には袋田の滝がある。

右奥が下流で、茨城県のひたちなか市や水戸市の市街地。
流域の自治体
名称の由来
久慈郡を流れることから付いたものである。久慈という地名は、『常陸国風土記』の記述に「古老のいへらく、郡より南近くに小さき丘あり。かたち、鯨鯢に似たり。倭武の天皇、よりて久慈と名づけたまひき」とあるのに由来するといわれている[4]。
橋梁
上流側より記載
- 壜澤橋 - 福島県道377号八溝山線
- 大沢橋 - 福島県道377号八溝山線
- 大梅橋
- 段河内橋
- 岡ノ内橋 - 栃木県道・福島県道60号黒磯棚倉線
- 松草平橋 - 栃木県道・福島県道60号黒磯棚倉線
- 地割橋
- 早稲田橋
- 下平橋
- 崖の上橋
- 棚倉大橋 - 国道118号
- 石田橋
- 祖父岡橋
- 豊原橋
- 久慈橋
- 第十一久慈川橋梁 - 水郡線
- 坊ノ内橋
- 豊岡橋
- 新豊岡橋 - 国道289号
- 第十久慈川橋梁 - 水郡線
- 双の平橋
- 松岡橋 - 国道118号
- 米山橋
- 天領大橋
- 黒助橋
- 久慈川橋 - 福島県道・茨城県道196号石井大子線
- 下植田橋
- 名称不明
- 東橋
- 矢祭橋 - 国道118号
- 新矢祭橋 - 福島県道379号矢祭棚倉自転車道線
- 新山下橋
- 新夢想橋
- 第九久慈川橋梁 - 水郡線
- あゆのつり橋(人道橋)
- 第八久慈川橋梁 - 水郡線
- 高地原橋
- 仲之関橋 - 国道118号
- 下野宮大橋 - 国道118号
- 第七久慈川橋梁 - 水郡線
- 宮川橋
- 下野宮橋
- 嵯峨草橋 - 茨城県道33号常陸太田大子線
- 川山橋 - 国道118号
- 中内橋
- 池田橋
- 松沼橋
- 湯の里大橋 - 国道461号
- 久慈川橋 - 国道461号
- 北田気大橋 - 国道118号
- 久野瀬橋(沈下橋)
- 第六久慈川橋梁 - 水郡線
- 南田気大橋 - 国道118号
- 新昭和橋 - 国道118号
- 第五久慈川橋梁 - 水郡線
- 下津原橋 - 国道118号
- 鰐ヶ淵橋 - 国道118号
- 奥久慈橋 - 国道118号
- 第四久慈川橋梁 - 水郡線
- 上小川橋 - 茨城県道32号大子美和線
- 第三久慈川橋梁 - 水郡線
- 宮平橋 -国道118号
- 御城橋 - 国道118号
- 第二久慈川橋梁 - 水郡線
- 西金大橋 -国道118号
- 大内野橋 - 国道118号
- 第一久慈川橋梁 - 水郡線
- 下小川橋 - 茨城県道320号下小川停車場線
- 平山橋(沈下橋)
- 舟生橋 - 国道118号
- 岩井橋 - 茨城県道・栃木県道29号常陸太田那須烏山線
- 小貫橋 - 茨城県道165号山方常陸大宮線
- 辰ノ口橋
- 富岡橋 - 国道293号
- 圷橋
- 栄橋 - 茨城県道61号日立笠間線
- 木島大橋 - 茨城県道62号常陸那珂港山方線
- 木崎橋(沈下橋)
- 久慈川橋梁- 水郡線常陸太田支線
- 幸久橋 - 人道橋
- 幸久大橋 - 国道349号
- 落合橋(沈下橋)
- 久慈川橋(常磐自動車道)
- 榊橋 - 国道6号
- 竹瓦橋(沈下橋)
- 留大橋 - 茨城県道358号日立東海線
- 久慈川橋梁 - 常磐線
- 久慈大橋 - 国道245号
ギャラリー
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久慈川本流と押川(左)の合流地点。
脚注
関連項目
外部リンク
- 「久慈川水系総合情報サイト - 久慈川のほとり」久慈川水系環境保全協議会
久慈川と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 久慈川のページへのリンク