Z世代とは? わかりやすく解説

Z世代

読み方:ゼットせだい
英語:Generation Z

Z世代とは、一般的に1995年から2010年生まれ世代を指す言葉である。この世代は、インターネットスマートフォンの普及により、情報技術発展に伴うデジタル環境慣れ親しんで育ったことから、デジタルネイティブとも呼ばれる。Z世代は、先行するミレニアル世代1980年代から1990年代生まれ)と比較して、より自己表現個性重視し多様性包摂性を尊重する傾向がある。

また、Z世代は、環境問題社会問題対す意識高く企業政府に対して持続可能な取り組み倫理的な行動求めることが多い。この世代は、SNS活用したコミュニケーション主流であり、インフルエンサーYouTuberなどの新し職業登場している。

Z世代は、働き方価値観変化に伴い従来組織制度に対して柔軟な考え方持ち新し働き方ライフスタイル模索することが特徴である。この世代は、自己実現人間関係充実重視し仕事プライベートバランス大切にする傾向がある。

教育面では、Z世代は、オンライン教育自己学習活用し自分合った学び方を追求することが多い。また、グローバル化が進む中で、異文化理解多言語能力身につけることにも積極的である。

Z世代は、これまでの世代とは異な価値観働き方持ち社会経済変化対応している今後、彼らが成長し社会主役となることで、新たな価値観働き方広がり社会全体変革期待される

Z世代

読み方:ゼットせだい

「Z世代」とは、一般的に1990年半ばから2010年代生まれ世代意味する表現

「Z世代」とは・「Z世代」の意味

「Z世代」とは、ジェネレーションZ(the generation Z)とも言い世代分類する言葉のひとつで、アメリカ合衆国始めとする世界各国において概ね1990年半ばから2000年代後半、または2010年代前半までに生まれた世代を指す。日本では1990年代からインターネット普及し始めインターネット世帯普及率1997年時点で9.2%だったが2002年時点では54.5%と急拡大している。つまり、「Z世代」は、生まれながらにしてインターネット利用可能であったという意味で、デジタルネイティブである初の世代ということになる。

「Z世代」は、アメリカ合衆国における世代呼び方由来する年代区切りには諸説あるが、アメリカ合衆国では1960年代半ば1980年頃生まれた世代を「ジェネレーションXX世代)」と呼んでいた。アルファベット順でXの次がYであることから、この後1980年頃1900年代半ば生まれ世代を「ジェネレーションYY世代)」、さらにその次の世代という意味で「ジェネレーションZ(Z世代)」と呼ぶ。Α世代とは「Z世代」の次の世代のことで、新し時代始まりイメージした世代名として「α(アルファ世代」「ジェネレーションαアルファ)」という。

「Z世代」は、カナダ統計局場合には1993年生まれ以降アメリカ心理学会場合には1997年生まれ以降を指すなど明確な定義はないが、日本では1995年平成7年)の阪神・淡路大震災後から2011年平成23年)の東日本大震災までに生まれた世代該当する

「Z世代」の類語には、スマートフォン日常的に使いこなしていることから「スマホ世代」「iGen」「iジェネレーション」、ビデオ通話サービスであるZoomを使うことが多いため「Zoomers(ズーマーズ)」、ミレニアム世代次の世代という意味で「ポストミレニアル世代」などがある。

2022年行われたアメリカ合衆国中間選挙ではフロリダ州10区より25歳マックスウェル・フロスト当選し連邦議会出馬できる最低年齢である25歳での当選となり、アメリカ史上初のZ世代議員誕生している。

「Z世代」に該当する世代は、SNS親しんできたことから情報収集SNS行い情報発信にも長けているため多くインフルエンサー誕生している。性や人種などの多様性許容環境問題などの社会問題対す関心の高さなどが「Z世代」の特徴としてあげられるまた、自己実現欲求が強いともいわれている。

「Z世代」の読み方

「Z世代」は「ゼットせだい」と読む。

「Z世代」の熟語・言い回し

Z世代の前とは


「Z世代」の前の世代は、「X世代」「ジェネレーションX」という。明確な定義はないが、一般的に1960年代半ば1980年代前半生まれた世代を指す。「Generation X」という言葉は、ハンガリー写真家ロバート・キャパフォトエッセイ由来する。「Generation X」は1950年代に、第二次世界大戦後成長した若者テーマにしたフォトエッセイタイトルであり「未知世代」という意味であったその後カナダ小説家ダグラス・クープランド1991年頃に出版したジェネレーションX加速され文化のための物語たち」が世界的なベストセラーになったことで「X世代」「ジェネレーションX」という言葉広まった

Z世代の次とは


2010年以降生まれた「Z世代」の次の世代は、「α(アルファ世代」「ジェネレーションαアルファ)」という。「α(アルファ世代」は、オーストラリア社会学者であるマーク・マクリンドルが2005年提唱した言葉で、Zはラテン文字最後にあたることからアルファベット進行リセットしギリシャ文字最初に当たる「α(アルファ)」を採用したのであるα世代は、世代全期間の人が21世紀生まれた最初世代ということになる。

Z世代

読み方:ゼットせだい
別表記:ジェネレーションZ
英語:Generation Z

Z世代(ゼットせだい)とは、1990年代半ばから2000年代半ば生まれた世代を指す語である。「ジェネレーションZ」ともいう。

Z世代の語は、主にマーケティング評論用いられる語である。例えば、「Z世代向けの商品」「Z世代の支持を得る」のように用いる。

「Z世代」の語は、英語のGeneration Z訳語である。ダグラス・クープランド小説題名から、アメリカにおいて1960年代半ばから70年代半ば生まれた世代Generation XX世代)と呼ばれ、その次の世代Generation YY世代)と称された。Generation Zは、さらにその後世代である。アメリカではデジタル機器幼少期から触れていること、また9・11事件経験しており政治参加意識が高いことなどが特徴とされる

日本でも、Z世代はデジタル機器幼いころから触れているいわゆるデジタルネイティブであることが第一特徴として挙げられるこの他目線が常に世界向いている、押し付けでは動かない周囲巻き込める、共感協力重視するといった特徴があるとされる(「AERA2018年5月21日号)。

また、株式会社dotなどが運営する「Z世代会議」の調査によれば、Z世代が支持する価値観では「家庭では男女区別なく家事育児分担した方が良い」「自分気に入れば有名ブランド商品でなくても良い」「ショッピングは楽しいと思う」などが上位であった

「Z世代」の上の「Y世代」が「ミレニアル世代」と重なることから、「Z世代」と同じ世代を「ポストミレニアル世代」と称することもある。

なお、消費社会研究家三浦展は、著書日本溶解論」(2008年)において、1980年から1992年生まれた世代を「Z世代」と定義しているが、今日では「Z世代」は1990年代半ばから2000年代半ば生まれた世代を指すのが一般的となっている。

執筆稲川智樹

Z世代

読み方:ゼットせだい
別表記:ゼット世代ジェネレーションZ
英語:generation Z

「Z世代」とは、1990年代半ば2000年代半ば生まれて20102020年頃に成人したデジタルネイティブ世代SNSネイティブ世代の意味用いられる言葉である。

Z世代の年齢・Z世代は何歳か

Z世代を具体的な年齢でいえば、2020年代10歳30歳となる人々である。2020年代思春期新社会人となり、2050年頃に社会さまざまな責任を負う世代となる。2100年代存命の人も少なくない考えられる

「Z世代に含まれる生まれ年範囲」は、厳密に定義されているわけではなく境界曖昧である。おおむね1990年代半ばから2000年代半ばまで」とする扱い一般的といえるが、中には90年代初頭から」または「80年代終盤から」を含めたり、あるいは「2010年頃まで」を含めて「Z世代」としていることもある。

このため、たとえば「90年代初頭生まれた人」は、Z世代に含まれるかどうか文脈によって違ってくることになる。

Z世代を厳密に何年から何年までに生まれた人」と定義することは困難である。「時代」や「世代」の境目というものは曖昧なものだからである。

Z世代の語源、「Z」の意味 (なぜ「Z」なのか、誰が言い出したのか)

「Z世代」は欧米定着した用語であり、「X世代」という言葉から「Y世代」「Z世代」と踏襲されて命名され言葉である。

X世代generation X)」は、カナダ小説家ケープランドDouglas Coupland)が著した小説タイトルから取られた用語である。

X世代」の次の世代は「Y世代」と呼ばれるようになった。そして、その次の世代が「Z世代」と呼ばれるようになったわけである。

X世代」のひとつ前の世代は、戦後ベビーブーム生まれたベビーブーマー」である。

ちなみにX世代」と同様、「団塊の世代」という用語も、小説タイトルから取られた用語である。

「Z世代」と「ミレニアル世代」の違い

ミレニアル世代」は、1980年代半ば90年代半ば頃に生まれた世代を指す語で、ほぼ「Y世代」に合致する。または、「Y世代」の範囲に「ミレニアル世代」が包含される

つまり「Z世代とミレニアル世代違い」は、ほぼ「Z世代とY世代違いと言い換えられる。

「X世代」「Y世代」「Z世代」の特徴・性格

X世代1960年代~1980年代):テレビ普及しさまざまな娯楽登場前世代ベビーブーマー)に比べて個人主義的な傾向が強い。大人になってからIT革命というビジネスチャンス迎えた世代であり、ITベンチャー創業者多く輩出した世代

Y世代1980年代~1990年代):物心がつく頃にはデジタル機器ならびにインターネット身近な存在となっており、ほぼデジタルネイティブとして成長してきた最初世代大量消費志向する旧来の価値観から離れ物欲希薄であると共に個人主義的な傾向がいっそう顕著

Z世代(1990年代~2000年代):生まれたときからデジタル機器インターネット環境囲まれデジタルネイティブであり、パーソナルデバイスとしてのスマートフォンSNSソーシャルネットワーク)が常に身近にある世代ネットSNS情報収集とどまらず、自らが情報発信するツールにもなっている。インターネット対す警戒心もあり、総じてインターネットリテラシーが高い。

Z世代の次は「α世代」

「Z」はラテン文字アルファベットにおける最後の字であり、後がない。では「Z世代の次」は何世代呼ばれるのか。2020年代初頭時点では、「α世代アルファ世代)」という呼び名有力な候補として挙げられている。

「α」はギリシア文字アルファベットにおける最初の字である(なお「α」は小文字大文字は「Α」である)。アルファベット体系変えて最初から始めようという魂胆である。

「日本のZ世代」の特徴

「Z世代」という用語は欧米中心に用いられている語であり、基本的には「欧米における1990年代半ば2000年代半ば生まれた世代」を対象とする用語である。

とはいえ日本その他の先進国においてもZ世代の特徴はそう大きく違わない。「デジタルネイティブである」「スマホSNSが常に身近にある」「ネット通じた情報発信抵抗がない」といった特徴は、そのまま日本人同世代にも当てはまる。

日本固有の「Z世代」の特徴としては、第一に少子高齢化社会生まれた社会における総対数少な世代」であるという点が挙げられるまた、Y世代と共にゆとり教育」を受けたゆとり世代」に該当している点も日本のZ世代の特徴といえる

「Z世代は使えない・仕事ができない」「Z世代は頭おかしい」という風潮について

Z世代は、それまで世代X世代Y世代)とはまた違った考え方価値観持っている。「世代ギャップ激しい」と言った方がよいかもしれない世の中風潮変わっている

Z世代が社会人になった時点では、X世代組織管理職などの重要な役職に就いている場合が多いといえるが、X世代にとっての常識通年はZ世代には通用しない共感されないことも多い。たとえば会社において昇進望まない仕事より自分時間優先する旧来のルール従わない、といった傾向は、それまで世代より強いかもしれない。これがX世代Y世代の目に「Z世代は使えない」「Z世代は仕事できない」「Z世代は頭がおかしい」という風に映るかもしれない

ただ、このような評価客観的でも絶対的でもない時代進めばZ世代の価値観標準的となって振り返ってみればX世代価値観最悪だった」と評価されるかもしれない。もちろん、時代進んで次世代α世代以降台頭した後に「振り返ってみればZ世代は特異な異質な世代だった」と評価される可能性もある。現時点では誰にもわからない

Z世代


Z世代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/27 01:48 UTC 版)

(ゼットせだい)、ジェネレーションZ: Generation Z)とは、概ね1997年度から2012年度に生まれた世代を指すことが多いが、アメリカ心理学会1998年生まれ以降を指すなど[1]、定義は厳密に決められているわけではない[2]。 一方、Z世代という表現や括りについては否定的な意見も存在する(後節の「#「Z世代」という表現に対する否定的意見」を参照)。

概要

名称はジェネレーションXから続くものであり(「X世代#語源」を参照)、アメリカにおいてその次世代のポストX世代をアルファベットでXに次ぐ世代として「ジェネレーションY」(一般的にミレニアル世代[注 1]とも呼ばれる)、ジェネレーションYのポスト世代をYの次にあたる「ジェネレーションZ」と称した[3]

生まれた時点でインターネットが利用可能であったという意味でのデジタルネイティブ世代としては最初の世代となる[4][5]デジタル機器やインターネットが生まれた時から当たり前のように存在し[4][5]ウェブを日常風景の一部として感じ取り、利用している世代である。

また、パソコンよりもスマートフォンを日常的に使いこなし、生活の一部となっている「スマホ世代 (iGen)」でもある[6]。さらに、「baby boomer」を揶揄する「Boomer」になぞらえ「Zoomersズーマーズ)」とも呼ばれる[7]。成長期にWeb 2.0を当たり前のように享受し、情報発信力に長けているため、当該世代からは数多くのインフルエンサーが登場している。

この他、Z世代と同時期に生まれた若者は、(シーせだい)、ジェネレーションC: Generation C[8][9][10][注 2]、あるいはニュー・サイレント・ジェネレーション: the new silent generation[注 3]と呼ばれることもある。

Z世代の次の世代をα世代(アルファ世代)と呼び、概ね2010年代以降生まれを指すことがある[11][12]

日本では脱ゆとり世代にあたる。若者研究の第一人者[13]として知られる原田曜平によって、スマホ第一世代を「Z世代」と紹介され[14]、徐々にマスメディアマーケティング業界を中心に呼称が浸透し、2021年には、ユーキャン新語・流行語大賞トップ10に選出された。

特徴

ミレニアル世代(Y世代)よりもさらに周囲のIT環境が進展しており、幼少期から“デジタルデバイス(機器)やインターネットSNSを含むソーシャルメディアの存在を前提とした生活”をしているデジタルネイティブネットネイティブ、あるいはソーシャルネイティブ)世代である[15]。生まれた時からインターネットに接続するための基本的な端末であるパソコン携帯電話が既に存在しており、インターネットを利用し始めた頃にはADSLCATVなどブロードバンドによる常時接続環境、SNSを含むWeb 2.0、さらにスマートフォンが普及し、個人の情報発信が身近となっていた[4][5]

2020年に始まった新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックの影響で、義務教育高等教育の両方で、全社会的に実施された遠隔教育(オンライン授業)を受ける最初の世代となった[16]

2020年時点で世界人口の約3分の1を占めており[17] 「日本では Z世代の約5割が「子どもがほしくない」と回答しており少子化傾向が続くとみられる」などという見方もあるが、このアンケートはBIGLOBEが2日間で総人数500人を対象にインターネットで行ったものであり、全体を象徴するものではない[18]

Z世代の多くは、幼少期からリーマンショックやコロナ禍による不況を経験している。そのため、企業に対する期待感が低い傾向にある。企業への期待感がないため、ひとつの企業に対する執着がない傾向がある。そのため他世代と比べ、短期間で離職する傾向があったり、副業への抵抗感が薄いとされる。[19]

ジェネレーション・レフト

欧米ではミレニアル世代と合わせてジェネレーション・レフト(左派世代)と呼ばれる経済格差や気候変動、ジェンダー問題、ポリティカル・コレクトネスブラック・ライヴズ・マターヴィーガンなど左派的活動を行う者が目立つ[20]。旧ソ連型の体制を知らないミレニアルやZの若い世代は社会主義に負のイメージがなく、資本主義体制に失望するほど左派に傾倒。世論調査会社ユーガブの19年の調査によると「社会主義の候補者に投票するか」との問いにZ世代の64%、ミレニアル世代の70%が「投票の可能性が高い」と答えた。16年の大統領選の民主党候補者選びでは民主社会主義バーニー・サンダース旋風に一役買った。2022年現在の日本では同世代(ミレニアル世代・Z世代)が左派的活動をしていることは少ないが、左派系知識人やマスメディアを中心に「Z世代」という言葉を日本にも広めて欧米のジェネレーションレフトを賞賛し、同じように日本の同世代が「目覚める」ことを期待して日本でのジェネレーションレフトを増やそうとする意図が存在する[21][22][23][24]

日本におけるZ世代

特徴

日本においても明確な定義は定まっていないが、欧米におけるZ世代の一般的な定義と同様の1997年から2012年生まれを指す場合が多い[注 4]

祖父母が1930年代半ば生まれから1950年代生まれ(焼け跡世代からしらけ世代)、両親が1960年代半ばから1980年代前半生まれ(バブル世代から就職氷河期世代)というケースが多い。

Y2Kファッションやルーズソックスなど、親世代の流行をリバイバルさせることもある[25]

2017年頃からの(第3次・第4次)韓流ブーム(韓国ドラマK-POPなど)はZ世代が牽引しているとの指摘もある[26][27]

コロナ世代

2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって人生の転換期に何らかの影響を受けている子供や若者を『コロナ世代』という場合がある[28]。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の位置づけが第2類であった2020年度から2022年度(2020年4月から2023年3月)に初等教育及び中等教育を受けていた2002年4月2日生まれから2016年4月1日生まれが該当するとされている[29]

ロックダウン世代

教育や就職の機会を失ったことで、その後の労働市場において不利益を受ける可能性がある世代を『ロックダウン世代』と呼称する場合がある[30]

2020年4月 - 5月に実施された学校の一斉休校により教育格差が深刻な問題になったとされており、オンライン授業や休校の解除時期の全国不統一により学習進度に差が出ていることも指摘されている[28]。過去に高校1年(15歳)が受けたテスト『OECD生徒の学習到達度調査』(PISA2018)で学力が過去最低だったこともあり、長期に渡る休校により学業への影響のほか、運動不足や食育への影響なども指摘されている[31]。さらに学習機会の喪失により、生涯賃金に影響が出るとの指摘がある[32]

リクルート進学総研が全国の高校生を対象に意識調査を行い、自分たちの世代の名前を自由に記述してもらったところ、「コロナ世代」とまとめられる回答が10.7%で最も多かった[33]

「Z世代」という表現に対する否定的意見

  • 『デジタルネイティブでジェネレーションレフトである』などといったような、マスメディアにより伝言ゲーム式に伝聞されるステレオタイプのZ世代像が、次第に当事者のリアルから乖離した虚像を創造し、実際のZ世代を戸惑わせることや、矛盾した調査結果をもたらす事がある[34][35]。これまでに世間のイメージを反証した事例には、以下のようなものがある。
Z世代はタイパ(タイムパフォーマンス)主義である』…原田曜平による2022年の調査では、Z世代当事者たちが新型コロナウイルスにより疎遠となった友人との親睦をじっくりと再構築しようとする例が見られている[36]
Z世代はSDGsなど、環境意識が高い』…ニッセイ基礎研究所による20 - 74歳の約2500人への調査では、「サステナビリティーを意識して生活している消費者」に該当する27.7%の全世代のうち、最も環境意識が高かったのは50歳代であり、20歳代では2割弱であった[37]
Z世代は読書離れしている』…ライターの飯田一史による調査では、小中学生の「1ヶ月の平均読書数」は1990年代後半に過去最低に落ち込み、不読率は過去最高を記録したが、2000年代にはいずれもV次回復へと覆り、2022年の小中学生の平均読書冊数は過去最多を記録している。また、高校生も1960年代よりほぼ横ばいであり、少なくとも『読書離れ』とは言い難い結果であった[38]
  • お笑いタレントカズレーザーは「Z世代」という言葉は年配者が作った言葉であり、Z世代という表現そのものが今時の価値観ではないと提唱している[35]。自分自身をZ世代と称する2000年代生まれの人物より相談があり「老害が多すぎて嫌になる」という相談に対し、「Z世代とかY世代って上の(世代の)人(たち)が勝手に作った枠組みなんですよ……今の価値観にアップデートしたいんだったらこういう言葉は使わないほうがいいですよ、古臭く見られます……絶対“Z世代”なんてダサい言葉使わないでください。昭和だと思われます」と発言し、多くの称賛の声が挙がった[35]
  • 独身文化の研究者の荒川和久は「Z世代に限らず、大体において、世代論のいい加減なところは、前の世代との違いを出すために、「そういう面もあるよね」という一部の特徴をさも全体の特徴であるかのように誤認させる定義をしているところだ。それこそ、新入社員を「○○型人間」と長らく規定してきたかつてのおっさん連中のやりかたそのもの。」「Z世代なんて言葉は別にこの世からなくなっても誰も困らないだろう。世代論なんてもので小銭を稼ごうとしている一部の界隈の人間を除いては。」と述べている。ジェネレーション・レフト論についても、いつの時代も若者はリベラルとされている、ウクライナ侵攻のシンボルとなった「Z」は政治的に正しくないとして禁止しないのかとリベラル派を皮肉った[34]
  • ライター竹田ダニエルは著書『世界と私のA to Z』において、「多様な価値観が存在することこそが「Z世代らしさ」であるにもかかわらず、「Z世代を代表する意見」というものを欲しがるのは、あまりにも矛盾しすぎている。私はそもそも「Z世代」というのは生まれた年月で区切られるものではなく、「社会に対して目を向け、常に自分と向き合い、誰もがより良い社会を目指すべきだという“価値観”」で形成される「選択可能」なものなのではないかと考えている。」として大人の求めるZ世代像への違和感を次のように述べている[39]
  • 俗流若者論を批判してきた評論家後藤和智は、日本において、右からは「左派は若者の敵」、左からは「若者は左派の敵」と見なす文化が勃興した結果、若者がリベラル的なことを言うことが憚られるようになり、リベラルな若い世代が「いないことにされている」との認識を示し、さらに、自民党衆議院議員の大空幸星が左右の求める「若者」ないし「Z世代」像に合致していることを指摘し、「いまや『Z世代』は様々な差別意識を入れて、右派は左派、左派は若年層を差別するための概念に堕しています。」と左右双方の論客のZ世代像について批判している[40]


脚注

注釈

  1. ^ ミレニアル (millennial) はミレニアム (millennium) の形容詞で「千年紀の」という意味。
  2. ^ computer コンピューター connected接続)、community共同体)などの頭文字から取られたデジタルネイティブ世代にも通じる概念で、Z世代などのように生まれた年で区切る厳密な定義はないが、一般的には1980年代に生まれたミレニアル世代(Y世代)も含まれるケースが多い[8]
  3. ^ ウィリアム・シュトラウスとニール・ハウの共著『世代』 (1991) において、1990年代以降に生まれる世代の名称として提案された。同著ではアメリカにおける世代の周期性から、この頃に「サイレント世代」が復活すると予測している。なお、かつてのサイレント・ジェネレーション(英: Silent Generation)は、ベビーブーマーX世代の親世代に当たる1928年 - 1945年頃に生まれた世代で、後の騒々しいブーマー世代との対比により「サイレント・ジェネレーション」(沈黙の世代)と呼ばれた。
  4. ^ 日本の学年年齢方式で例えると1997年4月2日生まれから2013年4月1日生まれまでと考える事も可能である。

出典

  1. ^ “Stress in America: Generation Z” (英語) (PDF). American Psychological Association. (2018年10月). https://www.apa.org/news/press/releases/stress/2018/stress-gen-z.pdf 2023年5月2日閲覧。 
  2. ^ Neil Howe and Bill Strauss (July–August 2007). “The Next 20 Years: How Customer and Workforce Attitudes Will Evolve” (英語). Harvard University. https://hbr.org/2007/07/the-next-20-years-how-customer-and-workforce-attitudes-will-evolve 2015年12月10日閲覧。 
  3. ^ Z世代という言葉を聞いたことがあるでしょうか”. 廣瀨涼(株式会社ニッセイ基礎研究所研究部研究員) (2021年7月1日). 2023年5月11日閲覧。
  4. ^ a b c “ミレニアル世代 vs Z世代:押さえておくべき4つの違いと特徴”. Criteo. (2018年8月14日). https://www.criteo.com/jp/insights/%E3%83%9F%E3%83%AC%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AB%E4%B8%96%E4%BB%A3-vs-z%E4%B8%96%E4%BB%A3/ 
  5. ^ a b c “スマホは銃より強し 背後に迫るZ世代 ミレニアルの憂鬱(5)”. 日本経済新聞. (2019年5月6日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44463020X00C19A5000000/ 
  6. ^ “米国に「iGen(スマホ世代)」が登場 1995~2012年生まれ、精神的不健康が特徴”. J-CASTニュース. (2017年9月22日). https://www.j-cast.com/2017/09/22308988.html?p=all 
  7. ^ 北米ティーンの英語スラング&トレンドワード64選 S~Z編【2023年最新版】」『English Journal Online』ALC PRESS INC.、2023年3月15日。
  8. ^ a b “「C世代」と拓く新世界”. 日本経済新聞. (2012年1月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASM30600P_W2A100C1M10700/ 
  9. ^ “YouTubeの成長を牽引する、“ジェネレーションC”の行動スタイル”. AdverTimes〈アドタイ〉宣伝会議編集部. (2013年4月5日). https://www.advertimes.com/20130405/article106796/ 
  10. ^ “ニールセンのイベントで、 ソーシャルメディア時代に最も影響力の高い『C世代 (ジェネレーション C)』を定義”. All Digital Music. (2010年10月30日). https://jaykogami.com/2010/10/606.html 
  11. ^ Z世代の次『α世代(アルファ世代)』の特徴とは|Z世代との違いやマーケティングのポイントを解説! - TRANS (2023年12月18日)
  12. ^ α(アルファ)世代とは?特徴や年齢層、価値観についてわかりやすく解説 - SHANON (2024年1月11日)
  13. ^ 若者研究の第一人者・原田曜平さんに聞く、Z世代を読み解く2021年最新キーワード(前編)”. 電通プロモーションプラス (2021年4月22日). 2023年5月11日閲覧。
  14. ^ Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?”. 光文社. 2023年4月28日閲覧。
  15. ^ “ミレニアル世代とZ世代の違いとは?”. マイナビニュース. (2021年4月14日). https://news.mynavi.jp/article/20210414-1863589/ 
  16. ^ 「コロナ以降」社会、経済はこうなる! 「白い戦争」WHITE WARSとTrans-COVID/Post-COVID”. JBpress(日本ビジネスプレス) (2020年4月9日). 2020年4月12日閲覧。
  17. ^ Abram Brown (2020年9月27日). “世界人口の3分の1、「Z世代」について知っておくべき事柄”. Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン). 2023年5月2日閲覧。
  18. ^ Z世代の5割「子どもをほしくない」 お金以外の理由の1位は?”. ITmedia ビジネスオンライン. 2023年5月6日閲覧。
  19. ^ Z世代とは?共通する特徴や他世代との違い、仕事に対する考え方について解説”. izul.co.jp. 2023年5月19日閲覧。
  20. ^ Azumi Hasegawa (2022年2月5日). “ジェネレーション・レフトはなぜ生まれたのか。【コトバから考える社会とこれから】”. VOGUE JAPAN. https://www.vogue.co.jp/change/article/words-matter-generation-left 
  21. ^ “「ジェネレーション・レフト」 アメリカで、日本で、若い私たちが政治を変える”. 東京新聞. (2022年2月11日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/157994 
  22. ^ “斎藤幸平氏インタビュー・後編 海外で広がるジェネレーション・レフト―日本での可能性は”. 全国保険医新聞. (2021年12月5日). https://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/211205_itv_saito1.html 
  23. ^ “時に「対立」辞さず行動 ジェネレーション・レフト、強まる胎動”. 毎日新聞. (2022年7月2日). https://mainichi.jp/articles/20220702/k00/00m/040/092000c 
  24. ^ “欧米と逆行? なぜ日本の若者は選挙に行かず「左傾化」もしないのか”. 集英社. (2022年7月7日). https://shueisha.online/culture/30403 
  25. ^ 女子高生に「ルーズソックス」再燃 全盛だった母親世代の影響も - NEWSポストセブン (2021年10月3日)
  26. ^ 磯部孝 (2023年5月10日). “Z世代の若者たちが韓国ファッションに魅了される理由…日本のブランドとの「決定的な違い」”. マネー現代. 株式会社講談社. 2025年4月27日閲覧。
  27. ^ 原田曜平 (2023年6月10日). “「K-POPアイドルになりたい」と新大久保に殺到する…日本で「Z世代の韓国化」が止まらない"これだけの理由" 「韓国=カワイイ」が若者の一般常識になっている”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン). 2025年4月27日閲覧。
  28. ^ a b 今後コロナ世代はどんな影響を受けるのか? 特徴も含めて解説します(マーキャリメディア 2020年5月11日)
  29. ^ Z世代の特徴とは|ミレニアル世代との違いや働き方や価値観をわかりやすく解説 - d’s JOURNAL (2022年3月29日)
  30. ^ 用語集:ロックダウン世代とは - 新卒採用.jp
  31. ^ 【医師監修】「コロナ世代」と呼ばれる子供たち。将来の健康二次被害は!?(みやま市工藤内科ブログ 2020年4月30日)
  32. ^ コロナ世代の子供たちが負う「2カ月休校で生涯賃金300万円減」の枷(PRESIDENT Online, 2020年4月22日)
  33. ^ 自分たちは「コロナ世代」 弱みは対面の会話 高校生意識調査:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年12月7日). 2023年3月6日閲覧。
  34. ^ a b 荒川和久 (2022年5月28日). “世代論を唱えるのは常におっさん。小さな全体主義の罠に気を付けよう。”. 日経COMEMO. 2023年5月2日閲覧。
  35. ^ a b c カズレーザー、2000年代生まれZ世代からの「老害が多すぎて嫌」相談に神回答 「秀逸」「さすが」の声”. スポニチ Sponichi Annex (2022年9月12日). 2022年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月17日閲覧。
  36. ^ 「若者がタイパ主義とは思えない」Z世代研究の第一人者・原田曜平氏が断言の訳”. 濱口翔太郎(ダイヤモンド社) (2023年2月10日). 2023年7月15日閲覧。
  37. ^ 誤解はなぜ生まれた?「地球にやさしい」では買わない? Z世代の環境意識と消費行動にギャップ”. アイティメディア株式会社 (2023年1月19日). 2023年7月15日閲覧。
  38. ^ 世古紘子 (2023年7月15日). “若者は本を読んでます”. 中日新聞(朝刊): p. 14頁 
  39. ^ 中森りほ (2022年12月6日). “「Z世代は価値観であって世代ではない」25歳アメリカ在住ライター・竹田ダニエルが大人に知ってほしいこと”. LIFE INSIDER. 2024年1月17日閲覧。
  40. ^ 【ツイート転載】左派から若者を引き離す/若者から左派を引き離すものは誰か:檜田相一「日本の社会運動はなぜ老人ばかりなのか」への疑問(2024.11.01)”. 後藤和智@テキストマイニングとか (2024年11月1日). 2025年3月13日閲覧。

関連項目

  • デジタルネイティブ(96世代)
  • 脱ゆとり世代(Z世代と同世代とされることがある。ただし、脱ゆとり教育をすべての学年で受けた年代は移行措置を含めても2002年度(平成14年度)生まれ〈2002年4月2日生まれ〜〉以降となる)
  • ミレニアムベビー
  • 新世紀ベビー
  • ON THE PLANET - ニューヨーク 在住の女性ジャーナリストのシェリーめぐみが「NY Future Lab ミレニアル・Z世代研究所」というコーナーで「これからの時代の主役となる『Z世代』と『ミレニアル世代』にフォーカスする」と「Z世代評論家 シェリーめぐみ」としてインタビュー形式でニューヨーク在住の都市部の若年富裕リベラル層(ジェネレーションレフト)の主張や状況を伝えていた。なお同コーナーはInterFM897で放送中のラジオ番組「Sensor -NightOut in TOKYO」の番組コーナーとして存続している。
  • AKIRA -1980年代の作品だが、舞台は2019年である。主人公をはじめとする不良少年たちの生い立ちや行動様式は現実のZ世代(特にトー横キッズ)と共通する点が多く存在する。
先代
ミレニアルズ
(Y世代)
世代の名称
Z世代
次代
α世代


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Z世代」の関連用語

1
ジェネレーションZ デジタル大辞泉
94% |||||

2
iジェン デジタル大辞泉
36% |||||




Z世代のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Z世代のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
Copyright © 2025実用日本語表現辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日本の人事部日本の人事部
Copyright © 2004- 2025 i.Q. Co., Ltd. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのZ世代 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS