Z世代
英語:Generation Z
Z世代とは、一般的に1995年から2010年生まれの世代を指す言葉である。この世代は、インターネットやスマートフォンの普及により、情報技術の発展に伴うデジタル環境に慣れ親しんで育ったことから、デジタルネイティブとも呼ばれる。Z世代は、先行するミレニアル世代(1980年代から1990年代生まれ)と比較して、より自己表現や個性を重視し、多様性や包摂性を尊重する傾向がある。
また、Z世代は、環境問題や社会問題に対する意識が高く、企業や政府に対して持続可能な取り組みや倫理的な行動を求めることが多い。この世代は、SNSを活用したコミュニケーションが主流であり、インフルエンサーやYouTuberなどの新しい職業も登場している。
Z世代は、働き方や価値観の変化に伴い、従来の組織や制度に対して柔軟な考え方を持ち、新しい働き方やライフスタイルを模索することが特徴である。この世代は、自己実現や人間関係の充実を重視し、仕事とプライベートのバランスを大切にする傾向がある。
教育面では、Z世代は、オンライン教育や自己学習を活用し、自分に合った学び方を追求することが多い。また、グローバル化が進む中で、異文化理解や多言語能力を身につけることにも積極的である。
Z世代は、これまでの世代とは異なる価値観や働き方を持ち、社会や経済の変化に対応している。今後、彼らが成長し、社会の主役となることで、新たな価値観や働き方が広がり、社会全体の変革が期待される。
Z世代
「Z世代」とは、一般的に1990年半ばから2010年代生まれの世代を意味する表現。
「Z世代」とは・「Z世代」の意味
「Z世代」とは、ジェネレーションZ(the generation Z)とも言い、世代を分類する言葉のひとつで、アメリカ合衆国を始めとする世界各国において概ね1990年半ばから2000年代後半、または2010年代の前半までに生まれた世代を指す。日本では1990年代からインターネットが普及し始め、インターネットの世帯普及率は1997年時点で9.2%だったが2002年時点では54.5%と急拡大している。つまり、「Z世代」は、生まれながらにしてインターネットが利用可能であったという意味で、デジタルネイティブである初の世代ということになる。「Z世代」は、アメリカ合衆国における世代の呼び方に由来する。年代の区切りには諸説あるが、アメリカ合衆国では1960年代の半ば~1980年頃に生まれた世代を「ジェネレーションX(X世代)」と呼んでいた。アルファベット順でXの次がYであることから、この後の1980年頃~1900年代半ば生まれの世代を「ジェネレーションY(Y世代)」、さらにその次の世代という意味で「ジェネレーションZ(Z世代)」と呼ぶ。Α世代とは「Z世代」の次の世代のことで、新しい時代の始まりをイメージした世代名として「α(アルファ)世代」「ジェネレーションα(アルファ)」という。
「Z世代」は、カナダ統計局の場合には1993年生まれ以降、アメリカ心理学会の場合には1997年生まれ以降を指すなど明確な定義はないが、日本では1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災後から2011年(平成23年)の東日本大震災までに生まれた世代に該当する。
「Z世代」の類語には、スマートフォンを日常的に使いこなしていることから「スマホ世代」「iGen」「iジェネレーション」、ビデオ通話サービスであるZoomを使うことが多いため「Zoomers(ズーマーズ)」、ミレニアム世代の次の世代という意味で「ポストミレニアル世代」などがある。
2022年に行われたアメリカ合衆国の中間選挙ではフロリダ州10区より25歳のマックスウェル・フロストが当選し、連邦議会へ出馬できる最低年齢である25歳での当選となり、アメリカ史上初のZ世代議員が誕生している。
「Z世代」に該当する世代は、SNSに親しんできたことから情報の収集もSNSで行い、情報発信にも長けているため多くのインフルエンサーが誕生している。性や人種などの多様性の許容、環境問題などの社会問題に対する関心の高さなどが「Z世代」の特徴としてあげられる。また、自己実現欲求が強いともいわれている。
「Z世代」の読み方
「Z世代」は「ゼットせだい」と読む。「Z世代」の熟語・言い回し
Z世代の前とは
「Z世代」の前の世代は、「X世代」「ジェネレーションX」という。明確な定義はないが、一般的に1960年代半ば~1980年代前半に生まれた世代を指す。「Generation X」という言葉は、ハンガリーの写真家ロバート・キャパのフォトエッセイに由来する。「Generation X」は1950年代に、第二次世界大戦後に成長した若者をテーマにしたフォトエッセイのタイトルであり「未知の世代」という意味であった。その後、カナダの小説家ダグラス・クープランドが1991年頃に出版した「ジェネレーションX -加速された文化のための物語たち」が世界的なベストセラーになったことで「X世代」「ジェネレーションX」という言葉が広まった。
Z世代の次とは
2010年以降に生まれた「Z世代」の次の世代は、「α(アルファ)世代」「ジェネレーションα(アルファ)」という。「α(アルファ)世代」は、オーストラリアの社会学者であるマーク・マクリンドルが2005年に提唱した言葉で、Zはラテン文字の最後にあたることからアルファベットの進行をリセットし、ギリシャ文字の最初に当たる「α(アルファ)」を採用したものである。α世代は、世代の全期間の人が21世紀に生まれた最初の世代ということになる。
Z世代
別表記:ジェネレーションZ
英語:Generation Z
Z世代(ゼットせだい)とは、1990年代半ばから2000年代半ばに生まれた世代を指す語である。「ジェネレーションZ」ともいう。
Z世代の語は、主にマーケティングや評論で用いられる語である。例えば、「Z世代向けの商品」「Z世代の支持を得る」のように用いる。
「Z世代」の語は、英語のGeneration Zの訳語である。ダグラス・クープランドの小説の題名から、アメリカにおいて1960年代半ばから70年代半ばに生まれた世代がGeneration X(X世代)と呼ばれ、その次の世代がGeneration Y(Y世代)と称された。Generation Zは、さらにその後の世代である。アメリカでは、デジタル機器に幼少期から触れていること、また9・11事件を経験しており政治参加意識が高いことなどが特徴とされる。
日本でも、Z世代はデジタル機器に幼いころから触れているいわゆるデジタルネイティブであることが第一の特徴として挙げられる。この他、目線が常に世界を向いている、押し付けでは動かない、周囲を巻き込める、共感や協力を重視するといった特徴があるとされる(「AERA」2018年5月21日号)。
また、株式会社dotなどが運営する「Z世代会議」の調査によれば、Z世代が支持する価値観では「家庭では男女の区別なく家事・育児を分担した方が良い」「自分が気に入れば有名ブランドの商品でなくても良い」「ショッピングは楽しいと思う」などが上位であった。
「Z世代」の上の「Y世代」が「ミレニアル世代」と重なることから、「Z世代」と同じ世代を「ポストミレニアル世代」と称することもある。
なお、消費社会研究家の三浦展は、著書「日本溶解論」(2008年)において、1980年から1992年に生まれた世代を「Z世代」と定義しているが、今日では「Z世代」は1990年代半ばから2000年代半ばに生まれた世代を指すのが一般的となっている。
(執筆:稲川智樹)
Z世代
別表記:ゼット世代、ジェネレーションZ
英語:generation Z
「Z世代」とは、1990年代半ば~2000年代半ばに生まれて、2010~2020年頃に成人した、デジタルネイティブ世代・SNSネイティブ世代、の意味で用いられる言葉である。
Z世代の年齢・Z世代は何歳か
Z世代を具体的な年齢でいえば、2020年代に10歳~30歳となる人々である。2020年代に思春期~新社会人となり、2050年頃に社会のさまざまな責任を負う世代となる。2100年代に存命の人も少なくないと考えられる。「Z世代に含まれる生まれ年の範囲」は、厳密に定義されているわけではなく、境界は曖昧である。おおむね「1990年代半ばから2000年代半ばまで」とする扱いが一般的といえるが、中には「90年代初頭から」または「80年代終盤から」を含めたり、あるいは「2010年頃まで」を含めて「Z世代」としていることもある。
このため、たとえば「90年代初頭に生まれた人」は、Z世代に含まれるかどうか、文脈によって違ってくることになる。
Z世代を厳密に「何年から何年までに生まれた人」と定義することは困難である。「時代」や「世代」の境目というものは曖昧なものだからである。
Z世代の語源、「Z」の意味 (なぜ「Z」なのか、誰が言い出したのか)
「Z世代」は欧米で定着した用語であり、「X世代」という言葉から「Y世代」「Z世代」と踏襲されて命名された言葉である。「X世代(generation X)」は、カナダの小説家ケープランド(Douglas Coupland)が著した小説のタイトルから取られた用語である。
「X世代」の次の世代は「Y世代」と呼ばれるようになった。そして、その次の世代が「Z世代」と呼ばれるようになったわけである。
「X世代」のひとつ前の世代は、戦後ベビーブームに生まれた「ベビーブーマー」である。
ちなみに「X世代」と同様、「団塊の世代」という用語も、小説のタイトルから取られた用語である。
「Z世代」と「ミレニアル世代」の違い
「ミレニアル世代」は、1980年代半ば~90年代半ば頃に生まれた世代を指す語で、ほぼ「Y世代」に合致する。または、「Y世代」の範囲に「ミレニアル世代」が包含される。つまり「Z世代とミレニアル世代の違い」は、ほぼ「Z世代とY世代の違い」と言い換えられる。
「X世代」「Y世代」「Z世代」の特徴・性格
X世代(1960年代~1980年代):テレビが普及し、さまざまな娯楽が登場。前世代(ベビーブーマー)に比べて個人主義的な傾向が強い。大人になってからIT革命というビジネスチャンスを迎えた世代であり、ITベンチャーの創業者を多く輩出した世代。Y世代(1980年代~1990年代):物心がつく頃にはデジタル機器ならびにインターネットが身近な存在となっており、ほぼデジタルネイティブとして成長してきた最初の世代。大量消費を志向する旧来の価値観から離れ、物欲が希薄であると共に、個人主義的な傾向がいっそう顕著。
Z世代(1990年代~2000年代):生まれたときからデジタル機器やインターネット環境に囲まれたデジタルネイティブであり、パーソナルデバイスとしてのスマートフォンとSNS(ソーシャルネットワーク)が常に身近にある世代。ネットやSNSは情報収集にとどまらず、自らが情報発信するツールにもなっている。インターネットに対する警戒心もあり、総じてインターネットリテラシーが高い。
Z世代の次は「α世代」
「Z」はラテン文字のアルファベットにおける最後の字であり、後がない。では「Z世代の次」は何世代と呼ばれるのか。2020年代初頭の時点では、「α世代(アルファ世代)」という呼び名が有力な候補として挙げられている。「α」はギリシア文字アルファベットにおける最初の字である(なお「α」は小文字。大文字は「Α」である)。アルファベットの体系を変えて最初から始めようという魂胆である。
「日本のZ世代」の特徴
「Z世代」という用語は欧米を中心に用いられている語であり、基本的には「欧米における1990年代の半ば~2000年代の半ばに生まれた世代」を対象とする用語である。とはいえ日本やその他の先進国においてもZ世代の特徴はそう大きく違わない。「デジタルネイティブである」「スマホやSNSが常に身近にある」「ネットを通じた情報発信に抵抗がない」といった特徴は、そのまま日本人の同世代にも当てはまる。
日本に固有の「Z世代」の特徴としては、第一に少子高齢化社会に生まれた「社会における総対数の少ない世代」であるという点が挙げられる。また、Y世代と共に「ゆとり教育」を受けた「ゆとり世代」に該当している点も日本のZ世代の特徴といえる。
「Z世代は使えない・仕事ができない」「Z世代は頭おかしい」という風潮について
Z世代は、それまでの世代(X世代やY世代)とはまた違った考え方や価値観を持っている。「世代間ギャップが激しい」と言った方がよいかもしれない。世の中の風潮も変わっている。Z世代が社会人になった時点では、X世代が組織の管理職などの重要な役職に就いている場合が多いといえるが、X世代にとっての常識や通年はZ世代には通用しない・共感されないことも多い。たとえば会社において昇進を望まない、仕事より自分の時間を優先する、旧来のルールに従わない、といった傾向は、それまでの世代より強いかもしれない。これがX世代・Y世代の目に「Z世代は使えない」「Z世代は仕事ができない」「Z世代は頭がおかしい」という風に映るかもしれない。
ただ、このような評価は客観的でも絶対的でもない。時代が進めばZ世代の価値観が標準的となって「振り返ってみればX世代の価値観は最悪だった」と評価されるかもしれない。もちろん、時代が進んで次世代(α世代)以降が台頭した後に「振り返ってみればZ世代は特異な、異質な世代だった」と評価される可能性もある。現時点では誰にもわからない。
ゼット‐せだい【Z世代】
Z世代
Z世代
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英: Generation Z)とは、概ね1997年度から2012年度に生まれた世代を指すことが多いが、アメリカ心理学会は1998年生まれ以降を指すなど[1]、定義は厳密に決められているわけではない[2]。 一方、Z世代という表現や括りについては否定的な意見も存在する(後節の「#「Z世代」という表現に対する否定的意見」を参照)。
(ゼットせだい)、ジェネレーションZ(概要
名称はジェネレーションXから続くものであり(「X世代#語源」を参照)、アメリカにおいてその次世代のポストX世代をアルファベットでXに次ぐ世代として「ジェネレーションY」(一般的にミレニアル世代[注 1]とも呼ばれる)、ジェネレーションYのポスト世代をYの次にあたる「ジェネレーションZ」と称した[3]。
生まれた時点でインターネットが利用可能であったという意味でのデジタルネイティブ世代としては最初の世代となる[4][5]。デジタル機器やインターネットが生まれた時から当たり前のように存在し[4][5]、ウェブを日常風景の一部として感じ取り、利用している世代である。
また、パソコンよりもスマートフォンを日常的に使いこなし、生活の一部となっている「スマホ世代 (iGen)」でもある[6]。さらに、「baby boomer」を揶揄する「Boomer」になぞらえ「Zoomers(ズーマーズ)」とも呼ばれる[7]。成長期にWeb 2.0を当たり前のように享受し、情報発信力に長けているため、当該世代からは数多くのインフルエンサーが登場している。
この他、Z世代と同時期に生まれた若者は、英: Generation C)[8][9][10][注 2]、あるいはニュー・サイレント・ジェネレーション(英: the new silent generation)[注 3]と呼ばれることもある。
(シーせだい)、ジェネレーションC(Z世代の次の世代をα世代(アルファ世代)と呼び、概ね2010年代以降生まれを指すことがある[11][12]。
日本では脱ゆとり世代にあたる。若者研究の第一人者[13]として知られる原田曜平によって、スマホ第一世代を「Z世代」と紹介され[14]、徐々にマスメディア、マーケティング業界を中心に呼称が浸透し、2021年には、ユーキャン新語・流行語大賞トップ10に選出された。
特徴
ミレニアル世代(Y世代)よりもさらに周囲のIT環境が進展しており、幼少期から“デジタルデバイス(機器)やインターネット、SNSを含むソーシャルメディアの存在を前提とした生活”をしているデジタルネイティブ(ネットネイティブ、あるいはソーシャルネイティブ)世代である[15]。生まれた時からインターネットに接続するための基本的な端末であるパソコンや携帯電話が既に存在しており、インターネットを利用し始めた頃にはADSLやCATVなどブロードバンドによる常時接続環境、SNSを含むWeb 2.0、さらにスマートフォンが普及し、個人の情報発信が身近となっていた[4][5]。
2020年に始まった新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックの影響で、義務教育と高等教育の両方で、全社会的に実施された遠隔教育(オンライン授業)を受ける最初の世代となった[16]。
2020年時点で世界人口の約3分の1を占めており[17] 「日本では Z世代の約5割が「子どもがほしくない」と回答しており少子化傾向が続くとみられる」などという見方もあるが、このアンケートはBIGLOBEが2日間で総人数500人を対象にインターネットで行ったものであり、全体を象徴するものではない[18]。
Z世代の多くは、幼少期からリーマンショックやコロナ禍による不況を経験している。そのため、企業に対する期待感が低い傾向にある。企業への期待感がないため、ひとつの企業に対する執着がない傾向がある。そのため他世代と比べ、短期間で離職する傾向があったり、副業への抵抗感が薄いとされる。[19]
ジェネレーション・レフト
欧米ではミレニアル世代と合わせてジェネレーション・レフト(左派世代)と呼ばれる経済格差や気候変動、ジェンダー問題、ポリティカル・コレクトネス、ブラック・ライヴズ・マター、ヴィーガンなど左派的活動を行う者が目立つ[20]。旧ソ連型の体制を知らないミレニアルやZの若い世代は社会主義に負のイメージがなく、資本主義体制に失望するほど左派に傾倒。世論調査会社ユーガブの19年の調査によると「社会主義の候補者に投票するか」との問いにZ世代の64%、ミレニアル世代の70%が「投票の可能性が高い」と答えた。16年の大統領選の民主党候補者選びでは民主社会主義者バーニー・サンダース旋風に一役買った。2022年現在の日本では同世代(ミレニアル世代・Z世代)が左派的活動をしていることは少ないが、左派系知識人やマスメディアを中心に「Z世代」という言葉を日本にも広めて欧米のジェネレーションレフトを賞賛し、同じように日本の同世代が「目覚める」ことを期待して日本でのジェネレーションレフトを増やそうとする意図が存在する[21][22][23][24]。
日本におけるZ世代
特徴
日本においても明確な定義は定まっていないが、欧米におけるZ世代の一般的な定義と同様の1997年から2012年生まれを指す場合が多い[注 4]。
祖父母が1930年代半ば生まれから1950年代生まれ(焼け跡世代からしらけ世代)、両親が1960年代半ばから1980年代前半生まれ(バブル世代から就職氷河期世代)というケースが多い。
Y2Kファッションやルーズソックスなど、親世代の流行をリバイバルさせることもある[25]。
2017年頃からの(第3次・第4次)韓流ブーム(韓国ドラマやK-POPなど)はZ世代が牽引しているとの指摘もある[26][27]。
コロナ世代
2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって人生の転換期に何らかの影響を受けている子供や若者を『コロナ世代』という場合がある[28]。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の位置づけが第2類であった2020年度から2022年度(2020年4月から2023年3月)に初等教育及び中等教育を受けていた2002年4月2日生まれから2016年4月1日生まれが該当するとされている[29]。
ロックダウン世代
教育や就職の機会を失ったことで、その後の労働市場において不利益を受ける可能性がある世代を『ロックダウン世代』と呼称する場合がある[30]。
2020年4月 - 5月に実施された学校の一斉休校により教育格差が深刻な問題になったとされており、オンライン授業や休校の解除時期の全国不統一により学習進度に差が出ていることも指摘されている[28]。過去に高校1年(15歳)が受けたテスト『OECD生徒の学習到達度調査』(PISA2018)で学力が過去最低だったこともあり、長期に渡る休校により学業への影響のほか、運動不足や食育への影響なども指摘されている[31]。さらに学習機会の喪失により、生涯賃金に影響が出るとの指摘がある[32]。
リクルート進学総研が全国の高校生を対象に意識調査を行い、自分たちの世代の名前を自由に記述してもらったところ、「コロナ世代」とまとめられる回答が10.7%で最も多かった[33]。
「Z世代」という表現に対する否定的意見
- 『デジタルネイティブでジェネレーションレフトである』などといったような、マスメディアにより伝言ゲーム式に伝聞されるステレオタイプのZ世代像が、次第に当事者のリアルから乖離した虚像を創造し、実際のZ世代を戸惑わせることや、矛盾した調査結果をもたらす事がある[34][35]。これまでに世間のイメージを反証した事例には、以下のようなものがある。
- 『Z世代はタイパ(タイムパフォーマンス)主義である』…原田曜平による2022年の調査では、Z世代当事者たちが新型コロナウイルスにより疎遠となった友人との親睦をじっくりと再構築しようとする例が見られている[36]。
- 『Z世代はSDGsなど、環境意識が高い』…ニッセイ基礎研究所による20 - 74歳の約2500人への調査では、「サステナビリティーを意識して生活している消費者」に該当する27.7%の全世代のうち、最も環境意識が高かったのは50歳代であり、20歳代では2割弱であった[37]。
- 『Z世代は読書離れしている』…ライターの飯田一史による調査では、小中学生の「1ヶ月の平均読書数」は1990年代後半に過去最低に落ち込み、不読率は過去最高を記録したが、2000年代にはいずれもV次回復へと覆り、2022年の小中学生の平均読書冊数は過去最多を記録している。また、高校生も1960年代よりほぼ横ばいであり、少なくとも『読書離れ』とは言い難い結果であった[38]。
- お笑いタレントのカズレーザーは「Z世代」という言葉は年配者が作った言葉であり、Z世代という表現そのものが今時の価値観ではないと提唱している[35]。自分自身をZ世代と称する2000年代生まれの人物より相談があり「老害が多すぎて嫌になる」という相談に対し、「Z世代とかY世代って上の(世代の)人(たち)が勝手に作った枠組みなんですよ……今の価値観にアップデートしたいんだったらこういう言葉は使わないほうがいいですよ、古臭く見られます……絶対“Z世代”なんてダサい言葉使わないでください。昭和だと思われます」と発言し、多くの称賛の声が挙がった[35]。
- 独身文化の研究者の荒川和久は「Z世代に限らず、大体において、世代論のいい加減なところは、前の世代との違いを出すために、「そういう面もあるよね」という一部の特徴をさも全体の特徴であるかのように誤認させる定義をしているところだ。それこそ、新入社員を「○○型人間」と長らく規定してきたかつてのおっさん連中のやりかたそのもの。」「Z世代なんて言葉は別にこの世からなくなっても誰も困らないだろう。世代論なんてもので小銭を稼ごうとしている一部の界隈の人間を除いては。」と述べている。ジェネレーション・レフト論についても、いつの時代も若者はリベラルとされている、ウクライナ侵攻のシンボルとなった「Z」は政治的に正しくないとして禁止しないのかとリベラル派を皮肉った[34]。
- ライターの竹田ダニエルは著書『世界と私のA to Z』において、「多様な価値観が存在することこそが「Z世代らしさ」であるにもかかわらず、「Z世代を代表する意見」というものを欲しがるのは、あまりにも矛盾しすぎている。私はそもそも「Z世代」というのは生まれた年月で区切られるものではなく、「社会に対して目を向け、常に自分と向き合い、誰もがより良い社会を目指すべきだという“価値観”」で形成される「選択可能」なものなのではないかと考えている。」として大人の求めるZ世代像への違和感を次のように述べている[39]。
- 俗流若者論を批判してきた評論家の後藤和智は、日本において、右からは「左派は若者の敵」、左からは「若者は左派の敵」と見なす文化が勃興した結果、若者がリベラル的なことを言うことが憚られるようになり、リベラルな若い世代が「いないことにされている」との認識を示し、さらに、自民党衆議院議員の大空幸星が左右の求める「若者」ないし「Z世代」像に合致していることを指摘し、「いまや『Z世代』は様々な差別意識を入れて、右派は左派、左派は若年層を差別するための概念に堕しています。」と左右双方の論客のZ世代像について批判している[40]。
-
世界の人口ピラミッド(2018年)
-
日本の人口ピラミッド(2019年)
脚注
注釈
- ^ ミレニアル (millennial) はミレニアム (millennium) の形容詞で「千年紀の」という意味。
- ^ computer コンピューター、 connected(接続)、community(共同体)などの頭文字から取られたデジタルネイティブ世代にも通じる概念で、Z世代などのように生まれた年で区切る厳密な定義はないが、一般的には1980年代に生まれたミレニアル世代(Y世代)も含まれるケースが多い[8]。
- ^ ウィリアム・シュトラウスとニール・ハウの共著『世代』 (1991) において、1990年代以降に生まれる世代の名称として提案された。同著ではアメリカにおける世代の周期性から、この頃に「サイレント世代」が復活すると予測している。なお、かつてのサイレント・ジェネレーション(英: Silent Generation)は、ベビーブーマーやX世代の親世代に当たる1928年 - 1945年頃に生まれた世代で、後の騒々しいブーマー世代との対比により「サイレント・ジェネレーション」(沈黙の世代)と呼ばれた。
- ^ 日本の学年年齢方式で例えると1997年4月2日生まれから2013年4月1日生まれまでと考える事も可能である。
出典
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- ^ “「若者がタイパ主義とは思えない」Z世代研究の第一人者・原田曜平氏が断言の訳”. 濱口翔太郎(ダイヤモンド社) (2023年2月10日). 2023年7月15日閲覧。
- ^ “誤解はなぜ生まれた?「地球にやさしい」では買わない? Z世代の環境意識と消費行動にギャップ”. アイティメディア株式会社 (2023年1月19日). 2023年7月15日閲覧。
- ^ 世古紘子 (2023年7月15日). “若者は本を読んでます”. 中日新聞(朝刊): p. 14頁
- ^ 中森りほ (2022年12月6日). “「Z世代は価値観であって世代ではない」25歳アメリカ在住ライター・竹田ダニエルが大人に知ってほしいこと”. LIFE INSIDER. 2024年1月17日閲覧。
- ^ “【ツイート転載】左派から若者を引き離す/若者から左派を引き離すものは誰か:檜田相一「日本の社会運動はなぜ老人ばかりなのか」への疑問(2024.11.01)”. 後藤和智@テキストマイニングとか (2024年11月1日). 2025年3月13日閲覧。
関連項目
- デジタルネイティブ(96世代)
- 脱ゆとり世代(Z世代と同世代とされることがある。ただし、脱ゆとり教育をすべての学年で受けた年代は移行措置を含めても2002年度(平成14年度)生まれ〈2002年4月2日生まれ〜〉以降となる)
- ミレニアムベビー
- 新世紀ベビー
- ON THE PLANET - ニューヨーク 在住の女性ジャーナリストのシェリーめぐみが「NY Future Lab ミレニアル・Z世代研究所」というコーナーで「これからの時代の主役となる『Z世代』と『ミレニアル世代』にフォーカスする」と「Z世代評論家 シェリーめぐみ」としてインタビュー形式でニューヨーク在住の都市部の若年富裕リベラル層(ジェネレーションレフト)の主張や状況を伝えていた。なお同コーナーはInterFM897で放送中のラジオ番組「Sensor -NightOut in TOKYO」の番組コーナーとして存続している。
- AKIRA -1980年代の作品だが、舞台は2019年である。主人公をはじめとする不良少年たちの生い立ちや行動様式は現実のZ世代(特にトー横キッズ)と共通する点が多く存在する。
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