Z世代
別表記:ゼット世代、ジェネレーションZ
英語:generation Z
「Z世代」とは、1990年代半ば~2000年代半ばに生まれて、2010~2020年頃に成人した、デジタルネイティブ世代・SNSネイティブ世代、の意味で用いられる言葉である。
Z世代の年齢・Z世代は何歳か
Z世代を具体的な年齢でいえば、2020年代に10歳~30歳となる人々である。2020年代に思春期~新社会人となり、2050年頃に社会のさまざまな責任を負う世代となる。2100年代に存命の人も少なくないと考えられる。「Z世代に含まれる生まれ年の範囲」は、厳密に定義されているわけではなく、境界は曖昧である。おおむね「1990年代半ばから2000年代半ばまで」とする扱いが一般的といえるが、中には「90年代初頭から」または「80年代終盤から」を含めたり、あるいは「2010年頃まで」を含めて「Z世代」としていることもある。
このため、たとえば「90年代初頭に生まれた人」は、Z世代に含まれるかどうか、文脈によって違ってくることになる。
Z世代を厳密に「何年から何年までに生まれた人」と定義することは困難である。「時代」や「世代」の境目というものは曖昧なものだからである。
Z世代の語源、「Z」の意味 (なぜ「Z」なのか、誰が言い出したのか)
「Z世代」は欧米で定着した用語であり、「X世代」という言葉から「Y世代」「Z世代」と踏襲されて命名された言葉である。「X世代(generation X)」は、カナダの小説家ケープランド(Douglas Coupland)が著した小説のタイトルから取られた用語である。
「X世代」の次の世代は「Y世代」と呼ばれるようになった。そして、その次の世代が「Z世代」と呼ばれるようになったわけである。
「X世代」のひとつ前の世代は、戦後ベビーブームに生まれた「ベビーブーマー」である。
ちなみに「X世代」と同様、「団塊の世代」という用語も、小説のタイトルから取られた用語である。
「Z世代」と「ミレニアル世代」の違い
「ミレニアル世代」は、1980年代半ば~90年代半ば頃に生まれた世代を指す語で、ほぼ「Y世代」に合致する。または、「Y世代」の範囲に「ミレニアル世代」が包含される。つまり「Z世代とミレニアル世代の違い」は、ほぼ「Z世代とY世代の違い」と言い換えられる。
「X世代」「Y世代」「Z世代」の特徴・性格
X世代(1960年代~1980年代):テレビが普及し、さまざまな娯楽が登場。前世代(ベビーブーマー)に比べて個人主義的な傾向が強い。大人になってからIT革命というビジネスチャンスを迎えた世代であり、ITベンチャーの創業者を多く輩出した世代。Y世代(1980年代~1990年代):物心がつく頃にはデジタル機器ならびにインターネットが身近な存在となっており、ほぼデジタルネイティブとして成長してきた最初の世代。大量消費を志向する旧来の価値観から離れ、物欲が希薄であると共に、個人主義的な傾向がいっそう顕著。
Z世代(1990年代~2000年代):生まれたときからデジタル機器やインターネット環境に囲まれたデジタルネイティブであり、パーソナルデバイスとしてのスマートフォンとSNS(ソーシャルネットワーク)が常に身近にある世代。ネットやSNSは情報収集にとどまらず、自らが情報発信するツールにもなっている。インターネットに対する警戒心もあり、総じてインターネットリテラシーが高い。
Z世代の次は「α世代」
「Z」はラテン文字のアルファベットにおける最後の字であり、後がない。では「Z世代の次」は何世代と呼ばれるのか。2020年代初頭の時点では、「α世代(アルファ世代)」という呼び名が有力な候補として挙げられている。「α」はギリシア文字アルファベットにおける最初の字である(なお「α」は小文字。大文字は「Α」である)。アルファベットの体系を変えて最初から始めようという魂胆である。
「日本のZ世代」の特徴
「Z世代」という用語は欧米を中心に用いられている語であり、基本的には「欧米における1990年代の半ば~2000年代の半ばに生まれた世代」を対象とする用語である。とはいえ日本やその他の先進国においてもZ世代の特徴はそう大きく違わない。「デジタルネイティブである」「スマホやSNSが常に身近にある」「ネットを通じた情報発信に抵抗がない」といった特徴は、そのまま日本人の同世代にも当てはまる。
日本に固有の「Z世代」の特徴としては、第一に少子高齢化社会に生まれた「社会における総対数の少ない世代」であるという点が挙げられる。また、Y世代と共に「ゆとり教育」を受けた「ゆとり世代」に該当している点も日本のZ世代の特徴といえる。
「Z世代は使えない・仕事ができない」「Z世代は頭おかしい」という風潮について
Z世代は、それまでの世代(X世代やY世代)とはまた違った考え方や価値観を持っている。「世代間ギャップが激しい」と言った方がよいかもしれない。世の中の風潮も変わっている。Z世代が社会人になった時点では、X世代が組織の管理職などの重要な役職に就いている場合が多いといえるが、X世代にとっての常識や通年はZ世代には通用しない・共感されないことも多い。たとえば会社において昇進を望まない、仕事より自分の時間を優先する、旧来のルールに従わない、といった傾向は、それまでの世代より強いかもしれない。これがX世代・Y世代の目に「Z世代は使えない」「Z世代は仕事ができない」「Z世代は頭がおかしい」という風に映るかもしれない。
ただ、このような評価は客観的でも絶対的でもない。時代が進めばZ世代の価値観が標準的となって「振り返ってみればX世代の価値観は最悪だった」と評価されるかもしれない。もちろん、時代が進んで次世代(α世代)以降が台頭した後に「振り返ってみればZ世代は特異な、異質な世代だった」と評価される可能性もある。現時点では誰にもわからない。
ゼット‐せだい【Z世代】
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