戦騎装
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「エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜」の記事における「戦騎装」の解説
戦闘用騎乗型巨大装備。通略が【戦騎装】となる。米国では、Huge Battle Suit Equipment が正式規格名で【BS】と呼ばれる。(作戦略号である【BS】もここから来ている)。2015 - 2016年、バース7大敗を契機に人類の劣勢が始まる。事実上の航空戦力の無力化も相まって、人類はマリスに対応できる兵器規格の必要に迫られる。多局面に対応でき、かつ多様性に富んだ作戦行動を可能にする戦術陸上兵器の形が模索され、現在の【巨大人型兵器】へと帰結していく。2015年にプロジェクトが本格化し、2017年に記念すべきファーストシーズン機体が随時、ロールアウトされていく。戦騎装開発はUN各国間の技術協力で開発が推し進められ、2022にセカンドシーズンが生まれるに至る。戦騎装開発にはネイバーの存在が大きく影響しており、セカンドシーズンが生まれるまでの2017 - 2022は、現代兵器水準が20年以上進歩したと専門家は言う。2030年にサードシーズン。2065年にフォースシーズン(現行規格)へと進化する。 詳細:現代科学の粋を結集させた人型機動兵器。航空戦力が無効化されるマリス戦において、戦力の要となる。 動力源『リキッド』 ネイバー動力炉「ノルブリンカ」から発生されるネイバーの血液にあたる液体を凝固・バッテリー化した有限エネルギー(通常稼動で180分)。エネルギー消費量で上下されるため、実際の作戦時間はもっと短め。こまめな交換を要す。 『タクティカル・マウント機構』 公式のフォースシーズン規格には必ず標準化されている換装システム。ブロックマウント(両腕・膝先)を取り換える事で、「陸」「海」「空」、全ての戦局に対応できる。 ノルブリンカの軍事的背景 ネイバーの主機関であるノルブリンカは、使い減りすることなく無尽蔵にエネルギーを排出し続ける永久機関。ネイバー規格の運用を可能にするだけでなく、平和利用すれば、日本中の電力エネルギーを永年、まかなうこともできる。が、ノルブリンカの持つ副次的要因もネイバー運用と同じくらい重要視されている。戦騎装の【リキッド】はネイバーの機体内を循環する液体を凝固させて作る電池のようなもので、この液体は稼動中のノルブリンカから抽出される。抽出量にはネイバー毎に限りがあるが、底がない以上、良質なエネルギー資源の生産工場としてもノルブリンカは機能する。ネイバー保有国の中にはネイバーからノルブリンカを外し取って、リキッドの大量生産のみに使用する国もあるほど。その利潤も国益の何割かを占めてしまうほど莫大なものになる。氷室義塾もセレンが発見されるまではデストブルムのノルブリンカからリキッドを大量生産し、輸出を行っていた。 ファーストシーズン(第一世代:2017 - ) コックピットを背中に背負う人型兵器。当初、コックピットの形がバイクに酷似していたことから日本では騎乗型と呼ばれる所以となる。限界運用域(大きすぎると立てない・動けない)の問題から、当時は全長6mが限界だった。また下半身はスカートのように大きくて、ほぼ動かない。ジェット推進の搭載も出来ず、機動や稼働域も現在に比べて非常に狭まったものだった。大きさの問題からルークとの戦闘が大きな障壁となり、当時のパイロットは相当数の犠牲者が出た。 セカンドシーズン(第二世代:2022 - ) 第二世代はシーズン中、一番の飛躍があった世代。ネイバーの研究が推し進められ、『重心制御系関節ユニット:スティーブ・スタビライザー(スティーブは開発責任者【スティーブ・ミノート】の名前からとられている)』と『新エネルギー:リキッド』が完成。これを組み込む事で、戦騎装のフォルムは一新され、現在の形に大きく近づく。まず完全な人型機動を可能にさせた上で、限界運用域が10mの壁を越えるようになる。機体が大きくなった事でジェット推進も搭載出来るようになり(跳躍概念の実装)、コックピットも機体内に格納した。このことでパイロットの安全面も大幅に向上する。当時、各国が抱えていた燃料問題(石油資源の減退+電力の限界)もリキッドに切り替えることでクリア。人型汎用機の立場を確立させ、この時期から戦騎装用の武器も開発・量産されるようになる。 サードシーズン(第三世代2030) 一個の人型として戦騎装を量産するのではなく、メインユニット(頭・上半身・両膝まで)作戦種別パーツ(両腕・膝から下)を大別して、生産管理するようになる。コストの大幅削減もそうだが、換装することで更なる多面作戦にも対応できるようになった。 フォースシーズン(第四世代2065) 運用面に大きな変化はないが、OS類が一新される。またフォルムも長年の研究開発から徐々に洗練され、機動力も大幅に向上した。また第四世代機は記念すべき「空戦パーツ」の実装に成功したこと。 疾風 機兵部のヘキサが主に運用する。1967年にロールアウトされた氷室製の戦騎装。正式型番機においては最新の物となる。ヘッドギアにゴーグルを付けたような頭部。メインユニットも軽量化が図られているため、痩身のスタイリッシュなフォルムが特徴。携行火器も最低限が標準となっている。隊長機の場合は、索敵能力の高いアイカメラ式の頭部となる。生産コストが高いため機兵部では中隊長機のみ、使用が許されていた。機兵部員の間では「二つ目」という愛称がついており、エースの証。 規格種別:戦騎装 世代:フォースシーズン 機体型番:S-47(公式型番機) Height:11.5m Weight:21t カラーリング:グレー(葵機:赤) デフォルト指定:一種か号戦装備(野戦・汎用装備) 五番隊指定:三種な号戦装備(最軽量・高機動装備) タクティカルマウント機構:○ 搭乗パイロット:機兵部部員 仕様:ヘキサを用いた陽動をコンセプトに置いているため、機動性重視の設計となっている。そのため耐久性や出力面は従来機を下回り、重火器に部類されるような装備及び、決戦(甲種)・重量(二種)フレームに対応していない。また(ヘキサの被虐体質から)水戦は度外視されているため乙種フレームも対応不可と、対応マウント総数は少ない。良くも悪くも搭乗者のクセが出易く、調整に時間がかかる。しかし、その機動力は折り紙つきで陸戦においてのブースター燃費・加速力・旋回性能はフォースシーズンの中でもトップクラスに入る。 ※裏話……乙種(水戦)フレームの実装は可能だったが、ヘキサの保管領逃亡が視野に入った事でロールアウト直前にマウント表から消された。 <標準武装> 戦騎装運用コンバットナイフ『バレルスライサー』×2(両膝にマウント) 45mm戦騎装運用アサルトライフル『スイートビー』×1 装填可能数400発 携行弾薬2000発 <副兵装> 投下型携行地雷『ビッグマウス』×6 マリス戦を主眼にして造られた投下型の地雷(一個130キロ)。腰後ろにマウントされており走行中、捨てるように設置。後続の敵を吹き飛ばす。 旋回補助ブースター『セカンドウイング』 両肩にマウントする旋回用のブースター。機動時の取り扱いが難しいためよく敬遠される。厳密には、は号戦装備(遊撃戦装備)の一兵装として数えられる。 圧縮空気弾砲『インパルス・エア』 ヘキサの陽動用に開発されたまだ試験段階の装備。インパルス・エアというのも兵器規格名となる。圧縮した空気の塊を相手にぶつけるもので殺傷能力そのものはない。単発発射と拡散照射の二つ仕様で発射が可能で、ほぼ無反動で進路上のマリスを吹き飛ばしたり、怯ませたりすることができる。機動を損なわずに進路が確保できる武器であり、な号戦装備(陽動装備)の一兵装として数えられる。月下隊長を始めとする五番隊のメンバーがよく使用していた。弾数制限無い(エネルギー残量制) 巌流 自衛隊が主に運用する戦騎装。事故前の八雲は砲撃支援が主だった為、兵装の観点から巌流をヘキサ用に改造した巌流・改に乗っていた。 鬼灯 1963年(サードシーズンからフォースシーズンへの移り変わり期)、天軍(=天皇護衛直属軍)の戦騎装採用競争に敗れた試作戦騎装無花果を特別カスタマイズした機体(試作機)。名義は一ノ瀬重工の非公式型番機となるが、正確には氷室財閥との合作となる。完成後すぐ、試験機体という名目で機兵部に委譲される。鬼のようなヘッドユニットと、両肩の推進力増強ブースター。前面六基・背面十基に備えた内部スラスターが特徴。頭部ユニットの口部は排熱口となっており、炎獄モードを解除すると開口して滞留熱を放出する。その様は一見、火炎の息吹のよう。また甲種(決戦)フレームを元に造られているため、従来の戦騎装よりも全長が大きい。非常にピーキーな機体の為、乗りこなせるのは現在、葵しかいない。 規格種別:戦騎装 世代:フォースシーズン 機体型番:Iz-42C(zは非公式型番(試作機等)を表す) Height:14.5m Weight:28t カラーリング:黒・赤 デフォルト指定:なし(【決戦(甲種)フレーム】が雛型とする) タクティカルマウント機構:× 搭乗パイロット:一ノ瀬 葵 仕様:開発ベースとなった無花果はもともと機能性優先で設計された機体で、パイロットの慣熟性(乗りやすさ)に大きな難があった。この鬼灯はその無花果の長所をとことん伸ばす方向で設計されている。総合ポテンシャル(データ上の数値)で鬼灯を超える機体は現状、存在しない。開発元となった無花果の数倍、敷居の高い暴れ馬となっている。慣熟性・整備性を犠牲にした、パイロット・整備士泣かせの機体でも有名。そもそもの設計思想が現代の主流コンセプトから反目しているため、生産ラインも別枠に用意しなくてはならない。生産コストは自衛隊の最新鋭機【巌流】、二六機分に相当し、維持コストはデリケートな調整を要する【疾風】の四倍以上。量産は非現実的で、現在は氷室義塾の保有する一機しかない。最大の特徴は【タクティカルマウント機構】が外されていること。それ故、陸上戦しかできないという弱点も持つ。大元の機体構造は【フォースシーズン】というよりは【セカンドシーズン】に近く、それゆえ、専門家の間では「第二世代への逆行(リバース・セカンド)」もしくは「第五世代に最も近い機体(フィフス・ニア)」の異名が付けられ、評価は両極端に割れている。 <標準武装> 戦騎装運用コンバットナイフ『バレルスライサー』×2(両膝にマウント) 45mm戦騎装運用アサルトライフル『スイートビー』×1 装填可能数400発 携行弾薬2000発 大出力・高機動ブースター『落陽(らくよう)』 取り外し可能の推進力増強ブースター(両肩に装備)。 戦騎装用突貫戦刃『明火(あけび)・朧火(おぼろび)』 小太刀と太刀の夫婦刀。背中にマウントされている主兵装の白兵戦武器。通常、戦騎装の白兵戦は「叩き(潰す)切る」が主眼に置かれるが、この剣は「斬り捨てる」という開発概念で作られる。非常に取り扱いが難しく、素人の操る戦騎装では20回も使用すれば、刀身を折ってしまう。昔から玄人好みされる「刀型」の武器。 <副兵装> 55mm榴弾装填大口径リボルバー『鉄(クロガネ)』×2 対ルーク用の特殊榴弾を装填したリボルバー式のハンドカノン。葵のお気に入りで、ルーク種の撃破だけでなく相当数で群れるポーン種を蹴散らすのにも頻繁に使用される。 弾数:二丁で計12発 零距離炸薬手甲『花火手甲』×2 前腕部に格納させた炸薬弾で、掴んだ対象物を爆風で吹き飛ばす。あくまで補助的な武装で、アームフレームにも負担を賭けるため、頻用は好まれない。 弾数:片腕二発 <特殊機構> 炎獄モード……鬼灯の出力・機動系をフルドライブさせた状態。 前面六基・背面十基の内部スラスターを全て点火させ、機体出力(パワー)・機体機動(スピード)を大幅に向上させる。最大稼働で8分間、それ以上の継続使用は機器系頭に破損を及ぼす。(つまり自壊してしまう)外見だと、全身に鬼灯色(オレンジ色)の明りが灯ったように見え、機体名称である【鬼灯】もその様から付けられた。 フレイムパンチャー(グラン2号) 【兵器の四(アームズフォー)】伏見飛鳥が開発した日向専用の試作戦騎装。頭部ユニットは単眼カメラが採用されており、長いセンサーアンテナを二つ伸ばしている。装甲が厚く、鈍重なフォルムをしている。特に両腿は全身の何割かを占めるほど肥大したデザインとなっている。日向は初搭乗のグラン二号で、テロリスト艦隊の実質4割を壊滅させた。 規格種別:戦騎装 世代:フォースシーズン・オルタ 機体型番:GGz-36C(zは非公式型番(試作機等)を表す) Height:9.7m Weight:29t カラーリング:鉛色 デフォルト指定:専用 タクティカルマウント機構:× 搭乗パイロット:八雲日向 仕様:砲撃戦を得意とする重戦騎装。一見、砲戦タイプの機体と遜色ないが、その操縦機構は独自の最新システムがオンパレードで搭載されている。現在ロールアウトされる武装で使用できない火器は存在しない。 それどころか、戦騎装規格では最大火砲に指定される115ミリロングレンジライフルを超す、144ミリスナイパーライフル(特注品)さえも装備可能。驚異的な姿勢制御と安定性の対価に、機動性や運動性が軒並み犠牲となっている。八雲が乗ることが念頭に置かれているため、機動全般が簡略化されている。まさに銃火器をぶっ放すことだけに特化した戦騎装。 <特殊機構> 全自動反動制御『フルオートサスペンション』……全自動で反動を制御し、姿勢を整えてくれるシステム。 戦騎装という戦術兵器は、機体の反動制御がパイロットのペダル操作に大きく依存してきた。この反動制御のハードルを下げる事に成功すれば、戦騎装規格の慣熟性(パイロットの乗り易さ)を大きく向上させることになる。だが、戦騎装の反動制御問題は、多くの研究者が挑戦してきた超えられない壁であった。戦騎装開発の父【スティーヴ・ミノート】の残した【ミノートの4命題(テーゼ)】に数えられるほどなのだが……飛鳥は構想三週間、開発一カ月で、戦騎装の歴史をクラッシュしてしまった事となる。 機動補助用脳波受信機『イメージモーションサポート』……ネコ耳型の脳波受信機。 搭乗者がイメージを送ることで、自動で機動の補助や修正をやってくれる。デストブルムのマシンインターフェイスを元に開発された操縦機構だが、改善の余地は多い。
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