マルハワ学園
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「バイオハザード〜マルハワデザイア〜」の記事における「マルハワ学園」の解説
アジア某所に存在する『クダンカン』と呼ばれる国の北部 エルナウル地方に位置するアジア最大の名門校。1902年創設。全寮制で、世界中から名家の子息、令嬢などが在籍しているが、その多くは格式の高い家の生まれである事を自負して、エリート意識が強く、学園外の人間や貧乏人を見下す横柄な態度の選民思想者達である。四方を山地に囲まれた山間部にあり、外部との交通や連絡の手段も最低限のものしか用意されていない為、学園関係者の殆どは外部の人間と接触する機会がない一方、学内にはショッピングモールなども存在しており、ある程度生活に不自由する事はない模様。また、学園全体の動力源を司っている広大な地下施設や、マシンガンを搭載したヘリコプターなど、常識はずれな備品や設備なども整っている。その様な特殊な環境の影響から学園内は理事長であるマザー・グラシアを頂点とした絶対君主制に近い体制が敷かれており、生徒・教職員の全員がグラシアを心酔し、緊急事態が起きても彼女の指示ひとつで冷静さを取り戻すなど傍から見れば異様な状態となっていた。事実、ビンディとC16がパンデミックを引き起こし、グラシアが殺害された後は、生き残っていた生徒達は殆どは自分達が置かれた状況に対応する事ができず、友人を捨て駒にして自分だけ助かろうとしたり、自ら死を選ぶなどして、最終的に誰一人生き延びる事が出来なかった。ピアーズの連絡で遅れながらも駆けつけたBSAA極東支部の部隊によって学内のゾンビはほぼ一掃された後、学園は事実上廃校・封鎖される事となった。尚、一連の騒動は(リッキーを除く)関係者の全員が死亡した事で証明する方法がなくなった為、BSAA内のみの極秘事項とされ、公には「原因不明」とされ、生徒の遺族達にもその真相が明かされる事はなかったが、一部のマスコミによってグラシアが隠蔽し続けてきた学園で起きた不祥事の数々は明らかになり、その異常性が暴かれて世界中に報道され、多くの人々を驚愕させた。 マザー・グラシア / グラシア・デレニカス マルハワ学園の女理事長。32歳。ダグの元恋人でもある。学園内で発生したバイオハザードを、学園の体面を守るために公にすること無く、極秘裏に解決するようダグに依頼をする。また、犠牲者と化した生徒たちを旧校舎ごと焼却処分させるなど、意味深な行動が見られる。 元々は資産家にして篤志家でもあった父を慕う娘であり、彼の意向で他の兄弟と同じように外国へ留学に出される。しかしその後父は自分の前に顔を出すことはなく、この不遇な扱いから「父は自分を愛していないのではないか」と疑念を抱き、成人してからもその思いは変わらなかった。父の死後に現れた父の代理人から生前の要望としてマルハワ学園の理事長就任を要請されるが、その役目が自分に務まるかどうか不安を抱きながらも結局は父の意向に従い就任。就任当日の式典で学園の生徒や教職員全員が自らに傅く様子を見て以来、このマルハワ学園こそが「父が自分に残してくれた聖域」と思うようになった。マルハワ学園を守ることに意欲を燃やすようになり、この点についてダグは「昔と今は精神的に反対」との旨の発言をしている。 今まで学園内で起きた都合の悪いことやそれによる数十件の不祥事を徹底的に隠匿し、ナナンのイジメに関してはビンディの訴えも全て握りつぶし、完全に見て見ぬ振りの放置状態であった。またビンディを理事長権限をもって学園祭の最中に発生した事件を引き起こした元凶として多くの生徒の前で生徒会長の地位を剥奪・自室にて3ヵ月の停学と謹慎処分にするなどの行き過ぎた処置がビンディを追い詰めてしまう。 このように一見すれば冷徹非情な人物に見えるが、その行動原理は決して悪意や名誉欲などではなく、タヒル曰く「子供のように純粋」な性格で、上記のような冷徹な手段をとり続けていた理由も全てはただ一心にマザーの父にして先代理事長が遺してくれた学園を守りたいという切なる思いからであり、かつての恋人であったダグの所有する車を破壊してリッキー共々学園から出られないようにするなど、事態を極秘に解決することに異常なまでに固執していた本当の理由も、3ヵ月前に起きたナナンの事件を隠蔽してしまった事により、後へ引けなくなったためであった。そして、彼女自身は一連の自分の行いに対し、内心では罪悪感や後ろめたさも感じており、リッキーやダグに真実を告白する際「ナナンは自分が殺した」と懺悔ともとれる発言をしている。 根は決して悪人ではないものの、学園を守るためとはいえ、数々の不祥事を隠蔽するのみで何の対策もとらずにいたその姿勢は学園の教員達の頂点に立つ理事長としては適正でなかったといえ、そこをフードの女に利用された結果、学園を愛し守りたいという過剰なまでに行き過ぎた彼女の思いは、学園を破滅へと導く遠因になるという皮肉な結果を招いた。 学園祭の一件が鎮静した後、ダグとリッキーに自ら3ヵ月前に起きた事件の真相を明かし、真実を知っても尚も自分を受け入れてくれたダグの励ましによって、ようやくこれまでのバイオハザードに関するすべての真実を公表する決意を固めるも、その矢先に出現したナナンこと実験体C16によってタヒルが死亡し、ダグも重症を負う事態となり、これを受けて事態が最早自分達だけで解決し得ない事を悟り、BSAAへ救援を呼ぼうとするも、その翌朝に本性を露わにしたビンディがC16を使って爆発感染(パンデミック)を引き起こし、多くの生徒達をゾンビにしてしまう。学園が大混乱に陥る中、これまでのすべての事件がビンディの手によって引き起こされていた事に気づき、学園関係者を無差別に虐殺していく彼女を止める為に対峙。銃撃するも、この時、ビンディは既に自身にもC16のサンプルを投与しており、怪物化した彼女の返り討ちに遭って致命傷を負い、父に対し学園と生徒達を守れなかった無念と謝罪の言葉を呟きつつ、駆けつけたリッキーにダグの姿を重ね、彼のことを想いながら死亡した。 後にダグの病室に残されていたダグ宛の手紙から、ダグやリッキーを脱出させる為に地下に緊急用ヘリを手配していたことが判明し、そのヘリは最終的にリッキーやクリス達の脱出手段として使用されるが、その手紙がダグに読まれることはなかった。 彼女の遺体は、後に学園に突入したBSAAに回収され、事件終結後、同じく遺体を回収されたダグの隣の墓に埋葬された。 使用武器はワルサーPPK、及びグロック17である。 ビンディ・ベルガーラ 本作のヒロイン。学園の生徒会長。リッキーの行動から学園の裏で何かが起こっていることを察知し、リッキーに協力を申し出る。後に深夜のマルハワ学園の地下へ立ち入り調査する際、ボウガンを手にリッキーたちに同行する。 閉鎖的な社会でもあるマルハワ学園の中では、よそ者のリッキーに俗世界の人間は品がないと見下す発言をした女子生徒二人にその無礼を窘めるなど(1巻参照)、良識や分別のある人物。またそれ故にグラシアを盲信はせず、逆に彼女が学園の体面を守るために、都合の悪いことを徹底的に隠匿する彼女のやり方を批判している。 その正体は一連のバイオハザードを引き起こした黒幕であり、本性も、グラシアやアリサなどの本命の敵対者は勿論、(グラシアを心酔し、二年以上もイジメを受けているナナンを助けようとしなかったという理由で)他の一般生徒達や、イジメを知っていながらグラシア同様に何もしなかったレイ、タヒルなどの教職員、更にはリッキーやダグなど自分に協力的だった人間ですら、グラシアが呼んだ人間=事情を話してもどうせグラシアに味方して信用できない(特にダグはグラシアの元恋人だから)という理由で容赦無く抹殺しようとする冷酷非道な性格である。 それでも本来は当初のリッキー達に見せていた表の顔と同じ、虐めを受けるナナンの苦労を労い、学園の閉鎖的かつ差別的な信条を改善しようとする平等的で心優しい性格だったが、三ヶ月前の事件でのナナンの死によって生じた狂気によって大きく歪んでしまった。 フードの女からC16のサンプルを受け取り、ナナンの死体に投与。以降はナナンを操り、ナナンをいじめた生徒達や、レイなどをゾンビにして小規模のバイオハザード事件を引き起こしていく。それもグラシアが今まで学園内で起きた不祥事を隠蔽し続けてきた罪を白日の元に晒して学園を正常化するためであったが、グラシアが多くの生徒の前で全ての罪をビンディに着せたことと、彼女に何の疑問もなく盲目的に従う生徒達を見て、もはやどんな手を尽くしても理事長が真実を表に出すことはなく、学園を変えることも無理だと悟り、目的を「学園を変える」事から「学園を壊す」事へと変更し、本格的な凶行に走り始める。 手始めに邪魔者であるリッキー達の前にC16をけしかけ、タヒルを死に追いやり、ダグを行動不能に陥らせた後、自身にもサンプルを投与し、事件の真相に気付いたリッキーを怪力で気絶させ、学園から脱出する為の移動手段を全て破壊し学園を完全に孤立させるなど、念入りな下準備を行った上で、C16を使って大勢の生徒達の前でバイオテロを決行した。これによって大勢の生徒達がゾンビに変貌、学園は大混乱へと陥る。 その後、辛うじてゾンビ化を免れていた生徒達を殺害して周る中で、グラシアと対峙し、彼女からの攻撃によって負った傷を再生させていく過程で、ジュアヴォ ルウカ・スルプの様な片腕が異形の腕に変異させると彼女を返り討ちにして殺害。全ての対象者達に復讐を終えた後も「ナナンを死に追いやった学園を破壊し尽くす」為に生存者を殺し続け、遂に聖堂に逃げ込んでいた最後の生き残りの生徒達を虐殺して、学園の生徒・教職員達を全滅に追いやった直後、駆けつけたメラ・ビジと遭遇し交戦。そのときの会話からウィルスの影響を濃く受けてメラに対して居丈高な態度をとっているものの、この時はまだ完全に理性を失っていないことがわかる。最初こそその驚異的な再生力で優位に立ったが、再生の隙を与えないメラの猛攻で徐々に追い込まれ、サナギ化する。その後、巨大な蜘蛛のようなクリーチャーへと変異。メラを圧倒したが、助けに入ったピアーズによって撃破された。 その後、学園から脱出しようとしたリッキー達を追って再び現れ、クリスによって撃破された実験体C16(ナナン)の姿を見て暴走。襲い掛かったが、リッキーやクリス達の銃撃を浴びた影響で、ウィルスの作用により発火、火に焼かれてようやく絶命した。 アリサ・リン 学園の副生徒会長。明るく軽快で社交的な印象の強いお嬢様でリッキーにカツアゲしようとしていた不良生徒たちを叱咤して追い払い、リッキーに対して友好的に接すると同時にアプローチをかけるなどし、彼からもビンディ共々好印象を持たれていたが、後にゾンビと化して寝起きのリッキーの前に現れ、彼に襲いかかる。即座にグラシア達に捕えられ、最終的にはグラシアの手配により旧校舎もろとも焼却処分された。 本性は全てが自分の思い通りにならないと気が済まないワガママで陰湿な性格の持ち主で、生前のナナンが受けていたイジメの主犯格でもあった。後にビンディとナナン(実験体C16)に奇襲され、ゾンビにされたことがビンディの口から語られる。 ラナ マルハワ学園で最初にゾンビになった女子生徒。初めてマルハワ学園を訪れたダグとリッキーがグラシアに見せられたゾンビでもある。 ビンディ、アリサ、ナナンの同級生。アリサのように積極的にナナンのイジメには参加していなかったが、彼女の嫌がらせに対して見て見ぬふりをしていた為、ビンディの復讐の対象者に加えられ、実験体C16に変異したばかりのナナンの実験台にされる形でゾンビにされた。後にゾンビ化したアリサ共々、グラシアの手配により焼却処分された。 レイ・スー 主幹教諭。眼鏡をかけた男性で、タヒルとは内戦国で生まれ育ってからの親友同士。サーベルの使い手で、地下制御施設への立ち入り調査中にゾンビに襲われた際にも勇猛果敢にサーベルで立ち向かう。冷静沈着な性格だが、グラシアに心酔しており、目の前で少しでも彼女に対する不平や悪口を言う者にはサーベルを向けるなど短気な一面もある。 地下制御施設への立ち入り調査中、突然発生した原因不明の停電の間に忍び寄ってきたゾンビに咽喉を噛まれ絶命。死後ゾンビと化すが、タヒルの手で引導を渡された。 後に彼を死に追いやるきっかけとなった停電は、ビンディが故意に引き起こしたもので、ゾンビ化も地下制御施設内に潜伏していたC16によってガスを吸入された為であった事が、彼女自身の口から語られている。 タヒル・カプール 特別高等警備員。言動は荒っぽく、レイ同様にグラシアに心酔しているが、その一方で学園を守る事に必死になっているグラシアの現状を憂う思慮的な一面もある。地下への立ち入り調査時にはハンマーを手にゾンビ達と戦い、ゾンビと化したレイに引導を渡した。後にリッキーとダグに、自分とレイが内戦国で生まれその日生きるのにもままならぬ中グラシアの父に拾われ、彼が院長を務める孤児院で育った過去を明かす。同時に学園でのグラシアの行動が、幼い頃から慕っていた父が残した聖域であるマルハワ学園を守るのに必死なためと語り、また、三ヶ月前の事件にもレイ共々立ち会っていた為、彼女の苦悩を慮っている。地下での戦闘後、レイの死亡によって事態を重く見たグラシアから拳銃を支給され、ダグとリッキーに手渡した。 グラシアに心酔している者達の中では比較的良識的な考えの持ち主でもあるが、一方でグラシアの面目を守る為ならば手段を選ばず、グラシア以外の人物に対する配慮に欠けている一面もあり、生徒会でも問題になっていた不良男子2人(1巻第1話でリッキーにカツアゲを働こうとしていた生徒で、後にアリサの取り巻きであった事が発覚する)がゾンビになり学園祭が大パニックになった際には、ビンディを元凶に仕立て上げる方法をグラシアに提案し、事態を収める事には成功するも、それによりビンディを追い詰めてしまった結果、マルハワ学園壊滅の直接的な動機に繋がってしまった。 その後、ダグとリッキーに銃の扱い方を指導するが、グラシアが真実を公表する決意を固めた日の夜、ビンディの指示によって出現した実験体C16との戦闘で片腕を失う重傷を負い、さらにC16から口移しで特殊なガスを吸わされる。そして瀕死の状態でリッキーにゾンビと化すであろう自分を殺すよう頼むが、ためらったリッキーがまともに拳銃を撃てず銃弾は外れる。その直後にタヒルはゾンビ化するが、決意を固めたリッキーの手で倒された。 先代理事長 マルハワ学園の先代理事長で、グラシアの父親。故人。財力に恵まれた資産家ながら篤志家の面も持ち、内戦国に直接出向いてはレイやタヒルといった戦災孤児を自らが営む孤児院に入れるなど、精力的に動いていた。しかしその反面、幼い頃から自分を慕い、孤児院にも手伝いに通っていた娘のグラシアを、外国へ留学に出したきり放任したり、事前に何の相談もなくマルハワ学園の次期理事長に任命したりするという、人間的に不可解な面を有する。 ナナン・ヨシハラ ビンディのクラスメイトで、日系人。物語開始時の3ヵ月前に行方不明になっている。 実家はかつて世界的に有名なレストランだったが、内部対立が原因で、ナナンが高等部に上がる直前に倒産し、このことが原因で貧乏な人間に対する偏見による陰口と蔑視に2年以上も晒されていた。 ナナンも最初は果敢に応戦していたが、度重なる嫌がらせはエスカレートして、イジメを働いたアリサ達とナナンの双方が怪我をするという暴力沙汰にまで発展していく。それがきっかけで学園の閉鎖的な社会に嫌悪感を抱き、どんなに訴えても少しも動かないマザー・グラシアに失望し、ついにはビンディと2人で学園から脱走して真実を外の世界に伝えようとするが、追いかけてきた警備員達との争いの果てに、近くにあった岩に頭を強打して死亡した。そして、この1件はグラシアの手によって隠蔽され、表向きは行方不明として処理され、父親にも真相は最後まで伝えられなかった。 ヤン・タイミン 中国人の男子生徒。肥満体型で臆病な性格。ゾンビ化した女生徒(本人曰く憧れていた先輩)に襲われそうになった際、幼なじみのクワンに助け出され、共にゾンビ達から逃れようとするも、ダクトを逃亡中に外れた天蓋より足から落下しそうになったところを複数のゾンビに捕まり食い殺された。 グエン・ティ・クワン ベトナム人の女子生徒。タイミンの幼なじみで、性格は男勝り。学園内でバイオハザードが発生した際は金属バットを手にゾンビ達から逃れていた。タイミンがゾンビに食い殺された後、自身もゾンビに襲われかけたところをリッキーに助けられ、共にグラシアのいる部屋へ向かう。そこでグラシアの死を目の当たりにし、逆上して怪物化したビンディをバットで殴りつけるがビンディに怪力で外へ放り出され、そこでゾンビに襲われて死亡。
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マルハワ学園(事件名:マルハワデザイア)
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「ラクーンシティ」の記事における「マルハワ学園(事件名:マルハワデザイア)」の解説
『MD』に登場。アジア某国クダンカンの北部エルナウルの奥地に位置する、アジア最大の名門校。2012年、閉鎖的かつ排他的でエリート意識が強い校風を築いた理事長マザー・グラシアに憎悪を抱いた生徒会長ビンディ・ベルガーラが、親友ナナン・ヨシハラが変異した実験体C16を使ってC-ウィルス(この時はまだ「新種のウィルス」としか明かされていない)によるバイオテロを決行。その結果、グラシアはクリーチャー化したビンディに殺害され、生徒や教職員たちも全員ゾンビ化、もしくはビンディやC16に殺戮され、全滅する。ビンディとC16はそれぞれ倒され、学園内のゾンビも突入したBSAAの攻撃でほぼ駆逐された後、学園は廃校を経て厳重に封鎖された。後述するリッキー・トザワを除く関係者の全員が死亡したため、この事件はBSAA内のみの極秘事項とされ、マスコミにもほとんどの事実は隠蔽された。生存者はクリス、ピアーズ・ニヴァンス、リッキー・トザワ。
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マルハワ学園
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「バイオハザードシリーズの登場人物」の記事における「マルハワ学園」の解説
マザー・グラシア / グラシア・デレニカス (Mother Gracia / Gracia Delenikas) 『MD』に登場するマルハワ学園の女理事長。32歳。ダグの元恋人でもある。学園内で発生したバイオハザードを、学園の体面を守るために公にすること無く、極秘裏に解決するようダグに依頼をする。また、犠牲者と化した生徒たちを旧校舎ごと焼却処分させるなど、意味深な行動が見られる。 元々は資産家にして篤志家でもあった父を慕う娘であり、彼の意向で他の兄弟と同じように外国へ留学に出される。しかしその後父は自分の前に顔を出すことはなく、この不遇な扱いから「父は自分を愛していないのではないか」と疑念を抱き、成人してからもその思いは変わらなかった。父の死後に現れた父の代理人から生前の要望としてマルハワ学園の理事長就任を要請されるが、その役目が自分に務まるかどうか不安を抱きながらも結局は父の意向に従い就任。就任当日の式典で学園の生徒や教職員全員が自らに傅く様子を見て以来、このマルハワ学園こそが「父が自分に残してくれた聖域」と思うようになった。マルハワ学園を守ることに意欲を燃やすようになり、この点についてダグは「昔と今は精神的に反対」との旨の発言をしている。 今まで学園内で起きた都合の悪いことやそれによる数十件の不祥事を徹底的に隠匿し、ナナンのイジメに関してはビンディの訴えも全て握りつぶし、完全に見て見ぬ振りの放置状態であった。またビンディを理事長権限をもって学園祭の最中に発生した事件を引き起こした元凶として多くの生徒の前で生徒会長の地位を剥奪・自室にて3ヶ月の停学と謹慎処分にするなどの行き過ぎた処置がビンディを追い詰めてしまう。 このように一見すれば冷徹非情な人物に見えるが、その行動原理は決して悪意や名誉欲などではなく、タヒル曰く「子供のように純粋」な性格で、上記のような冷徹な手段をとり続けていた理由も全てはただ一心にマザーの父にして先代理事長が遺してくれた学園を守りたいという切なる思いからであり、かつての恋人であったダグの所有する車を破壊してリッキー共々学園から出られないようにするなど、事態を極秘に解決することに異常なまでに固執していた本当の理由も、3ヶ月前に起きたナナンの事件を隠蔽してしまったことにより、後へ引けなくなったためであった。そして、彼女自身は一連の自分の行いに対し、内心では罪悪感や後ろめたさも感じており、リッキーやダグに真実を告白する際「ナナンは自分が殺した」と懺悔ともとれる発言をしている。 根は決して悪人ではないものの、学園を守るためとはいえ、数々の不祥事を隠蔽するのみで何の対策もとらずにいたその姿勢は学園の教員たちの頂点に立つ理事長としては適正でなかった。そこをフードの女に利用された結果、学園を愛し守りたいという過剰なまでに行き過ぎた彼女の思いは、学園を破滅へと導く遠因になるという皮肉な結果を招いた。 学園祭の一件が鎮静した後、ダグとリッキーに自ら3ヶ月前に起きた事件の真相を明かし、真実を知っても尚も自分を受け入れてくれたダグの励ましによって、ようやくこれまでのバイオハザードに関するすべての真実を公表する決意を固めるも、その矢先に出現したナナンこと実験体C16によってタヒルが死亡し、ダグも重症を負う事態となり、これを受けて事態がもはや自分たちだけで解決し得ないことを悟り、BSAAへ救援を呼ぼうとするも、その翌朝に本性を露わにしたビンディがC16を使って爆発感染(パンデミック)を引き起こし、ほとんどの生徒たちをゾンビにされてしまう。学園が大混乱に陥る中、これまでのすべての事件がビンディの手によって引き起こされていたことに気づき、学園関係者を無差別に虐殺していく彼女を止めようと対峙するも、ビンディはすでに自身にもC16のサンプルを投与していたため、怪物化した彼女の返り討ちに遭って致命傷を負い、父に学園と生徒たちを守れなかった無念と謝罪の言葉を呟きつつ、駆けつけたリッキーにダグの姿を重ね、彼のことを想いながら死亡した。 後にダグの病室に残されていたダグ宛の手紙から、ダグやリッキーを脱出させるために地下に緊急用ヘリを手配していたことが判明し、そのヘリは最終的にリッキーやクリスたちの脱出手段として使用されるが、その手紙がダグに読まれることはなかった。 遺体は後に学園に突入したBSAAに回収され、同じく遺体を回収されたダグの隣の墓に埋葬された。 使用武器はワルサーPPK、及びグロック17である。 ビンディ・ベルガーラ (Bindi Bergara) 『MD』に登場するマルハワ学園の生徒会長。リッキーの行動から学園の裏で何かが起こっていることを察知し、リッキーに協力を申し出る。後に深夜のマルハワ学園の地下へ立ち入り調査する際、ボウガンを手にリッキーたちに同行する。 閉鎖的な社会でもあるマルハワ学園の中では、よそ者のリッキーに俗世界の人間は品がないと見下す発言をした女子生徒二人にその無礼を窘めるなど(1巻参照)、良識や分別のある人物。またそれ故にグラシアを盲信はせず、逆に彼女が学園の体面を守るために、都合の悪いことを徹底的に隠匿する彼女のやり方を批判している。 正体は一連のバイオハザードを引き起こした黒幕であり、本性もグラシアやアリサなどの本命の敵対者はもとより、(グラシアを心酔し、2年以上もイジメを受けているナナンを助けようとしなかったという理由で)他の一般生徒たちや、イジメを知っていながらグラシア同様に何もしなかったレイ、タヒルなどの教職員、さらにはリッキーやダグなど自分に協力的だった人間ですら、グラシアが呼んだ人間=事情を話してもどうせグラシアに味方して信用できない(特にダグはグラシアの元恋人だから)という理由で容赦無く抹殺しようとする冷酷非道な性格である。 それでも本来は当初のリッキーたちに見せていた表の顔と同じ、虐めを受けるナナンの苦労を労い、学園の閉鎖的かつ差別的な信条を改善しようとする平等的で心優しい性格だったが、3か月前の事件でのナナンの死によって生じた狂気によって大きく歪んでしまった。 フードの女からC16のサンプルを受け取り、ナナンの死体に投与して操り、彼女をいじめた生徒たちやレイなどをゾンビ化させ、小規模のバイオハザード事件を引き起こしていく。それもグラシアが今まで学園内で起きた不祥事を隠蔽し続けてきた罪を白日のもとに晒して学園を正常化するためであったが、グラシアが多くの生徒の前ですべての罪をビンディに着せたことと、彼女に何の疑問もなく盲目的に従う生徒たちを見て、もはやどんな手を尽くしても理事長が真実を表に出すことはなく、学園を変えることも無理だと悟り、目的を「学園を変える」ことから「学園を壊す」ことに変更し、本格的な凶行に走り始める。 手始めに邪魔者であるリッキーたちの前にC16をけしかけ、タヒルを死に追いやり、ダグを行動不能に陥らせた後、自身にもサンプルを投与する。事件の真相に気付いたリッキーを怪力で気絶させ、学園からの脱出手段をすべて破壊して完全に孤立させるなどの念入りな下準備を行ったうえ、C16を使って大勢の生徒たちの前でバイオテロを決行した。その後、辛うじてゾンビ化を免れていた少数の生徒たちを殺害して周る中でグラシアと対峙し、彼女からの攻撃によって負った傷を再生させていく過程で、異形に変異させた片腕で返り討ちにして殺害する。復讐を終えた後も「ナナンを死に追いやった学園を破壊し尽くす」ために生存者を殺し続けて全滅させた直後、駆けつけたメラ・ビジと交戦する。最初こそその驚異的な再生力で優位に立ったが、再生の隙を与えないメラの猛攻で徐々に追い込まれ、サナギ化を経て巨大な蜘蛛のようなクリーチャーに変異する。メラを圧倒したが、助けに入ったピアーズによって撃破された。 その後、学園から脱出しようとしたリッキーたちを追って再び現れ、クリスによって撃破された実験体C16(ナナン)の姿を見て暴走し、襲いかかる。最後はリッキーやクリスたちの銃撃を浴び、ウィルスの作用によって発火した猛火に焼かれ、ようやく絶命した。 アリサ・リン (Alisa Lin) 『MD』に登場する学園の副生徒会長。明るく軽快で社交的な印象の強いお嬢様でリッキーにカツアゲしようとしていた不良生徒たちを叱咤して追い払い、リッキーに対して友好的に接すると同時にアプローチをかけるなどし、彼からもビンディ共々好印象を持たれていたが、後にゾンビと化して寝起きのリッキーの前に現れ、彼に襲いかかる。即座にグラシアたちに捕えられ、最終的にはグラシアの手配により、旧校舎もろとも焼却処分された。 本性は全てが自分の思い通りにならないと気が済まないワガママで陰湿な性格の持ち主で、生前のナナンが受けていたイジメの主犯格でもあった。後にビンディとナナン(実験体C16)に奇襲され、ゾンビにされたことがビンディの口から語られる。 ラナ (Lana) 『MD』に登場するマルハワ学園で最初にゾンビになった女子生徒。初めてマルハワ学園を訪れたダグとリッキーがグラシアに見せられたゾンビでもある。 ビンディ、アリサ、ナナンの同級生。アリサのように積極的にナナンのイジメには参加していなかったが、彼女の嫌がらせに対して見て見ぬふりをしていたため、ビンディの復讐の対象者に加えられる。実験体C16に変異したばかりのナナンの実験台としてゾンビ化させられた後、ゾンビ化したアリサ共々グラシアの手配によって焼却処分された。 レイ・スー (Ray Hsu) 『MD』に登場する主幹教諭。眼鏡をかけた男性で、タヒルとは内戦国で生まれ育ってからの親友同士。サーベルの使い手で、地下制御施設への立ち入り調査中にゾンビに襲われた際にも勇猛果敢にサーベルで立ち向かう。冷静沈着な性格だが、グラシアに心酔しており、目の前で少しでも彼女に対する不平や悪口を言う者にはサーベルを向けるなど短気な一面もある。 地下制御施設への立ち入り調査中、突然発生した原因不明の停電の間に忍び寄ってきたゾンビに咽喉を噛まれてゾンビ化するが、タヒルの手で引導を渡された。なお、停電はビンディが故意に引き起こしたもので、ゾンビ化も地下制御施設内に潜伏していたC16によってガスを吸入されたためであったことが、後に明かされている。 タヒル・カプール (Tahir Kapoor) 『MD』に登場する特別高等警備員。言動は荒っぽく、レイ同様にグラシアに心酔しているが、その一方で学園を守ることに必死になっているグラシアの現状を憂う思慮的な一面もある。地下への立ち入り調査時にはハンマーを手にゾンビたちと戦い、ゾンビと化したレイに引導を渡した。後にリッキーとダグに、自分とレイが内戦国で生まれその日生きるのにもままならぬ中グラシアの父に拾われ、彼が院長を務める孤児院で育った過去を明かす。同時に学園でのグラシアの行動が、幼い頃から慕っていた父が残した聖域であるマルハワ学園を守るのに必死なためと語り、また、3か月前の事件にもレイ共々立ち会っていたため、彼女の苦悩を慮っている。地下での戦闘後、レイの死亡によって事態を重く見たグラシアから拳銃を支給され、ダグとリッキーに手渡した。 グラシアに心酔している者たちの中では比較的良識的な考えの持ち主でもあるが、一方でグラシアの面目を守るためには手段を選ばず、グラシア以外の人物に対する配慮に欠けている一面もあり、生徒会でも問題になっていた不良男子2人(第1話でリッキーにカツアゲを働こうとしていた生徒で、後にアリサの取り巻きであったことが発覚する)がゾンビ化して学園祭が大パニックになった際には、ビンディを元凶に仕立て上げる方法をグラシアに提案し、事態を収めることには成功するもそれによりビンディを追い詰めてしまった結果、マルハワ学園壊滅の直接的な動機に繋がってしまった。 その後、ダグとリッキーに銃の扱い方を指導するが、グラシアが真実を公表する決意を固めた日の夜、ビンディの指示によって出現した実験体C16との戦闘で片腕を失う重傷を負い、さらにC16から口移しで特殊なガスを吸わされる。そして瀕死の状態でリッキーにゾンビと化すであろう自分を殺すよう頼むが、ためらったリッキーがまともに拳銃を撃てず銃弾は外れる。その直後にタヒルはゾンビ化するが、決意を固めたリッキーの手で倒された。 先代理事長 『MD』に登場するマルハワ学園の先代理事長で、グラシアの父親。故人。財力に恵まれた資産家ながら篤志家の面も持ち、内戦国に直接出向いてはレイやタヒルといった戦災孤児を自らが営む孤児院に入れるなど、精力的に動いていた。しかしその反面、幼い頃から自分を慕い、孤児院にも手伝いに通っていた娘のグラシアを、外国へ留学に出したきり放任したり、事前に何の相談もなくマルハワ学園の次期理事長に任命したりするという、人間的に不可解な面を有する。 ナナン・ヨシハラ (Nanan Yoshihara) 『MD』に登場するビンディのクラスメイトで、日系人。物語開始時の3ヵ月前に行方不明になっている。 実家はかつて世界的に有名なレストランだったが、内部対立が原因で、ナナンが高等部に上がる直前に倒産し、このことが原因で貧乏な人間に対する偏見による陰口と蔑視に2年以上も晒されていた。 ナナンも最初は果敢に応戦していたが、度重なる嫌がらせはエスカレートして、イジメを働いたアリサたちとナナンの双方が怪我をするという暴力沙汰にまで発展していく。それがきっかけで学園の閉鎖的な社会に嫌悪感を抱き、どんなに訴えても少しも動かないマザー・グラシアに失望し、ついにはビンディと2人で学園から脱走して真実を外の世界に伝えようとするが、追いかけてきた警備員たちとの争いの果てに、近くにあった岩に頭を強打して死亡した。そして、この1件はグラシアの手によって隠蔽され、表向きは行方不明として処理され、父親にも真相は最後まで伝えられなかった。 ヤン・タイミン (Yang Tai Ming) 『MD』に登場する中国人の男子生徒。肥満体型で臆病な性格。ゾンビ化した女生徒(本人曰く憧れていた先輩)に襲われそうになった際、幼なじみのクワンに助け出され、共にゾンビたちから逃れようとするも、ダクトを逃亡中に外れた天蓋より足から落下しそうになったところを複数のゾンビに捕まり、食い殺された。 グエン・ティ・クワン (Nguyen Thi Quan) 『MD』に登場するベトナム人の女子生徒。タイミンの幼なじみで、性格は男勝り。学園内でバイオハザードが発生した際は金属バットを手にゾンビたちから逃れていた。タイミンがゾンビに食い殺された後、自身もゾンビに襲われかけたところをリッキーに助けられ、共にグラシアのいる部屋へ向かう。そこでグラシアの死を目の当たりにし、逆上して怪物化したビンディをバットで殴りつけるがビンディに怪力で外へ放り出され、そこでゾンビに襲われて死亡。
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