ゲッターチームと早乙女一家
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「ゲッターロボ」の記事における「ゲッターチームと早乙女一家」の解説
流 竜馬(ながれ りょうま) 声 - 神谷明アニメ版 17歳。愛称はリョウ。浅間学園に通う高校生。サッカー部のキャプテン。サッカー部のコーチであった早乙女達人が恐竜帝国との戦いで戦死したため、その敵討ちを誓い、イーグル号とゲッター1のパイロットの座を達人から引き継ぐ。性格は真面目で責任感の強い熱い優等生タイプ。ゲッターチームのリーダーを務める。九州の剣術道場の息子で、剣術の心得もある。学校の寮では隼人、武蔵とはルームメート。当初は軽症ながら高所恐怖症であり空戦メインのゲッター1の搭乗者として不適正とされた時もあったが本人の努力で克服した(3話)。妹を交通事故で亡くしている。父母は健在だが60代でかなりの遅子。唯一正規のパイロットスーツを着用している。愛車は黄色いサイドカーで隣には主に武蔵を乗せる。出身地は九州であるが中学時代から親元を離れている描写もあった。 漫画版 幼少の頃から父・流一岩による過酷な特訓を受けながら育った空手の達人。初登場回では父を締め出した空手界に復讐するため空手の全国大会へ乱入し、一岩の空手を「危険すぎる」として破門した館長以下その場にいた全員をひとりで倒し大会をぶち壊しにして去って行った。その姿が政府の調査員の目に留まり、彼らの通報を受けた早乙女博士が試しにけしかけた殺し屋たちをことごとく素手で返り討ちにした事でゲッターロボの第一号パイロットに選ばれた。殺し屋たちとの戦いのあと負傷のため昏倒しそのまま拉致同然の状態でスカウトされたため最初は激しく反発していたが、恐竜帝国の非道と早乙女博士の覚悟を見て戦うことを決意する。 後の戦いで恐竜帝国基地の動力炉の爆発に巻き込まれた時に百鬼帝国の工作員によって秘かに救助されていたものの、記憶を失っていたが、武蔵の死をきっかけに取り戻す。 言動は粗暴だが、恐竜帝国の基地内にあった人間虐殺研究所で人体実験に使われていた人々を見つけた際は戦いに巻き込むことを拒み、細菌兵器の犠牲になった少年の死に怒りを燃やし、アトランティス人を勘違いで攻撃したと思いこんだ際には真摯なまでの謝罪の言葉をかけ、自らの空手道場の門下生の少年が麻薬の犠牲になった際には麻薬を流通させた暴力団に報復を行なうなど、情に篤く常に自らの正義を貫こうとする熱血漢。 神 隼人(じん はやと) 声 - 山田俊司アニメ版 17歳。ジャガー号とゲッター2のパイロット。浅間学園の生徒。スポーツ万能で、サッカー部主将の竜馬、柔道部主将の武蔵からも入部を勧誘されていた。ニヒルで孤高の一匹狼的性格。気障な皮肉屋であり、決して素直に感情を示さない。そのため他人から誤解を受けやすい。早乙女ミチルに亡き母の面影を見つけ、ひそかに慕っている。ゲッターチームに参加するきっかけも、ミチルが危機に陥っていたためである。趣味はハーモニカを吹くことで、母の形見の十字架を肌身離さず持っている。当初はかなりの自信家で実際に竜馬の能力を上回る描写も度々視られた。33話でリョウとぶつかり合ったが次第に認め合う。やがて博愛主義の竜馬に心を動かされサブリーダーとしてサポートしていくことになる。続編のゲッターロボGで百鬼帝国との決戦の際、ついにミチルに告白する。家族は父と姉。劇中、姉は何度も敵の手に落ち、父親との確執も幾度か描かれた。戦闘服は自前のライダースーツとヘルメット。愛車はチョッパーハンドルに背もたれが付いたバイク。趣味は登山であり、山のことになると少々うるさい。 漫画版 自らの知略と統率力を以って校舎の一角を占領した学生運動のリーダー。初登場回においては要人テロ計画中に組織からの逃走を図った部下たちを捕らえて「革命をゲームだとでも思ったのか?」とその甘さを詰めるや、追い詰められて反逆を試みた部下たちに対して顔の皮を剥ぐ・目を潰す・耳と鼻を素手で引きちぎるなどの私刑を自らの手で平然と行うなど狂気をはらんだ描写が見られる。 スポーツ歴は器械体操であり野獣のように身が軽く、反射速度もタフさも常人離れした領域にあり、戦闘力も竜馬に引けを取らない。ゲッターロボの乗組員にスカウトするため学校へ乗り込んで来た竜馬と戦いになりかけるが、恐竜帝国の襲撃で仲間を食われたことで爬虫人類の工作員と素手で殺しあう羽目になり、その場をしのいだ直後すぐさま竜馬の加勢で助かったものの、そのまま強制的にジャガー号へ搭乗させられた。当初は状況が飲み込めずパニックに陥っていたが、その後まもなく遭遇したメカザウルスとの戦闘を経て冷静さを取り戻し、人類全体が恐るべき敵の脅威にさらされていることを素早く理解すると正式なパイロットとなり戦いへ身を投じていくこととなる。 戦いの非情さというものを理解し、受け入れており、必要とあらば自分を含め犠牲を出すことをいとわず、恐竜帝国によって人体実験に使われた人々を巻き込んででも敵を倒そうとしたり、自分の体が乗っ取られそうになったときは自分の舌を噛み切ろうとした。 一方で完全に情を捨てている訳ではなく、後に学生運動時代の部下達が百鬼帝国にサイボーグ化されて兵器として利用され、ついには自由意志さえも奪われ、破壊兵器と化して犠牲になった戦いでは、かつての自分が煽った革命思想の為に彼らを破滅に導いてしまったことについて苦悩する姿を見せている。 『ゲッターロボ號』ではプロフェッサー・ランドウの野心をいち早く察知して北極基地蛇牙城(ベガゾーン)を独力で襲撃し壊滅的被害を与えたものの、その引き換えに深手を負いゲッターに搭乗できない体になっていたが、経験と知略を政府に買われてゲッター部隊の指揮官として登場し狂言回し的な役回りを担うことが多かった。情に篤い竜馬とは正反対の性格であり、後に見解の違いから決別することになるがその友情が揺らぐことはなかった。『ゲッターロボサーガ』では武蔵を始めとする新旧ゲッターチームの死を見届けることとなり、竜馬の配慮で真ゲッターから下ろされた時は「また俺を生き残らせるのか」と悲痛な叫びを上げた。 巴 武蔵(ともえ むさし) 声 - 西尾徳アニメ版 17歳。ゲッター3およびベアー号のパイロット。友人である流竜馬と同じく浅間学園に通い、柔道部の主将を務める。第1話では虫類が苦手という弱点もあったが、第2話で隼人の荒療治と努力によって克服。能力、性格は共に対照的な隼人からは前半ではかなり批判されていたが、後に信頼も得るようになる。ミチルへの愛情は誰よりも強い。得意の柔道技である「大雪山おろし」を使うなど、ゲッター3のパイロットとして成長したが、最終回での自分のミスでゲットマシンを喪失させてしまった責任から単身コマンドマシンに乗り、生きて帰ることを望みながらも無敵戦艦ダイの口内に突入して相討ちになるという壮絶な最期を遂げる。戦闘服は工事現場用のヘルメットと剣道の赤胴を着用し、ゴーグルは水泳用のものを使用。なお、背中の日本刀は本物であり、敵キャプテンとの決闘の時に竜馬に貸し与えたこともあった。家族は母のみ登場した。当初はコメディリリーフ(お笑い担当)であったが、大枯文次の登場で、その役割は次第に文次へとバトンタッチされる。自転車にも乗れないため、オートバイは所持せず竜馬のサイドカーに便乗することが多い。出身は北海道。なお「大雪山おろし」の由来は大雪山にこもって修行し編み出した技というところからである(漫画版も共通)。 劇場版である『グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突』ではオープンゲットで離脱中に空魔獣クランゲンと相討ちの形で戦死している。 漫画版 戦いに巻き込まれて竜馬とともに搭乗したことがきっかけでゲッターロボに惚れ込み、のちに新たなパイロットとして自分を売り込んできた柔道家。適性がないと判断され断られるも諦めきれず、無理やりベアー号へ乗り込んで出撃した際に竜馬と隼人が気絶してしまうほどの状況でも一人ぴんぴんしていたタフさと戦闘の恐怖をものともしない剛毅さを証明して正式なパイロットになった。 恐竜帝国による早乙女研究所への大規模な侵攻が迫る中、竜馬が負傷と記憶喪失のためゲットマシンに搭乗できない状況下で完成間近の新型ゲッターロボの存在を早乙女博士から内密に知らされ、その完成と反攻作戦成功を図るべく単身で出撃。他の2機を自動操縦で合体させ本来の能力を発揮できないはずのゲッター1を動力炉のリミッターを解除することで過大なパワーを引き出させる形でメカザウルスの軍勢と激闘を繰り広げるも徐々に追い詰められて大破寸前となり、最期はゲッターの腹部からエネルギータンクを自ら抉り出してそこから漏れだすゲッター線で多くのメカザウルスを機能不全へ追い込みながら、その軍勢を道連れに自爆した。なお、この時ゴールはゲッターロボ打倒に執着するあまり部下の訴えを無視して戦力の大半を投入していた為、恐竜帝国も本土防衛の戦力が半ば枯渇した状態になり、後の百鬼帝国の奇襲を防ぎきれない形で壊滅的な打撃を被ることとなった。 竜馬と隼人に比べるとアニメ版との差が少ないキャラクター設定となっている。アニメ版と違い特には虫類は苦手ではないが性格はほぼ同様で、元気に優しく接したりミチルに惚れる一面はアニメ版と共通している。スポーツ歴(柔道)も同じで漫画版では登場間もなく「大雪山おろし」を生身で披露するシーンがあるが、武蔵の操縦によるゲッター3の「大雪山おろし」は後年加筆されるまで描かれなかった。 早乙女博士(さおとめはかせ) 声 - 富田耕生アニメ版 ゲッター線研究の権威である科学者。ゲッター線の平和利用のために宇宙開発を目的としたゲッターロボを開発するが、恐竜帝国の進撃で長男の達人が死亡し、竜馬達新生ゲッターチームとともに恐竜帝国、『ゲッターロボG』では百鬼帝国と戦うことになる。服装は常に白衣に下駄履き。普段は優しく気さくな性格だが当初チームワークが悪かったゲッターチームを叱責することも度々あった。漫画版同様、2回ほど(2話と最終回の51話)欠員が出来た場合ゲットマシンに乗り込もうとしたが、2回とも武蔵の奮起で出撃には至らなかった。 『ゲッターロボG』第1話でもポセイドン号に乗り込もうとしたが、車弁慶が乗り込んだため出撃に至らなかった。なお『ゲッターロボG』第19話ではレディコマンドを操縦してゲッタードラゴンを援護している。 漫画版 ゲッターロボのパイロットにふさわしいか確認するため竜馬に殺し屋を差し向けて戦わせ、実子・達人が恐竜帝国の先兵に襲われて助からないと知るや敵もろとも竜馬の目の前で自らの手で焼き殺して恐竜帝国の脅威を訴え、さらに自分と竜馬だけでも助かればいいと発言してミチルに非難されるなど目的のためには手段を選ばない苛烈な面が強調されている。もっとも心中では「ゲッターさえ完璧に動けば」と呟いており、ただ非情なだけの人物という訳でもない。容姿は頭髪や髭が白髪になっておりアニメ版より高齢の印象を与える。早乙女研究所関係者には厳しいが民間人に対しては保護も考える。自分自身も戦えるように鍛錬を怠っていなかったらしく、3機揃ってのゲットマシン初陣には、まだパイロットが決まっていないベアー号を操縦し、後にゲッター3でも戦った。 『ゲッターロボG』の時期には多少なりとも余裕を感じるようになったらしく、苛烈な一面はなりを潜め、コミカルな面も見せるようになっていたが、『真ゲッターロボ』で弁慶の行方不明をきっかけとして豹変する。 早乙女 ミチル(さおとめ ミチル) 声 - 吉田理保子 / 吉田美保(スーパーロボット大戦シリーズ)アニメ版 17歳。ゲッターチームの1人で、早乙女博士の娘。作中ではコマンドマシンを操縦してゲッターロボの支援にまわっている。浅間学園のマドンナ的存在で、巴武蔵や大枯紋次に好かれていたが、最終的には隼人といい関係になっていた。 『ゲッターロボG』の終盤では、行方不明になった隼人の代わりにゲッターライガーに搭乗した。 漫画版 特に戦闘には参加していない。やむをえず兄(達人)を殺した父(早乙女博士)を「残酷な人」と呼んだ。隼人と恋愛関係になることはなかったが、共に行動することは多かった。てんとう虫コミック版では記憶喪失の竜馬をかばって死んだと思われた(明確な描写はなかった)。しかし、サンデーコミックスに収録されているゲッターロボGにて、大臣から招待されたパーティに、早乙女博士と共に出席する姿が描かれている。また、ウザーラの頭部奪取をもくろむ百鬼帝国の襲撃に、流竜馬が運転するオートバイとそのサイドカーに乗るミチルが巻き込まれてしまう描写もある。さらに、ゲッターロボG最終盤、早乙女研究所の地下壕に避難している人々を百鬼獣が襲撃する際、元気をかばう姿の描写もある。その襲撃はゲッターライガーが撃退している。 早乙女 元気(さおとめ げんき) 声 - 菊池紘子 早乙女博士の二男で小学生。当初チームワークが悪かったゲッターチームに意見するなど、しっかりした面も持っている。武蔵とは特に仲が良い。愛称は「元気ちゃん」。漫画版にも登場はしていたが特に目立った活躍はない。 早乙女 和子(さおとめ かずこ) 声 - 菊池紘子 / 千々松幸子(第20話のみ) アニメ版にのみ登場の早乙女博士の妻。親元から離れているゲッターチームの母親的存在で自宅で食事を御馳走することもある。戦時中の空襲で父母を亡くしトラウマとなっている。 早乙女 達人(さおとめ たつひと) 声 - 野田圭一アニメ版 早乙女博士の長男。浅間学園のサッカー部コーチでゲッターロボの正規パイロットであったが、メカザウルス・サキの攻撃により、練習機のゲットマシンに搭乗中に他の正規パイロット共々殺されてしまった。 漫画版 早乙女博士の長男。竜馬がゲッターロボへ搭乗するにあたりトレーナーとなるはずであったが、その前に恐竜帝国による早乙女研究所への奇襲の際に竜馬達をかばって逃走の時間を稼いでくれたものの、大量の生物兵器の襲撃を防ぎきれずに脳と体を支配されてしまい、反撃をためらう竜馬と哀願するミチルの目の前で、父親の早乙女博士によって火炎放射器の火炎を浴びせられて殺されてしまった。
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