ドアカット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/03 06:12 UTC 版)
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ドアカット(和製英語: door + cut)は、鉄道駅においての停車時に、列車の一部のドアを開けず、限られた車両またはドアからのみ乗降させる措置のこと。
要因
鉄道列車では複数あるドアのいずれでも乗降ができるのが一般的[1]であるが、駅のプラットホームが列車より短い場合(プラットホームから列車がはみ出す場合)[1][2]、プラットホームが狭かったり車両との隙間が広い場合[3]、ホームドアと車両の扉位置が一致しない場合[4]など、物理的に乗降に利用できないドアは開けることができないためドアカットが行われる。乗車券確認を行うために乗降経路を制限する目的で行われる場合もある[3]。2020年現在ではホーム延伸などによる解消が進んでおり、ドアカットが行われる駅は減少傾向にある[5]。
通常の例 |
ドアカットの例 |
| 上 - 通常の事例。ドアをすべて開ける。 下 - ドアカットの事例。プラットホームからはみ出た車両はドアを開けない。 |
事例
日本
東急電鉄の九品仏駅は駅の両側が踏切に挟まれておりプラットホーム有効長が4両分しかないため、5両編成の各駅停車は溝の口寄り1両をドアカットする(7両編成の急行は停車しない)[6][7][2]。同駅のホームドアも有効長に合わせた4両分のみ設置されている。大井町線の各駅停車用の車両には、九品仏で使用する自動扉非扱いスイッチ盤を備えている。大井町線の各駅停車は全列車5両編成のため、このようにドアカットが無条件で終日・全列車に行われる例は珍しい。
JR東日本横須賀線の田浦駅も両側をトンネルに挟まれており11両編成分のホーム長が確保されていないため、一番前の1両全てのドアと2両目の1枚目ドアのみを締め切る形のドアカットが行われている[2]。同様のドアカットは嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵐山駅でも行われており、6両のうち2両がトンネル内に停車するため実施されている[8]。
東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)浅草駅の1,2番線では、プラットホーム先端が狭くカーブになっており電車とホームの隙間が広く危険な箇所があるため、末端の2両でドアカットが行われる[3]。
山陽電気鉄道の大塩駅では、2022年2月28日まで、特急列車が上りプラットホームに停車する際、プラットホームからはみ出す最後尾車両のドアを開けない「ドアカット」が行われていた。1923年の開業当初は4両編成で運行されており、その後阪神電気鉄道との直通運転を見据え輸送力増強のため6両編成化されたが、大塩駅の上りプラットホームは構内踏切や一般踏切の制約により5両分しか確保できなかっため、1991年4月からドアカットを行っていた[8][9]。山陽電気鉄道は2019年11月、ドアカットの解消に着手し、構内踏切の解消やホーム延長工事を進め、2022年3月1日に解消した[9]。
過去には山陽電気鉄道飾磨駅、阪急電鉄川西能勢口駅、阪神電気鉄道三宮駅(現・神戸三宮駅)、箱根登山鉄道風祭駅、東急電鉄代官山駅・菊名駅・戸越公園駅、京浜急行電鉄梅屋敷駅、京王電鉄神泉駅などでもドアカットが行われていたが、いずれも駅舎改良や高架化等により解消されている[8][5]。
イギリス
ロンドン交通局(TfL)管轄の鉄道でも、プラットホームが列車の長さに比べて短い駅などにおいて特定車両のドアを開けない「ドアカット(Selective Door Opening, SDO)」が行われており、乗客には車内アナウンスやプラットホーム上の掲示板で注意が呼びかけられる[10]。
ドックランズ・ライト・レイルウェイやロンドン・オーバーグラウンド、TfLレイルの複数の駅では、列車の先頭や最後尾、一部車両のドアが開かない。パディントン駅など一部の駅ではプラットホームの曲線により、中央ドアが開かない場合もある。SDOはGPSで列車の位置を認識して制御される[10]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b “【井上孝司の「鉄道旅行のヒント」】停車時に一部の扉が開かない“ドアカット”とは? 開かないドアでパニックにならないために”. トラベル Watch (2024年8月28日). 2025年11月19日閲覧。
- ^ a b c “今や絶滅寸前、電車の「ドアカット」 駅に着いてもドア開かず 解消進む納得の理由”. p. 1 (2020年11月5日). 2025年11月19日閲覧。
- ^ a b c “今や絶滅寸前、電車の「ドアカット」 駅に着いてもドア開かず 解消進む納得の理由”. p. 2 (2020年11月5日). 2025年11月19日閲覧。
- ^ “2023年2月供用に向けて、本厚木駅でホームドアの設置を始めます” (pdf). 小田急プレスリリース (2022年10月14日). 2025年11月19日閲覧。
- ^ a b “今や絶滅寸前、電車の「ドアカット」 駅に着いてもドア開かず 解消進む納得の理由”. 乗りものニュース. p. 3 (2020年11月5日). 2025年12月27日閲覧。
- ^ プレスマンユニオン編集部 (2025年7月20日). “東京23区内、一部の車両でドアが開かない「ドアカット」の駅が東急大井町線に!”. tabi-mag.jp. ニッポン旅マガジン. 2025年12月17日閲覧。
- ^ “これが最新型の「ドアカット」だ!? 東急の新型電車“各駅停車用”従来とどう違う?”. 乗りものニュース (2025年7月10日). 2025年12月17日閲覧。
- ^ a b c “ホームから「はみ出る特急」解消目指す駅、高校生は「何度見ても面白いのに」”. 読売新聞. (2021年3月2日) 2025年12月16日閲覧。
- ^ a b “山電大塩駅の珍景「はみ出し停車」解消 ホーム延長、安全確保の「ドアカット」終了へ”. 神戸新聞. (2022年2月27日) 2025年12月16日閲覧。
- ^ a b “FOI request detail Full list of all short platforms”. Transport for London (2021年11月24日). 2025年12月16日閲覧。
関連項目
ドアカット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 04:32 UTC 版)
かつては以下の3か所の駅でドアカットが行われていたが、現在はすべて解消されている。 代官山駅 渋谷隧道にかつては隣接していた代官山駅でホーム全長の不足から、20m車6両以上の編成・18m車8両編成でドア締め切り(ドアカット)措置が採られたが、現在は駅改修工事の完成により渋谷2号踏切が廃止、ホームが渋谷隧道内に延長されたため解消されている。 綱島駅 地上ホーム時代には駅南側に県道子母口綱島線の踏切があるためにホームが延長できず、6両編成の場合は横浜方の先頭車両1両をドアカットしていた。その後、同駅の高架化により解消された。 菊名駅 菊名駅では、駅の渋谷方に踏切があり、また横浜方は急曲線となっていたため、ホームの長さが150m弱しかなかった。その結果、東横線の車両を20m車両8両編成へと増強した時に渋谷方1両目のホームが不足したため、ドアカット措置がとられた(なお、18m車両8両編成の日比谷線直通列車はホームの長さが足りるためドアカットはなかった)。同駅は各駅停車が急行の待ち合わせをする駅であったために停車時間が長く、列車がはみ出す渋谷方の踏み切りは「開かずの踏切」となり、問題になっていた。この措置は、菊名駅 - 大倉山駅間の一部が高架化された際に踏切を廃止してホームを延伸することにより解消した。
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