歴史上のスーパーコンピュータの一覧とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 歴史上のスーパーコンピュータの一覧の意味・解説 

歴史上のスーパーコンピュータの一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 15:12 UTC 版)

スーパーコンピュータ技術史」の記事における「歴史上のスーパーコンピュータの一覧」の解説

技術史観点から重要と思われるスーパーコンピュータや、その源流となったコンピュータを示す。 一部には最大構成での性能である。また、機種名の後ろの「/4」などは、PE(プロセッサ・エレメント)の数を表す。(ただしNEC SX-3/44Rはベクトルパイプライン44本、研究用途、を表している) 歴史上のスーパーコンピュータの一覧日付ベンダ&名称実効性プロセッサ技術的注目点設置場所1941年 Zuse Z3 1.4FLOPS 独自開発リレーによる計算機浮動小数点専用機ドイツ航空研究所(現:ドイツ航空宇宙センター),ベルリン,ドイツ 1941年 ABC 30OPS 独自開発 真空管計算機連立方程式専用計算機アイオワ州立大学,アイオワ,アメリカ 1944年 Colossus 5kOPS 独自開発 暗号解読専用計算機第二次世界大戦時ナチス用いていた暗号解読するために、数学者によって考案され多く技術者国家動員することによって生まれた計算機ブレッチレイ・パーク,イングランド,イギリス 1946年 ENIAC 50 kOPS 独自開発 真空管とパッチボードプログラムによる、電子計算機ペンシルベニア大学,ペンシルベニア,アメリカ 1953年 Strela英語版独自開発 軍事経済計画向けを指向した計算機ベクトルパイプラインと、今日スパコン条件を満たす。 Kalmykov計算機工場,モスクワ,ソビエト連邦 1960年 UNIVAC LARC 独自開発 科学技術計算向けを指向した計算機当時世界最高速ローレンスリバモア国立研究所,カリフォルニア,アメリカ 1961年 IBM 7030STRETCH1.2 MIPS 独自開発(ディスクリートトランジスター) IBMによる初のスーパーコンピュータ当初4MIPSの性能予定していたがそれを達成できなかったため、ごく少数しか製作されなかった。この後IBM汎用設計機ハイエンドモデルとしてSystem/360モデル95や続くSystem/370高性能機を作っている。 ロスアラモス国立研究所,ニューメキシコ,アメリカ 1964年 CDC 6600 3 MFLOPS 独自開発(ディスクリートトランジスター) 浮動小数点演算専用機として開発された。 ローレンスリバモア国立研究所,カリフォルニア,アメリカ 1969年 CDC 7600 36 MFLOPS 独自開発(ディスクリートトランジスター) パイプライン演算機構初め搭載され計算機1974年 CDC STAR-100 100 MFLOPS 独自開発TTL型) STAR場合には、それまでの3倍の性能を出すために、内部バス配線スター(星)状になっていることに由来する1975年 イリノイ大学バロース ILLIAC IV 150 MFLOPS 独自開発ECL型) 大規模スカラ計算機元祖ともいえる計算機アメリカ航空宇宙局 アーメスリサーチセンタ、カリフォルニアアメリカ 1976年 Cray-1 250 MFLOPS 独自開発ECL型) 初めて、ベクトルレジスターを採用した計算機ハードウエアによる、パイプライン演算機能は、初期モデルでは省略された。よって、初期Cray-1では、ソフトウエアパイプラインという、アセンブリ言語にて擬似パイプライン実現する必要があった。 ロスアラモス国立研究所,ニューメキシコ,アメリカ 1981年 CDC Cyber 205 400 MFLOPS 独自開発ECL型) Cyberシリーズは、ベクトルレジスターと同時に、ハードウエア・パイプライン演算機能搭載していた。FORTRANでもきちんとベクトル最適化出来設計になっていたのだが、OSにてタイムシェアリングを提供できなかったため、数台が製造される終わった1982年 FACOM VP-100 250 MFLOPS 独自開発ECL型) 国産では最初にベクトルレジスターを採用した計算機。VP-200シリーズ、VP-400シリーズは、名古屋大学京都大学計算流体力学研究所等に納入された。また、この後廉価版VP-10シリーズなども発表され大手企業中心に導入され国内ベストセラー機になったこともあるようである。 富士通,沼津工場,日本 HITAC S-810 630 MFLOPS 独自開発ECL型) 大規模ベクトル計算機として開発され計算機であり、メモリー量もGB超えて搭載できたモデル最初のモデルは、東京大学納入された。東京大学大型計算機センターでは、当時円周率計算速度及び精度世界記録塗り替える成果上げた日立製作所,海老名工場,日本 1983年 Cray X-MP/4 941 MFLOPS 独自開発 ベクトルレジスターを複数搭載した計算機CRAY-1CRAY-2は、シングルベクトルレジスターで性能上げるための専用機であったが、X-MPシリーズでは、ベクトルレジスターをコンパクト化して、複数搭載しタイムシェアリングできるようになった機種UNIX系OS採用され機種としても有名。 ロスアラモス国立研究所; ローレンスリバモア国立研究所; バテル記念研究所; ボーイング NEC SX-1,SX-2 1.2 GFLOPS 独自開発ECL型) クラスターノードによる接続可能なベクトル計算機。クラスターノードとは、地球シミュレータまで続いているが、大型クロスバー交換機見れば分かりやすい。各プロセッサ専用通信ノードにて接続し計算ジョブデータを各計算ノード毎に割り振る仕組みのことである。 日本電気, 府中工場,東京 1984年 M-13ドイツ語版) 2.4 GFLOPS 独自開発TTL型?) ベクトルレジスターを採用した計算機一説には、最初専用機Cray-1コピーとも言われている。しかし、旧共産圏国々では集団プロジェクトマネジメントによって、仮説から理論への実践が行われており。かつまた高い教育水準によって多く優秀なエンジニアがいたため十分に可能であったと思う。例をあげておけば、核融合トカマク型)、原子核物理学シンクロトロン)、ロケット開発航空機開発等において著名な研究者並びに成果上げている。 モスクワ物理学技術研究所 コンピュータ部門,モスクワ,ソビエト 1985年 Cray-2/8 3.9 GFLOPS 独自開発 冷却方式それまで空冷から、フロン冷却変えた計算機同時に、ベクトルレジスターの容量拡大が行われ、パイプライン演算機構も、加算及び乗算加えて除算及び減算組み込まれたことによって、シングルプロセッサの能力でもCray-1の数倍の性能達している機種。この計算機上で商用多く数値解析ソフトウエア及び可視化ツール開発されたため、自動車メーカ航空機メーカ多く採用した機種でもある。 ローレンスリバモア国立研究所,カリフォルニア,アメリカ 1989年 ETA10-G/8 10.3 GFLOPS 独自開発FET冷却方式として、液体窒素用いた計算機。CMOS-FETを最初に採用実効性能が高かったが、メンテナンス面やソフトウエア開発面での不備によって数少ない生産が行われた機種一部構成は、東京工業大学納入されて、研究用いられた。 フロリダ大,フロリダ,アメリカ 1989年 アンリツ QCDPAX英語版14 GFLOPS マイクロプロセッサMC68020)・DSP(L64133) マイクロプロセッサ大規模並列搭載した計算機当時コンピュータグラフィックス用に開発されマイクロプロセッサ並列機(東洋リンクスLinks)などもあり、マイクロプロセッサによる技術的可能性追求が行われた記念するべきモデル当時英国のInmos社では、Transputer呼ばれるマイクロプロセッサ並列機が発表されており、技術同時発生見て取れる筑波大学,筑波,日本 1990年 NEC SX-3/44R 23.2 GFLOPS 独自開発 ECL技術による限界となったベクトル計算機。この機種原型となって地球シミュレータ開発が行われることになった。主に、ECLバイポーラ型のトランジスタから、低電圧MOS-FETへの置き換え等が実施された。 日本電気 , 府中NEC6号館, 日本 1993年 シンキングマシンズ CM-5/1024 65.5 GFLOPS マイクロプロセッサSPARCデータフロー型計算機あり、かまた、PEとしてマイクロプロセッサ採用した計算機。この機種以前の、CM-1が1ビットプロセッサ(ASICによって実現された、人工知能計算機)の超大規模並列であったに対して本機ではマイクロプロセッサ変えた点が違いである。なお、源流1950年代初頭人工知能研究から始まる。なお、小規模構成のCM-5は、映画ジュラシックパーク」にも出演している。 ロスアラモス国立研究所; 国家安全保障局,アメリカ 富士通 数値風洞システム(NWT) 124.50 GFLOPS マイクロプロセッサUltra SPARC) PEとして、マイクロプロセッサ採用しナビエ-ストークス方程式効率良く計算できるフレームワーク搭載した計算機(ここにおける、フレームワークとは、OS+コンパイラ+ライブラリ群を統合した開発環境のことである。例を挙げておけば、Smalltalkなどもフレームワーク該当する)。日本実用化された、分散型商用スーパーコンピュータ(ここでの定義は、倍精度浮動小数点演算可能な機種)としては、最初機種にあたる。この経験生かしてVPPシリーズへと進歩遂げたと思う。 航空宇宙技術研究所(現:宇宙航空研究開発機構), 府中市, 日本 インテル Paragon XP/S 140 143.40 GFLOPS マイクロプロセッサIntel i860マイクロプロセッサ大規模並列機。 サンディア国立研究所, ニューメキシコ,アメリカ 1994年 富士通 数値風洞システム(NWT) 170.40 GFLOPS マイクロプロセッサUltra SPARC) NSシステムプロセッサ強化(増や)した計算機 航空宇宙技術研究所 (現:宇宙航空研究開発機構), 東京, 日本 1996年 日立 CP-PACS/2048 368.2 GFLOPS マイクロプロセッサ独自拡張PA-RISC超並列計算機超並列型とは数値風洞システム等でも行われているが、スカラプロセッサ群からなるノード一つ大きなプロセッサ見立ててアルゴリズム分解しノード間通信行いながら演算処理を行う計算機のこと。GRAPEとの違いは、GRAPE計算ノード専用化しているのに対して超並列計算機では汎用プロセッサ用いる点である。 筑波大学, つくば市, 日本 1996年 日立 SR2201/1024 220.4 GFLOPS マイクロプロセッサ独自拡張PA-RISC) CP-PACSの技術ベース商用化行った超並列計算機東京大学, 東京,日本 1997年 インテル ASCI Red/9152 1.338 TFLOPS マイクロプロセッサ(Pentium Pro) ASCIとは、RedブックGreenブックBlueブックに基づく計算機設計ガイドラインに基づく計算機DARPAによって制定)。この機種は、Xeon最初に採用した超並列機である。OSは、Intel社のUNIX採用していた。 サンディア国立研究所, ニューメキシコ,アメリカ 1999年 インテル ASCI Red/9632 2.3796 TFLOPS マイクロプロセッサ (Pentiume Pro) 2000年 IBM ASCI White 7.226 TFLOPS マイクロプロセッサPOWERRGB全ての要求事項満たすと、Whiteになる。RS-6000SPの並列機。この機種源流は、電話交換機用に開発されRISCプロセッサである。なお、同じよう構成で、VAXシリーズ用いた並列機がTRW社で研究開発されていたこともある。 ロスアラモス国立研究所, カリフォルニア,アメリカ 2002年 NEC 地球シミュレータ 35.86 TFLOPS 独自開発ベクトルプロセッサ)このCPUは、SX-6シリーズ受け継がれる超高速・大容量ベクトル計算機海洋研究開発機構, 横浜, 日本 2004年 IBM Blue Gene/L 70.72 TFLOPS マイクロプロセッサ(PowerPC440) メッセージパッシングモデルによる大規模計算機スカラ型のPEには、組み込みCPUFPU付加することで、非常にコストパフォーマンスの高いシステムとなっている。また、商用機としては、IOノードOSLinuxカーネル採用する等、オープンソース成果活用した大規模スーパーコンピュータシステムとなっている。 アメリカ合衆国エネルギー省/IBM, USA 2005年 136.8 TFLOPS マイクロプロセッサPowerPCアメリカ合衆国エネルギー省 国家核安全保障局/ロスアラモス国立研究所,カリフォルニア,アメリカ 280.6 TFLOPS マイクロプロセッサ(PowerPC) 2007 2008 IBM Roadrunner 1.026 PFLOPS マイクロプロセッサ(Opteron, PowerXCell 8i) 1.105 PFLOPS 2009 Cray Jaguar 1.759 PFLOPS マイクロプロセッサ(Opteron) オークリッジ国立研究所, テネシー, アメリカ 2010 Tianhe-IA 2.566 PFLOPS 国立スーパーコンピュータ研究所, 天津, 中国 2011 富士通 京 10.510 PFLOPS マイクロプロセッサSPARC理化学研究所, 神戸, 日本 2012 IBM Sequoia 16.320 PFLOPS マイクロプロセッサPowerローレンスリバモア国立研究所,カリフォルニア,アメリカ 2012 Cray Titan 17.590 PFLOPS マイクロプロセッサOpteron, Teslaオークリッジ国立研究所, テネシー, アメリカ 2013 NUDT Tianhe-2 33.860 PFLOPS 広州, 中国 2016 Sunway TaihuLight 93.010 PFLOPS 無錫, 中国 2018 IBM Summit 122.300 PFLOPS マイクロプロセッサPower, Teslaオークリッジ国立研究所, テネシー, アメリカ 2020 富士通 富岳 415.530 PFLOPS マイクロプロセッサARM専用CPUとしてScalable Vector Extension追加したA64FX開発された。 理化学研究所, 神戸, 日本

※この「歴史上のスーパーコンピュータの一覧」の解説は、「スーパーコンピュータ技術史」の解説の一部です。
「歴史上のスーパーコンピュータの一覧」を含む「スーパーコンピュータ技術史」の記事については、「スーパーコンピュータ技術史」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「歴史上のスーパーコンピュータの一覧」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「歴史上のスーパーコンピュータの一覧」の関連用語

歴史上のスーパーコンピュータの一覧のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



歴史上のスーパーコンピュータの一覧のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのスーパーコンピュータ技術史 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS