歴史上のシジル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/11 01:52 UTC 版)
「シジル (オカルト)」の記事における「歴史上のシジル」の解説
中世・近世の古典的な儀式魔術において、さまざまな天使や精霊のシジルが多数みられる。これらは七惑星、黄道十二宮、デカンなどに対応する天使(angel)、知霊(intelligence)、精霊(spirit)などと呼ばれる種々のダイモーンをあらわす象徴であり、比較的単純な記号もあれば複合的で装飾的な図像もある。後者を印章または紋章(seal)と呼び、シジルと区別する場合もある(ただし sigil も seal も同じ sigillum の英訳である)。『ゴエティア』には72の悪霊のリストとそれぞれの霊に対応する印章が記載されている。悪霊の印章は霊の真の名に相当するものであり、霊に対する支配力を魔術師にもたらすものと考えられた。マグレガー・マサースが編纂した『ソロモンの大いなる鍵』には七惑星の護符(ペンタクル)が記載され、同じくマサースが発掘し英訳した『アルマデル奥義書』には天使の護符(Character)が記載されているが、それらもシジルの一種である。 ユダヤ人の魔術的カバラの伝統においては、ヘブライ語でセグラ(複数形セグロト)という護符の一種が知られている。これも一種のシジルである。中世ユダヤのグリモワール『天使ラジエルの書』にはさまざまなセグロトが記載されている。 19世紀末に設立され現代の儀式魔術の主要なルーツとなった黄金の夜明け団の魔術体系では、天使や霊の名から抽き出した線形をシジルと呼ぶ。この線形は、天使名の各文字を数字に変換し、惑星の魔法陣上に順番に線を引くことによって得られる。また、22文字のヘブライ語アルファベットに対応する花弁をもつ薔薇の上に線を引く方法もある。こうしたシジルは主にタリスマンや魔術武器のデザインに使われる。
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