十六翼将
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「アルスラーン戦記の登場人物」の記事における「十六翼将」の解説
アルスラーンの主な臣下たちを「解放王アルスラーンの十六翼将」と呼ぶ。これはパルスの軍事制度上の正式な役職ではなく、アルスラーンと共に王都を奪還し、その後もその治世を支えて活躍したとされる伝説的な英雄たちに対する、作品世界における後世の人々からの称賛を込めた呼び名である。吟遊詩人がアルスラーンの事跡を物語る時、聴衆に向かって「十六翼将の名を知るや?」と問い、聴衆は指折り数えてこれに応じるという。最後の1人であるパラフーダが加わった直後にザラーヴァントが戦死したため、16人全員がアルスラーンの前に揃ったのは1度だけである。 第一部完結時の田中芳樹による後書きでは、当初の予定は十四翼将の予定であったことが述べられている。 ダリューン ナルサス エラム ギーヴ ファランギース アルフリード(Alfreed) 声 - 佐々木優子 / 渡辺久美子 / 沼倉愛美 山賊を生業とするゾット族の族長ヘイルターシュの娘でメルレインの妹。初登場時16歳。騎馬民族であるパルス人らしく馬や弓の扱いにも長け、料理より弓が得意なほど(ただし「あたしの矢はときどき近眼に」なり、味方を射落としてしまう、とは本人の言)。陽気で気が強い一方で、捕虜となったルシタニア避難民の面倒をこまめに見るなど、細やかで情に厚い性格。ナルサスに惚れこみ妻になることを目標としている。ナルサスを挟んでエラムとは口喧嘩が絶えない仲である。 ペシャワール付近にて、縄張りに侵入したヒルメス一党を父や手下と共に襲うものの返り討ちに遭い、父や手下を失う中、ナルサスに助けられた。そのままナルサスに同行し、父の敵討ちも兼ねてアルスラーン陣営に参加する。 第2部ではパルス国の巡検使。態度が曖昧なままのナルサスとの仲はいっこうに進展していないが、パルスの現状と副宰相としてのナルサスの立場を慮り、許容している。幾分女性らしさを身につけたが、剣技や弓の腕も向上している。ファランギースと行動を共にすることが多く、オクサス地方への調査行にも同行する。 知り合って5年の歳月を経てようやくナルサスと結ばれるが、ゾット族長として黒旗を携行し赴いた最後の戦いにおいて、夫となるナルサスがヒルメスによって討ち取られる。反撃し彼の左腕に傷を負わせたが、直後にブルハーンの矢によって致命傷を受けてしまう。最後の力を振り絞り、ナルサスの遺骸に寄り添って、彼を庇うような体勢で亡くなった。 山賊らしくない「高貴な女性の名」を持つ理由や、彼女が兄を置いて族長に指名された理由は明かされなかった。 メルレイン(Merlain) 声 - 中原茂 / 子安武人 / 日野聡 ゾット族の族長ヘイルターシュの息子にしてゾット族の族長代理。アルフリードの兄。弓の扱いに優れ、「パルスで2番目の弓の名手」と自称する(後にギーヴとファランギースに出会ってこの売り文句を訂正する必要を認めた)。秀麗な顔立ちながら常に不機嫌な表情をしている(ように見える)ため誤解されやすく、「愛嬌を落っことして生まれてきた」などと評される。ひよわいほどしとやかな女性が好みだが、自分の理想の女性を探すも見つからず、失望と失恋を繰り返している。 父がヒルメスに殺害された後、敵討ちと息巻いて消息不明になった妹アルフリードを探してパルスを放浪する(父が妹であるアルフリードを次期族長に指名していたため。このスタンスは第2部でも崩していない)。クバードとの出会いやアルフリードとの再会を経てアルスラーン陣営に与することになる。 一時はマルヤムの内親王イリーナに、ヒルメスと会うための旅の助力を依頼され、行動を共にしていた。王都奪還においては、アルスラーンから授かった「ゾットの黒旗」を掲げるゾット族を率いて勇戦し、エクバターナに入城する。 第2部ではナルサスの命でゾット族を率いてチュルクに潜入するなど、遊撃部隊として正規軍にはできない活動を担う。クバードと行動を共にすることが多い。デマヴァント山捜索隊に参加したときには、飛行する怪物たちの中にある籠に唯一気がつくなど、その視力のよさを見せる一面があった。 ヒルメス一党に妹アルフリードと妹婿となるはずだったナルサスを討ち取られた知らせを受け、復讐を誓う。第16巻でブルハーンと決闘し、アルフリードの仇を取る。その後、マルヤム軍が駐留するザーブル城攻略に際してゾット族を率いて夜襲し、火を放って混乱させる。これによりマルヤム軍は、実質的に率いていたヒルメスが逃走したこともあり大混乱に陥り、国王ギスカールを失ったマルヤム軍はパルス軍と講和して撤退する。 蛇王戦では王都襲撃時にザッハークへ果敢に挑むものの、力及ばず背に負った旗ごと切り倒された。 ジャスワント(Jaswant) 声 - 松本保典 / 結城比呂 / 羽多野渉 シンドゥラ国ガーデーヴィ王子派の世襲宰相(ペーシュワー)マヘーンドラの部下(隠し子であると匂わせる描写もある)。浅黒い肌を持ち、武勇に優れ、その身のこなしは黒豹に例えられ、剣さばきはシンドゥラの太陽のように激烈であると評される。誠実で生真面目で義理堅く温厚な性質で、妓楼のシンドゥラ女に騙されて金を巻き上げられても、同郷の者の役に立てたと喜ぶ始末である。 ガーデーヴィが王位継承をラジェンドラと争う中、密偵としてラジェンドラ軍に参加し、アルスラーンに3度命を助けられる。ガーデーヴィが敗死したことで行き場を失うが、命の恩人でもあるアルスラーンに誘われて陣営に加わる。以後は侍衛士として、アルスラーンの身辺警護をダリューンから引き継いだ。命の恩人であるアルスラーンに忠誠心を抱いており、褒美をもらってもかえって「水臭い」と思っている。アンドラゴラス三世によって追放されたアルスラーンを慕い、ダリューンらとともにペシャワールを離脱した。 第2部ではパルス国の侍従武官で、国王に即位したアルスラーンをエラムとともに護衛する。ギーヴ、エラムと共にチュルクへの使者となり、その後クバードとともにデマヴァント山の封鎖に赴くなど、アルスラーンの護衛の割に遠出する例も多い。パルス人ではないため、蛇王ザッハークに対する恐怖心がなく、他の諸将が事あるごとに動揺するのを不審がる。 魔軍襲来に際し婦女子をシンドゥラに避難させるため、アルスラーンの命により特使兼護衛として隊を率いていたが、捕虜として居たパリパダが脱走。これを水中にまで追い討つが深手を負う。そのままシンドゥラにてラジェンドラII世に謁見し、特使としての使命を果たした直後に絶命した。 キシュワード(Kishward) 声 - 納谷六朗 / 中村大樹 / 安元洋貴 パルス国の武将で万騎長の1人。パルス歴代の武門の出で、二つの剣を使うことから「双刀将軍」(ターヒール)と呼ばれる。美髯を蓄えている。アルスラーンとは2羽の鷹が縁で、昔から個人的な親交があった。かつては西方国境の守護に当たっていたが「生ける城壁」「双刀将軍キシュワードあるかぎりミスル軍はディジレ河を越えるあたわず」と呼ばれるほどの豪勇から、ミスル国が講和の条件として城砦を譲る代わりに彼を東方国境への異動をするよう要望したという逸話がある。 第一次アトロパテネ会戦時は、僚友である万騎長バフマンとともに東方国境のペシャワール城塞の守護の任についており、敗戦の難を逃れた。戦場を離脱しペシャワール城塞に辿り着いたアルスラーンらを迎え入れ、ルシタニア軍追討に邁進する。アンドラゴラス三世復帰後は謹厳実直な性格から、主君への忠誠とアルスラーンへの好意の板ばさみとなり苦悩する。王都奪還戦ではルシタニア軍の双璧の1人ボードワン将軍を討ち取るなどの武勲を上げる。 第2部ではダリューン、クバードと並び、大将軍(エーラーン)の候補とされたが他の2者が固辞し、またキシュワードも大将軍はダリューンにと3者の「譲り合い」(実際は押し付け合い)になったため、アルスラーンの裁定で大将軍に任じられる。第一次アトロパテネ会戦で戦死した万騎長マヌーチュルフの娘ナスリーンと結婚し、息子アイヤールを授かる。大将軍になってからは前線で戦う機会が減ったが、エクバターナ地下に設けられた蛇王ザッハーク一党の神殿調査の際はダリューンを差し置いて調査に赴いた。その際「大将軍命令である、これが権限を得るということだ」とダリューンを憤激させ、アルスラーンを大笑いさせた。 ギランへの軍資金調達の際に、ギランで総督代理のグラーゼ、ギランからエクバターナへの帰路で発生した魔軍との戦闘でジムサの2将を失った自責の念にとらわれ、自殺を警戒したナルサスの進言を受けてアルスラーンにより大将軍の任を解かれる。 第16巻のエクバターナ攻防戦において,ザッハークの両肩の蛇を斬り飛ばすも直後のザッハークからの斬撃に屈し、主君及び自身の妻子を想いながら戦火に斃れる。 クバード(Kubard) 声 - 島田敏 / 中田和宏 / 三宅健太 パルス国の武将で万騎長の1人。左眼が一文字に潰れている(片目の傷は伝説上の怪物である「三頭竜(アジダハーカ)」と戦ったときの傷と言っている)。通称「ほら吹きクバード」は自身も気に入っているらしく、自称している。かなりの酒豪で、彼をしのぐ者はファランギースくらいであろうと言われる。 豪放磊落かつ陽気な性格で、部下や弱者に対しては気配りもよく、部下たちからの信頼も厚い。目上の者に対して遠慮しない性格で、アトロパテネ会戦時に国王アンドラゴラス三世が戦場から離脱したのを見て「兵士を見捨てて逃げるような王に従う義理はない」と放言し、一時与力したヒルメスに対しては素顔を仮面で隠すことを痛烈に批判している。 第一次アトロパテネ会戦の敗戦で、参戦した万騎長の過半が戦死する中を生き残った。その後は軍を離脱し各地を放浪、サームに請われ一時はヒルメスに仕えるが、紆余曲折を経てアルスラーン陣営に加わる。アンドラゴラス三世復帰後は、主君に距離を置きつつも離脱したダリューンに代わり万騎長として、王都奪還戦に参戦している。 第2部時点では、アトロパテネの敗戦から王都奪還までに生き残った万騎長の中では最年長だったが、候補だった大将軍の職を「柄じゃない」とあっさりキシュワードに譲った。ダリューンと共に大将軍格とされ、東方のペシャワール城に常駐する。ファランギースにも好意を示していることから、何かとギーヴと比較されるが、「ギーヴ卿は美女好き、クバード卿は女好き」とのこと。また、彼女を挟んでギーヴとは男の争いが絶えない仲である。「クバードの車輪戦法」と呼ばれる波状攻撃を得意とし、ペシャワールにおける魔軍襲来に際しては眷属をなぎ倒し、指揮官の狂戦士イルテリシュに対して「ペシャワールは未来永劫渡さない」と宣言した。トゥースの死後に、2代続けて殉職となったエクバターナ城司の任を引き受ける。 第16巻のエクバターナ攻防戦では、そのイルテリシュと戦いの最中、双方片目ずつを失うという圧倒的不利な状況から両者相討ちに持ち込み戦死する。 トゥース(Tus) 声 - 小杉十郎太 / 土田大 パルス国の武将。20代後半で銀貨(ドラフム)のような瞳を持つ。寡黙な男だが、後方撹乱や護衛等の地味な任務も忠実にこなし、アルスラーンからも高い評価を受ける。ナバタイに伝わる鉄鎖術の達人で、多くの敵をこの鉄鎖で討ち取る。 南方ザラの守備隊長の任に就いていたが、第一次アトロパテネ会戦後、アルスラーンの檄を受けてペシャワール城塞に馳せ参じる。 第2部では亡き戦友バニパールの娘3人を妻に迎え、クバードをして「むっつりすけべ(ハーチムマイマイ)」とあきれさせる(殺し合いになってもおかしくない侮蔑語であるらしいが、当人は至って鈍感であった)。3人の妻を娶るまでの話はパルスの説話になったという。ペシャワールにおける魔軍襲来に際して全治1カ月以上の深手を負う。ザラーヴァントの死後にエクバターナ城司となるが、王宮を襲った地震の際に崩れ落ちた瓦礫から、国王アルスラーンを護り殉職する。 イスファーン(Esfan) 声 - 小西克幸 パルス国の武将。20代前半。中背で引き締まった体、瞳は透き通った琥珀色。万騎長シャプールの異母弟。正妻によって母とともに冬山に捨てられた際に狼たちに守られたことから、「狼に育てられた者(ファルハーディン)」と呼ばれる。真面目な性格で亡くなった兄を敬愛しており、本人に乞われてシャプールを射殺したギーヴに、事情を理解しながらも複雑な心情が拭えず、剣で斬りかかるなど激しい一面も見せた。 第一次アトロパテネ会戦後、アルスラーンの檄を受けてペシャワール城塞に馳せ参じる。 第2部ではパルス国の統制官(ミフラーン。万騎長と千騎長の間の地位)。2匹の子狼「火星(バハーラム)」「土星(カイヴァーン)」を保護して自ら育てている。クバードとともにデマヴァント山の封鎖に赴く。その途中の魔物退治の逸話は後世に伝わり、俗謡にもなったという。ペシャワールにおける魔軍襲来に際しては狂戦士イルテリシュと刃を合わせ、彼をかばったバハーラムを目の前で斬殺される。エクバターナに戻る途中で、各地で問題を起こしている「旅の楽士」の噂を聞いて旧バダフシャーンの王太后府へと単騎で赴き、イルテリシュと遭遇、ギーヴと協力したものの討ち損じ、そのまま王都に戻った。 第16巻のエクバターナ攻防戦では魔軍相手にその驍勇を発揮するが、その最中にパルスで暗躍する「尊師」の手によって殺される。 ザラーヴァント(Zaravant) 声 - 星野充昭 / 小野友樹 パルス国の武将。第2部時点で29歳。パルスでも有数の名門諸侯、オクサス領主ムンズィルの息子で、膂力に優れた大男。童顔を嫌ってか顎鬚を生やしている。 第一次アトロパテネ会戦後、アルスラーンの檄を受けてペシャワール城塞に馳せ参じる。アンドラゴラス三世が復帰した際、一度は剣を交えたトゥラーン人ジムサとともにペシャワール城塞より離脱し、放逐されたアルスラーン一行に合流する。参戦当初はシンドゥラ人であるジャスワントへの偏見も見られたが、ジムサとの交友を経た後、再会したジャスワントに詫び、和解する。 第2部では、パルス国の王都警備隊長の後にエクバターナ城司となる。王都奪還に武勲を上げ、奪還後はルシタニア軍に破壊された水路の修復を効率的に行う、職人の人心掌握に優れた能力を発揮するなど、土木事業でも活躍した。エクバターナ都市計画における重要な職務をこなし、作業員らから親しまれ尊敬されている。アルスラーンの指示で無料の施療所を建設する際には実地で指揮を取った。地下神殿の再調査中,片手のない有翼猿鬼によって背後から襲われ、十六翼将最初の犠牲者となる。 ジムサ(Jimsa) 声 - 中原茂 / 斉藤壮馬 トゥラーン国最年少の武将で、童顔だが登場時には二十歳を超えている。馬上からの剣戟と毒を塗った吹き矢の名手。ザラーヴァントに瀕死の重傷を負わせたこともある。遊牧民族トゥラーン人らしい価値観を持ち、アルスラーンが気前よく振る舞う褒美に喜び、武より徳に秀でる君主としてのアルスラーンの人心掌握や論功行賞の巧みさは認めながら、個人の武勇と手段を選ばぬ非情さがないことにはいぶかしむ。シンドゥラ人のジャスワントとは価値観が異なるため、いささか懐疑の目を向けられている。 トゥラーン軍のペシャワール城塞攻略に従軍するも、ナルサスの計略でトゥラーン軍より追われる立場となり、ペシャワール城塞のパルス軍に保護される。直後にアンドラゴラス三世が復帰し処刑が決まるが、キシュワードの配慮とザラーヴァントの手引きでペシャワール城塞を離脱、放逐されたアルスラーン一行に合流する。 第2部ではパルス国の統制官。キシュワードの元でトゥラーン流の騎馬戦術をパルス軍に指導するほか、パルス北方に狼煙台を設置する案を提出するなど、戦略的視点を見せることがある(このような戦略的視点の発言は、本作の中ではナルサス以外には少ない)。パルス北部国境の調査行に赴いた際、トゥラーンの「親王」イルテリシュが蛇王ザッハーク一派の手により復活したことを突き止め、アルスラーンに報告する。その際保護した少女を、名を尋ねようともせず「こまかいの(オフルール)」と呼び続けるほど無頓着な性質。身寄りをなくしたオフルールを王都へ同行し引き取るものの、独り者で留守がちなため、もっぱらキシュワード宅に預けることとなる。 パルス人ではないため蛇王ザッハークに対する恐怖心がない。ギランでの軍資金調達の後にエクバターナに戻る帰路にて、魔軍の巨大な有翼猿鬼と戦うが、相討ちとなり戦死する。 ヒルメス配下ブルハーンの同母兄だが、シンドゥラのコートカプラ城で敵として再会した弟のことはその後「思い出さないこと」にし、事実死の瞬間まで思い出すことはなく、その後ブルハーンは友人であるメルレインに妹の仇として斬られた。 グラーゼ(Grahze) 声 - 若本規夫 / 津田健次郎 パルス国の海上商人。30歳。日に焼けて逞しい容貌の海の男。南方ギランで武装商船「勝利(ピールズィー)号」を統率する実力者でパルス語、絹の国(セリカ)語を始めとして多言語(自称「挨拶ぐらいなら20ヶ国語でできる」)を話す。弁舌、情報分析にも優れる。 ペシャワール城塞から放逐されたアルスラーン一行がギランを訪れた際の海賊討伐が縁でアルスラーン陣営に参加。ギランの他の商人にもアルスラーンへの協力を呼び掛けるなど、ギラン一帯でのアルスラーンの勢力基盤を築く一助となった。王都奪還の際はメルレインやザラーヴァントとともに大量の物資をギランからエクバターナへ運び込み、飢えた民を保護した。 第2部ではギランの総督代理。パルス水軍を率いる武将でもあり「光の天使」(マレケ・ヌール)を旗艦としている。ナルサスの指示によって芸香(ヘンルーダ)をシンドゥラから大量に輸入し、半分をエクバターナ、残りをペシャワールに送り届ける任務に就いていたが、折しもペシャワールでは魔軍の攻撃を受けて必死の防戦中であり、彼と彼の部下たちはまたとない援軍となり、魔軍撃退の功を挙げる。しかし,ギランにおける魔軍との戦闘において、鐘楼から転落・戦死する。 パラフーダ 記憶障害を負った青年。33歳。 ボダンに勝利してマルヤム国王となったギスカールにルシタニアへの帰国を促す陳情団に、騎士エステルとともに参加し、イラクリオンにて旧友オラベリアと再会する。彼の邸宅に滞在中に襲ってきた盗賊との乱闘があった後、理由は不明ながら記憶障害が解消して過去を思い出せるようになる。しかし、ギスカールの策略によってエステルやオラベリア邸に居合わせたパリザードと共にパルスへ逃亡する。ある人物の死に接し、過去の自分を捨ててルシタニア系パルス人パラフーダとして生きよとのアルスラーンの命に応え、陣営に加わる。 その後アルスラーン麾下として多くの戦功を挙げるが、第16巻のエクバターナ攻防戦の乱戦の中で闘死する。 過去についてはドン・リカルドを参照。
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