じゅうろく‐らかん〔ジフロク‐〕【十六羅漢】
じゅうろくらかん 【十六羅漢】
十六羅漢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 00:29 UTC 版)
『大阿羅漢難提蜜多羅所説法住記』(だいあらかんなんだいみたらしょせつほうじゅうき、Nandimitrāvadāna)によると、仏滅800年経ち、ナンディミトラ(慶友)大阿羅漢が大衆に説いたとされる、仏勅を受けて永くこの世に住し衆生を済度する役割をもった16人の阿羅漢。 賓度羅跋囉惰闍(びんどらばらだじゃ、ピンドーラ・バーラドゥヴァージャ Piṇḍola-bhāradvāja)眷属として1000阿羅漢を有し、西瞿陀尼洲(さいくだにしゅう、あるいは西牛貨洲:さいごけしゅう)に住す。 西瞿陀尼洲とは、須弥山世界の四大洲のうちの西大陸、アパラゴダーニーヤ・ドヴィーパ(Aparagodānīya-dvīpa) 賓度羅跋囉惰闍は、賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)即ち「おびんずる様」として知られる。 迦諾迦伐蹉(かなかばっさ、カナカヴァツァ Kanakavatsa)眷属として500阿羅漢を有し、北方の迦湿弥羅国(かしゅうみらこく、カシミール Uttarapradeśa-Kāśmīra)に住す。 迦諾迦跋釐堕闍(かなかばりだじゃ、カナカバーラドゥヴァージャ Kanakabhāradvāja)眷属として600阿羅漢を有し、東勝身洲(とうしょうしんしゅう)に住す。 東勝身洲とは、須弥山世界の四大洲のうちの東大陸、プールヴァヴィデーハ・ドヴィーパ(Pūrvavideha-dvīpa) 蘇頻陀(すびんだ、スヴィンダ Suvinda)眷属として700阿羅漢を有し、北倶盧洲(ほっくるしゅう)に住す。 北倶盧洲とは、須弥山世界の四大洲のうちの北大陸、ウッタラクル・ドヴィーパ(Uttarakuru-dvīpa) 諾距羅(なこら、ナクラ Nakula)眷属として800阿羅漢を有し、南贍部洲(なんせんぶしゅう)に住す。 南贍部洲とは、須弥山世界の四大洲のうちの南大陸、ジャンブー・ドヴィーパ(Jambū-dvīpa) 跋陀羅(ばだら、バドラ Bhadra)眷属として900阿羅漢を有し、躭没羅洲(たんもらしゅう、ターンラ・ドヴィーパ Tāmra-dvīpa)に住す。 諸寺の浴室では首楞厳経の記述に随いこの尊者像が安置される事が多い。 迦理迦(かりか、カーリカ Kālika)眷属として1000阿羅漢を有し、僧伽羅洲(そうからしゅう、シンハラ・ドヴィーパ Siṃhala-dvīpa)に住す。 伐闍羅弗多羅(ばじゃらほたら、ヴァジュラプトラ Vajraputra)眷属として1100阿羅漢を有し、鉢剌拏洲(はらなしゅう、プラナサ・ドヴィーパ Pranasa-dvīpa)に住す。 戍博迦(じゅばか、ジーヴァカ Jīvaka)眷属として900阿羅漢を有し、香酔山(こうすいせん、ガンダマーダナ・ギリ Gandhamādana-giri)中に住す。 香酔山とは、須弥山世界での南贍部洲の最北辺の山脈(これより北は、七金山(しちこんせん))。 半託迦(はんたか、パンタカ Panthaka)眷属として1300阿羅漢を有し、三十三天(忉利天)に住す。 第16の注荼半託迦(周利槃特)の兄。摩訶槃特(マハー・パンタカ)のこと。 忉利天とは、須弥山世界の須弥山頂上。 囉怙羅(らごら、ラーフラ Rāhula)眷属として900阿羅漢を有し、畢利颺瞿洲(びりようくしゅう、プリヤング・ドヴィーパ Priyaṃgu-dvīpa)に住す。 釈尊の実子 那迦犀那(なかさいな、ナーガセーナ Nāgasena)眷属として1200阿羅漢を有し、半度波山(はんどはせん、パーンダヴァ・ギリ Pāṇḍava-giri)に住す。 ミリンダ王の問いに出るナーガセーナと思われる。 因掲陀(いんがだ、インガダ Ingada)眷属として1300阿羅漢を有し、廣脇山(こうぎょうせん、ヴィプラパールシュヴァ・ギリ Vipulapārśva-giri)に住す。 伐那婆斯(ばなばす、ヴァナヴァーシン Vanavāsin)眷属として1400阿羅漢を有し、可住山(かじゅうせん、ヴァイデーハ・パルヴァタ Vaideha-parvata)に住す。 ヴァイデハは小ヒマラヤ山脈に比定される。 阿氏多(あじた、アジタ Ajita)眷属として1500阿羅漢を有し、鷲峯山(じゅふせん、グリドラクータ・パルヴァタ Gṛdhrakūṭa-parvata)に住す。 仏典の一部で弥勒菩薩と同一視されることがある。 注荼半託迦(ちゅだはんたか、チューダパンタカ Cūḍpanthaka)眷属として1600阿羅漢を有し、持軸山(じじくせん、イーシャーダラ・ギリ Īṣādhara-giri)に住す。 周利槃特のこと。 持軸山とは、須弥山世界の四大洲から須弥山に至る七金山(しちこんせん)のうち6番目(須弥山側からは2番目)の山脈。
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