浜野家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 02:02 UTC 版)
あさりちゃんをはじめとする浜野一家は帆立市巻貝町十番地に住む。 浜野 あさり(はまの あさり) 声 - 三輪勝恵 本作品の主人公。浜野家の次女で桜貝小学校の4年生。名前の由来は海産物の「アサリ貝」より。なぜこの名前にしたかは、作者本人によると頭文字に「あ」がつく物を候補として多数挙げたのち、その中から「あさり」を選んだとのこと。 勉強は苦手だが明るく元気な少女。やや自己中心的な面もあるが天真爛漫(悪く言えば単純)で憎めない性格。姉のタタミとは喧嘩ばかりだが姉妹仲が悪いわけではなく、一緒に物事を解決したりイタズラをして母のさんごからそろって制裁を受けることもある。 趣味は漫画を読む事と買い食い、男子に混ざってのサッカーなど。毎月のお小遣いの額は1000円で、買い食いなどの無駄遣いでいつも金欠になる。特技は大食いでニンジン以外の食べ物は何でも意地汚く食べる底なし胃袋の持ち主。ただし、大食い対決で負けたこともある。肥満気味で、さんごにしばしばダイエットを命じられるが、大抵は食欲に負けて失敗する。漫画家になるのが夢で自分でも漫画を描いており、絵だけならプロ級の腕前(話を考えるのは苦手)。 クジ運に関しては強運を誇り、懸賞もよく当たっている(逆にそれが仇となり、卒業式の送辞を読む羽目になったこともある)。アニメの1話ではいきなりハワイ旅行を引き当てたが小学生だという理由でお流れになってしまった。それでも名前のとおりあっさりとしており、笑顔で不幸を自ら跳ね除けるくじけない強かさをアニメの第一話でアピールしている。また霊感も少なからずあるらしく、時折幽霊や貧乏神を目撃したり、また絡まれたり、時には幽体離脱するなど、その手の体験も人一倍ある。しかし、幽霊と怪談を誰よりも苦手としている。 自称「黄金の足」と自慢するほどの俊足を持ち、水泳を含む運動全般も得意だが、スケートとバレーボールは苦手(スケートに関しては本人曰く氷とスケート靴の刃が苦手なだけ)。喧嘩も強く、男子中学生10数人相手とほぼ互角に戦ったこともある。別名「桜貝小の野獣」。 学校の成績は図工と体育以外は総じて悪く、特に算数と国語が苦手でテストも0点が多い。また生活態度は「遅刻する」「宿題を忘れる」「授業中に騒ぐ」「他人の給食に手を出す」などといった悪事を行なうことが多いが、根は善良で正義感が強く、弱い者いじめは決して許さないといった良い所も多いので、クラス内では人気がある。男子とは一緒にスポーツやゲームで盛り上がっている。女子とも仲が良いが、元々少年趣味であるため、ファッションなどの話になると全くついていけない事が多い。 姉のタタミとは対称的で動物好きで捨て犬でも狸でも平気で拾って飼おうとするところがある。 年の割にマセており、コミケでBL本を購入したり、父・イワシのアダルトビデオをこっそり見ようとしていた。 クラスの女子では1番背が低く、幼稚園児とよく間違えられる。 美人ではなく、本人も自覚しているが、話によっては自分の事を美系と思っている場面がある。ただし、「あさりの英雄伝説」において「自分より美人がいない世界」を願った時に、さんごママと姉のタタミは平気だったことから、浜野家ではいちばん器量がいいらしい。 好みのタイプは美形であり面食いだが、その素行と凶暴さで普通の男子からは敬遠されている。しかし、必ずしもモテないわけではなく、ごくまれにあさりに好意を持つ男子も存在する。 学年誌に掲載されていたため、主人公を読者と同じ学年にしようと、掲載誌によってあさりの学年も変更されており、初期の作品ではあさりが4年生ではないエピソードも存在する(現在この設定は破棄されている)。 一人称は、初期は「わたし」だったが、現在ではごく一部を除き「あさちゃん」(初出は17巻だが、本格的に使い始めたのは28巻頃から)に変わっており、キャラクターのイメージも初期に比べて幼い感じになっている。 食べ物や金銭が絡むと周りが一切見えなくなり、写真コンクールの賞金欲しさにタタミやうにょのヘアヌード写真を撮ろうとしたことがある(この時あさりはタタミやうにょに対し「セミヌードでもいいから(タタミに対して)」や「どこからどこまでがヘアか解らない(うにょに対して)」とぼやいていた)。 歌はかなりの音痴であるが、声質は松田聖子に似ている。 浜野 タタミ(はまの タタミ) 声 - 川島千代子 浜野家の長女であさりの姉。桜貝小学校の6年生。名前の由来は「畳」ではなく海産物の「イシダタミ貝」またはたたみいわしより(64巻より)。また作者によると彼女の名前として「シジミ」も考えたが、「シジミ」貝は「アサリ」貝よりも小さいので、姉の方が妹よりも小さくなるのは不自然だと考えたために「タタミ」に決めた、というエピソードがある。 近眼で常時メガネをかけており、風呂に入る時や寝る時もメガネを外さない。 桜貝小創立以来の秀才で、あさりとは対照的に成績は図工と体育(特に陸上と水泳)を除き優秀。県下の一斉テストで一番を取ったこともあり、進路は名門中学である英才学園を受験すると決めている。外では成績優秀のナルシストとして振舞うのとは裏腹に、家では暴力的であさりと大喧嘩をしている。あさりに「オニタタミ」などと言われている。喧嘩の腕前はあさりと互角以上。運動神経も悪くないが、鈍足でカナヅチ。そのため学校のプール開きが近づくと憂鬱になる。スポーツは苦手だが、初期のエピソードではソフトボール部のエースとして活躍していた。一度サッカー部にゴールキーパーとしてスカウトされた事もある。 秀才系ナルシスト及びペテン師であることを鼻に掛けてあさりを騙したりしているが、悩むあさりに助言を与えたり、一緒に問題を解決するなど、現在ではあさりの相談相手的な側面を見せることも多く、基本的には仲の良い姉妹である。自分のミス(水中で足が攣ったあさりを助けに来た青年にふざけているとの誤解を与えてしまった)であさりが溺死しかけた際には泳げないにもかかわらず、助けに飛び込むなど姉としての責任感を見せたこともある。時にはあさりと2人で度が過ぎた悪ふざけをし、母親のさんごから姉妹揃って罰をうけることもある。 あさり同様、面倒見のいい姉御肌で困っている人間を放っておけない。またプライドが高くどんな事でも他人に負けることを嫌う。小学生にしては並々ならぬ知識を持ち、発言や行動も大人びており若干回りの人間を見下している節がある。また初期には小学生でノーベル賞を獲ることを夢に見るなど、やや誇大妄想的な所があった。 趣味は勉強と読書と貯金で、特に貯金に関して天才的な能力を持っており、毎月のお小遣いの額は2000円でありながら50万円という小学生にしては高い金額を貯金していたことがある。あさり曰く「金儲けの天才」。 好みの異性のタイプは美形であり、担任の成瀬先生や道で会う中学生や高校生などが多く、どうやら年上の男性に強い憧れがあるらしい。学校では女子に人気があり、同級生の女の子から告白されたこともある。 一人称は当初からずっと「わたし」だが(過去に「あたし」と呼んだこともある)、まれに「タタミ様」と自称する時もある。あさりと違い学校では真面目でおとなしくしているが、美大和登場の回には他校にまで「影の大番長」として恐れられていることから、悪名は広まっているようである。また、根っからの動物嫌いでうにょ以外のペットには大抵ひどい目に遭わされていた。 小学校卒業と同時に中学受験をし、見事英才学園中学に入学。小学校の時と同じく、開校以来一番の成績優秀者で卒業し、名門貝柱高校に進学。貝柱高校では3年生の時にあさりがスポーツ特待生で入学して再び同じ学校となる。高校生からは母親に似た抜群のスタイルを持ち、美少女となり、さらに生徒会長になるほど小学校よりも信頼される優秀な少女となった。しかし性格は相変わらずで、さらにギャル系ファッションに目覚めたあさりに呆れており、高校生ながら濃い化粧をするあさりを後ろから鞄で思いっきり叩いて注意するなど暴力的だが良き姉である。 初期の作品において、あさりが5年生もしくは6年生となっている回では、タタミはセーラー服を着た中学生として登場している。 浜野 さんご(はまの さんご) 声 - 向井真理子 あさり達の母、旧姓「藤壷」。九州出身。名前の由来は海底に生える珊瑚より。年齢は諸説があるが作者によると36歳であるらしい(連載初期での設定も同じく36歳)。あさりの担任・神田八郎とは同い年であると本人が語っているエピソードがあり、その場合は38歳であるということになる。 三流大学の私立四年制の巻貝大学(作者は一度卒業校名を間違えたことがあり、読者からの手紙で気付いた事を単行本のおまけで告白している)英文科を卒業後、浜野イワシと結婚したマダム系専業主婦で、不器用だが何にでも挑戦する元気な人物。 マダムである故に教育面ではかなりの完璧主義で、自分の子供(特にあさり)のしつけには厳しく、スパルタ教育塾や家庭教師、さらには大天才養成ギプスなど、ありとあらゆる(時には)常軌を逸した手段であさりの成績を上げるべく奮闘するが、全く成功した試しがない。あさりから「オニババ」「クソマダム」と言われている。 痩身で均整の取れたモデル顔負けのプロポーションの持ち主だが、顔の形がキューリに似ているため、あさりから「キューリママ」「キューリ星人」「裏なりのキューリ」と呼ばれることもある。ただし初期の顔立ちは現在とは異なっており、キューリ型ではなく下膨れの顔であった。 タタミと同じくカナヅチで鈍足だが、砲丸で軽々とお手玉ができるほどの怪力の持ち主(投擲時の狙いは悪く、娘たちに「わたしたちを殺す気だ」と言われるほど。一方で円盤投げは夫婦喧嘩で皿を投げているのでうまい)で、あさりとタタミの二人がかりでもかなわないほど格闘能力は高い。別名「大怪獣SANGO」。3分間で150回の腕立て伏せができる。 不器用なため裁縫は苦手だが料理はそこそこ得意で、ケーキ作りコンテストで優勝した経験も持っている。しかし、面倒くさがり屋なため、日々の家庭の食事は手ヌキしてワンパターン化している。大学時代、しゅりんぷ亭というレストランでアルバイトした経験があり、あさりの大好物のエビフライの作り方や他の料理の腕前はその頃に培われたと推測される。しかし家計を預かる主婦でありながら遣り繰りが下手な上に浪費癖があり、高級ハンドバッグ、毛皮のコートなどの贅沢品をたびたび衝動買いしたり、後先考えずに高級店で外食したりしている。浜野家の家計がピンチになる原因は大抵彼女の無駄遣いに因るものが多い。特に宝石類を病的なまでに好んでおり、近所の宝石店が火事に遭ったときに裸足で宝石店に駆けつけたこともある。 かなりの音痴で、これは次女のあさりにも受け継がれた。 初期はあさりの成績が下がったり、悪ふざけの度が過ぎると往復ビンタに逆さ磔など、過激なスパルタ教育を行っていたが、近年[いつ?]の作品では児童虐待が問題視されるようになった影響もあり近年[いつ?]の作品では暴力的な行為は少なくなり、犯罪まがいのイタズラや嘘をつくなど不正をした場合に軽度の体罰を行う程度になった。 卒業後は一年ぐらいしか働いたことがなく、その経験不足のため、調理のパートに出ても失敗したことがあり、主婦業しかできないことが露呈してしまった。 浜野 イワシ(はまの イワシ) 声 - 富山敬 あさり達の父。地元の帆立市出身。名前の由来は海産物である鰯より。年齢は40歳(連載初期での設定は38歳)。巻によっては名前は浜野鰯となっている。 他の家族3人とは対照的に、優しく大人しい性格だが、子供たちからは父として尊敬されている。賑やかな家族を大切にしている。初期の単行本冒頭のキャラクター紹介ページでは「出番が少ない」と必ず書かれており、「イワシ=出番が少ない」というのがキャラクターの特徴として認識されてしまっている。一家の中で貧乏くじを引くのは、あさりか唯一の男性である彼である事が多い。 アニメ版(後述の4項を参照)では、一家の大黒柱としてかなり活躍している。 大手の製薬会社に勤務しており、会社でのポストは部長(4年前は課長であり、部長になれたのはそれ以降の出来事)でエリートコースに乗っているらしい。その会社ではサイドビジネスでスイミングスクールも経営しており、あさり、タタミ、うにょがローカルCMに出演した。子供の頃はプロ野球選手になるのが夢で、小学生の頃から少年野球をやっており、中学生の頃も野球部に入部していた。しかし、実際は守備に付けばトンネルをやらかし、打席では空振りばかりの才能がない下手の横好きであり、一度もレギュラーになれた事はなく夢を断念した。だが野球に対する情熱は未だ捨てておらず、息子が生まれたらキャッチボールをするのが夢だったと語っており、現在でもプロ野球を観戦するためにしばしば球場へ足を運んでいる。 趣味はゴルフと酒。また金魚すくいが得意で、隣町の金魚すくい大会では9年間連続で優勝した実績がある。大学生の時は、フランス文学を専攻しており、「成績優秀だった」と冗談めかしく自慢している(28巻「ウホホ、大金持ちじゃ」より)。 普段は女三人男一人の一家の中で立場が弱いが、子供たちの悪ふざけが過ぎると冷静に諭したり、さんごの行きすぎた教育方針ややりくり下手を窘めたりするなど、ここ一番の場面では「父親の威厳」を見せることも多い。さんごと互角の夫婦喧嘩を繰り広げたこともあり、あさりに「二大怪獣の激突」と称された。 家族の中ではあさりの1番の理解者。 うにょ 40巻から登場した浜野家の飼い犬で、1歳半の雑種のオス犬。 元はタタミのクラスメイトでイケメンの少年に飼われていたが、家がマンションに引っ越して飼えなくなるため、タタミが(イケメンの頼みは断れないため)引き取り浜野家のペットとなる。しばらくして元飼い主はマンションから普通の家に引っ越したが、完全に懐いてしまったため、未だに浜野家で飼われている。普段は「にょん」と鳴くが、鳴こうと思えば「ワン」と鳴ける。 性格は大人しく気弱で番犬にはまるで向かないが、さんごの方針で梅雨以外の季節は鎖をせずに屋外で飼われている。また犬にしては知能も高く自分で鎖をほどいたこともあった。1人で散歩に出かけ、人間の食べ物を食べているうちに激太りしたこともある。あさりの遊び相手でもあるが、そのためしょっちゅう騒動に巻き込まれている。一家の中ではイワシと立場の弱い男同士、気が合うらしくよくイワシと散歩に出かけている。別の家の飼い犬に子供を産ませたことがあり、後に去勢されている。 母親の「にょにょ」、兄の「あにょ」、妹の「いにょ」がいて、全員そっくりな容貌をしている。その犬たちも同じ帆立市内の別の家で飼われているようである。 誕生日は、85巻「決定!うにょくんの誕生日」の回では、浜野家によって11月11日と決定された。しかし、94巻「ぼくは幸せワンコ?」の回で、タタミが「うにょはにょん、ワンじゃない」と言ったことで、2月4日となった。その後、97巻「うにょに負けたパパ…?」の回では再び11月11日となっている。
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