フグ田マスオ
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「サザエさんの登場人物」の記事における「フグ田マスオ」の解説
(フグた マスオ) 声 - 近石真介(1969年10月5日 - 1978年6月4日)→増岡弘(1978年6月11日 - 2019年8月18日)→田中秀幸(2019年8月25日 - )、島﨑信長(日清食品コーポレートCM) 演 - 小泉博→川崎敬三→小野寺昭→宅麻伸→筒井道隆(観月ありさ版)→葛山信吾(舞台版)→西島秀俊 サザエの夫でタラオの父。波平とフネの娘婿で、さらにカツオとワカメの義兄(姉婿)、ノリスケの義いとこ、海平・なぎえ・鯛造・トシオの姪婿、サケオの弟でノリオの叔父(またはフグ田家の次男もあたる)。 原作では、生まれ年は1917年(大正6年)。32歳(アニメでは28歳)。血液型はB型。 呼ばれ方 波平とフネではマスオへの言葉遣いが異なっており、波平は「マスオくん」と呼んでやや余裕ある話し方、フネは「マスオさん」と呼び、敬語を使っている。他者からの呼ばれ方については、サザエが「マスオさん」あるいは「あなた」、ノリスケ・タイコが「マスオさん」、カツオが「マスオ兄さん」もしくは単に「兄さん」、ワカメが「マスオお兄さん」(担当声優が津村になる前はワカメも「マスオ兄さん」と言っていた)、タラオが「パパ」、ノリオが「マスオ叔父さん」、穴子や上司が「フグ田君」となっている。 人物 髪型はオールバックで、メガネをかけている。 大阪市住吉区出身。住吉大社にほど近い古い住宅街にあり、そばを阪堺電気軌道の路面電車が通っている。帰省のエピソードが一度だけある。普段の会話では大阪弁は使わないが、原作に時々出てくる母親は大阪弁を話す。父親は死去していて、原作では容姿が登場しないが、アニメ版ではマスオの幼少期に遊園地に行った回想シーンで登場している。 友人は、同僚兼親友兼悪友の穴子と義理の従兄弟兼名コンビの波野ノリスケである。2人とはそれぞれ、仕事帰りなどによく飲みに行く。 子供の頃、学校の美人の先生や近所に住んでいる品のよい女性に憧れていた。 アニメでは、以前は波平と同じく自宅で浴衣などの和服を着ることが多かったが、近年[いつ?]は洋服に統一されており、正月の時期などの例外を除き、普段着として和服を着ることは無くなっている。 仕事など 勤めている会社は当初は郊外だったが、後に有楽町に移る[信頼性要検証]。また、二浪した後に私立大学を卒業して入社し、平社員から32歳の時に係長に昇進。 アニメ版のみの設定として、二浪した後に早稲田大学商学部に入学し、在学中は野球部に在籍(ただし、補欠。原作では「学生時代は豪速球のピッチャーとしてならした」と自慢している)。同大学卒業後に海山商事株式会社(東証一部上場の総合商社)に就職し営業課に配属され、現在は係長。隣席は穴子。まだ20代ということで若干空回りやうっかりミスを発生させるため、部長や上司に指導を受ける場面もときどき見られるが、真面目な性格ゆえに信頼度も高い。 波平も現役のサラリーマンであることから、アニメ版ではこの2人の会話シーンがよく描かれている。帰宅中に出くわすこともしばしばだが、そのまま二人で梯子酒をして、そろって妻(フネ、サザエ)に怒られることが多い。 サザエとの結婚と同居生活 原作では2巻でサザエと結婚。公開見合スピード結婚であり「サザエの全てに惚れ込んで」と理由を挙げていた(また、サザエに初めて会ったときは「なんて髪が綺麗な女性なんだ」と思ったようである)。結婚当初はサザエとタラオとのフグ田家3人で磯野家の近所にある借家に住んでいた。しかし、マスオが家の囲い(木製)をのこぎりで切って薪(まき)にしようとしたのを大家に見られ、直後に「家が売れたから出てくれ」と言われたサザエが大家に歯向かい怪我をさせた。最終的に磯野家と同居することになり、現在に至る。 マスオは婿養子ではなく、サザエ、タラオ共にフグ田姓を名乗っており、フグ田家として磯野家に同居している形である(二世代住宅)。ただし、マスオの「周りに気を遣う優しい性格」も相まって、アニメの視聴者などからは、「マスオは婿養子」のように思われることもある[要出典]。なお、妻の家族と同居している男性を「マスオさん」と呼ぶが、語源はフグ田マスオからきている。バブル期には「マスオさん現象」という言葉まで生まれた(「知恵蔵2007年版」)。なお、磯野家に同居しているのは恒久的なものではなく「マイホームを購入するまでの一時的な同居」という設定[要出典]。 性格 基本的にはいい兄貴分であるためカツオとワカメに慕われている。アニメ版の性格は、生真面目で不器用。気弱でかなりの心配性であり、いつも周囲に気を遣っており、優しくお人好しである。お人好しすぎて、損をすることが多い。また、人に頼まれたことはイヤと言えない性格ゆえ、サザエや子供達、あるいはノリスケなどからも物事を頼まれたり、相談、借金を持ち掛けられたりするケースも少なくない。非常にゴマすりな性格でもある。ただし、八百屋で言葉巧みにバナナを半値以下に値切ったというしたたかな面も持つ。原作ではサザエを怒鳴りつけたり波平にイタズラを仕組んでほくそえむなど、アニメ版にはない人間臭い一面も描かれている。 前述の通り嫁家族と同居していることもあり、アニメ版ではマスオが家族に怒ったり、強く意見を言ったりすることは滅多にない。また、アニメ放映開始当初のマスオは、主に敬語で話していた。その後も、波平やフネ、およびごく親しい人であっても目上の人間には基本的に敬語である。ただし、原作では磯野家に対して主張したり、カツオのいたずらに怒ったりする時もある。 サザエの脇の下をくすぐってワカメに濡れ衣を着せたり、麻雀をしているのに「雨宿りしてるよ」と嘘をつくこともある。 隠し下手である。例えばサザエの本の中にへそくりを隠しても、サザエにみつかってしまうし、飲んでから帰ろうとする時に「怪車(カイシャ)」という名のバーあるいはスナックにて、その店名を利用し「今カイシャにいる」と家に電話をかけて会社で残業しているように振る舞うが、サザエに既に退社していることを見抜かれてしまう。 うまい言い訳を思いついても、すぐ妻にばれてしまう(穴子も同様)。 頭の中で思っていることや考えていることが顔に出る。 失言 前述のような周りに気を遣う優しい性格の割には、本人に悪気はないがとんだ失言を放つことも何度かある。波平が考えた句を「どう考えても入選するような句じゃない」と言ったり、サザエに絵のモデルを頼んだ時「野菜を描こうと思ったけど、野菜だと高くつくから」と言う、見ず知らずの女性が転倒したときに、転倒した時間を計る、83歳になる女性の年齢を「今日の不快指数と同じ」と答える、波平が写っている写真がピンボケしていることをサザエと波平が話している時、波平本人のことを言っていると思いサザエに「お義父さんはまだピンボケしていない」と言うなどそれぞれ怒らせたことがある。また、かつての友人である女性にワカメを「妹の子供です」と紹介したため、ワカメを混乱させてしまったことがある。 趣味・特技など ゴルフ(あまりうまくない)・麻雀・飲酒・絵を描くこと。 バイオリン…本人いわく学生時代によくやったとのこと。本人はうまいと思っているが、実際はすこぶる下手(原作では、サザエはバイオリンを引く音と木をノコギリで切る音の区別が付けられていない。アニメではサザエから「ガラスを釘で引っ掻いたような音」と例えられている)。まれに家族全員を集めて演奏会を開くが、演奏し始めると家族はおろかタマまでも逃げ出す。 パチンコ…原作・アニメ共に描かれている。 競馬…原作では、夢中になってサザエを怒らせたことがある。 饅頭の中身を食べずに当てること(粒餡かこし餡か白餡かなど)。 贈り物を振っただけで中身を当てることができる。そのため、オイルショックの頃に買い占めと売り惜しみが横行したことにより、倉庫の中身を当ててくれと頼まれたことがある。 体力に自信がある。 体が柔らかく、ホットケーキをひっくり返すと同時に「ヤーッ」っと叫んで宙返りするなど驚異的な身体能力を披露している。別の話では足の裏を使って耳を塞いでいる。 肩車をしながら走り回って子供を喜ばすことが得意である。 サザエよりも裁縫がうまいという一面もある。マスオの縫った雑巾を見たフネが「サザエがいい人と結ばれた」と嬉しがるほどの腕前。これは、子供の時にイタズラをすると、母から罰としてよく雑巾を縫わされたため。 結婚後に波平の影響で相撲好きになった。 読書…これも物凄く大好きで、一度読み出すと周りが見えなくなり、声をかけられても碌に聞いておらず、空返事をして後で大慌てをする破目になる。また大量の本を読んでいる姿を見たサザエから「そんなに読んだら体の毒よ」と言われた。またテレビを見ている時などでも同様の仕草をすることがあり、これも後にとんでもない目に遭ったりする。食事をとりながら新聞を読むのに夢中になってサザエの話を聞かず、テーブルを移動させられることもある。 機械いじり…車のワイパーを見て「自動大根おろし機」を発明したり、家のテレビの修理までしていた(横に倒したまま映ってしまったのがオチ)。押し売りを撃退する仕掛けも発明したが、すぐに故障してしまった。 ガーデニング…こちらは腕が良く、その出来栄えも良い。しかし、植えた植物の周りに置く石が無いからと、代わりにビール瓶を逆さにして並べようとするが、それをビールを大量に飲む口実とし、家族から呆れられることも。 原作や、かつてはアニメにおいても、タバコを吸っていた。 サザエと共に西部劇のファン。 献血のハシゴをして貧血で倒れたことがある。 1番好きな食べ物はカレーライス。 苦手なもの(好きな割に下手なものを含む) ネズミを見て「キャッ!」と悲鳴をあげ、座布団をかぶって震えるシーンがある。 子供の頃、馬に蹴飛ばされたことがあるため、乗馬が嫌いである。 子供のときから帽子が嫌いと言っている。 年上の女性の相手をするのが苦手。 手先は不器用らしく、裏口の木戸や棚を修理してもすぐに壊れてしまう。その為サザエがマスオ本人のいない時に、こっそり棟梁を呼んで再度修理した。柱に釘を打ちつけようとして金槌で手を打って、時計が下に落ちて足に当たり、手と足を怪我した。バイオリン同様日曜大工に関しても、自分が下手であるということを全く自覚していない。 上記のように身体能力の高さをうかがえるものの、いわゆるカナヅチで全く泳げない。原作では川に入っている自殺志願者を助けようとして自分が溺れ、逆に自殺志願者に助けられるというエピソードがある。 乗り物関係 通勤手段はバスと電車で、会社から帰る時は電車に乗って駅から歩いて帰る。その際に波平と出会い共に飲んで帰ることも珍しくない。 2008年5月4日放送「マスオ風を切る」(作品No.6019)において、電車通勤の辛さを嘆いた上でバイク通勤をすると言い出したことがある。大型二輪免許を取得するつもりだったようで、まずは原付から始めて、三郎が手配した配達用のバイクを借りて乗った。しかしながら時間が経ってもマスオが帰って来なかったため家族、特にサザエは激昂するほど心配した。結果夜遅くに帰宅したマスオがサザエに「気持ち良かったんでつい会社近くまで行ってみたが道のりが案外遠く、これを毎日続けるのが億劫になった」と話しバイク通勤を断念するに至った。なおサザエは事故を起こすことを心配し、家族の中では唯一バイク通勤には猛反対していた。 アニメ版では一家の中で唯一普通自動車の運転免許を持っているが、磯野家の敷地内に車が入らず、家族旅行の際に時々レンタカーを借りるか、借りられないときは通勤時と同じく電車とバスを利用する。 その他エピソード 元々は長谷川が上京のために当時地方紙に連載していた本作を一旦終わらせた際にサザエの結婚相手として即興で描かれたキャラクターで、連載再開時に顔を忘れていた長谷川はバックナンバーを見に新聞社を訪れている。 モデルは、長谷川町子の義弟(妹の夫)。 サザエいわく、仲人から「マスオは開けっ放しの人」と言われたようである。 給料は低いと思われており、「ボーナスが出たらなにがほしい?」とカツオとワカメに聞いた際、カツオは「消しゴム」ワカメは「風船ガム」と答えている。それに対しマスオは「見くびるな、もっと出るぞ!!」と怒鳴っている。また、マスオはベンチで隣に座っていた男に「(給料は)手取り34,000円、楽じゃない」と話している。「磯野家の謎」によれば、掲載当時(1965年)でも「薄給」とされた(「磯野家の謎」39頁)。同時期の波平の給料は税込みで7万円と「高給取り」とされた。 小説執筆に挑戦したことがあるが、失敗続きで原稿用紙1枚分も書けなかった。 学生時代に友人に誘われ「怪盗風神丸(かいとうふうじんまる)」という時代劇映画のエキストラを演じたことがある(しかも監督に気に入られ、捕り方の前方になった)が、腕時計をしていたためマスオの出演シーンはカットされた。現在、マスオが出た映画はこれのみである。 「サザエさん30年後」では頭髪がすっかり白髪になっている。 嘉門達夫の楽曲「NIPPONのサザエさん」で「大阪生まれ だけれど一度も大阪弁をしゃべらない」という歌詞があるが、実際は幼少期時代や大阪での同窓会シーンでは、大阪弁で話している部分がみられる。
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フグ田マスオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:24 UTC 版)
日刊フクニチ連載当時の最終回で初登場し、2巻でサザエと結婚したサラリーマン。結婚当初はサザエとタラオとのフグ田家3人で磯野家の近所にある借家に住んでいたこともあり、2巻において大家と喧嘩し追い出されたため磯野家と同居。現在に至る。
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