“機凱種(エクスマキナ)”
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「ノーゲーム・ノーライフ」の記事における「“機凱種(エクスマキナ)”」の解説
位階序列十位。生物ではなく、機械でできた種族。太古の昔に不活性化した神霊種に創られた種族。原作8巻の神霊種戦(双六ゲーム)終了後に神霊種である帆楼が『観測、解析、検証、対応を行う四機と、それを指揮統括する一つの機械』なるものを作ったと語ったことや『テトを願い、望み、信じて生んでくれたーーあの子を生んだ彼女』とシュヴィ(下記参照)と思われるものを創造したような表記があることから、機凱種を作った神霊種は帆楼だと推測できる。人の形をしているが、体中に機械のような装備が付いている。 大戦時は「連結体(クラスタ)」という群で行動していた。機凱種が受けた攻撃を解析し、その攻撃と同等の能力の武装を瞬時に設計したり、その攻撃を模倣して自分たちのものとすることができる。それ故に、理論上無限に強くなることができる。また、模倣以外にも原理を解析し解決策となる応用兵器も開発可能である。 敵に攻撃されれば反撃はするが、敵対しなければ攻撃してこないので、他種族から接触してはならないとされた。 大戦期には、他種族から天翼種と双璧をなす存在とされ危険視されていた。確認されているだけでも「観測体(ゼーア)」「解析体(プリューファ)」「設計体(ツァイヘン)」「戦闘体(ケンプファ)」「指揮体(ベフェール)」「遺志体(プライヤー)」の6種が存在し、解析からの新兵器製造までを一瞬にして済ませるゆえに、アズリールは彼らを倒せたにも拘らず倒さなかった。なお、この6種とは異なり“道具を扱う者”であるリクを「意志者(シュピーラー)」と呼ぶ。また9巻で『 』に負けてからは空の事を「遺志者(シュピーラー)」ではなく「継ぐ者(フォーツェンサー)」と定義を改めている(本人たちから直接受け継いだのではなく、独自に過去の人間に迫ったためと思われる)。 動力は、疑似精霊回廊接続神経から精霊回廊の精霊を吸い上げて扱う。そのため、擬似精霊回廊接続神経は常に露出させておく必要がある。戦闘をする際には、精霊回廊から大量の精霊を吸い上げ殺すことで霊骸を排出する。これが機凱種の武器の動力となる。大戦後は十の盟約により精霊の殺害も不可になったため、別の動力源に変えている。また、個体ではなく群体という扱いのためエクスマキナ同士なら危害を加える事が可能(全体で一つの個体であるため、口論や喧嘩をもって“悩んでいる”と判定され、他個体の破壊は“自傷”となるためである)。 9巻にて空のスマホに干渉。異世界の二進法言語を解読し、あまつさえリアルタイムで変化する暗号すらも一瞬で割り出し、「通信端末」であることすら解析する恐ろしい離れ業を披露。 本来の理論に理論を重ねる機械の演算、戦神アルトシュとの交戦経験に基づく最強の戦闘能力、さらには非論理たる「人間の心」すら獲得した強敵となってエルキア王国に現れた。 現代想定されている、「神託機械」すら超越するその演算能力から、作中では「超越演算機」と空は称するほどである。あらゆる言語や言外の意図すら汲み取り、「肯」か「否」以外の「それ以外」という意図を空やステフの感情から解析する異形である。空お得意のペテンであるレトリックすら即座に見破り、文中の「本当」と「嘘」の部分を判別し情報を抜き出している。全クラスタを連結した時の演算回数はRayo(3↑↑3)回に上るという、本来ならば“あらゆる機械が無条件でカンストする”ほどの演算回数をやってのけた。(Rayo(n)とはラヨ関数であり、「3↑↑3」の「↑」はクヌースの矢印表記であるが、2020年現在この関数は定義されておらず、Rayo(3↑↑3)も単一の数を定めない。詳しくはラヨ数を参照。) 本来、二人零和有限確定完全情報ゲームであったチェスに「ランダム」要素を組み込まれ、あまつさえ“最悪手”の読み合いと化した電撃戦チェスの全てのパターンを暴き、読み切るという不可能を可能にした。 その凄まじいオーバーテクノロジーは、エロ漫画から異世界の技術や文化・文明を再現するまでに正確無比である。『 』をして“正面から挑んで負ける可能性が一番高い種族”と言わしめている。 大戦末期において、焉龍「アランレイヴ」と交戦したことをキッカケに大戦終結に大きく関わっていくこととなる。 シュヴィ・ドーラ 声 - 茅野愛衣 機凱種の少女。見た目は十歳ほどの黒髪の少女だが、実年齢(製造経過年数)はリクと出会った時点で210歳。容姿は白と似ている。 機凱種の中でも平均以下の性能しかない『解析体(プリューファ)』である。機体個体識別番号は「Üc(ユーバクラスタ)207番機Pr(プリューファ)型4f57t9機」であり、シュヴィという名は彼女自身が提案した『シュヴァルツァー』という名をリクが改めたもの。また、「シュヴァルツァー(Schwarzer)」はドイツ語で「黒い男」を意味し、形容詞schwarz(シュヴァルツ・黒い)を名詞化した語である。 「心」を知るためにリクを押し倒し、その後共に行動するようになる。その際、自身が機凱種間の連結が解除されてしまった単独機であることを伝えている。大戦を終わらせるための行動を始めるのと同時期にリクと結婚する。 「星杯」を顕現させるための工作として「通行規制(アイン・ヴィーク)」設置中にジブリールと遭遇。自身が極めて珍しい連結解除された単独機であることをジブリールに悟られた結果、執着に近い興味を引いてしまいやり過ごすことに失敗。また全武装を用いた"命乞い"も失敗してしまうが、リクとの約束を守るため、唯一の勝ち筋である機凱種のクラスタに再連結することを選択する。通信先のユーバ・アインに自分自身の『心』を同期すること提言、認められるものの、4分11秒という絶望的な長さの同期時間が提示されてしまう。しかし【全典開】を行い全機凱種の武装・火器・装備を駆使してジブリールに対抗する。遂にジブリールの全力の「天撃」を受け消滅するが、リクから貰った結婚指輪は守りきり、同期も完了し全機凱種に想いを託した。 なお、ジブリールはシュヴィの名を覚えてはいるが、シュヴィは「ドーラ」とは名乗らなかったため、別人と思っている。 ユーバ・アイン シュヴィの所属するユーバ・クラスタの指揮体(ベフェール)。再連結を申請した際に通話に応じた固体。シュヴィの行動に疑問を持ちながらも、貴重なサンプルデータであると“取り繕って”シュヴィに再連結を許可し、『心』を受け取ることを決定する。全クラスタに同期を完了させた後、シュヴィに別れを告げた。彼のユーバ・クラスタもアヴァント・ヘイム制圧に参加している。 アインツィヒ(全連結指揮体) 声 - 諏訪部順一 機凱種の全連結指揮体である男らしき姿の機凱種。消滅し「遺志体(プライヤー)」となったシュヴィから託された遺志を果たすため、リクと接触した。 名前の由来はドイツ語の形容詞「einzig」であり「ただ一つの、一人だけの」を意味する、 シュヴィが欠けた後の計画を補正し、実行する。 大戦終結のためにアルトシュと交戦し、その「神髄」剥離に成功する(正確には「成功したということになっている」と記述されており、アルトシュの「神髄」が消滅した理由についてはあいまいになっている)。 機凱種の歴史上、アルトシュを目視で確認し情報を最初に記録した個体でもある。 作中にて、初めて人間に嘘をつくという行動に出た機凱種。 現代は耐用年数を超過している、自身の後継機を目下最優先で作らせている。 最初は空を意思者と呼び、勝負を挑むが、彼ら機凱種が見ていたものは空ではなく、その影に映る「幽霊」であったため、空個人とのチェス戦において、本来ではありえない”引き分け”をしている。早打ちチェスにおいても、最終局以外では『 』として見ておらず、白を認識しながらも理解をしていなかった。 最終局では、思いの丈を、嘘をつき、欺き、遺志者が愛したものを、自分たちでないと知りながらも愛し、その願いの全てをぶち壊した思いを、演算ではなく「心」から打ち、たった一度しか通じない『 』の全力を持って敗れた。 イミルアイン(アエルト・イミル・クラスタ・アイン) 十代半ばほどの人間の少女のような見た目の機凱種。役称は『旧E連結体第一指揮体』。識別番号はEc001Bf9O48a2。長いという理由で空によってイミルアインと名付けられる。メイド服姿であらわれ、あやめ色の髪を持つ。 彼女のクラスタは、『真典・星殺し(ステイル・メーター)』製造のために連合火力を受け壊滅。彼女はその生き残りである。 アルトシュ討伐にも参加しており、その際に生存している。 “穴”により魂を摂取して新しい個体を製造するサンプルを回収する。 ジブリールの断絶空間を自力で破り侵入し、天移した箇所を一瞬で割り出すといった手腕。 他の機凱種(アインツィヒ含め)が空に迫る中、一切迫らないため、空に終始疑問に思われていた。そのため、空からは「包丁を持って迫ってきても全く違和感がない」とヤンデレ疑惑をもたれていた。 実際は、終盤の早打チェス内にて「自分と空はすでに結婚しており、幸せな家庭を築いており、子供もいる」という、呼び名を付けた=結婚したという認識だったらしく、結婚しているのだから迫る必要がないと、行動をしないだけであった。窮地に陥ることを予想していた空白すらも驚かせる脳内補完をしており、エラーが多発したため連結解除される。 ゲーム後、次こそはと、最後の一度「空」に告白を行い、空の理性を砕きかけた。それにより手応えを得たため、「当機は機能停止まで『好き』を偽らない」と、他の面々に宣戦布告を行う。(その際、新造機体を作れそうになったが、連結解除されていたため、失敗。妄想が現実になる手前まで進んでいた。) 武装 機凱種は創造された際に、「問いに答える相手」として“対応”し“答え”を導くように生み出されている。そのため、外部からの反応に対応して反応を返すように成長し続けた結果、大戦期には受けた攻撃を一瞬で模倣したり、解析結果から新しい兵器を新造することも可能となった(本来の創造目的から、問いかけに関する返答も可能。真実を語るために、論理的な思考や言葉遣いをする)。大戦期に使われた兵器のほとんどは、精霊を摂取することを原動力とする。精霊が十六種族(イクシード)に加わったことで殺傷ができなくなり、今では使うことはできないが、元々持っていた精霊を殺さない回路を変化させることで、現代においても大戦期と同等かそれ以上の戦闘を行うことは可能である。武装の総数は27451にものぼり、戦闘を役割としない解析体(プリユーファ)ですら47を固体単位で保有する。武装を含め、保有する道具を使う場合【典開(レーゼン)】を行う。武装を典開する場合、精霊を使用する。模倣した武装の場合【偽典・〜(〜アポクリフェン)】。決戦兵器として独自に開発した兵器には【真典・〜】とつける。 遊戯001『チェス』 精霊を用いて、チェス盤を実体化させるもの。手の平から地面に光を照射して、そこにチェス盤を実体化させる。この【典開】は設計体(ツァイヘン)を介さず、シュヴィが作り上げたものでもある。 『偽典・森空囁(ラウヴアポクリフェン)』 森精種(エルフ)の魔法を再現した兵器。すべてを切り裂く真空の刃を無数に放つ。 『通行規制(アイン・ヴィーク)』 龍精種(ドラゴニア)の【王】焉龍「アランレイヴ」との戦いの際にシュヴィが解析提案した武装。龍精種の【王】の個体と、その従龍(フォロワー)7体すべての『崩哮(ファークライ)』を防御不可能と判断し、“逸らす”ことを目的として新造された武装。大戦末期には、連合の全火力をまげて誘導する計画に用いられ、神撃の進路を逸らした。 『一方通行(ウイン・ヴィーク)』 長距離移動のための武装。空間そのものを強引に破壊し、破孔が塞がる0.000046秒の間に裂け目に飛び込んで、一気に100km以内の任意の場所へと移動する。大戦末期に天翼種の『天移』を模倣するまでは、この手段を使って移動していた。 『制御違反(オーヴァ・ブースト)』 機凱種が有するブースター。精霊を一気に吸い込み殺し、霊骸を指向性を持たせて一気に排出することによって高速度を得ることができる。連続使用すれば、大気摩擦で表面がプラズマ化するほどの極高速度に達する。 『全方交差(アシュート・アーマ)』 前述の『制御違反(オーヴァ・ブースト)』の応用で、霊骸に指向性を持たせず全方位に排出することで防御に応用したもの。一種の防御フィールドと言える。 『偽典・焉龍哮(エンダーポクリフェン)』 龍精種の【王】アランレイヴが自己崩壊を代償に放つ『崩哮(ファークライ)』の43.7%を再現した火器。碧い閃光とともに、着弾地点の地面を地殻ごと蒸発させ、数千度に達する土砂を成層圏まで吹き飛ばす強烈な火器である。43.7%の再現率とはいえ、これを自己崩壊なしで発射できる。戦闘体(ケンプファ)に比べ、32%未満の解析体(プリユーファ)が放った場合でも並の天翼種ならば一撃で屠ることができ、アヴァント・ヘイム制圧の主力武器として機凱種全機がこの武装で襲撃し、多数の天翼種や地精種の戦艦を屠り猛威を振るった。 『全典開(アーレス・レーゼン)』 機凱種有する全部武装、全火力、全装置を限界まで同時典開するもの。その数々の武装は、遠目から見ると巨大な翼に見える。この技の使用は、各個体の所属するクラスタの指揮体(ベフェール)から無制限使用承認を受けることで可能とされる。 『進入禁止(カイン・エンターク)』 防御のための武装。範囲効果を集束させることも可能で、12mmに集束された際には天撃をも防いだ。 『偽典・天撃(ヒーメアポクリフェン)』 天翼種の『天撃』を模倣する武装。こちらも、天翼種の『天撃』とは異なり、一度撃つと6年の間幼児化するデメリットは存在しない。 『偽典・天移(シュラポクリフェン)』 天翼種の空間転移(シフト)である『天移』を模倣する武装。アヴァント・ヘイム制圧時に、アズリールが『天移』を攻撃に転用したものを解析・設計した。跳躍距離が『一方通行(ウイン・ヴィーク)』よりもはるかに拡大した。 Org.000『真典・星殺し(ステイル・マーター)』 戦神アルトシュの『神撃』、森霊種の『虚空第零加護』全弾18発、地精種の『髄爆』全弾12発、龍精種8体の『崩哮(ファークライ)』8発の“全エネルギー”の72.8%を再現する切り札。実体化させた『真典・星殺し』は銃の形をしているが、あまりに巨大すぎて塔のように聳え立っていたと言う。本来の神撃や決戦兵器とは異なり、その再現したエネルギーをたった一点に収束させることによって、連合火力の誘導では不可能だった星殺しを可能にした。 「真典・空落とし(チェック・マーター)」Prt.0001〜0010 大戦末期にシュヴィから引き付いだ特定のエラー群『心』と、対未知対応アルゴリズムを用いて、空のオカズ(8.23GB)を解析して新造した兵器。後述の『偽典・真愛』と異なり、オカズの解析の後に空の反応をリアルタイムで反映し続け、作中合計で0001〜0010のプロトタイプを設計し投入している。 『偽典・真愛(エロアポクリフェン)』 空のオカズ(8.23GB)フォルダに収められていた情報を“模倣(コピー&ペースト)”したものを、画像データとして出力し全て典開してゆく兵器。模倣した時に、空のタブレット内のデータは破損してしまい見られなくなっている。
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