みどりII

名称:環境観測技術衛星「みどりII」/AdvancedEarthObservingSatellite-II(ADEOS-II)
小分類:地球観測衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/環境庁(EA)/アメリカ航空宇宙局(NASA)/フランス国立宇宙研究センター(CNES)
運用機関・会社:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
打ち上げ年月日:2002年12月14日
運用停止年月日:2003年10月31日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:H-IIA
打ち上げ場所:種子島宇宙センター(TNSC)
みどりIIは、5つのセンサーを搭載した地球観測衛星です。
高性能マイクロ波放射計(AMSR=Advanced Microwave Scanning Radiometer)は、地表や大気から自然に放射されるごく弱いマイクロ波を受信することで、水に関するさまざまな量(水蒸気量、降水量、海面水温、海上風、海氷など)を昼、夜の区別なく、また雲の有無に関わらず観測します。これによって、全地球規模の水循環、エネルギー循環を把握するためのデータを得ます。
グローバル・イメージャ(GLI=Global Imager)は、地球表面や雲などからの太陽反射光や、赤外放射光を多くの波長で観測することで、生物に関するさまざまな量(クロロフィル色素、有機物、植生など)や、温度、雪氷、雲の分布、分類などを測定します。そして、全地球規模の炭素循環や気候変動を把握するためのデータを得ます。
改良型大気周縁赤外分光計II型(ILAS-II=Improved Limb Atmospheric Spectrometer-II)は、南北両半球の高緯度地方の大気の微量成分(オゾン、エアロゾルなど)の高度による分布を観測します。
海上風観測装置(Sea Winds)は、海上風の方向、風速を測定します。
地表反射光観測装置(POLDER=Polarization and Directionality of the Earth'sReflectances)は、地球表面、エアロゾル、雲、海で反射される太陽光の偏光、方向性、分光特性を測定します。そして温室効果ガス増加による地球輻射の潜在的な影響、対流圏におけるエアロゾルの循環、全球的な炭素循環の解明を行ないます。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
翼をひとつ広げたような一翼式(太陽電池パドル)の形をしています。本体は約6m×4m×4m、太陽電池パドルは約3m×24mの大きさです。
重量は約3.7t(打ち上げ時)/約1.3t(ミッション重量)で、姿勢制御方式は、3軸姿勢制御方式を採用しています。
みどりIIは宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))が開発した2つのセンサーのほかに、NASA、CNESなどにより開発された5つのセンサーを搭載しています。
2.どんな目的に使用されるの?
みどりIIは、みどりの観測ミッション(目的)を引き継ぐとともに、地球温暖化など、地球規模の環境変動の研究のためのデータを取ることが目的です。さらにそうしたデータを気象・漁業などへの実利用を図ること、観測技術の開発・高度化などを目的とします。

3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
打ち上げ後、予定どおり軌道に乗り、高性能マイクロ波放射計や、グローバル・イメージャ、改良型大気周縁分光計II型、海上風観測装置、 地表反射光観測装置などによる地球環境の観測を行ないました。またこだまやアルテミスとの衛星間通信実験にも成功しましたが、太陽電池パドルからの発生電力が低下する異常が発生したため、現在は運用停止になり、異常発生の原因が調べられています。
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
みどりがあります。
5.どのように地球を回るの?
高度802.9km。公転周期101分(地球を101分で1周します)、軌道傾斜約98.62度の太陽同期準回帰軌道です。太陽同期準回帰軌道とは、いつもほぼ同じ時刻に同一地点の上空を通過するため、観測衛星に向いている軌道です。また、地球の自転によって経路がすこしずつずれていきますが、4日後には再び同じ時刻に同じ位置にもどっています(回帰周期)。
みどりII
(ADEOS II から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/05/03 08:06 UTC 版)
| 環境観測技術衛星「みどりII」 ADEOS-II |
|
|---|---|
| |
|
| 所属 | 宇宙開発事業団(NASDA) 現 宇宙航空研究開発機構(JAXA) |
| 主製造業者 | 三菱電機 |
| 公式ページ | 環境観測技術衛星「みどりII(ADEOS-II)」 |
| 国際標識番号 | 2002-056A |
| カタログ番号 | 27597 |
| 状態 | 運用終了 |
| 目的 | 地球観測衛星 |
| 設計寿命 | 3年(搭載燃料:5年) |
| 打上げ機 | H-IIAロケット 4号機 |
| 打上げ日時 | 2002年12月14日 10時31分(JST) |
| 通信途絶日 | 2003年10月25日 08時55分(JST) |
| 運用終了日 | 2003年10月31日 |
| 先代 | みどり |
| 物理的特長 | |
| 本体寸法 | 4m x 4m x 6m |
| 最大寸法 | 28m (太陽電池パドル展開後) |
| 質量 | 3.68t(打ち上げ時) うちミッション機器:1.23t |
| 発生電力 | 5,350W以上 (寿命末期) |
| 姿勢制御方式 | ゼロモーメンタム3軸制御ストラップダウン方式 |
| 軌道要素 | |
| 周回対象 | 地球 |
| 軌道 | 太陽同期準回帰軌道 |
| 高度 (h) | 802.92 km |
| 軌道傾斜角 (i) | 98.62度 |
| 軌道周期 (P) | 101 分 |
| 回帰日数 | 4 日 |
| 回帰精度 | ±5km |
| 降交点通過 地方時 |
午前10時30分±15分 |
| 観測装置 | |
| AMSR | 高性能マイクロ波放射計 |
| GLI | 可視赤外イメージング放射計 |
| ILAS-II | 改良型大気周縁赤外分光計II型 |
| SeaWinds | 海上風観測装置 |
| POLDER | 地表反射光観測装置 |
みどりII(みどりツー、ADEOS-II、Advanced Earth Observing Satellite II)は、日本の地球観測技術衛星。宇宙開発事業団(NASDA)が衛星を開発し、環境省、NASA ジェット推進研究所(JPL)、フランス国立宇宙研究センター(CNES)のセンサを搭載した国際共同プロジェクト。
2002年(平成14年)12月4日 H-IIAロケット4号機により種子島宇宙センターから打上げられた。2003年(平成15年)10月25日に太陽電池の発生電力が低下し、通信途絶して運用を終了した。衛星開発費480億円[1]。総予算額712億円(衛星開発、ロケット製作打上げ、追跡管制を含む)[2]。
概要
1996年打ち上げの地球観測プラットフォーム技術衛星みどり(ADEOS)の後継機として開発され、地球温暖化、オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、異常気象など、地球規模での環境変化の実態把握のためのデータを取得することを目的とした。「みどり」の名前を踏襲したが、“新生みどり”“新しい次世代のみどり”との意味から、「2号」ではなく「II」(ツー)と名付けた[3]。
運用異常は、太陽電池パドルのハーネス温度が設計値では143℃程度が上限であると考えられていたが、運用異常後の検証により、計算モデルを見直すことで230℃程度まで上昇することがわかり、被覆が熱サイクルにより損傷し、回路が断線またはショートしたことで電力低下につながったことが原因の一つと推測されている[4]。先代のみどり(1996年8月打ち上げ、1997年6月運用停止)も太陽電池関連の損傷による事故だったが、これはポリイミドフィルムと接着剤の線膨張率の違いにより設計予想の2倍の熱収縮が発生して過大な張力でピンヒンジが破断し、はんだ付け部に張力がかかるようになり、熱サイクルによる疲労劣化でブランケットの破断に至ったと結論づけられており、この直接的な対策はみどりIIの太陽電池パドルに反映されていた[5]。
運用史
日時は日本時間。
計画
運用
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)
- 1月
- 2月
- 1日、POLDERによる試験データ取得[15]。
- 20日、データ中継技術衛星こだまとの衛星間通信実験に成功。GLIでチベット高原からインド地域を撮影し、日本の地上局と直接通信できない軌道上位置から鳩山局にKa帯周波数(66Mbps)でリアルタイム伝送した[16][17]。
- 3月28日から30日、ESAの先端型データ中継実験衛星ARTEMISとの衛星間通信実験に成功。史上初の日欧衛星間通信。Ka帯(26GHz帯)とS帯(2GHz帯)を使用[18]。
- 4月14日、初期機能確認段階を終了し、定常観測/校正・検証段階へ移行(打上げから1年後までを目途)[9]。
- 10月1日、宇宙開発事業団(NASDA)が統合され宇宙航空研究開発機構(JAXA)になる。
- 10月25日、太陽電池パドルの発生電力が低下し、通信途絶。
- 10月31日、地球観測運用の断念を発表[19]。
- 2004年(平成16年)
運用異常
2003年(平成15年)10月25日 7:28、みどりIIからデータ中継衛星こだまを経由して地球観測センター(鳩山局)で受信する予定だった地球観測データが受信されなかった[23]。みどりIIはこの時、太陽電池パドルの発生電力を衛星本体に送電する能力の大半を失っており、バッテリ電力によって活動する状態で、各種センサ等のヒータ類をオフにするなどした軽負荷モードに自動的に移行していた。同日8:55にバッテリ電力の低下により通信するための電力がなくなり、地上との通信が途絶、その後復旧しなかった[24]。衛星状態の解析から、衛星の三軸姿勢確立に必要な電力約1.2kWの確保が困難であると判断され、通信が復旧しても観測運用が実施できる見込みは極めて少なかった[19]。
事故後の検証の結果、太陽電池パドルの電力ラインまたはハーネスに異常が生じて回路の開放または短絡が生じたものとしている[4]。その結果に至るシナリオとして、熱サイクルによるハーネス被覆の損傷や、事故2日前の10月23日に発生した大規模な太陽フレア[25]により、太陽電池パドルのMLI(サーマルブランケット)が帯電してハーネスとの間で放電を起こしたことなどが考えられ、炭化導電路が成長して持続放電に発展したとされた[26]。また、みどりIIの姿勢変動が確認されていたが、ハーネスの熱損傷によるガスが発生したと仮定すればこれも説明可能だとしている[4]。
宇宙環境
2003年10月23日に大規模な太陽フレアが発生していた。アメリカ海洋大気庁の気象観測衛星17号(NOAA-17)のプラズマ観測データの解析により、異常が発生する直前にみどりIIが極域のオーロラ帯を通過しており、通常の10倍程度となる2000nTの大きな磁場変動を受けていたと考えられている。ただし、みどりIIに搭載された宇宙環境計測装置では高エネルギー電子、陽子及びヘリウムの計測データに大きな変化はなかった[4]。
時系列
日時は日本時間。
- 2003年(平成15年)
- 10月23日、大規模な太陽フレアが発生[4]。
- 10月25日[24]
- 0:07、パース局(オーストラリア)でテレメトリデータを正常に受信。
- 0:50頃、極域のオーロラ帯を通過[4]。
- 1:13、太陽電池パドルの発生電力が3分間で約6kWから約1kWに低下(解析により当日10時ごろ判明)。
- 1:16、バッテリからの電力供給を開始。
- 6:04、アラスカ局でミッションデータ(テレメトリを含む)を正常に受信。
- 6:22、鳩山局でデータ中継技術衛星こだま経由のミッションデータを正常に受信。
- 7:18、バッテリ電圧の低下を検知して軽負荷モードに移行(解析により当日15時ごろ判明)。軽負荷モードを維持するには1.7kWの電力が必要と考えられている。
- 7:28、こだまとみどりIIの間の通信ができなかった。
- 8:49、臨時に手配されたマスパロマス局(スペイン)で受信したテレメトリにより、みどりIIが軽負荷モードになっていることが確認された。
- 8:55:15、マスパロマス局で信号受信中に通信が途絶。衛星の電源電圧低下によって通信機器が動作を停止した。
- 9:23、勝浦局からみどりIIに対して、送信機オンコマンド信号を送信するが、通信復旧せず。
- 10月31日、JAXAが運用断念を発表[27]。地球観測運用に復旧するには三軸姿勢を確立する必要があり、そのために1.2kW以上の発生電力を必要とするが、太陽電池パドルの状況から発生電力が期待できないことを理由とした[28]。
検証試験
運用異常後、各種検証試験が実施された。
太陽電池パドルハーネスの熱解析
設計時点のハーネス束の熱数学モデルでは予測最高温度143℃と見込まれハーネスの許容温度200℃を下回ると考えられていたが、MLIの実行放射率を要素試験を経て見直し、モデルの節点を増加して計算したところ、最高温度が230℃まで上昇していた可能性が高いとされた[24]。
太陽電池パドルハーネスの損傷発生の検証
温度予測結果を踏まえ、100℃から250℃の温度サイクルを15分周期で検証したところ、5000サイクルを経過した時点で芯線に達する被覆の損傷の発生が確認され、顕微鏡観察で被覆同士が固着している様子が見つかった。一方、微小な宇宙デブリによる損傷が生じていた可能性も否定できない[24]。
太陽電池パドルハーネスの帯電の検証
NOAA-17が2006年10月25日にオーロラ帯を通過した際に観測した電子流入量を元に計算すると、みどりIIの太陽電池パドルハーネスのMLIとハーネスの間には-1200V以上の帯電電位が発生していたと考えられる。みどりIIと同等のMLIを用いた地上試験で電子照射したところ、-1200V程度の帯電が確認された。なお、みどりの観測例などから、毎週回日陰やオーロラ帯を通過する際に帯電し、1000V程度の電位差があった可能性が高いとされる[24]。
太陽電池パドルハーネスの放電の検証
みどりIIと同等のハーネスを用いて、芯線が露出する損傷のある状態で2本対向させ真空チャンバ内でMLIに電位差を与えたところ、放電が発生することを確認した。また、損傷ハーネス間の単発的放電が発生した箇所の被覆が炭化され、炭化導電路が形成されて発熱を伴う短絡が持続することで、隣接する無傷のハーネスにも波及することが確認された。ハーネス束での検証では放電開始から30秒間で10回路すべての回路が短絡または開放に至る例も確認された[24]。
衛星姿勢変動の評価
10月25日 1:13から1:17の間に3軸の姿勢角について、わずかな変動が生じていた。FTAによる異常部位の絞り込みを考慮して太陽電池パドルハーネスから太陽電池ブランケットの一部の範囲に力が生じた可能性が高いと考えられ、ハーネスを高温に加熱した場合に生じる発生ガス量や組成から、熱損傷によって発生したガスが噴出したことで生じた力によるものとして説明可能であると結論付けられた[24]。
ミッション機器
異常によって3年の運用を予定していたところ、衛星の電力系の異常によって10か月程度で運用断念となり、観測期間としては9カ月、全球観測期間は7カ月程度[19]と、センサの校正や年間を通しての気候を知るためには1年以上の観測が必要だが、運用期間はそれに満たなかった。一方で限られた運用期間の中でも、搭載された各種先進的なセンサによって世界初の観測成果が得られている[19]。
AMSR(高性能マイクロ波放射計)
地球表面および大気から放射されるマイクロ波を測定し、主に水に関する様々なデータを取得するための観測装置。NASDAが開発、三菱電機が担当[2]。これの改良版であるAMSR-Eが地球観測衛星Aquaに搭載されており[29]、AMSRとAMSR-Eにより陸域広域の土壌水分を世界で初めて定量観測し、陸域気候モデルの構築に貢献した[19]。雲を透過して全天候で海面水温を観測可能な、当時唯一のセンサであった[19]。
GLI(可視赤外イメージング放射計)
地球表面及び雲からの太陽反射光あるいは赤外放射光を観測し、表面温度、植生分布、雪氷分布、クロロフィル濃度、溶存有機物などを高精度に測定することを目的とした光学センサ[29]。NASDAが開発、富士通が担当[2]。
世界で初めて陸海両方のエアロゾルを1km解像度で広域に観測した。世界で初めて広域の雪氷を観測し、積雪の粒径、不純物濃度などの積雪特性が観測され、粒径が極域の温暖化発現の指標になっており、また不純物である大気汚染微粒子は太陽放射の吸収によって融雪が早まり地表面の露出による温暖化の促進につながると考えられている。短波長赤外領域(資源探査や農作物生育状況把握)で250m分解能の全球観測が可能な当時唯一のセンサであった[19]。
ILAS-II(改良型大気周縁赤外分光計II型)
高緯度地域の成層圏のオゾン層を監視・研究するための大気センサ[29]。みどりオゾン層破壊に関する物理化学現象の科学的解明等を目的としている[29]。太陽光が地球大気を透過した際に特定波長の光が吸収されることを利用する太陽掩蔽法による分光センサで、太陽同期軌道であることから太陽と衛星との位置関係に基づき観測対象が極域に限定される[30]。環境省が開発、松下技研が担当[31]、開発費35億円[12]。
SeaWinds(海上風観測装置)
ADEOS搭載のNSCATを継承発展させたもので、マイクロ波の海面による散乱を受信し、これを分析することで海上風の風向、風速などを測定する[29]。NASAが開発。
POLDER(地表反射光観測装置)
地球表面、雲、海、エアロゾル等で反射される太陽光の偏光、方向性及び分光特性を測定する。フランス国立宇宙研究センター(CNES)が開発[29]。
その他
バス機器
- 通信及びデータ処理系(C&DH)
- 2GHz帯の周波数で追跡管制所と通信し、コマンド受信、テレメトリ送信を行う。
- 軌道間通信系(IOCS)
- データ中継衛星(こだま、アルテミス)とS帯、Ka帯で通信し、データ中継と追跡管制を行う。
- ミッションデータ処理系(MDP)
- ミッションデータの選択、パケット化、多重化などを行い、DT・IOCSに伝送する。また、ミッションデータレコーダ(MDR)に伝送する。MDRは3台搭載し、MDRを切り替えながら全ての観測機器データが常に記録され、地上に伝送する際に再生される。データ記録6Mbps、データ再生60Mbps[32]。
- 直接送信系(DT)
- X帯2波(X1バンド:60Mbps、X3バンド:6Mbps)で中高速のミッションデータを直接地上局とデータ伝送を行う。
- 光磁気ディスク(ODR)
- 高速大容量データレコーダ。みどりIIで初めて搭載した。システム構成としてはDTユニットに含まれる。GLI250mデータ1シーン分(観測時間4分)の記録再生に使用される。実験機器であり定常運用中も実験運用に位置づけられる。記録・再生速度60Mbps[32]。
- 電源系(EPS)
- パドル系(PDL)
- 一翼式太陽電池パドル。幅2.7m×長さ0.46mのフレキシブルブランケット50枚(セル搭載は48枚[34])で構成されブランケット部の長さ23.3mとなり、関節型マストによって軌道上で伸展する方式により、大電力、高収納性、軽量化の要求を満足している。計55,680枚の太陽電池セルを搭載。
- 姿勢軌道制御系(AOCS)
- 軌道投入後の三軸姿勢確立、姿勢保持、軌道制御、パドルの駆動を担う。慣性基準装置(IRU)、地球センサ(ESA)、精太陽センサ(FSSA)と、リアクションホイール(RWA)、磁気トルカ(MTQ)を搭載する。
- 推進系(RCS)
- AOCSからの制御信号を受けて1Nスラスタ、20Nスラスタを制御し、推力を得る。
- 極地ユーザ送信系(DTL)
- GLIの観測データのうち4バンドのデータ(23Kbps)をUHF帯(467.7MHz)で船舶等のユーザに送信する。海況や水温分布、海洋基礎生産力の把握に利用される[30]。
地上システム
ミッション運用系システムはJAXA地球観測センター(埼玉県鳩山町)に整備される。各機関の運用要求に基づき、ミッション機器の運用計画立案、直接系・データ中継衛星からのミッションデータの受信を行う[30]。
海外のX帯直接受信局としてNASA局(アラスカ州ASF、ヴァージニア州WFF)、JAXAキルナ局があり、ミッションデータを受信する。アルテミスのESAフィーダリンク局としてベルギーのRedu局があり、こだまの不可視域でミッションデータ、コマンドテレメトリ運用に使用される[30]。国立極地研究所が南極昭和基地に整備した衛星データ受信局においてGLI250mデータを受信し、媒体は南極観測船によって年1回輸送される[35]。
ピギーバッグ衛星
みどりIIを打ち上げたH-IIAロケット4号機には、みどりIIを主衛星としてピギーバック衛星(相乗り衛星)3機が搭載された。
- マイクロラブサット1号機 - 先端技術の宇宙実証機会とする小型衛星。NASDA、通信総合研究所(CRL)、航空宇宙技術研究所(NAL)、東京大学が開発。
- 鯨生態観測衛星 - 千葉工業大学が開発。
- FedSat - オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が開発。日本のロケットが打上げた最初の海外製衛星となった。
デブリ観測衛星の観測対象として
みどりIIは運用終了後も地球を周回し続けており、スペースデブリとなっている。2027年に打上げ予定のアストロスケールの衛星デブリ観測ミッションISSA-J1により、だいち(2011年運用終了)と共に近接観測される計画となっている[36]。
脚注
- ↑ 宇宙航空研究開発機構宇宙利用推進本部事業推進部、Program Management and Integration Dept., Office of Space Applications「各国の衛星開発動向に関するデータ集」『宇宙航空研究開発機構特別資料』JAXA-SP-05-033、2006年3月31日、ISSN 1349-113X。
- 1 2 3 4 5 6 7 “環境観測衛星(ADEOS-II)「みどりⅡ」について” (2003年11月7日). 2026年4月11日閲覧。
- ↑ [リンク切れ]
- 1 2 3 4 5 6 “環境観測技術衛星(ADEOS-Ⅱ)「みどりⅡ」の運用異常に係る原因究明及び今後の対策について”. p. 27 (2004年7月28日). 2026年4月11日閲覧。
- ↑ “[https://www.mext.go.jp/content/19971001-mxt_uchukai01-000026358_5.pdf 地球観測プラットフォーム技術衛星(ADEOS)の機能停止に係る原因究明等 について(宇宙開発委員会技術評価部会報告書概要)]”. 文部科学省 (1997年10月1日). 2026年5月3日閲覧。
- 1 2 “JAXA|「みどりII」(ADEOS-II)の運用状況について”. www.jaxa.jp. 2026年4月12日閲覧。
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- ↑ “JAXA|環境観測技術衛星(ADEOS-II)「みどりII」の運用異常について”. www.jaxa.jp. 2026年5月3日閲覧。
- ↑ “地球観測データ利用ハンドブック- ADEOS-II 編-第 4 版” (2009年3月). 2026年5月3日閲覧。
- ↑ Sorae編集部 (2026年4月9日). “アストロスケールが新たなデブリ観測ミッション発表 対象は退役衛星の「だいち」と「みどりII」”. sorae 宇宙へのポータルサイト. 2026年4月10日閲覧。
関連項目
外部リンク
「ADEOS II」の例文・使い方・用例・文例
- フェーズIとフェーズIIで許容副作用を伴い効果的であることが示される治療あるいは薬品の大規模な臨床試験
- 1228年から1229年までの十字軍は、病気になった神聖ローマ帝国皇帝フレディリックIIで導いて、法王によって破門されました
- 330,000人の連合軍隊が敵火の下で絶望的な退却において、北フランスの浜辺から避難しなければならなかった世界大戦IIの陸海空共同の避難(1940年)
- 腎臓にアンジオテンシンIIができるのを阻止し、動脈を弛緩してくれる抗高血圧薬
- アンジオテンシンIIへのさきがけであるアンジオテンシンの生理学的に不活発な形態
- 高血圧を治療するのに用いられるアンギオテンシンII抑制剤
- ASCII文字セットは最も一般的に用いられている文字セットである
- 王を補足したと考えられるI歴代志とII歴代志の旧約聖書の旧名
- ウルガタ聖書(IIエスドラス書を除いて)に含まれるが、ユダヤやプロテスタント版の聖書では省略される旧約聖書の14冊
- I歴代志、II歴代志、エズラ、およびネヘマイアからの編集から成る外典
- フレディリック神聖ローマ帝国皇帝IIを破門して、聖地に対して新しい十字軍を計画していた1245年の西方教会の協議会
- キャサリンIIの愛人であり、1762年に彼女が権力を握る支援を行ったロシアの役員で政治家
- 遺伝的に第VIII因子が欠乏するために生じる血友病
- アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変えるタンパク質分解酵素
- 血液凝固において、トロンビンは第XIII因子をフィブリンが分解しにくい凝血塊の形成を引き起こす(フィブリナーゼ)活性型に触媒する
- パーシングIIというミサイル
- SALTII条約という2国間軍縮条約
- SALTII条約という2国間軍縮条約の内容
- 宇宙開発事業団と航空宇宙技術研究所は,2004年にH-IIAロケットでHOPE-Xを打ち上げる計画をしていた。
- 72歳の映画監督と彼の息子は,9月25日,新作映画「バトル・ロワイアルII」の製作を発表するため,記者会見を行った。
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