◆その他 社会問題◆
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 01:14 UTC 版)
自殺: 自殺については、社会的諸問題の総合的な結果としてあることが多いので、苦しい人を助けて自殺を減らす活動が大事と考える。しかし、死ぬ自由もあると考える。自殺を減らすために、貧困対策などに加えて、ビフレンディングな姿勢で寄り添う相談活動が有効と考える。傾聴だけでなく、具体的支援と結合させることが有効という立場。自殺を止めようとしないで思いを受け止め、寄り添うスタンスの相談が重要。自殺防止センターや寄り添いホットラインでの活動歴あり。自殺と支援については、「自殺防止活動とスピリチュアルケアについて」(『大阪経大論集』54巻第6号2004年)がある。 学問へのスタンス: 理論、研究、論理、理性、合理主義、哲学、思索などを試作などを重視する点で、知性に希望を持ってはいるが、大学・学界システムには批判的。アカデミズム・学界的なものの主流秩序への加担性、無批判性を批判するスタンス。特権的な地位にいるものが多いことを批判的に見て、自らは正規大学教員をやめた。一部まともな研究があることは認めるしそこからも学ぶが、多くはつまらない研究であるとみている。学者的論文スタイルをあえてしないスタイルを選ぶ。有名な学者などの言葉【それは正しさの根拠となるもの】を引用するものを集めるのが論文、それが客観的なもの、自分の意見を言うのはよほどのことがないとだめといったようなよくあるスタイルに批判的。学問・論文スタイルとそうでない物とを切断することに反対。公民権運動のドキュメントやガタロさんの生き方を知ることや茨木のり子の詩を味わうことは、100本の論文的なものより価値があると考えるスタイル。「結局現実の改革にどう貢献するのか、だから何なのか」に答えうるような骨太な論考/思索を好む。しょせん、過去の財産に付け加えていく作業であるので、特に自分の成果だ(だからそれをもとに主流秩序を上昇する)と思うような、自分の出世・名前を売るような姿勢に懐疑的。 教育業界・大学のあり方にも批判的で、現状、主流秩序に無批判で主流秩序維持の一部になっている教育機関・大学が多いと思っている。知識偏重から、生きる力をつけるように、小中高校の学校教育の改革案として提起したものとして「“エリートでない者”がエンパワメントされる教育」(岩川直樹・伊田広行編著 『貧困と学力』明石書店2007年)がある。また参加型の学び(ワークショップ)の意義については、「労働者の新しい学び――労働教育ワークショップ」(共同執筆『職場の人権』第24号(03年9月)がある。 アドラー心理学: アドラー心理学には賛同する部分が多い。課題の分離は、シングル単位の思想そのもの。優越コンプレックス/劣等コンプレックス批判は、主流秩序の観点とあわせて理解することで実践的に意義が出る。承認欲求批判、ギブアンドギブの考え方にも賛成。 大学でのジェンダー論をアドラー心理学も使って展開している。 ガタロさん NHKでガタロさんを紹介する番組を見て強くこの方の生き方に尊敬心を覚え、以降、毎年、各講義で必ず学生さんに紹介し、みてもらっている。『閉塞社会の秘密』で紹介。 反オリンピック オリンピックには昔から「商業主義」「勝利至上主義」「国威発揚などの政治利用」「税金の無駄使い」「ナショナリズム」「国民の意識をそらす政治的道具」などゆえに反対の立場なので、2020東京五輪誘致が決まったときに嫌な気持ちになったタイプ。オリンピックの意義として「国威発揚」「国際社会における地位向上」、「経済効果」、「市民へのスポーツ振興と普及」「東北大震災からの復興を世界に示す」「コロナに打ち勝った象徴として祝福する」などということ自体がおかしいと感じている。しかもそうした「リターン」がなくなり、逆にコロナ蔓延の中でも人命を軽視し、金もうけにしがみつき、医療関係者や国民の声も無視し、IOCなどに従属し、女性蔑視発言が相次ぎ、開催を軌道修正する能力もなく、日本社会が人権感覚でオリパラの理念に反するレベルであることを示す「恥ずかしいイベント」「失敗のイベント」に成り下がってしまったこと考え、それでもオリンピックでの日本のメダル獲得(国別メダル数比較)に喜ぶメディアや人々に反発するスタンス。「いかなる国別の世界ランキング表も作成してはならない」としていて、大坂なおみさんなど「国民」に多様性があるときに、国民国家の単位で入場行進し、表彰台で国歌を流すスタイルは、オリンピックは国別競争・国の代表ではないとする理念、多様性理念と反する矛盾。 中国やロシアなどが国家力をしめすために利用するオリンピックは、世界平和を目指す運動という憲章と矛盾している。 税金の使途など、開催後に正しく運営されたかを検証することは不可欠だが、1998年の長野五輪では、不正・無駄使い、関係者の責任を隠蔽するために招致委員会の帳簿が捨てられたということがあった。 日本学術会議事件に反対 菅政権が政府にあまり賛同しない学者6人の任命を拒否した前代未聞の事件に反対。菅首相は、全員のリストは見ていないといいつつ、多様性の観点で6人を任命しなかったともいった。しかし、多様性というならまさに、政権に批判的な人もいれなければならないが、政権批判の文科系学者だけを排除したので多様性と矛盾。 陰謀論系批判: ネットなどに広がる陰謀論系を信じる人を批判する立場。たとえば、「政財界やメディア、ハリウッドを牛耳って世界を影で操る勢力が存在し、この勢力は子供の性的人身売買のネットワークを張り巡らせ、トランプは人々のために彼らと戦っている」というようなバカげた「Qアノン」を信じるような人々、ネトウヨ系の主張に反対する。 コロナ問題: 2020年の3月段階から十分な検査を早急にして早く見つけて感染者を隔離する形での感染抑制の政策をとるべきと主張。これをカゼやインフルエンザと同様軽い問題だ、経済を優先すべきとする橋下徹などを批判。徹底した検査による感染抑制をしないことは、命の軽視であり、トリアージ的状況を仕方ないとするのは優生思想(高齢者や障がい者などが死ぬことの軽視)の表れだと批判。感染者が増えて実際に死者が増えたが、その状況が予想されていたにもかかわらず、「過剰に恐れず経済回せ」という人は、結局、高齢者や障がい者など体の弱い人は死んでも仕方ないとする意識であるということが判明しているとする。 沖縄米軍基地押し付け問題: 沖縄に米軍基地を押し付けることに反対。それは46人の近所の人が一軒の家の庭に46件の家のごみを置くようなことだと批判。米軍基地をなくすこと、日米軍事同盟を破棄することが必要だが、当面、沖縄以外(外国含む)に基地を移す交渉を行うべきと考える。辺野古への建設工事は直ちに中止すべきという立場。日本政府の沖縄いじめには憤っている。この点だけでも自民党に投票する人が信じられないという思いを抱えている。 米国の公民権運動 学生時代に、米国の公民権運動については、海外で作られたドキュメンタリーシリーズをみて感動し多くを学んだ。多くの人の思い・命がけの戦いがつながって現在があると考え、フェミニズムの展開もその前にこうした公民権運動の営みがあったことを土壌としているとみている。ローザパークスのバスボイコット運動、ワシイントン大行進、キング牧やマルコムXの言動などこの公民権運動にかかわった人や運動の映画・TVドラマなど(たとえば『ミセス・アメリカ』『ゴッドファーザー オブ ハーレム』「マルコムX」「アイアン・エンジェルズ」「ローザパークス物語」)を多く見て自分のスタンスの原点を確認している。 いじめ犯罪化 フランスのいじめ犯罪化法案に賛成。DVもセクハラも、こうした方向が必要と考える。 杉田水脈(みお)衆院議員に反対 「LGBTは生産性がない」といった杉田議員の考えに反対。自民党から追い出さないで、彼女の大事にして支えている自民党・安倍晋三に反対。 杉田議員は、昔からのバックラッシャー、極右でネトウヨのアイドルで、在特会(在日特権を許さない市民の会)と近い人。差別発言・妄言を繰り返して上昇してきた人。主張は、フェミニズム攻撃大好きで男尊女卑、慰安婦問題批判、9条改憲軍事大国化賛成、愛国教育推進、歴史修正主義賛成、ヘイト肯定の立場。安倍首相に引き立てられて自民党中国地地方比例区リストに置かれて当選。櫻井よしこが「安倍さんがやっぱりね、『杉田さんは素晴らしい!』って言うので、萩生田(注:萩生田光一)さんが一生懸命になってお誘いして、もうちゃんと話をして、(杉田氏は)『自民党、このしっかりした政党から出たい』と」なった。」と説明する人。安倍首相は2012年5月、杉田氏と面会し、「稲田朋美を見習え」「どんな形でもいいから国会に上がってきなさい」と激励。慰安婦問題で先頭に立って安婦問題を否定する活動に邁進。国連人種差別撤廃委員会などでロビー活動。2016年2月、自分のブログで、国連女子差別撤廃委員会の関連に出席した人々について、〈目の前に敵がいる! 大量の左翼軍団です〉〈ハッキリ言って"小汚い" なんでこんなにきたない人ばっかりで集団を作れるのか不思議です〉〈国連の会議室では小汚い格好に加え、チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります〉〈とにかく、左翼の気持ち悪さ、恐ろしさを再確認した今回のジュネーブでした。ハッキリ言います。彼らは、存在だけで日本国の恥晒しです〉などと述べている。 「正論」2016年5月号で、国連の女子差別撤廃条約は「重大な女性差別が存在しない日本には必要がない」と発言。2016年7月には、「保育園落ちた日本死ね」ブログが話題になったときに、保育園落ちたのは「あなたは必要度が低いので自分で何とかしなさい」ということだと自己責任論で批判。保育を推進するのは、子供を家庭から引き離し、保育所などの施設で洗脳教育をするという旧ソ連が共産主義体制の中で取り組んできたことと批判。 コミンテルンが、夫婦別姓、ジェンダーフリー、LGBT支援-などの考えを広め、日本の一番コアな部分である「家族」を崩壊させようと仕掛けてきており、保育所問題(待機児童問題)もその一環と主張。2018年には、財務省セクハラ問題で 問題発言連発。「貶められた冤罪だ」「セクハラと騒ぐのは魔女狩り」「セクハラ、セクハラと騒ぐ裏には思惑がある」「#MeToo運動はもう辞めよう」。その後、「新潮45」にLGBTは生産性がない」と書いて炎上。『新潮45』2018年8月号「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」 「『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません」。さらに『新潮45』2017年3月号で 「『多様な家族』より普通の家族」、「子供のころから私は『普通』というものをかなり意識していました」「この『普通』を普通に語ることができない日本になってしまいました」「『多様な家族』があふれる日本は、果たして幸せな国なのでしょうか」。●日本文化チャンネル桜「日いづる国より」2015年6月5日では、「同性愛の子どもは普通に正常に恋愛ができる子どもに比べて自殺率が6倍高いんだと。それでもあなたは必要ないと言うんですか? と言われまして。私はそれでも優先順位は低いと」こたえる。2015年6月に公開された「チャンネル桜」(右翼サイト)の番組では、「生産性がない同性愛の人達に皆さんの税金を使って支援をする。どこにそういう大義名分があるんですか」。 山口敬之元TBS記者のレイプ事件に関して、山口氏に強姦されたと名乗りを上げた伊藤詩織氏に対して、英国BBC番組で問題発言。BBCが制作したドキュメンタリー番組『Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)』2018年6月29日のなかで、「女として落ち度があった」と伊藤氏を批判。「男性は悪くないと司法判断が下っているのにそれを疑うのは、日本の司法への侮辱だ」「伊藤詩織氏のこの事件が、それらの理不尽な、被害者に全く落ち度がない強姦事件と同列に並べられていることに女性として怒りを感じます」と発言。 「LGBTは生産性がない」といった杉田議員とは アーシュラ・K・ル=グウィン 「闇の左手」や「所有せざる人々」「ゲド戦記」などで有名なル=グウィンから多くを学びそれを生かした暴力論・戦争論(遺産しくなく逃げる大事さ)を「戦争に近づく時代の生き方について―――戦争/ナショナリズム/暴力に対する、非暴力/主流秩序の観点」で展開した。 「アリさんマークの引越社」を許さない 伊田は、「アリさんマークの引越社」のある労働者が、プレカリアートユニオン加入後、シュレッダー係に配置転換されたり、懲戒解雇をされたり、誹謗中傷されたり「罪状ペーパー」を貼られたり、さまざまな嫌がらせを受けた事件で、労働側が勝利したことを喜ぶ立場。「アリさんマークの引越社」を絶対に使わない立場。 関連:アリさんマークの引越社との労使紛争での合意内容
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