形状・構造とは? わかりやすく解説

形状・構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 02:29 UTC 版)

エアバスA300」の記事における「形状・構造」の解説

A300最大特徴として、250席から300席級というサイズ旅客機双発機として実現したことがあげられるA300は、客室内に2本の通路をもつワイドボディ機である。片持ち式の主翼低翼配置した単葉機であり、左右主翼下に1発ずつターボファンエンジン備える。尾翼低翼配置で垂直・水平尾翼ともに胴体尾部直接取り付けられている。降着装置前輪式配置機首部に前脚左右主翼付け根主脚がある。A300第1世代機体全長は53.62メートル全幅は44.84メートル全高は16.53メートルである。 A300胴体真円断面外径が5.64メートル胴体長はA300B2/B4で52.03メートルである。A300胴体外径巡航時の抵抗抑えるため、同時期に開発されワイドボディ機DC-10(6.03メートル)やL-1011(5.97メートル)よりも細い。胴体構造円形断面フレーム(円)と前後方向延び縦通材、そして外板組み合わせ強度を保つセミモノコック構造である。フレーム21インチ53センチメートル間隔配置され、1座席列に最低1か所の窓が確保できるようになっているA300胴体尾部がかなり細長くなっているのが特徴で、離着陸時に引き起こし角を十分にとれるよう尾部下面大きく跳ね上げた形状となっている。これにより客室後部の床は、後方向かって僅かに上り勾配つけられている。尾部長くしたことで尾翼面積小さく済み巡航時のトリム抵抗低減などの利点があるとされたが、発展型のA300-600では胴体の平行な部分延ばして尾部構造短縮されている。 主翼テーパーのついた後退翼である。主翼胴体と一体となった中央翼と左右片持ち翼構成される片持ち翼は、翼幅方向延び複数配置し前後上下外板とで箱型作り応力分担する箱型応力外皮構造である。A300片持ち翼は、エンジンパイロンのやや外側を境に外翼と内翼に分けられ、外翼は2本構造、内翼は3本構造となっている。A300主翼外板は外翼部と内翼部分割して継ぎ手で繋ぐ方式採用し複雑な曲面製造避けている。フェイルセーフ性を確保するため747DC-10L-1011といった他のワイドボディ機では翼幅方向には継ぎ目設けていないが、主翼製造担当したホーカー・シドレー当時翼幅にわたる一枚式の外板製造できる設備をもっていなかったため、製造方法シンプルにできる構造採用された。 主翼平面形の主なパラメータを見ると、全幅が44.84メートル主翼面積260平方メートルアスペクト比は7.7である。25パーセント翼弦における後退角28度と比較的浅い一方翼厚比は10.5パーセントとやや厚めである。浅い後退角低速時操縦性向上しやすいほか、翼根部の曲げモーメント低減にも繋がり、厚い翼厚比と合わせて構造強度上有利であり構造重量低減図られている。 主翼翼型には開発当時最新技術である「リア・ローディング翼型」が採用されている。この翼型翼断面前縁大きな丸み帯び上面比較的平らで下面後縁えぐられたような形状である。高亜音速遷音速飛行すると、機体飛行速度マッハ1以下でも翼面上流れ空気局所的に音速超えることがある音速超えた気流大きな負の圧力示し、翼を引きつけるよう作用する。しかし、この気流は翼面上後方向かって最終的に飛行速度まで減速するため、音速以下に戻るところで衝撃波発生して抵抗急増飛行性急変起こす巡航状態におけるリア・ローディング翼型圧力分布は、翼上面前縁付近に負圧最大になる地点(すなわち流速最大になる地点)があるがそのピーク従来ピーキー翼型比べて低く、翼表面流速音速超えて抵抗急増しない。続く上面圧力分布翼弦長の中程までほぼ一定で、そこから後縁向けて穏やかに低下する一方翼下面では、一旦負圧上昇する後半部のえぐりにより流れ減速され上面との圧力差が確保されるため、翼弦上の後方多く揚力を得ることができる。この翼型特性は、1960年代アメリカ航空宇宙局 (NASA) が開発したスーパークリティカル翼型基本的に同じであるが、翼の設計行ったホーカー・シドレー社は、NASAとは独立にリア・ローディング翼型開発至ったとしてスーパークリティカル翼型一種とは認めていない。リア・ローディング翼型衝撃波発生遅らせ揚力係数増加できることから、後退角翼厚比を同じくした場合従来翼型よりも高速飛行できる。しかし、欧州域内を結ぶ短中距離機として開発されA300では高い巡航速度不要とされ、前述通り後退角減らし翼厚比を大きくする設計なされた主翼空力設計優れていたことが、A300成功した要素一つとも言われる。 同じアングルから見たA300(上)とその発展A330(下)。A300では主翼付け根胴体下側には翼胴フェアリングがほとんど無い。一方、後にA300ベース開発されA330A300と共通の胴体断面を持つが、胴体延長重量増加対応して主翼新設計となり翼胴フェアリング追加されている。 中央翼が貫通する胴体部分は、胴体モノコック構造そのまま通しているが与圧はされていないため、中央の上面に与圧受けられるよう5本のトラス・ビームを通している。A300主翼低翼配置であるが、客室床の位置比較的高いことから中翼に近い形で取り付けられている。これにより胴体円筒内に主脚エアコン装置収納するスペース確保できたため、胴体下側に翼と胴体表面滑らかに繋ぐフィレット(翼胴フェアリング)が張り出していない。 主翼には動翼として、高揚力装置エルロンスポイラー備える。 高揚力装置には前縁基本的にスラット後縁ファウラーフラップ備える。スラット主翼のほぼ全幅にわたり配置され片翼あたり3分割されている。他機ではスラット途切れるエンジンパイロン部分についても、A300ではパイロン避け切り欠き入れてスラットを通すことで揚力稼いでいる。A300B1およびA300B2-100以外では離着陸性能向上させるため前縁の翼根部にクルーガー・フラップ追加されている。スラットの展開角度は、着陸時には揚力係数最大となる25度、離陸時には揚抗比最大となる16度である。後縁フラップは、展開時に2本の隙間現れるダブルスロットファウラーフラップである。フラップは内翼部と外翼部2分割され、後縁全幅84パーセント占める。このフラップは、まず後方移動しその後回転しつつ滑り降りるように展開されるフラップ後ろ1枚タブ呼ばれ前側1枚よりもさらに折れ曲がる機構用いている。エアバスでは、この方式により簡単な機構性能高くできるとしていた。全開時には翼弦長が25パーセント増えフラップが下がり始め前に7割まで展開されるフラップは、着陸時には揚力係数最大となる25度まで全開になり、離陸時には揚抗比稼げ16度までの展開となる。 エルロン低速度エルロン全速エルロン2枚備える。全速エルロンは内翼部フラップと外翼部フラップの間に、低速度エルロンは外翼側フラップより翼端側に配置されている。エルロンリバーサルを防ぐため、翼端側の低速度エルロンスラットクルーガー・フラップ展開されている時の作動する全速エルロンは、フラップ作動連動してフラップ同様の効果発揮するフラッペロンとしても働く。 主翼上面にはスポイラー配置されている。スポイラー片翼あたり7で、内翼側フラップ前方2枚、外翼側フラップ前方に5である。内舷側から数えて4は、グラウンドスポイラー(空力ブレーキ参照としての機能し、外弦側の3枚はフライトスポイラーとしても働く。エルロンスポイラーの横操縦能力分担は、高速飛行時では80パーセント全速エルロン20パーセントスポイラーによって行われ低速では全速エルロン低速度エルロンそれぞれ36パーセントスポイラー28パーセント分担しているとされる水平尾翼水平安定板1枚式の昇降舵構成される。逆キャンバー後縁がそり上がる形状)の翼断面持ち翼幅が16.94メートル翼面積が69.5平方メートルである。ピッチ方向トリム調整釣り合う姿勢調整)ができるよう水平安定板自体可動式となっており、油圧モータでボールスクリュージャッキが駆動されて+3度から-12度まで角度をとれる。垂直尾翼垂直安定板1枚式の方向舵構成される片側エンジン停止時の操縦性横風時の着陸性能などを考慮して方向舵面積大きく同時に横方向動安定満足するよう垂直安定板大きいため、翼面積は45.2平方メートルである。尾翼箱型応力外皮構造で、垂直尾翼下半分は3本それ以外は2本構造、舵面は板金構造である。 エンジンパイロンにより主翼下に1発ずつ吊り下げられている。A300エンジンポッドは補器やパイロン取り付け面も含めてDC-10-30と同じで、違い配管等の僅かな配置程度である。胴体尾部には補助動力装置 (APU) としてガスタービンエンジン搭載されている。APU当初DC-10と同じものが採用されたが、A300にはやや大きすぎたことから、後により軽量低騒音低燃費APU変更された。 燃料タンク主翼外翼の全体充てられ、左右それぞれのエンジン燃料供給するほか、左右タンク間での燃料移動も可能である。タンクは内舷側と外弦側に2分割されており、翼の強度的な負荷抑えるため内側タンク燃料から使用されるAPUへの燃料供給も翼内のタンクら行われる。A300B4では中央翼の間にも燃料タンク設けられた。さらに、A300B4-200では、後方貨物室搭載可能なLD-3貨物コンテナ2個分に相当する追加燃料タンクオプション設定されている。 降着装置引き込み式で、前脚2輪式で前方格納主脚4輪ボギー式で内側格納される主脚車輪はアンチスキッド機能付き油圧ディスクブレーキ有する主脚タイヤとブレーキB2からB4への重量増に対応して次第強化されている。尾部にはテールスキッド備え離着陸時に尾部地面接触してしまった際にはショック吸収できるようになっているA300主要構造部材の大部分アルミニウム合金使用されている。主要部分一部にはスチールチタン合金用いられているが、マグネシウム合金一切使われていない主翼縦通材外板リベット接合で、胴体については外板フレームリベット外板縦通材接着により接合されている。DC-10では接着腐食の問題があるとして主構造部材には全く使用しなかったのと対照的にエアバスでは腐食対策十分に施すことで接着採用された。また、費用対効果見合う部品には一体削り出し多用された。そのほか二次構造部材一部には複合材料採用されている。たとえば、垂直安定板の縁部、翼胴フェアリングおよびトラックレールのフェアリングなどにはガラス繊維強化プラスチック (GFRP) が用いられ水平安定板翼端一部には炭素繊維強化プラスチック (CFRP)が用いられている。

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エアバスA340」の記事における「形状・構造」の解説

A340は、客室内通路を2本もつワイドボディ機で、片持ち式の主翼低翼位置配した単葉機であり、主翼下にターボファンエンジンを4発備える。水平尾翼低翼配置され胴体尾部には補助動力装置としてガスタービンエンジン内蔵されている。降着装置前輪式配置であり、仕様によっては中央脚を備える。第1世代となるA340-200/-300は、姉妹機A330との共通性最大化するように設計された。後に開発され第2世代となるA340-500/-600では、胴体延長主翼尾翼拡大エンジンの変更などの改良が行われた。 A340胴体断面には、A300開発され直径5.64メートル222インチ)の真円断面設計そのまま用いられ胴体長を延ばすことで収容力増やされた。A340で最も胴体が短いのはA340-200全長は59.4メートルである。型式名数字大きくなるほど胴体長も長くなり、最も胴体長いA340-600全長が75.36メートル747-8完成するまでは世界で最も全長大きジェット旅客機であった長い胴体を持つA340-500/-600では、地上でのタキシング時の操縦注意要することから、パイロット操縦支援するため、垂直安定板頂部カメラ設置され操縦席ディスプレイ画像表示する機能追加された。 表1: 主翼平面形の主要諸元翼幅 (m)翼面積 (m2)1/4翼弦での後退角 (度)A340-200/-30060.30 361.6 30 A340-500/-60063.45 439.4 31.1 出典浜田 2013a, p. 96浜田 2013b, p. 97 A340主翼は、テーパーがついた後退翼翼端ウィングレット有する翼平面形主なパラメータ表1通りで、第1世代(A340-200/-300)と第2世代(A340-500/-600)とでサイズ異なる。747-200と比べると、ほぼ同じ翼幅翼面積3分の2程度であり、アスペクト比大きい翼である。 主翼翼型は、基本的に前半部が厚く後半部は薄いが、胴体側の付け根から翼端まで連続的に変化している。特に、外翼では後半部大きくえぐれたような形をしており、これはリア・ローディングと呼ばれる翼の後半でも揚力発生させられる翼型工夫である。第1世代主翼について最大翼厚翼弦長で割った翼厚比を見ると、連続的に細かく変化しており、翼の付け根の15.25パーセント最大で、内翼部と外翼部の境では11.27パーセント、外翼部の端で9.86パーセントウィングレット部で10.60パーセント平均で12.8パーセントである。これらの主翼特徴は、主翼内の燃料タンク容積最大化する設計だと推定されている。 第2世代主翼は全くの新設というわけではなく、第1世代主翼構造の前前縁との間にテーパーがついた追加構造体差し挟むことで翼弦方向拡大された。また、第2世代主翼では、翼端側が延長されたほか、ウィングレットわずかに大型化され取付角も変更されている。主翼拡大により、翼内の燃料タンク容積第1世代比べて38パーセント増えている。 主翼動翼は、高揚力装置エルロンスポイラー構成され、両世代の間で寸法などに違いはあるものの枚数配置は同じである。高揚力装置配置は、前縁スラットが7後縁フラップ2枚である。スラット翼端向かってテーパー付けられているほか、胴体側の1枚残りの6とで駆動系分けられている。フラップ1枚式で比較簡素なファウラーフラップである。エルロン後縁翼端側にのみ2分割されたものが配置され、内舷側には高速エルロン持たないフライ・バイ・ワイヤの導入によってエルロンは、本来の役割加えて離着陸時にはフラップ役割着陸後はグラウンドスポイラーの役割も果たすように制御されるスポイラーは6はあり、エアブレーキとグラウンドスポイラーとしての役割を持つほか、外側の5ロール操縦にも用いられる尾翼についても第1世代第2世代では異なり第2世代では大型化されている。第1世代水平尾翼はA340/A330用に新規設計されたもので、可動式水平安定板1枚昇降舵構成され翼幅は19.4メートルである。第1世代垂直尾翼はA310のものに若干補強加えられたが、生産治具は同じものが用いられた。垂直安定板1枚方向舵構成され、高さは8.3メートルである。小型のA310と同じ垂直尾翼大型機のA340では相対的に小さいことになり、エンジンが1基停止して左右推力バランス崩れた際に、それを打ち消すだけのモーメント方向舵発生させるのに若干時間要することになる。エアバスでは、操縦システムでこれに対応しており、エンジン停止した場合主翼スポイラーエルロン自動的に制御してモーメント調整する機能搭載されている。第2世代水平尾翼は、再設計されて第1世代よりも面積拡大され翼幅は22.39メートルである。第2世代垂直尾翼は、A330-200用に開発され尾翼の高さを0.5メートル短縮したものが用いられ第1世代のものより0.5メートル高い。水平尾翼方向舵垂直尾翼昇降舵は、第2世代でもそれぞれ1枚式である。 両世代ともに水平安定板内部には燃料タンク設けられ主翼タンクとの間で燃料移動させ、機体重心位置制御するシステム搭載されている。このシステムはA310で実用化されたものと同様のもので、機体姿勢維持する際に発生するトリム抗力抑制することができる。 降着装置機首部に前脚左右主翼付け根主脚配置されているほか、仕様によって胴体中央部中央脚を備える。A340シリーズ全体共通して主脚4輪ボギー式で内側への引き込み式前脚2輪式で前方格納される前脚はA300/A310の設計そのまま用いられた。主脚はA340/A330用に新規設計されたもので、機体の大型化対応して脚柱延長されている。このため地上では前脚より主脚高くなり、やや機首下がった姿勢を取る。中央脚は、A340-200/-300ではオプションであり2輪式で後方引き込まれる重量増加したA340-500/-600では中央脚は標準装備となり、4輪式に強化され引き込み方向前方変わったまた、この中央脚には機体動き合わせて受動的に向き変えるように操向機能追加された。主脚第2世代中央脚にはアンチスキッド機能付きのカーボンディスクブレーキが装備されている。 胴体長い機体では、胴体後部地面接触しないよう離陸時の引き起こし角に制限があるが、引き起こし角は大きい方が離陸性能向上する。そこで、エアバスではロッキング・ボギーと呼ぶ主脚開発し、A340/A330で採用したこの方式は、ボギー式の車輪ストラット組み合わせにより主脚前側車輪だけを持ち上げて可能な限り後ろ側の車輪滑走路接地させるものであり、これにより機体引き起こし角を大きくとれるようになった。ロッキング・ボギー主脚での引き起こしでは、接地している後輪支点となり大きな荷重がかかるが、一方で引き起こし角が大きくなることで主翼揚力大きくなるため、実際に車輪にかかる負担増大しないとエアバス述べている。 レーダー通信機器といった電装品座席ギャレーなどの内装品、そしてエンジン除いたA340構造材料構成は、重量比で金属80パーセント複合材料18パーセントその他の材料残り2パーセントである。金属の中で使用比率が最も高いのはアルミニウム合金全体67パーセント続いて鉄鋼が7パーセントチタン合金が6パーセントである(重量比)。A340第2世代では、胴体外板配管新しアルミニウム合金採用されたほか、複合材料使用部位拡大されている。A340使用されている複合材料には、炭素繊維強化プラスチック (CFRP)、アラミド繊維強化プラスチック (AFRP)、ガラス繊維強化プラスチック (GFRP)があげられ主な使用部位以下のとおりである(†はA340-500/-600から追加され使用部位)。 CFRP: 翼胴フェアリング主翼動翼、トラックレールのフェアリングウィングレットエンジンカウリング方向舵昇降舵垂直安定板水平安定板降着装置格納扉、後部圧力隔壁†、胴体縦通材AFRP: 機首レドーム GFRP: 垂直安定板前縁固定後縁 また、スーパープラスチック成形拡散接着それぞれ呼ばれる2つ新技術機体製造工程一部採用された。

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エアバスA321」の記事における「形状・構造」の解説

A321片持ち翼主翼低翼配置した単葉機である。全長は44.51メートル全高は11.76メートル全幅はウイング・チップ・フェンス装備型が34.10メートルシャークレット装備型が35.80メートルである。左右主翼下にパイロンを介して1発ずつターボファンエンジン備える。尾翼通常配置で、垂直尾翼水平尾翼はともに胴体尾部直接取り付けられている。降着装置引き込み式前輪式配置機首部に前脚左右主翼付け根主脚がある。前脚および左右主脚それぞれ2輪式である。 主翼基本的にA320と共通としつつA321では構造強化されたほか、後縁フラップA321専用設計である。主翼テーパーがついた後退翼で、25パーセント翼弦での後退角25度、アスペクト比は9.4である。 主翼には高揚力装置として前縁スラット後縁にダブル・スロッテッド・フラップ(二重隙間フラップ)を備える。スラット片翼あたり5で、ほぼ全幅にわたり配置されている。フラップパイロン位置を境に内翼と外翼に2分割されており、その外側補助翼がある。主翼上面には片翼あたり5スポイラーがある。スポイラーロール操縦にも用いられる翼端装置として誘導抵抗を減らす効果のあるウィング・チップ・フェンスまたはシャークレット備える。ウイング・チップ・フェンスは鏃状の整流板で、シャークレットウイングレットのように翼端を上に曲げた形状有する開発当初はウイング・チップ・フェンスが標準装備であったが、のちにシャークレット仕様開発され、A321neoではシャークレット標準装備となったまた、既存機体シャークレット後付けすることも可能である。 胴体断面A320同一で、幅は3.95メートル、高さが4.14メートルである。胴体長は全長と同じ44.51メートルである。A320比較すると、主翼前方で4.27メートル後方で2.67メートル合わせて6.94メートル胴体長い尾翼A320と共通設計であり、水平尾翼水平安定板昇降舵垂直尾翼垂直安定板方向舵構成される垂直尾翼水平尾翼複合材料製であり、炭素繊維強化プラスチック (CFRP) やガラス繊維強化プラスチック (GFRP) が用いられている。主翼動翼降着装置の扉などにも複合材料使用されている。

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ボーイング717」の記事における「形状・構造」の解説

717低翼配置主翼を持つ単葉機であり、エンジン胴体尾部左右に1発ずつ配置され垂直尾翼の上水平尾翼配置されT字尾翼を持つ。717尾翼エンジン配置DC-9シリーズ流れ受け継がれたものである。胴体断面DC-9から引き継がれたもので、2つの円を組み合わせたダルマ逆さにたような断面持ち最大幅が3.34メートルである。機体寸法はDC-9-30と同程度であり、全長が37.81メートル全幅は28.45メートル全高は8.92メートルである。 717主翼テーパーがついた後退翼で、翼端にはウィングレット持たない。この主翼はDC-9-34の主翼基本設計は同様で、前縁後縁ともに直線構成されシンプルな平面形を持ち翼面積は92.97平方メートル25パーセント翼弦での後退角は24.5度、翼厚/翼弦比は11.6である。717変更された点としては、取り付け角が1.3度増やされているほか、使用部材に新アルミ合金などの新素材採用されている。 降着装置前輪配置で、前脚主脚ともに2輪式である。 717には長胴型や短胴型といった派生型開発されなかったが、最大離陸重量増加させたHGW型と呼ばれる仕様設定されている。標準型最大離陸重量49,845キログラムであり、HGW型では54,885キログラムとなる。HGW型では中央翼(胴体)内に燃料タンク追加され重量増加分はこの燃料充てられる。106名の乗客手荷物搭載した場合航続距離は、標準型が1,430海里(2,648キロメートル)、HGW型が2,060海里(3,815キロメートル)となる。HGW型ではエンジン推力強化されている。

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エアバスA330」の記事における「形状・構造」の解説

A330は、客室内通路を2本もつワイドボディ機で、主翼低翼位置配した単葉機であり、主翼下にターボファンエンジンを2発備える。 水平尾翼低翼配置され胴体尾部には補助動力装置としてガスタービンエンジン内蔵されている。降着装置配置前輪式である。A330最初のモデルとなったA330-300は、姉妹機となったA340との共通性最大化するように設計された。後に開発され長距離型のA330-200では、胴体短縮垂直尾翼大型化中央翼内へのタンク増設などが行われている。 「エアバスA340#形状・構造」も参照 A330胴体断面には、A300開発され直径5.64メートル222インチ)の真円断面そのまま用いられている。全長は、A330-200が58.82メートルA330-300が63.69メートルである。 A330主翼は、テーパーがついた後退翼翼端ウィングレット有する翼平面形主なパラメータ表1通りで、747-200と比べると、翼幅はほぼ同じながら翼面積3分の2程度であり、アスペクト比大きい翼である。主翼翼型は、基本的に前半部が厚く後半部は薄いが、胴体側の付け根から翼端まで連続的に変化している。特に外翼では、翼の後半でも揚力発生させられるリア・ローディングと呼ばれる翼型特徴持っている主翼について最大翼厚翼弦長で割った翼厚比を見ると、連続的に細かく変化しており平均値は12.8パーセントである。 表1: 主翼平面形の主要諸元翼幅 (m)翼面積 (m2)1/4翼弦での後退角 (度)A330-200/-30060.30 361.6 30 出典:(浜田 2013a, p. 96) 主翼高揚力装置配置は、前縁スラットが7後縁フラップ2枚である。スラット翼端向かってテーパー付けられているほか、胴体側の1枚残りの6とで駆動系分けられている。フラップ1枚式で比較簡素なファウラーフラップである。後縁翼端側に2分割されたエルロン配置され、内舷側には高速エルロン持たないフライ・バイ・ワイヤの導入によってエルロンは、本来の役割加えて離着陸時にはフラップ役割着陸後はグラウンドスポイラーの役割も果たすように制御されるスポイラーは6はあり、エアブレーキとグラウンドスポイラーとしての役割を持つほか、外側の5ロール操縦にも用いられるA330水平尾翼A340第1世代(A340-200/-300)のものと同一で、A330/A340用に新規設計されたものである可動式水平安定板1枚昇降舵構成され翼幅は19.4メートルである。水平安定板内部には燃料タンク設けられ主翼タンクとの間で燃料移動させ、機体重心位置制御するシステム搭載されている。このシステムはA310で実用化されたものと同様のもので、機体姿勢維持する際に発生するトリム抗力抑制することができる。 垂直尾翼A330-300ではA310の尾翼基本的に同一のものが用いられ若干補強加えられたが生産治具は同じものが使用された。垂直安定板1枚方向舵構成され、高さは8.3メートルである。A330-200では垂直安定板方向舵拡大されて高さが8.8メートルとなり、後に9.3メートル変更されている。 降着装置については、機首部に前脚左右主翼付け根主脚配置されている。A330シリーズ全体共通して主脚4輪式、前脚2輪式である。主脚はA330/A340用に新規設計されたものである胴体長が長い機体では離陸時に後部胴体地面接触させないように、引き起こし角に制限があるが、引き起こし角は大きい方が離陸性能向上する。そこで、エアバスではロッキング・ボギーと呼ぶ主脚開発した。この主脚は、ボギー式の車輪ストラット組み合わせにより前方車輪だけを持ち上げ可能な限り後方車輪滑走路接地させるものであり、これにより機体引き起こし角を大きくとれるようになった。A330/A340の前脚はA300/A310のものが流用されたが、これによって前脚主脚長さ異なることになり、地上ではやや機首下がりの姿勢を取る。貨物専用型のA330-200Fでは、地上姿勢水平にするため、前脚取り付け位置変更されている(後述の「A330-200F」節を参照)。 A330主翼構造基本的にアルミニウム合金製で、胴体縦通材外板にもアルミニウム合金用いられている。また、A330使用されている複合材料には、炭素繊維強化プラスチック (CFRP)、アラミド繊維強化プラスチック (AFRP)、ガラス繊維強化プラスチック (GFRP)があげられ主な使用部位以下のとおりである。 CFRP: 翼胴フェアリング(翼と胴体表面滑らかに繋ぐ覆い)、主翼動翼、トラックレールのフェアリングウィングレットエンジンカウリング方向舵昇降舵垂直安定板水平安定板降着装置格納AFRP: 機首レドーム GFRP: 垂直安定板前縁固定後縁

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 06:20 UTC 版)

エアバスA319」の記事における「形状・構造」の解説

A319は片持ち翼主翼低翼配置した単葉機である。全長は33.84メートル全高は11.76メートル全幅はウイング・チップ・フェンス装備型が34.10メートルシャークレット装備型が35.80メートルである。左右主翼下に1発ずつターボファンエンジン備える。尾翼通常配置で、垂直尾翼水平尾翼はともに胴体尾部直接取り付けられている。降着装置前輪式配置機首部に前脚左右主翼付け根主脚がある。降着装置引き込み式で、前脚2輪式、主脚左右それぞれ2輪式である。 A319の主翼A320のものと同一である。主翼テーパーがついた後退翼で、25パーセント翼弦での後退角25度、アスペクト比は9.4、翼面積は122.6平方メートルである。 主翼には高揚力装置として前縁スラット後縁ファウラー・フラップ備える。スラット片翼あたり5で、ほぼ全幅にわたり配置されている。エンジン・パイロンの付け根を境にフラップは内翼と外翼に2分割されており、その外側補助翼がある。主翼上面には片翼あたり5スポイラーがある。スポイラーロール操縦にも用いられる翼端装置として誘導抵抗を減らす効果のあるウイング・チップ・フェンスまたはシャークレット備える。ウイング・チップ・フェンスは鏃状の整流板で、シャークレットウイングレットのように翼端を上に曲げた形状有する開発当初はウイング・チップ・フェンスが標準装備であったが、のちにシャークレット仕様開発され、A319neoではシャークレット標準装備となったまた、既存機体シャークレット後付けすることも可能である。 胴体断面A320と共通設計であり、外寸は幅は3.95メートル、高さが4.14メートルである。胴体長は全長等しく33.84メートルである。A320に対して主翼前側で4フレーム(2.13メートル)、後ろ側で3フレーム(1.60メートル短縮されている。 尾翼含めた尾部構造A320と完全に共通である。水平尾翼水平安定板昇降舵垂直尾翼垂直安定板方向舵構成されるA320同様に複合材料採用され尾翼の主構造材外装のほか、主翼前縁スポイラー、フラップレールのフェアリング降着装置扉などに利用されている。

※この「形状・構造」の解説は、「エアバスA319」の解説の一部です。
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