腐食対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:51 UTC 版)
延命の一環として、腐食の原因を取り除く改造がされた。 窓閉塞 雨水の浸入を防ぎ車体腐食の遅延化ならびに窓清掃の簡略化から、1990年より戸袋窓の、1997年からは妻面窓の閉鎖工事を施工した。森ノ宮所属車は2003年、奈良所属車は2004年、日根野所属車は2008年までに全車完了し、2020年4月現在で戸袋窓残存車は存在していない。妻面窓については閉鎖ではなく、オリジナルの2段開閉式から1枚固定ガラスへの交換車も存在している。 車体接合方法の変更 201系量産車と同等の車体を持つ1500番台以外の車両は、従来どおり台枠下面辺りまでスポット溶接で外板を貼り付けて構体を製造していた。そのため、毛管現象で下から雨水が滲み上がって台枠と外板をひどく腐食させる原因となっていた。 腐食した鋼板をステンレスなど腐食しない素材に変えるのみならず、接合点を台枠上面近くに変更(外板の縦寸も変更し、接合点以下には貼らない)、溶接もスポット溶接から連続溶接に改め、内側からはシール材を充填した。台枠幅など以外は201系量産車とほぼ同じ構造となった(台枠が露出する関係でわずかに発生する段差は、パテで均すことで肉眼ではほぼ見分けがつかない)。主に体質改善工事で実施。 扉交換 腐食防止のために側扉および貫通扉が鋼鉄製からステンレス製に交換している。新扉は車両によって窓の支持方法が異なるほか、貫通扉はオリジナルより窓下方が長いものであり、ほぼ全車が施工した。扉に化粧板と同色のシールが貼られた車両も存在するが、側扉への施工はごく少数に限られ金属地むき出しが多数である。 前面金属板設置 窓支持用Hゴムの保護と運転台への風雨浸入防止のため、先頭車の前面ガラス・運行番号表示器・行先表示器の縁部分が金属板で覆う施策である。 クハ103形高運転台戸袋窓閉塞施工車 窓閉鎖車車内 延命N40車固定式妻窓(左側)新貫通扉 ステンレス製扉金属枠支持(左)Hゴム支持(右) クハ103形0番台前面窓ステンレス側扉窓アルミ押さえ支持車 クモハ103形2500番台前面窓・側扉窓Hゴム支持車
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