翼部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 08:18 UTC 版)
「キーファーマルクトの祭壇画」の記事における「翼部」の解説
聖ヴォルフガングを除けば、祭壇画の主要な聖人はマリアである。マリア像は上部構造中ほどの中央パネルの上に目立つように配置されている。さらに2つの翼にそれぞれ、マリアの生涯の情景が描かれた一対の木製のレリーフが置かれている。翼部はもともとは閉じることができたが、現在は固定されている。もともと、外側には聖ヴォルフガングの生涯の場面が描かれていた可能性がある。聖人の右側の翼には、上部に受胎告知が、下部のパネルに東方の三博士が示されている。もう一方の翼には上部にキリストの誕生が示され、下部のパネルではマリアの死が示されている。マリアの姿はすべてのパネルで同じように描写されている。 受胎告知の場面では、マリアは旧約聖書の預言者を意図した人物の柱頭がついた凝った彫刻の柱で支えらえた半開きの建物の中にある祈祷用のスツールに跪いた姿で描写さえれている。大天使ガブリエルが建物に入ってきており、挨拶の一部であるAve Mariaが見える帯状の吹き出しを保持している。左上隅には雲の中に2人の天使と並んだ父なる神が描かれているのが見える。もともとはパネルには聖霊の象徴である鳩も含まれていたが失われている。 反対側の聖人の左側の翼の上部にはキリストの降誕が描写されている。マリアは自身のドレスの折り重ねた上で自身の前に置かれたキリストの前で、献身的に跪いて描かれている。反対側ではヨセフも御子の前に跪いている。マリアの上方、彼らの後方の建物の屋上にマンドリンとリュートを演奏する2人の天使がいる。背景には「羊飼いへのお告げ(英語版)」が見られる。 時系列でこの場面に続くのは、受胎告知の場面の下のパネルとなる。ここに東方の三博士が描かれている。賢者の一人がキリストの前に跪いている間、マリアはキリストを見つめており、御子は賢者が持参した箱の中の黄金で遊んでいる。この賢者と、その後ろの2人目の賢者は敬意を表すために脱帽している。 最後のパネルではマリアの死が描写されている。静かに死の床に横たわっているが、小さな天使がカーテンをめくり上げて見る者がマリアをよく見られるようにしている。12人の使徒が全員登場しており、それぞれが個々の特徴を持って描かれている。聖ペトロの頭上、雲の中にキリストが現れ、小さな姿で母親の魂を受け取る。 翼部のパネル 受胎告知、右翼上部パネル キリストの降誕、左翼上部パネル 東方の三博士、右翼下部パネル マリアの死、左翼下部パネル
※この「翼部」の解説は、「キーファーマルクトの祭壇画」の解説の一部です。
「翼部」を含む「キーファーマルクトの祭壇画」の記事については、「キーファーマルクトの祭壇画」の概要を参照ください。
「翼部」の例文・使い方・用例・文例
- >> 「翼部」を含む用語の索引
- 翼部のページへのリンク