揚抗比とは? わかりやすく解説

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ようこう‐ひ〔ヤウカウ‐〕【揚抗比】

読み方:ようこうひ

飛行機作用する揚力抗力との比。これを最大にする迎え角での飛行が最も経済的となる。


【揚抗比】(ようこうひ)

その名のとおり、翼(あるいは機体全体)が発生する揚力抗力の比。
この値が高いほど推力小さくても済むため、翼としての能力が高いことになる。

その値は翼の形状だけでなく、速度迎え角によっても大きく変化する
たがって翼の設計は、その航空機速度帯や許容迎え角合わせておこなうことが重要となる。

関連キャンバー 後退角


揚抗比(ようこうひ)

L/Dエルバイディー)ともよばれ揚力抗力比率表している。
ただ、一般的にL/D滑空比とした意味合い強く、揚抗比という表現のほうが純粋な意味で使われる場合が多い。
下図揚力についてのベクトル」の中の揚力Lを抗力Dで割ったものになる

揚抗比

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/04 02:47 UTC 版)

空気力学における揚抗比(ようこうひ、英語:Lift-to-drag ratio)とは、抗力に対する揚力の強度の比を指す。略してL/D (比)とも呼ばれる。特定の飛行条件下での空力効率を表し、仰角に依存する。抗力最小となる仰角における揚力・揚抗比が実用上重要である。翼の性能を表す代表値で最も重要なもののひとつ。現実には抗力成分は0にならないため、揚抗比は有限の値をとる。


注釈

  1. ^ 勘違いしてはいけないが、翼はエネルギー発生装置ではない。翼は推力の数倍の揚力を発生するが、代償として飛行機は上昇時において上昇距離の数倍前進させる必要がある。てこにおいて、力点に加えた力の数倍の力を作用点で得るが、代償として作用点の運動距離の数倍の距離だけ力点を運動させる必要があるのと、類似の理屈である。

出典

  1. ^ Accurate calculation of aerodynamic coefficients of parafoil airdrop system based on computational fluid dynamic Wannan Wu, Qinglin Sun, Shuzhen Luo, Mingwei Sun, Zengqiang Chen and Hao Sun: International Journal of Advanced Robotic Systems
  2. ^ Validation of software for the calculation of aerodynamic coefficients Ramón López Pereira, Linköpings Universitet
  3. ^ In-flight Lift and Drag Estimation of an Unmanned Propeller-Driven Aircraft Dominique Paul Bergmann, Jan Denzel, Ole Pfeifle, Stefan Notter, Walter Fichter and Andreas Strohmayer
  4. ^ Wander, Bob (2003). Glider Polars and Speed-To-Fly...Made Easy!. Minneapolis: Bob Wander's Soaring Books & Supplies. pp. 7–10 
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  6. ^ Loftin, LK Jr.. “Quest for performance: The evolution of modern aircraft. NASA SP-468”. 2006年4月22日閲覧。
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「揚抗比」の続きの解説一覧

揚抗比

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:58 UTC 版)

「翼」の記事における「揚抗比」の解説

揚力÷抗力 (L/D) あるいは 揚力係数÷抗力係数 (CL/CD) で表される無次元数。翼の性能特徴付ける重要な値。簡単に言うと、揚抗比の大きな翼は、性能良いといえる。ただし、揚力抗力速度迎え角などによって変化するため、1つの翼でも状態によって変化する。翼だけについてでなく、航空機など飛翔体全体についても言うことがある

※この「揚抗比」の解説は、「翼」の解説の一部です。
「揚抗比」を含む「翼」の記事については、「翼」の概要を参照ください。


揚抗比 (lift-to-drag ratio, L/D)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 05:13 UTC 版)

翼型」の記事における「揚抗比 (lift-to-drag ratio, L/D)」の解説

揚力抗力割った値。理論的に揚力係数/抗力係数 (CL/CD) で求めることも多い。この値が大きいほど滑空性能が良く航続距離長くなる特性があり、優れた翼型であるといえる。しばしば L/Dエルバイディー、エルパーディー、エルオーバーディー)とも呼ばれる

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揚抗比

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 13:56 UTC 版)

揚力」の記事における「揚抗比」の解説

抗力対す揚力強度をそれらの比の数である揚抗比であらわす。現実には抗力成分は0にならないため、揚抗比は有限の値をとる。翼の性能を表す代表値で最も重要なもののひとつ。仰角依存する抗力最小となる仰角における揚力(揚抗比)が重要である。 実用翼型多くは、揚力抗力の幾倍も大きく設計される(揚抗比が1よりはるかに大きい)。 これは流体力動力として利用する際にドラッグ利用するよりリフト利用する方が高効率であることを意味する実際のところ外輪船スクリュー船に負けるため観光用しか残っていない。風車も同じで現在実用されているものはみ揚力型である。飛行機は翼にて抗力消費する推力上の揚力得ている。ヨット帆船揚力利用したほうが優れる。 一般航空機では必要な揚力決まっているため、揚抗比の改善とは抗力すなわちロスを減らすことであり、動力出力化や省燃費同義である。 流れ音速未満場合には、翼端影響を減らす、すなわちスパン方向極力長くすることが望ましい。旅客機もそうであるが特に人力飛行機の翼は細長いアスペクト比大きい)。これはロスを減らすためである。超音速では、造波抵抗を防ぐ三角翼などが適し、更に高速ではリフティングボディのような、翼を持たず胴体揚力発生する形状研究されている。

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