【翼幅荷重】(よくふくかじゅう)
固定翼機の誘導抗力を算出するための基本となる数値。
機体の重量を翼幅の2乗で割ったもの。
低速域では抗力に占める誘導抗力の割合が大きいため、誘導抗力を抑えられる幅広の直線翼が有利である。
一方速度が上がるとそれ以外の抗力が大きくなるため、それらを抑えるために後退翼やデルタ翼などが用いられる。
翼幅荷重
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/25 02:52 UTC 版)
翼幅荷重(よくふくかじゅう, 英: Span loading)とは、固定翼航空機や鳥などの飛翔体の主翼翼幅の単位長さあたりに加わる荷重(重量)のこと。同じ重量の2飛翔体を比較した場合、翼幅荷重の低いものは、もう一方に比べて主翼の幅が大きいことになる。抗力の一部である誘導抗力は翼幅荷重の二乗に比例するため、飛翔体の性能を表す指標として使われることがある。 ただし、重量と翼幅のみで定義されるため翼面積と縦横比は反映されず、これを変動させても同じ数値のままになる[注釈 1]。土井武夫氏は三式戦闘機の設計段階で先に翼面積を決め翼幅をどうするかという段階で翼幅荷重を下げる方針をとった。つまり同一設計の機体でしか比較出来ない。
誘導抗力との関係
定常水平飛行している飛翔体の翼に生じる誘導抗力は以下のように表せる[1][2]。
文字の定義
文字を次のように定義する。
- L = 局所流に対する揚力。一様流の垂直方向からはφだけ傾いている
- CL = 揚力係数
- W = 重量
- Di = 誘導抗力。局所流に対する揚力 の水平成分
- CD,i = 誘導抗力係数
- φ = 流入角、誘導角。一様流と吹き下ろしとのなす角。φ は小さいため この節には独自研究が含まれているおそれがあります。
「翼幅荷重の二乗に比例」と言っても、実際には翼幅だけを変えるわけにはいかない。必要な揚力を生み、同時に形状抗力をできるだけ低減するためには、一定の翼面積(ないし翼面荷重)が要求される。翼面積を一定に保ったまま翼幅を変えるということは、アスペクト比を変えていることに他ならない。
また別の観点からは、力のように有次元の値でなく、無次元の係数によって評価することが好まれる場合もある。たとえば風洞において計測された模型の抗力と実機の抗力とは当然異なるが、相似則を満たしていれば抗力係数は一致する。
こうした理由から、誘導抗力係数 CD,i を
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翼幅荷重と同じ種類の言葉
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