大統領の刺客
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「スティール・ボール・ラン」の記事における「大統領の刺客」の解説
ポーク・パイ・ハット小僧 大統領がジャイロたちに送り込んだ刺客。第2ステージの敵。 「ガシャン」などの機械音を口癖とするほか、舌足らずな喋り方をし、ジョニィ・ジョースターを「ジョオニィ・ジオシュッター」と発音する。見た目は貧相な格好をした田舎者丸出しの少年だが、目的のためならば手段を選ばない冷酷さを持つ。遺体そのものの価値はわかっていないが、上昇志向があり、権力者が欲しがる遺体を手に入れることで、自分の賢さ・無敵さを証明してのし上がろうと考えている。 不意打ちでジャイロを捕らえるが、彼を救出しようと追ってきたジョニィと交戦。一度は追い詰められるがジャイロを疑似餌とする罠で形勢逆転する。ジャイロを人質に、ジョニィに遺体の左腕を差し出させて、ジョニィの爪弾を無力化しつつ遺体を奪い取るも、遺体の爪はジャイロに回転させられており、引き寄せた勢いのまま爪弾を浴びて敗れる。ワイアード 【破壊力 - D / スピード - B / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - D】 本体の口の中にあるウインチのようなスタンドから2本のワイヤーのついた鈎針を水の乗った皿に垂らし、異空間を通して目標を釣り上げる能力を持つスタンド。その鈎針は虫や人間を疑似餌(ルアー)として潜ませ、擬似餌に触れたものを釣り上げることができる。舌には鈎針を収納するための窪みがある。本体とスタンドが一体化しているのが特徴。 フェルディナンド博士 地質学・古代生物学者で、大統領がジャイロたちに送り込んだ刺客の一人である。第3ステージの敵。 2年前にアリゾナで「悪魔の手のひら」を探索中、自分以外の者を恐竜に変えるスタンド能力を身につけ、ディオや村人を恐竜化させ、ジャイロとジョニィに迫る。因果応報を信念とし、「大地」を尊敬している。「スキャン」を発現させたジャイロたちに敗れた後、恐竜化させていた野生のクーガーの群れに喰い殺される。彼のスタンドは遺体を通して、ディエゴに受け継がれる。スケアリーモンスターズ 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - B】 自分以外の生物を恐竜化させて支配下に置くスタンド。恐竜化したものに傷をつけられた生物は、徐々に恐竜化していく。恐竜化した生物は動くものしか認識できないため、その場でじっとしていればやり過ごせる。また本体は恐竜の体内に潜んで身を隠すこともできるが、ジャイロのスキャンによって破られた。 荒木によると能力は『ジュラシック・パーク』からのインスピレーションであり、ずる賢い能力がDioのイメージにも合っていたという。 リンゴォ・ロードアゲイン 声 - 安元洋貴 大統領の送り込んだ刺客のガンマン。上顎に髑髏のマークをつけた男。第4ステージの敵。 「漆黒の意思による公正な果たし合い」に勝利することでの、精神の成長を旨とする独自の美学「男の世界」を説く。対等な決闘による修行を目的としているため、殺し合いにおいても礼節を重んじる。 幼少の頃は皮膚の病により病弱で、さらに家族は脱走兵の妻子として蔑まれていた。10歳のとき、強盗に家族を殺され、リンゴォも犯されそうになるが、賊の拳銃を抜き取り、射殺して生き延び、皮膚病も完治する。この経験から、「男の世界」という生き方を信じるようになる。3年ほどに砂漠でスタンド能力を身につける。 果樹園でスタンド能力を行使することで、レース中のジャイロたちを迷わせ、「俺を殺せ」と決闘に持ち込む。ジョニィやホット・パンツを倒し、最後にジャイロと決闘する。6秒戻したことでジャイロとの読み合いとなり、敗れ、あえてジャイロに自分を殺させる。彼の信念は、後のジャイロの考え方に大きく影響を与えた。また、あらかじめ伝書鳩を飛ばして、ブラックモアと大統領の元に遺体の情報を伝えていた。マンダム 【破壊力 - なし / スピード - A / 射程距離 - なし / 持続力 - E / 精密動作性 - なし / 成長性 - C】 肩に覆い被さるタコのような姿をした身に纏うタイプのスタンド。腕時計の秒針をつまんで戻すことで能力のスイッチが入り、時間が6秒戻る。時間が戻っても、消えた6秒間の記憶は自分と相手に残る。それを利用して、リンゴォは果樹園に来た者を迷わせたり、戦闘で致命傷を負っても6秒前の無傷な状態に戻ったりした。 デザインのイメージは大リーグボール養成ギプスのようなチューブの器具。 『オールスターバトル』以降の北米版では、"Mando"(マンドゥ)と改名されている。 ブラックモア 大統領の部下のスタンド使い。第4ステージの敵。 「スイませェん」が口癖。警察捜査権限を持ち、マウンテン・ティムとは顔見知り。洞察力に優れ、わずかな手がかりから「リンゴォの伝書」を盗み取った侵入者(ルーシー・スティール)を追跡する。しかし彼女を庇ったティムと交戦することとなり、能力によって勝利する。共犯者を教えれば治療すると取引を持ち掛けるが、ティムは口を割らなかったため銃殺した。そして侵入者をルーシーと突き止め追い詰めたまさにそのとき、“遺体”の本人と思われる人物を目撃する。その興奮のあまり冷静さを失い、その隙にルーシーに撃たれ致命傷を負う。雨粒で止血して時間稼ぎをしながら、遺体への信仰と大統領への忠誠心からルーシーの追跡を続ける。最終的に、ルーシーと合流したジャイロたちと交戦する中で能力を破られ、雨も止み失血で死亡した。キャッチ・ザ・レインボー 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - D】 雨を空中に固定するスタンド。雨粒の上を歩いたり、固定した雨で敵を切り裂くことが可能。また雨と同化して雨の中を自由に移動できるので、雨粒となった自分の身体をバラバラにして個別に移動させることもできる。本人のセリフなどから、あくまでも雨を固定できる能力であって、通常の水を固定することはできない様子。また固定した雨粒も雨が止むと固定が解かれる。虹が描かれた仮面のようなスタンド像を持ち、ブラックモアはこの仮面が見えているかどうかで相手がスタンド使いか否かを見分けていた。 スタンド名の由来はレインボーの楽曲「Catch The Rainbow」からであり、デザインのイメージはホッケーマスク。 11人の男たち 大統領が放った11人組の殺し屋集団で、拳銃のみを武器とする。第6ステージの敵。 足音まで揃えるほどに統率の取れた行動でジャイロたちを追跡する。ギャンブル場でジャイロらを襲い、11人がどんどん死んで減っていくもなお銃撃してくる。だが、シュガー・マウンテンの泉で交換して得た大金や不動産の権利などと引き換えに、ジャイロに用心棒として雇われたギャンブル場の客からの一斉射撃で1人を除いて死亡した。ジャイロが木の実と化し、ジョニィvs最後の1人という極限状況となる。ジョニィはジャイロを助けるために遺体を手放し、聖なる遺体と、殺し屋のワインボトルが交換され、お互いに生きて戦闘終了となった。最後の1人は任務を果たし、「両耳」「右腕」を持ち帰り大統領に献上する。TATOO YOU!(タトゥーユー!) 【破壊力 - なし / スピード - E / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - E / 成長性 - E】 11人の背中に刺青のように取り憑いている。背中に描かれた、お互いの絵の中を自由に空間移動できるスタンド。 スタンドの見た目は刺青のデザインをイメージしている。 マイク・O(オー) 大統領護衛警備のスタンド使い。第6ステージ(の裏側)の敵。 語尾、語中に「-の世界」を付ける口癖がある。大統領と夫人に対する忠誠は強い。ディオと接触して得た情報から、政府内の裏切り者探しを行う。遠隔スタンドがルーシーを追い詰めるも、利用されて大統領夫人を誤爆して死なせる事態を招き、さらに乱入してきたホット・パンツと対決となる。裏切者=ルーシーの目撃者となるも、ホット・パンツに敗北し、そのまま口封じされる。チューブラー・ベルズ 【破壊力 - D / スピード - D / 射程距離 - D / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - B】 金属に息を吹き込み、バルーンアートの犬や鳥を作り出すスタンド。スタンド像は存在しない。効果中の金属はゴム風船と動物の特性を併せ持ち、ごく単純ながらある程度の自律行動も可能。また、急激に元の金属に戻ることにより、その運動エネルギーで対象を殺傷することができる。犬の嗅覚で敵を追い詰め、体内にもぐり込んだら釘に戻って殺傷するという、えぐい攻撃をする。 『オールスターバトル』以降の北米版では、後半部が省略されて "Tubular"(チューブラー)と改名されている。 ウェカピポ 声 - 成田剣 元ネアポリス王国の王族護衛官。第6ステージの敵。 妹に暴行を働いていた妹の夫を公式な決闘で倒すが、その夫の父親が国家の重要人物であったために、闇報復を避けるべくグレゴリオ・ツェペリによって死んだことにされ国外へと逃がされる(追放される)。その後、大統領に雇われアメリカ市民権や職を得るために、マジェントとコンビを組んで、ジャイロと遺体を狙いやって来る。 慎重で堅実な戦術と鉄球の技術を駆使し、ジャイロとジョニィをあと一歩のところまで追い詰めるも、計算を超えた僅差(偶然、遺体が呼んだ奇跡)で敗れる。だがジャイロを殺さなかったお陰で、「妹が生きている」事実を知らされ、心が生き返る。そして「ルーシーを守って欲しい」と頼まれ、彼女を護衛するために行動する。 スティールを銃撃したマジェントと遭遇し、倒す。ジョニィ、Dioらと大統領のD4Cの不可解な能力に翻弄される。けじめの一線は引いていたものの、状況が変わり、大統領に鉄球をぶつけたことで、一線を踏み越え、完全に大統領を敵に回す。言い訳不可能の自殺行為であるが、清らかに受け入れた。再びD4Cに翻弄され、「別次元の自分」と接触して肉体が崩壊、Dioから生還およびD4Cの謎を解くために利用されて死亡した。 名前の由来は、日本のヒップホップグループSOUL'd OUT の楽曲「ウェカピポ (Wake Up People)」。レッキング・ボール(壊れゆく鉄球) スタンドではなく、ツェペリ一族とは異なる鉄球の技術。家系に伝わる王族護衛のための戦闘技術。「衛星」と呼ばれる14個の小さな鉄球が付いており、大鉄球から衛星がランダムに飛び散る。直撃ダメージの他に、衛星が体にかすっただけでも衝撃波が脳を狂わせ、十数秒間「左半身失調」(全ての左半分が消えていると脳を誤認させる。目で見えるあらゆる物体が右半分だけとなり、自分の左半身の感覚も消える)状態に陥る。 マジェント・マジェント コートにシルクハットという姿の刺客。第6ステージの敵。 ウェカピポとコンビを組む。一方的に友達だと思っているがウザがられている。身体が弱いのか度々咳き込んだり、馬に直接乗らず二頭の馬に自分の乗っているそりを引いてもらっている。ウェカピポとのタッグでジャイロ・ジョニィと戦うが、敗れる。Dioに助けられたが、左眼を失明し他にも後遺症を負う。裏切り見捨てたウェカピポには恨みを抱く。 Dioの犬となり、スティールを銃撃して重傷を負わせる。そこでウェカピポと対決となるも、防御スタンドの上にワイヤーを巻きつけられた状態で、河に沈められ、詰む(スタンドを解除すればワイヤーを解くことができるが、溺れる)。そこで再びDioに助けてもらうことを夢見て待っていたが、Dioには捨てられ、そのうちに待つことと考えることを止めて、完全にリタイアする。 名前の由来はウェカピポ同様、SOUL'd OUT の楽曲「Magenta Magenta」。20th Century BOY(トウェンティース・センチュリー・ボーイ) 【破壊力 - なし / スピード - C / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - C】 兜のように“着るタイプ”のスタンド。バッタのような頭と両肩だけのデザインで、身に纏って構えている間はあらゆる攻撃を周りに散らすことができるという、絶対防御能力を持つ。ただし身体を動かすことが全くできない。鉄球やダイナマイト、溺死すら防ぐ。 スタンドのコンセプトは「無敵の防御」であり、アース線のようなベルトが伸びていて、敵からの攻撃エネルギーを全て地面に受け流すイメージとなっている。 アクセル・RO(ロー) 声 - 八代拓 兵士のような格好をした刺客。第7ステージの敵。 若い頃はドヴォルザークのような音楽家を志望していたが、徴兵により戦争に南軍兵士として従軍した。その際に戦場に送られ、敵軍が進行してきた場合、合図を自軍に送るという任務を与えられるも、居眠りしている間に敵兵が陣地に侵入してしまった。合図を送れば自分の存在に気づかれ、殺されてしまうので合図を送らず、仲間と町の住民を見殺しにし、戦争の敗北の原因を作った。その過去を罪として抱えている。 ゲティスバーグにて、新たな遺体の胴体部を餌に、ジャイロたちと戦う。「公平さ」のために自ら弱点を教え、ホット・パンツとジャイロを捕らえ、最後の仕上げとしてジョニィに自分を殺させる(=捨てさせる)ことで、ジョニィにアクセルの罪を被せた上、スタンドの特性により復活し、聖なる遺体を奪取する。だがジョニィの策にはまり、ジョニィを殺したことで罪が戻ってきてしまう。殺されて生き返ったジョニィに、もう一度自分を殺させようと襲い掛かるが、突如現れた大統領に撃たれ、遺体を取られたあげく、瀕死の余命をジョニィへのスタンドによる足止めに利用されたまま力尽きた。シビル・ウォー 【破壊力 - なし / スピード - C / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - なし】 その人物の「捨てた」過去を引きずりだす空間を構築し、「過去」を以って攻撃するスタンド。これに体内に入り込まれると体は布で包まれたようになってしまい身動きが取れなくなる。この能力の影響下で殺人を犯すと、殺した人物が「被害者を『捨てた』」とみなされ、殺された方は蘇り、殺した方は被害者の罪を被ることになる。水で清めることで罪から逃れることができる。スタンドのヴィジョンは細身のロボットのような姿で、体をバラバラに分解し攻撃をかわすことが可能。 デザインとしては変形した鉄仮面のような頭部のインパクトを重視しており、足元は植物のイメージになっている。 ディ・ス・コ 無精髭を生やした端正な顔立ちの男性。第8ステージの敵。 堂々とした歩き方をしつつ、刺客らしくスタンド名以外明かすことなく必要最低限の情報のみをジャイロに与える。スタンド能力を用いてジャイロの鉄球を防ぎ、釘や硫酸を使うことで逆に追い詰めるものの、鉄球技術で遠近感を狂わされ、鉄球を打ち込まれて失神、リタイアする。負けそうになっても最後まで抵抗を図り、情報を一切吐くことがなかった。 本誌掲載時は名前が「ディスコ」、スタンド名も「チョコレイト・ディスコ」であったが単行本に掲載されるに当たって修正されている。チョコレート・ディスコ 【破壊力 - なし / スピード - C / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - A / 成長性 - D】 X、Y座標を指定することで物質や同じものをその座標位置へ落下させることができるスタンド。腕に座標ブロックのような装置が付いており、何かを放り投げた瞬間に腕の装置で座標を指定すればその座標位置に物が瞬間移動し落下することになる。相手の攻撃でも射程距離内であればスタンドの特性で跳ね返すことが可能だが、本体からの攻撃方法自体は武器や道具を用いるしかない。自身の足元から伸ばすことのできる座標内が射程距離であるが、自身の肉体表面上にも座標を移動させることができるため、ピンポイントでの攻撃が可能。ジャイロが評す通り「かなり無敵」な能力。 スタンド名になった日本のテクノポップアイドルPerfumeの楽曲「チョコレイト・ディスコ」を作詞作曲した音楽プロデューサー、中田ヤスタカは『Capsule Archive』での対談においてなされた「最近感動したこと」という質問の答えに「ジョジョのスタンドにチョコレイト・ディスコ。」と回答している。「チョコレイト・ディスコ」を繰り返す歌詞のため、本体も余計なことはしゃべらない設定になっている. 座標のイメージは「潜水艦ゲーム」から来ている。
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