国士無双
別表記:國士無双
国士無双の意味
国士無双は、国の中で比べる相手がないほど優れた人物を称える意味で用いられる表現。もしくは、麻雀の役名。今日では麻雀の役名として言及される機会が多い。麻雀の役としての「国士無双」は、数牌の一と九を全種、さらに字牌を1つずつ、計13種類の牌を揃えてアガる役満貫である。
国士無双の由来
国士無双の「国士」は、国に忠誠を尽くす傑物、もしくは、国の中で最も優れた人物、を意味する語。「無双」は、並び立つ者がいない(ほどに優れている)という意味である。ちなみに麻雀の役の「国士無双」も、雀頭(アガるために必要な1対の同一牌)を除けば、他はすべて1種1枚ずつしか牌がない状態になる。
国士無双の語は司馬遷の「史記」に由来する故事成語である。同書において、武将・韓信の勇武を讃えて「国士無双」であると述べられている。「史記」の記述でも「国一番の傑物」という意味で用いられている。
国士無双の類語と使い分け方
「国士無双」の類語としては「天下無双」が挙げられる。「天下無双」は「天下に並びなき(人物)」ということであり、「世界を見渡しても比肩する者がいない」という強い称賛の意味を持つ。「当代随一」は、「同世代の他の誰よりも優れている」という意味の表現であり、大抵の文脈で「国士無双」や「天下無双」と同じ意味合いで用いることができる。現代においては「国士」という語は使いにくく、また「天下」というと誇張が過ぎる雰囲気がある、その点「当代随一」は幾分使いやすい。
国士無双の英語の表現
国士無双を英語で文字通りに表現すると、a person of extraordinary excellence in the country となる。より意訳的に greatest person(最も偉大な人物)とか hero(英雄)のように表現した方がよい場合も多々ある。国士無双
国士無双とは、国士無双の意味
国士無双とは、その国の中で並び立つものが居ない優れた人物のこと。国士とはその国における優れた人物のことであり、無双とは同格のものが無い状態である。麻雀における役満手である国士無双の語源であるが、この名称は和名であり国士無双の由来がある中国では使われていない呼称である。十三種類の牌を最低1枚ずつ揃える手役であり同じものが無い、ということで国士無双の名が与えられた。麻雀の最高点数となる役満手の中では高確率で成立する役と言われている。
国士無双は么九牌という牌を全十三種類集めることで成立する役である。麻雀は十四牌を集めることで手役完成となるため、十三種類のうち一種類は二枚保有する。この手役の難しいところはメンゼンという他家の捨て牌を利用できない状態でしか手を揃えられない点であり、手役成立のために必要な牌の種類が非常に多いため、聴牌というあと一息で手役が完成するまでに二枚引いてしまった牌を幾つか捨てている可能性がある。麻雀は自分が既に捨てている牌であがれる場合にフリテンという状態となり、手役を完成させる十四枚目の牌を自力でツモによって引いてくる必要がある。
こうした難易度の高い役であるため、国士無双にはさまざまな特別ルールがある。通常、手牌に四枚同じ牌が来た場合にカンという形で公開することで手を進めることが出来るのだが、他家がカンをした場合は四枚の牌を保有され続けてしまうため、一枚は么九牌を全種類集める必要のある国士無双は事実上あがれなくなる。それを防止するため、国士無双は聴牌している場合に暗カンを他家がしたときロンあがり出来る槍槓が出来る。また、13面待ちといって么九牌を十三種類一枚ずつ持っている聴牌を作った場合、他の聴牌より難しいため一部では点数2倍のダブル役満となる。
こくし‐むそう〔‐ムサウ〕【国士無双】
読み方:こくしむそう
2 マージャンの役満貫の一。一と九の数牌(シューパイ)と字牌(ツーパイ)を各1個ずつ計13牌をそろえ、そのうち一種類だけが2個になるようにそろえたもの。十三么九(シーサンヤオチュー)。
こくしむそう〔コクシムサウ〕【国士無双】
國士無双
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/26 13:51 UTC 版)
『國士無双』(こくしむそう、旧字体: 國士無雙)は、1932年(昭和7年)製作・公開、伊勢野重任原作・脚本、伊丹万作監督による日本の長篇劇映画、サイレント映画である[1][2][3][4]。新字体表記『国士無双』[1]。先駆的映画表現が評価され昭和7年度キネマ旬報ベストテン6位を獲得、諧謔と風刺の精神をもつ明朗な「ナンセンス時代劇」として知られ、『赤西蠣太』(1936年)と並ぶ伊丹の代表作であり、サイレント時代の日本の喜劇映画の代表作とされる[5][6][7]。
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国士無双
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/07 07:55 UTC 版)
国士無双(こくしむそう)は、「比類なき国士」の意味。韓信がこう呼ばれ称えられた故事に由来する成語である。
- 1 国士無双とは
- 2 国士無双の概要
國士無双!!
国士無双
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:36 UTC 版)
香港陸家が日本での3番目の拠点として秋葉原で運営しているメイド飲茶房。鷹化は当初激安PCパーツショップか同人誌ショップにして集客を図る心算でいたが、舎弟たちがメイドテーマパークを作りたいと懇願したためこのような形になった。ここのVIPルームでは鷹化達による「男子会」(メンバーは護堂、鷹化、甘粕、馨)が時折開催される。オーナーが護堂を「叔父上」と呼んでいるため、従業員のメイドたちも護堂を「おじさま」と呼ぶ。
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国士無双
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:22 UTC 版)
「ギャンブルフィッシュ」の記事における「国士無双」の解説
東・南・西・北の4種で和了。4牌と1雀頭。頭待ちでないと認められない。
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国士無双
出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 07:08 UTC 版)
成句
- 国の中で並ぶ者もいないほど優れた人物のこと。韓信を評した言葉「諸将易得耳、至如信者、国士無双」に始まる。下記「出典」を参照。
- マージャンのあがり役。老頭牌(一と九の数牌)と字牌を1枚ずつ揃えた上で、そのうちのいずれか1種を雀頭としたもの。役満貫。略称、コクシ。
- 以下は一例。
- 以下は一例。
発音(?)
こ↗くしむ↘そー、こ↘くしむ↗そー
出典
- 【白文】
- 上拜以爲治粟都尉、上未之奇也。信數與蕭何語、何奇之。至南鄭、諸將行道亡者數十人。信度何等已數言上、上不我用、即亡。何聞信亡、不及以聞、自追之。人有言上曰、「丞相何亡」。上大怒、如失左右手。
- 居一二日、何來謁上。上且怒且喜、罵何曰、「若亡、何也」。何曰、「臣不敢亡也。臣追亡者」。上曰、「若所追者誰」。何曰、「韓信也」。
- 上復罵曰、「諸將亡者以十數、公無所追、追信詐也」。何曰、「諸將易得耳。至如信者、國士無雙。王必欲長王漢中、無所事信。必欲爭天下、非信無所與計事者。顧王策、安所決耳」。
- 王曰、「吾亦欲東耳。安能鬱鬱久居此乎」。何曰、「王計必欲東、能用信、信即留、不能用、信終亡耳」。王曰、「吾爲公以爲將」。何曰、「雖爲將、信必不留」。王曰、「以爲大將」。何曰、「幸甚」。
- 於是王欲召信拜之。何曰、「王素慢無禮。今拜大將、如呼小兒耳。此乃信所以去也。王必欲拜之、擇良日、齋戒、設壇場、具禮、乃可耳」。王許之。
- 諸將皆喜、人人各自以爲得大將。至拜大將、乃韓信也。一軍皆驚。
- 【訓読文】
- 上、拝して以て治粟都尉(ちぞくとゐ)と為すも、上、未だ之を奇とせざるなり。信、数蕭何と語り、何、之を奇とす。南鄭に至り、諸将の行く道に亡ぐる者数十人なり。信、何等、已に数上に言ふも、上、我を用ゐざるを度り、即ち亡ぐ。何、信の亡ぐるを聞き、以て聞するに及ばず、自ら之を追ふ。人の上に言ふ有りて曰く、「丞相の何、亡ぐ」と。上、大いに怒り、左右の手を失ふが如し。
- 居ること一二日、何、来りて上に謁す。上、且つ怒り且つ喜び、何を罵りて曰く、「若の亡ぐるは何ぞや」と。何曰く、「臣、敢へて亡げざるなり。臣、亡ぐる者を追へり」と。上曰く、「若の追ひし所の者は誰ぞ」と。何曰く、「韓信なり」と。
- 上、復た罵りて曰く、「諸将の亡ぐる者は十を以て数ふるに、公、追ふ所無し。信を追ふとは詐りなり」と。何曰く、「諸将は得易きのみ。信の如き者に至りては国士にして双ぶ無きなり。王必ず長く漢中に王たらむと欲せば、信を事ゐる所無し。必ず天下を争はむと欲せば、信に非ざれば、与に事を計る所の者無し。王の策を顧みるに、安れの所にか決せむ」と。
- 王曰く、「吾も亦東せむと欲す。安くんぞ能く鬱鬱として久しく此に居らむや」と。何曰く、「王の計必ず東せむと欲せば、能く信を用ふ。信、即ち留まらむ。用ゐること能はざれば、信、終に亡ぐるのみ」と。王曰く、「吾、公の為に以て将と為さむ」と。何曰く、「将と為すと雖も、信、必ず留まらざらむ」と。王曰く、「以て大将と為さむ」と。何曰く、「幸甚なり」と。
- 是に於て王、信を召し之を拝せむと欲す。何曰く、「王、素より慢にして無礼なり。今、大将を拝するに、小児を呼ぶが如きのみ。此れ乃ち信の去る所以なり。王、必ず之を拝せむと欲せば、良日を択び、斎戒し、壇場を設け、礼を具へば、乃ち可ならむ」と。王、之を許す。
- 諸将、皆喜び、人人各自ら以て大将を得たりと為す。大将を拝するに至れば、乃ち韓信なり。一軍、皆驚く。
- 【現代語訳】
- お上(劉邦)は、治粟都尉(ちぞくとい)の位を(韓信に)与えたが、この時はまだ彼を逸材と見做したわけではなかった。韓信はしばしば蕭何と語り合い、蕭何は彼を逸材と見做した。南鄭に着いた時には、(劉邦の配下の)諸将のうち、道中で逃亡した者は数十人にのぼった。韓信は、蕭何らが既にしばしばお上に推挙してくれてはいるが、お上が自分を取り立ててはくれまいと察して、直ちに逃亡した。蕭何は、韓信が逃亡したと聞くと、劉邦に断りを入れる暇もなく、自ら韓信を追った。これをお上に注進する者がいて、「丞相の蕭何が逃亡しました」と報告した。お上は激怒し、(落胆して)左右の手を失ったようであった。
- 一、二日ほど経って、蕭何が戻ってお上に拝謁した。お上は、腹立たしいやら嬉しいやらで、蕭何を罵って言った、「お前が逃亡したのは何故だ」。蕭何は言った、「私は決して逃亡などしておりません。私は逃亡した者を追っていたのです」。お上は言った、「君が追っていたのは誰だ」。蕭何は言った、「韓信です」。
- お上はさらに罵って言った、「諸将のうち逃亡した者は何十人もいるというのに、君は(彼らを)追わなかったではないか。韓信を追ったというのは嘘だ」。蕭何は言った、「諸将を得るのは容易いことです。しかし韓信のような者となると、国家に二人といない人材です。王様がいつまでも漢中の王に甘んじるおつもりならば、韓信を用いる必要はありません。しかし天下を争うおつもりならば、韓信でなければ、共に計略を巡らすことのできる者はございません。王様の今後の作戦について考えますに、どちらに決めるおつもりでしょうか」。
- 王(劉邦)は言った、「私も東方を平定したいと思っている。どうしていつまでもこのような所に気の晴れないまま留まっていられようか」。蕭何は言った、「王様が東方を平定したいのであれば、韓信を存分に用いてください。韓信はきっと留まってくれるでしょう。用いることができなければ、韓信は結局逃亡するでしょう」。王は言った、「君の意見を容れて、(韓信を)将軍にしよう」。蕭何は言った、「将軍にしたところで、韓信は、決して留まらないでしょう」と。王は言った、「大将にしよう」。蕭何は言った、「幸いに存じます」。
- そこで王は、韓信を召し出して大将の位を与えようとした。蕭何は言った、「王は、日頃から傲慢かつ無礼でいらっしゃいます。これから大将の位を与えるというのに、子供を呼び付けるような態度です。これだから韓信は逃亡するのです。王様が大将の位を与えようとするのであれば、吉日を選び、身を清め、壇場を設け、礼物をお供えして、はじめて可能となるのです」と。王はこれを許可した。
- 諸将は皆喜び、それぞれ自分が大将の位を得るものと思い込んだ。いざ大将の位を授かる時が来ると、(大将になったのは)韓信であった。一軍の者は、皆驚いた。
類義語
語義2
翻訳
國士無双と同じ種類の言葉
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