天気予報 天気予報の概要

天気予報

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/20 17:48 UTC 版)

過去の天気や各地の現況の天気気圧風向風速気温湿度など大気の状態に関する情報を収集し、これをもとに、特定の地域あるいは広範囲な領域に対し、当日から数日後まで(種類によっては数ヶ月後に及ぶものもある)の天気・風・気温などの大気の状態と、それに関連する水域地面の状態を予測し伝えるための科学技術である。

概要

日常生活や業務に対して天気が与える影響は非常に大きく、19世紀に近代気象学が生まれると同時に科学的な天気予報の試みが行われてきた。現代における天気予報は、気象のメカニズムを解明する気象学の発達と並んで、多種多様で世界的な気象観測網の構築、コンピューターの発展に支えられた数値予報インフラの整備、そして情報を一般に広く伝えるメディアなどによって支えられ、運用されている。

観測・情報収集・研究に関しては、研究機関大学防災担当の国家機関、世界各国の気象機関、世界気象機関(WMO)や国際民間航空機関(ICAO)・国際海事機関(IMO)等が担う部分も大きく、連携して行われている。世界各国においても、同様に法的な規定をもって責任機関を定め、気象に関する業務を担当させている。観測や情報収集には国際協力が不可欠であり、ノウハウの少ない途上国に対しての予報支援などの協力も行われている。

数値予報が台頭してくるまで、天気予報は観測記録をもとにした過去のノウハウ経験則の蓄積に頼る部分が大きく、予報官の経験に左右されるところが大きかった。数値予報の登場によって解析業務の負担が軽減されるとともに、精度が向上して予報の幅も広がってきている。近年は、予報業務の自由化(民間開放)も進められている。また、観測の自動化・無人化も急速に進んでいる。なお、日本では気象予報業務の国家資格として気象予報士があり、予報業務を行うに当たってこれを取得するのが一般的である。

近年の天気予報は、ゲリラ豪雨や激化する猛暑などに代表される気象災害の増加・変化やニーズの変化への対応、ENSOAO等の最新知見を取り入れた予報精度の向上などが大きなテーマとされている。そのため、そういった豪雨などの異常気象、ENSOやAOなどの気候パターン地球温暖化などの気候変動の解明が求められているほか、気象機関は市民に対して天気や気候変動に関する説明・解説を行う一定の責任も負っている。

天気(気象)予報のニーズは様々であり、テレビや新聞・インターネットなどで広く伝えられる一般向けの予報のほか、海況に特化した船舶関係者向けの予報、高層気象に特化した航空関係者向けの予報など、あまり知られていないが多くの種類の予報がある。また、軍では独自の予報を行っている国・地域が多く、日本の自衛隊も独自の組織として中央管制気象隊航空気象群を置いている。世界的に珍しいが、イタリアでは気象局自体が空軍の管轄である。

また、メディアを通して定期的に伝えられる天気予報とは異なり、臨時に伝えられるものとして「警報」がある。警報は気象による災害の危険性が高いと予測される時に警戒を呼び掛けるために発表されるものである。もっぱら国内向けであるため国・地域によって特色があり、種類や危険度区分は異なる。国際性が高い航空気象では、警報などが定められていない代わりに、統一された形式の気象通報式を対象航空機に臨時に送出することで警告を発する[要出典]。ほとんどの国では、一般市民に向けた警報は、情報が錯綜して混乱に陥ることを防ぐために国家気象機関のみが発表できるよう制限している[2]。一方、一般的な気象予報に関しては民間企業も行えるよう開放している国がある。

天気予報の要素

一般的な天気予報の情報は、どこの(予報区域)、何を(予報要素)、いつからいつまで(予報期間)、どんな形式で(予報形式)予報するかという4つの大きな要素がある。

予報区域
  • 地点ごと - 主要な観測点・都市における予報値を発表する。
  • 予報区ごと - 予報区内における全観測点の平均、または代表観測点における予報値を発表する。
  • 格子点ごと - 予報領域内を細かく区切った、各格子点における予報値を発表する。
予報要素
気温・最高気温・最低気温・湿度・露点温度・風向・風速・降水(降水量・降水確率)・天気・の高さ・海水温など。海氷突風などもある。気圧配置、前線や(一般向けではないが)気温・相当温位渦度などの分布を示す天気図の予報、熱帯低気圧台風など)の勢力や進路を示す地図の予報もある。その他後節も参照。
予報期間
日本の気象庁の場合、以下の4区分がある[3]。実際の期間については子節参照。
  • 短時間予報 - 3時間後まで
  • 短期予報 - 3時間後を超え48時間後まで
  • 中期予報 - 48時間後を超え7日後まで
  • 長期予報 - 8日後以後を含むもの
天気や気温などを予報する場合、1時間ごと・3時間ごと・6時間ごとなど、必要性や情報量の制約からいくつか区分方法を使い分けている。雲画像やレーダー画像などは、5分ごと・10分ごと・30分ごと・1時間ごとなどより細かい区分を用いる。
予報形式[4]
  • カテゴリー予報 - いくつかの区分の中から1つを選んで発表する。天気(「晴れ」「くもり」「雨」)など。
  • 量的予報 - 予測値をそのまま、適切な位で丸めて発表する。気温・降水量・風向・風速[5]など。
  • 確率予報 - 予測値を確率として表現し、適切な値で丸めて発表する。降水確率など。
上の3形式が典型的な予報形式である。これ以外に分類できないものとして、最も可能性の高い1つの状態を表現するもの(天気図など)



  1. ^ てん‐き【天気】 の意味 goo辞書、2017年4月4日閲覧
  2. ^ 実際の規制の方法は、日本や韓国のように罰則付きの法規制を設けるものから、米国のように気象機関の政策文書において警報の一元性を宣言するだけのものまで、国によって大きく異なる。国際的には、例えば国連の世界気象機関が、1995年の第12回世界気象会議議決事項40附属書3[1]において、「関係する加盟国が認めた場合を除き、商業セクターの気象業務提供者は、その活動する国及び海域において、生命及び財産の安全に関わる予報及び警報を公表してはならない。商業セクターが公表する生命及び財産の安全に関わる予報及び警報は、国家気象・水文気象機関等の公的機関が公共的な業務に係る責務として実施するものと矛盾しないものでなければならない。」との指針を示している。
  3. ^ 予報用語 予報の名称 気象庁
  4. ^ 5-2.予報の分類タマの気象学、2011年1月27日閲覧。
  5. ^ 「弱い」・「強い」・「非常に強い」といった階級表現や風力による表現の場合、カテゴリー予報にも含められる。
  6. ^ 降水の有無の適中率の例年値 気象庁、2011年1月27日閲覧。
  7. ^ 予報精度の評価 タマの気象学、2011年1月27日閲覧。
  8. ^ 天気予報の精度検証結果 検証方法の説明 気象庁、2011年1月27日閲覧。
  9. ^ 気候値予報とは、気候値(平年値)に完全に依存した予報のこと。
  10. ^ skill AMS Glossary、2011年1月27日閲覧。
  11. ^ 英BBC、93年続いた英国気象庁との天気予報の提供契約を打ち切りへ スラド 2015年08月28日
  12. ^ 英ピカデリーサーカス電光掲示板、改装工事で消灯 第2次大戦以来 AFP 2017年01月17日
  13. ^ Y!mobileの機種で実際に確認した。
  14. ^ 石井清司 『日本の放送をつくった男 フランク馬場物語』 毎日新聞社1998年10月30日、101頁。ISBN 4-620-31247-9
  15. ^ テレホンサービスの第1号「天気予報サービス 177」開始から半世紀 NTT東日本、2004年12月24日。







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