ニュースキャスター
(ウエザー‐キャスター から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/04 00:24 UTC 版)
![]() |
この記事には複数の問題があります。
|
報道 |
---|
ニュース / スタイル 倫理 / 客観性 価値 / 情報源 名誉毀損 編集の独立 ジャーナリズムスクール |
分野 |
ジャンル |
支援 / 分析 / 放送
市民 / シビック 協力 / 交流 / データベース ゴンゾー / 調査 / 文学 マックレーカー / ナラティブ "ニュー・ジャーナリズム" 非営利 / オンライン / 意見 平和 / 写真 / 視覚 / 番犬 |
社会的影響 |
報道機関 |
役割 |
カテゴリ |
ニュースキャスター(英: newscaster)とは、ラジオ番組やテレビ番組においてニュースについて報告したり、時にはニュースについて論じる役割の人(職業)である[1]。主にアメリカでこう呼び、イギリスではニュースリーダー(news reader)ということが好まれる[1]。ニュースキャスターはアンカーと呼んでもさしつかえない[2]。ニュースキャスターとアンカーはほぼ同義である[2]。 アンカーという場合は、ジャーナリズムという仕事にたずさわる人々にはそれぞれの役割があり、調査を担当するジャーナリスト、ニュース原稿を書くジャーナリスト、そして最後にニュースを放送に乗せる役割のジャーナリストがおり、それぞれがそれぞれの役割を果たしている、というニュアンスが込められている[2]。ニュースキャスターというのは、放送番組に登場して他のジャーナリストが書いてくれた報告(原稿)をデスクに向かい(あるいはマイクに向かい)読むことに関して技術を磨いている人である。newscasterという用語は、news broadcaster(ニュース・ブロードキャスター)の略で、もとは1930年代にラジオのニュースリーダーを指すために作られた用語である[2]。
概要
ニュースキャスターは、主に報道番組に出演し、基本的にはニュース原稿を読み、また時にはニュースについて解説したり(インタビュー相手などと)論じたりする役割の職業である。役割の詳細は国、地域、番組によって様々である。もともとはラジオ、そしてテレビであったが、2000年代に入りインターネットメディアでも同様の役割を果たす人が登場した。
アメリカではかつて、アンカーがニュースに対する私見を述べる/述べないについて、アンカーの行動は二手に別れた。番組の終わりにコラムコーナーを設けていた代表的なアンカーにエドワード・マローが、逆にコメントは徹底的に避けるべきとした意見の象徴にウォルター・クロンカイトがおり、クロンカイトの「戦争継続反対」発言(1968年)とそれを一つの要因とするジョンソン大統領の再選出馬断念という一連の経緯が有名。[要出典]
歴史
アメリカの歴史が古いので、アメリカから解説する。
- アメリカでの歴史
- 第二次世界大戦中、CBSのエドワード・マローはヨーロッパの戦地から自身が組織した特派員たちとともに報道を送り続ける。
- 1954年、マローが『シー・イット・ナウ』 (See It Now) でマッカーシー上院議員らによる「赤狩り旋風」を糾弾してマッカーシズムに真っ向から挑み、結果的に赤狩りを終焉に導く。しかし番組は打ち切られ、マローは1961年にケネディー大統領に請われて合衆国情報庁長官に就任。
- 1963年、ウォルター・クロンカイトが『CBSイブニングニュース』のアンカーに。同年11月21日、クロンカイトは悲しみの涙で眼鏡を曇らせながらケネディー大統領暗殺の速報を伝える[3]。
- 1968年、ベトナム戦争が激化する中、クロンカイトが現地取材の特別番組の締めくくりで「民主主義を擁護するべき名誉あるアメリカ軍には、これ以上の攻勢ではなく、むしろ交渉を求めるものであります」と厳しい口調で発言してベトナム戦争継続に反対を表明[4]。これがジョンソン大統領をして「クロンカイトを失うということは、アメリカ中道の支持基盤を失うということだ」と嘆かしめる。直後にジョンソンは二期目への出馬断念を表明。一方クロンカイトはこれを反省して、以後二度と番組内で私見を差し挟まなくなる。これ以降、殊に夕方の全国ニュースにおいては「絶対の中立」のアンカー像が定着する。
- 1981年、ダン・ラザーが『CBSイブニングニュース』のアンカーに。
- 1983年、ピーター・ジェニングスが『ワールド・ニュース・トゥナイト』の単独アンカーに。同年、トム・ブロコウが『NBCナイトリーニュース』の単独アンカーに。これをもって約10年近く続いた人気アンカーの引き抜きや頻繁な交代に終止符が打たれる。
- ラザー・ブロコウ・ジェニングスのアンカーの時代は約四半世紀近くも続いたことから、各ネットワークにはそれぞれ「しゃべるラザー、動くブロコウ、動かないジェニングス」という評に代弁される独特のスタイルと雰囲気が醸成される(とは言っても冷戦下のジェニングスは海外へ動くアンカーとして名を馳せたが)。またCNNというニュース専門局の登場やFOXニュースやMSNBCで見られる「モノを言うキャスター」にも人気が集まる。
-
Douglas Edwards(ダグラス・エドワーズ)
-
Chet Huntley(チェット・ハントリー)、左側。
-
David Brinkley(デイヴィッド・ブリンクリー)、画面内。
- 日本国内の歴史
![]() |
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2022年9月)
|
- 日本のニュースキャスター第1号は、1962年10月1日にスタートした『JNNニュースコープ』(TBS)の田英夫と戸川猪佐武とされる。
- NHKでは1974年4月、磯村尚徳による『ニュースセンター9時』が放送開始。ニュース原稿を読み上げるのみであったそれまでの『NHKニュース』とは違い、喋り言葉を積極的に使った。政治→経済→社会というNHKでは当たり前だった放送順序の慣例を、意識的に排除するなどの変化も見せた。NHKのサイトはこの番組からニュースキャスターという言葉が一般的に使われるようになったと述べている。[5]
- それまで男性のキャスターがニュース番組の進行を務めることが多かったが、1980年代に各局が女性キャスターを起用し始める。その先駆けとなったのが、『きょうの出来事』(日本テレビ)を担当した櫻井よしこである。だが実際は、1978年に田丸美寿々が『FNNニュースレポート6:30』を担当し、既にキャスターの位置付けをとっており、田丸を日本初の女性キャスターだとする意見もある。様々意見は分かれるが、テレビ証券は「田丸さんは、日本でいうキャスターの先駆けで、ジャーナリストからアンカーを務める米国流で言えば、櫻井さんが日本初のアンカーパーソン」と、両者ともにキャスターの先駆けであることに違いはない、と述べている。
- 1985年10月にスタートした久米宏による『ニュースステーション』(テレビ朝日)は、それまでの報道番組を変えた番組と認識されている。インタビュー取材でよく久米は「私はニュースキャスターでなく司会者」と発言している。
- この頃、『キャスター』というそのものズバリのネーミングの情報番組がテレビ東京で放送されていた。キャスターを務めたのは大宅映子。
- 1988年、テレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』の初代メインキャスターに小池百合子が就任。1990年度の日本女性放送者懇談会賞を受賞。
- 1989年10月、筑紫哲也による『筑紫哲也 NEWS23』の放送がスタート。平日のニュース番組でキャスターの名前が番組名に記載されたのは初めて。
- 1994年、『NHKニュース7』などでキャスターを務めたNHKアナウンサーの森田美由紀は、『ダカーポ』の取材に対して「皆困っていると思うんですよ。周りがキャスターと呼べばキャスターですし、アナウンサーと呼べばアナウンサーですしね」と語った[6]。
- 2006年4月、NHKの『ニュースウオッチ9』が放送開始。柳澤秀夫と伊東敏恵はニュースの紹介に徹し、原稿やプロンプターを一切使わずに放送する試みを行う。
-
小池百合子(政界に転じた後、2006年の写真)
現在の傾向
アメリカ
ローカルニュースや朝のニュースは男女ペアを組んで放送することが多いが、CBS、NBC、ABC の三大ネットワークで夕方に放送する全国ニュースに限ってはアンカー1人で進行する。[要出典] 彼らは国民から高い信頼がおかれており、アンカーを粗末に扱うと次の選挙で票に跳ね返るため、政治家も彼らに対して敬意を払うことを忘れない。アメリカでは「大統領が勝手なことを言えない者がこの国に三人だけいる。三大ネットのアンカーだ」という格言まである。[独自研究?]
イギリス
- アメリカ同様、取材経験を積んでキャスターを務めるのが多い。ニュースリーダーはこの基準から外れる。
- 同じ英語圏から、元アメリカ国務省報道官のジェームス・ルービンのように、アメリカ人がキャスターを務めるケースがある。
フランス
- アメリカ同様、取材経験を積んだ記者がキャスターを務めるのが定番となっていたが、M6でキャスターを務めるメリッサ・テュリオのように、入社3年でキャスターを務めるケースも出ている。
ブラジル
- ブラジルでいうキャスターは、Apresentadores(プレゼンターの意味)にあたる。
- ブラジルの主要ニュース番組のキャスターのほとんどが、グローボのキャスター経験者である。これはブラジルのテレビ界において、グローボの一人勝ちの状況が続いていることにより、人材がグローボに集中していることが背景として挙げられる。
韓国
- 取材経験を積んだ報道次長、若しくは報道部長クラスの記者が、キャスターを務めるのが定番となっている。
- かつてはアメリカ同様、男性が単独でキャスターを務めていたが、女性キャスターと2人で番組を進行する形式が多くなってきている。
日本のニュースキャスター
日本では、ニュースキャスターのニュースの取材・編集過程や番組構成への関与の度合いにはあまり注意が払われず、単に報道番組の司会者であればニュースキャスターと呼ばれる。[独自研究?]
報道番組への登板を機にそれまで出演していたバラエティ番組やCMを降板し、仕事をほぼニュースキャスター業一本に絞るようになる者も存在する。
1980年代CNNデイウォッチでの文化人起用やニュースシャトルでの星野知子起用など、報道関連の経験が全くない芸能人や文化人がニュースキャスターを務めるケースがある。
放送局のアナウンス部に所属する者を「〇〇アナウンサー」とし、契約社員や派遣会社に所属するフリーアナウンサー、芸人や芸能人を「〇〇キャスター」と表記する場合もある。[要出典]
- 日本のニュースキャスターのコメント
- 『JNNニュースコープ』で17年間キャスターを務めた古谷綱正は、あくまでストレートにニュースを伝えることに徹し、「日本のウォルター・クロンカイト」と評された。当時古谷は「キャスターがいい気になって意見を言うのは、反感を呼び不信感を煽るでしょう。大切なのはニュースに対する “姿勢” というものです」とあくまで客観的にニュースを伝えることこそが重要だとした。
- フジテレビ『FNNニュースレポート23:00』のキャスターを務めた俵孝太郎は「ニュースは鉄仮面のごとく読むべきだ」と述べ、『JNN報道特集』で長年キャスターを務めた堀宏はサイゾーのインタビューで、「(放送法の規定を挙げた上で)ニュース番組は新聞のように評論をすべきではない」と発言している。
- 日本テレビ『NNNきょうの出来事』で長年アンカーパーソンを務めた櫻井よしこは、「アンカーパーソンは言葉で批判するのではなく、データの選定で批判するべき。」とし、キャスターは私的なコメントで判断を下してはいけないと語っている[7]。また、櫻井の後任キャスターを務めた井田由美も、「私はキャスターコメントは行わず、ストレートにニュースを伝えることを重視していました」と語っている[8]。
- RKB毎日放送『RKBニュースワイド』初代キャスターの三善英毅(現在第一経済大学教授)は1982年、朝日新聞のインタビュー記事で「キャスターはニュースの解説役という考えもあるが、私はニュースの整理役だと思う。ニュースに手を加え、データを盛り込んでいったら終わり」と発言している。
天気キャスター
番組内で気象情報を伝えるキャスターである。日本国内においては、気象業務法に基づき、1992年までは日本気象協会所属の男性が務めるケースがよくみられた。1993年に同法が改正されたことによって気象予報士制度が導入され、以降は気象予報士資格の有資格者がキャスターとして重用される傾向にある。[注釈 1]
スポーツキャスター
プロ野球など、国内外のプロスポーツ(ときにアマチュアスポーツ)について伝えるキャスター。説得力を求められるため、世界大会などで実績のある経験者が起用されることが多い。実際に実績を出したスポーツ選手が、引退時に次の職種として「スポーツキャスター」を挙げる例がよくみられる。
近年は、元スポーツ選手が(スポーツキャスターではなく)ニュースキャスターに選ばれる例もある(陣内貴美子、潮田玲子など)。
ギャラリー
関連項目
脚注
注釈
- ^ ただし、天気情報のアナウンスや解説など、将来起きうる気象現象の予報を伴わない業務については、有資格者でなくても行うことができるため、アナウンサーのほかアイドルやモデルなど本来とは異なる職種の人材もキャスターとされる場合があった。この場合は、気象予報士がまとめた原稿を読み上げることになる。お天気お姉さんも参照のこと。現在ではほぼ無い。
出典
- ^ a b “newscaster”. Britannica. 2025年9月25日閲覧。
- ^ a b c d “newscaster”. Vocabulary.com. 2025年9月25日閲覧。
- ^ http://www.metacafe.com/watch/333041/walter_cronkite_jfk/
- ^ http://www.youtube.com/watch?v=i214f5-w19w
- ^ http://www9.nhk.or.jp/a-room/qa/[リンク切れ]
- ^ 『ダカーポ』No.295 1994年2月16日号 マガジンハウス、74頁。
- ^ テレビ証券「ニュース番組の裏の華麗なる戦い」『日経エンタテインメント!』第10巻第18号、日経BP社、東京都、2006年12月、pp.99、2011年4月11日閲覧。
- ^ 『NNNきょうの出来事』特集「伝えられたこと 伝えられなかったこと」(日本テレビ、2006年9月29日 (最終回))
外部リンク
- ウエザー‐キャスターのページへのリンク