月 (暦)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 03:17 UTC 版)
期間としての月
「月」は時間(期間)の単位としても用いられる。通常は「○箇月(○か月、○か月)」(○かげつ)という表現を用いる。なお、単に「○月」という表現を用いる場合もあり、この場合は、暦上の1番目の月、2番目の月…に対応するいちがつ(1月)、にがつ(2月)…と区別するため、日常的には「ひとつき(一月)」「ふたつき(二月)」…と訓読みを用いるが、公用文・法令文などでは必ず「いちげつ(一月)」「にげつ(二月)」…と音読みする。
「1箇月」という場合は、特に断りがない限り、初日は算入せず翌日を起算日とし、翌月の起算日応当日の前日までを指す。例えば1月15日からの1箇月は、「1月16日から2月15日まで」である。翌月に起算日応当日がない場合(例:起算日が10月31日の場合)は、翌月の末日まで(この例では11月30日まで)となる。これらのことは、日本では民法(138条 - 143条)で定められている[28]。
ただし、このように定められる1箇月は、月によって日数が異なるため、科学における証明など、厳密に時間の長さを表現することが求められる場では用いられない。国際単位系 (SI) では併用単位にもなっておらず、日本では計量法で使用してよい単位には入れられていない[29]。
分割法
- 六曜:日本の旧暦を基準に、1か月を6つの曜である「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の6日周期に割り当てる。ただし毎月1日の曜は固定されている[30]。
- 七曜・週:各日を太陽・月・惑星に割り当てた7日周期[30]。
- 旬:元来は10日間のこと。1か月を上旬・中旬・下旬の3つに分けた区分で約10日周期[1]。
- 半月・二十四節気 [31]:約15日周期。
符号位置
Unicodeには全角幅の「1月」-「12月」が以下のコードポイントに定められている。
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
㋀ | U+32C0 |
- |
㋀ ㋀ |
1月 |
㋁ | U+32C1 |
- |
㋁ ㋁ |
2月 |
㋂ | U+32C2 |
- |
㋂ ㋂ |
3月 |
㋃ | U+32C3 |
- |
㋃ ㋃ |
4月 |
㋄ | U+32C4 |
- |
㋄ ㋄ |
5月 |
㋅ | U+32C5 |
- |
㋅ ㋅ |
6月 |
㋆ | U+32C6 |
- |
㋆ ㋆ |
7月 |
㋇ | U+32C7 |
- |
㋇ ㋇ |
8月 |
㋈ | U+32C8 |
- |
㋈ ㋈ |
9月 |
㋉ | U+32C9 |
- |
㋉ ㋉ |
10月 |
㋊ | U+32CA |
- |
㋊ ㋊ |
11月 |
㋋ | U+32CB |
- |
㋋ ㋋ |
12月 |
注釈
- ^ 天文や天文台についての質問:国立天文台では、冬の2か月に相当する期間は時間としての経過はあるが「暦」が無い空白として取り扱われたと説明する。
脚注
- ^ a b c d 岡田ら (1994)、pp.70-72、四季と暦、月と暦
- ^ 「【月】」『日本語大辞典』(第一刷)講談社、1989年、1291頁。ISBN 4-06-121057-2。
- ^ 佐藤 (2009)、pp.77 - 81、世界統一暦の試み
- ^ a b “質問3-7 1月1日はどうやって決まったの?”. 国立天文台. 2011年12月20日閲覧。
- ^ a b c d 池内 (1999)、3.俺は北極星のように不動だ、pp.44-47、改暦の歴史
- ^ 青木 (1982)、序章 月と時、pp.1-2、月のみちかけ
- ^ 「【年】」『日本語大辞典』(第一刷)講談社、1989年、1507頁。ISBN 4-06-121057-2。
- ^ a b 青木 (1982)、序章 月と時、pp.3-4、太陰太陽暦
- ^ a b c 馬嶋玄敏「暦法・とくに置閏法についての一考察」『研究紀要』第7巻、奈良女子大学、1965年、15-20頁、ISSN 03891704、NAID 110001030480、2020年6月4日閲覧。
- ^ “月と地球の軌道”. 北海道大学理学部地球惑星科学科. 2011年12月20日閲覧。
- ^ “7月22日の皆既日食”. 国立天文台. 2011年12月20日閲覧。
- ^ a b 松本晃治/国立天文大学電波研究部. “やさしい海洋潮汐モデリング” (PDF). 東京大学地震研究所. 2011年12月20日閲覧。
- ^ 井本正介「制限三体問題とサロス周期」『福井工業大学研究紀要. 第一部』第25号、福井工業大学、1995年、275-281-275-281頁、ISSN 0286-8571、NAID 110000484848、2020年6月4日閲覧。
- ^ 2000年1月1日 12:00 TT;Derived from ELP2000-85: M. Chapront-Touzé, J. Chapront (1991): Lunar tables and programs from 4000 B. C. to A. D. 8000. Willmann-Bell, Richmond VA; ISBN 0-943396-33-6
- ^ 青木 (1982)、第4章 単位と天体暦、p.165、三 一年の長さ 一年の日数
- ^ 沼澤茂美、脇屋奈々代『宇宙』成美堂出版、2007年、50頁。ISBN 978-4-415-30019-1。
- ^ a b 池内 (1999)、3 俺は北極星のように不動だ、pp.42-43、ローマの暦
- ^ 岡田ら (1994)、p.297、原始的な暦法、ボントク・イゴロット族の暦
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 岡田ら (1994)、pp.297-298、原始的な暦法、アイヌの暦
- ^ 岡田ら (1994)、p.298、原始的な暦法、イロコイ族の暦
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 『アイヌの民俗』更科源蔵1982
- ^ “アイヌ民族の有用植物”. 北海道立衛星研究所. 2011年12月20日閲覧。
- ^ a b c 岡田ら (1994)、pp.15-28、和風月名の由来
- ^ a b 岡田ら (1994)、pp.299-300、太陰暦、イスラム暦
- ^ 岡田ら (1994)、pp.301-302、太陰太陽暦、ユダヤ暦
- ^ 岡田ら (1994)、pp.315-317、太陽暦、マヤ暦
- ^ 佐藤悦夫. “マヤのカレンダー”. 富山国際大学現代社会学部. 2013年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月2日閲覧。
- ^ “民法 第6章 期間の計算”. 民法条文解説.com. 2011年11月2日閲覧。
- ^ “計量法(平成四年五月二十日法律第五十一号)”. 総務省. 2019年12月23日閲覧。
- ^ a b “暦の基礎知識”. 筑波大学附属図書館. 2011年11月2日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “二十四節気”. 国立天文台. 2011年11月2日閲覧。
脚注2
- ^ 暦象年表2009
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