第17小隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:20 UTC 版)
ツェルニで最も新しく結成された小隊。 レイフォン・アルセイフ #レイフォンとリーリン参照。 ニーナ・アントーク 声 - 高垣彩陽 / 伊藤静(ラジオドラマ版・ドラマCD版) 第17小隊の隊長。武芸科3年生。綺麗な金髪をショートカットにした少女。仙鶯都市シュナイバルの武芸の名門アントーク家に生まれ、幼い頃から武芸の英才教育を受けてきた。外の世界を見たいと言う理由から学園都市行きを決意、父親の反対を押し切ってツェルニへと入学した。1年生の時に第14小隊に入隊したが、電子精霊ツェルニと出会ったことで都市を守りたい気持ちが強くなり、2年生の頃に第14小隊を脱退して自身で小隊を結成する。しかし、下級生が率いる小隊に入りたがる上級生は少なく、集めた隊員も協調性に欠け、人数不足やチームワークなど問題は山積みだった。そんな中、レイフォンを小隊に迎えたことが彼女と第17小隊にとって転機となる。当初は圧倒的な力と不安定な精神を持つレイフォンを「隊長として」気に掛けていたが、徐々にレイフォンに惹かれている自分を自覚していく。 気が強く頑固で生真面目な性格。また使命感や責任感が非常に強く、気負い過ぎて先走ってしまうこともある。この気質は周りの人間にも伝染していく事からシャーニッドに「ニーナ病」と名付けられた。女性らしさを感じさせない中性的な印象から、女生徒(特に下級生)に人気がある。実家は裕福だが、家出同然の格好でツェルニに入学したため仕送りは無く、生活費と学費を稼ぐために機関掃除のアルバイトをしている。料理は出来ない。幼い頃に大祖父から貰った「ミーテッシャ」と言う名前のパンダのぬいぐるみを大事にしており、それが無いと眠ることができない。また、そのぬいぐるみを食い千切られてボロボロにされた苦い思い出から、その元凶であるフェレットが大の苦手。学業面は文武両道を目指しているのか、中の上の成績を取っている。 「黒鋼錬金綱」の鉄鞭を2本同時に操る双鉄鞭の使い手。重量級の武器を自在に操るために体術を熟練させており、武器が生む慣性を流すようにして戦う。個人技では防御に長け、作戦立案の能力も高い。1年生の時点で小隊員に選ばれるなど武芸の才能は低くないが、レイフォンとの圧倒的な実力差からしばしば無力感に陥ることもある。レイフォンの入隊後、レイフォンから剄の基本技術や「金剛剄」「雷迅」など幾つかの剄技を教わる。過去に大怪我を負った際、シュナイバルの電子精霊に助けられたことがあり、それが切っ掛けで電子精霊に対する特別な感応を持つようになり、ツェルニの電子精霊に懐かれている。また、これが廃貴族である「メルニスク」に憑依される要因にもなる。武芸大会の最中狼面集と再び接触。「メルニスク」の力を暴走させられ自我を失ってしまうがディックの手により正気に戻る。一度はサヤの手で「メルニスク」を引き剥がされるが、目覚めたニルフィリアにより再び宿す事になる。激しい戦いの中で「メルニスク」の力を徐々にコントロールしていく。後にグレンダンに連れていかれ夢の世界で電子精霊達から世界の真実を知らされる。「メルニスク」の力を宿した彼女の剄力に通常の錬金鋼では耐えられなくなってしまい、3度現れ記憶を消そうとするディックとの戦いの中錬金鋼が破損するが、ツェルニに天剣と同様の錬金鋼を渡された。しかしその力はファルニールから齎されたツェルニの傷を癒す『力』であったため、窮地を脱した後に事実を知らされ深く後悔することになる。 第三部ではサミラヤ・ミルケを初め複数の次期生徒会長候補に次期武芸長に誘われるが、いずれも謝絶。また、リーリンとの別れの悲しみを引きずるレイフォンの身を案じつつ、クラリーベルの誘いでレイフォンのアパートに引っ越した。 その体質ゆえにレヴァンティンの存在や、ツェルニが世界の敵となった事を知るが、レヴァンティンとの圧倒的な力の差ゆえに何も出来ずにいた彼女の前に、謎の自律都市と共に大祖父であるジルドレイドが現れる。『サマー・ナイト・レイヴ』では模擬戦で14小隊に属するクラリーベルと組んでレイフォンと戦い、勝利した。レイフォンとフェリがメルニスクに行っている間にレヴァンティンの動きを察知し、電子精霊の導きでアーマドゥーンへ転移。そこでレヴァンティンとジルドレイドの戦いを目撃。ジルドレイドの死後、彼の4体の電子精霊を引き継ぎ、グレンダンへと転移。月の崩壊で現れた謎の敵と戦う。電子精霊を引き継いだ後は剄が赤く発光するようになったがこれは無駄な部分が発散されていたのであり使いこなすにつれ抑えられている。しかし、電子精霊から見ればニーナは世界を守る為の駒であり、必要とあれば自爆させるつもりであった。正体を現した炎獣=ディックと戦う事を躊躇した事で戦意喪失とみなされ、自爆されかけるが、レイフォンの乱入によって阻止。雷迅の一撃でディックを撃破した。 決戦から一年後は第17小隊は第1小隊となり、ニーナはツェルニの武芸科長を務めるまでとなった。武芸科長になってからは左右で大きさの異なる鉄鞭を使用するようになった。 新土暦14年には軍に入り、様々な争いを調停して平和の維持者と尊敬される一方で恨みも買っている。自身に宿った廃貴族の影響のせいか、上位の武芸者「ハイ・ブースター」として他の武芸者と一線を画する力を持つ。レウやフェリとの会話からそれなりに年齢を重ねているようであるが、前線を引く気は無いらしい。レウとの会談を済ませた後、エーリと落ち合い、レイフォン達が戻ってくる情報を受け取り、天蜘都市アトラクタに単身赴く。そこでレイフォンとフェリと再会し、物語は幕を閉じている。 深遊作の漫画版では主人公を務めている。天然な部分が強調されているボケ役であり、騒動を巻き起こす事が多い。また理想を追求する余りに先走った行動に走ったり、レイフォンの辛辣な評価に反発したりなど未熟な部分を持っている。 フェリ・ロス 声 - 中原麻衣 / 釘宮理恵(ラジオドラマ版・ドラマCD版) 第17小隊の念威繰者。武芸科2年生。情報貿易に特化した流易都市サントブルグの出身で、情報売買を生業とする富豪の家に生まれた(突然変異型)。白銀の髪、銀の瞳、色素の抜けたような白い肌、怜悧な容貌を持つ小柄な少女。髪型は腰まで届くロングヘアで手入れをするのが大変らしい。ツェルニの生徒会長カリアン・ロスの妹で、彼女自身もツェルニの生徒に広く知られており、ファンクラブも存在する。念威繰者としての才能が極めて高く、幼い頃から念威繰者としての教育を受けてきたが、ある時から自分の将来が決められていることに嫌気が差し、自身の才能を嫌悪する様になった。念威繰者以外の将来を探るべくツェルニに入学。当初は普通科の学生であったがカリアンによって無理矢理武芸科に転科させられてしまったため兄を憎んでいる。が、生徒会長としての兄の立場は理解しているらしく、学生寮ではなくカリアンと同じマンションの部屋に住んでいる。当初小隊の訓練・試合に対して積極的ではなかったが、自分と同じ様に武芸の才能に恵まれながら別の生き方を模索するレイフォンに興味を持ち、好意を持つようになる。そして少しずつ自分の力をレイフォンのため、他人のために使うようになっていく。一年生の時に何故かミスコンに出場し「ミス・ツェルニ」に選ばれている。一部の学生からその容姿と高い学力から「ミス・パーフェクト」と密かに呼ばれており、ファンクラブもあるらしい。 無口で表情の変化に乏しく感情表現が苦手で、他人にあまり興味を抱かず1人でいることに特に苦痛を感じないことと相俟って友人は少ない。生来の性格と念威操者の常からか、感情表現がかなり乏しく苦手。その代わりに、怒りを感じた相手のスネを蹴飛ばすことがある(特にアニメ版では兄・カリアンの脛の骨を蹴り折った)。実家が裕福で仕送りが充分なためバイトはしていない。念威繰者の例に漏れず記憶力に優れ学力は非常に優秀で、少し本気でやれば数万の生徒の中で一位も取れる。それ以外にこれといった特技は無く、特に料理は恐ろしく下手。レイフォンへの好意から彼に「まとめられていて嫌」という理由で「先輩」と呼ばれることを嫌い、2人きりの時は自分の事を「フェリ」と呼ばせ、レイフォンに対しては「フォンフォン」と言う珍獣のようなあだ名をつけて呼ぶ。またメイシェンやリーリンら、レイフォンを取り巻く様々な女性を敵視しており、少々嫉妬深い。ただし自身に関しては奥手あるいは臆病な部分を持っており現在の関係が壊れてしまう事を恐れている節があり遠回しなアプローチしか出来ておらず、スルーなどされると一人で憂鬱になるなど恋愛面に関して歳相応の一面を持っている。 「重晶錬金綱」の杖に付いた花弁のような形状の念威端子を操り後方支援を行う。この念威端子を都市外に飛ばして誰もいない世界を知覚することは彼女の密かな趣味でもある。その念威は無意識の流出で長髪全体が光り輝くほど膨大な量で、都市から1日以上離れた場所にも念威が届き、念威端子無しでもある程度索敵などを行える。 その能力は天剣授受者のデルボネに「才能だけで言えばグレンダンにいる全ての念威操者より優れている」と高く評価されており、14巻でデルボネの戦場での経験のデータを託される。念威繰者としてはデルボネに認められるほどだが、汚染獣との戦闘では経験が不足している部分がありその部分を指摘されている。 第3部ではこれまで経験した戦いにより念威繰者としての自分に対しては嫌悪感が薄れ、鍛錬を怠らないことを決めているが小隊を脱退し元居た一般教養科に転科する決意を固めていた。が、グレンダンでの危機がいまだ続いておりそれに関する手がかりがデルボネの遺したデータにあるのではと考え、レイフォンの頼みもあって一般教養科に戻るのを辞め武芸科に留まってデータの解析に専念している。またカリアンの卒業に端を発したクラリーベルやメイシェン達への対抗意識から、それまで住んでいたマンションを引き払い、レイフォンの住むビルに転居した。『サマー・ナイト・レイヴ』では序盤でレイフォンに部屋の片付けをさせ、デルボネの「遺産」に挑む。集中して挑んだためか疲労で入院したが「遺産」自体の解読には成功。嘗て訪れた廃都市メルニスクがデルボネの故郷であることをレイフォンに伝えた。そのメルニスクで敵の正体と目的を知り、レイフォンと共にグレンダンへと向かう。レヴァンティンの撃破後、レイフォンとリーリンの前でレイフォンへの想いを告白するが、返事は戦闘後まで保留していた。 決戦後は結局小隊に残ってレイフォンの帰りを待っていたが、いざ帰ってきたレイフォンは相変わらず騒動に巻き込まれていた為、レイフォンへの想いを諦めようとした。だが、旅立ちの直前にレイフォンから告白された事で晴れて両想いとなり、新たな旅に出るレイフォンに同行する形でツェルニを去った。 本編から数年後の新土歴14年、天蜘都市アトラクタでレイフォンとともにニーナと再会。学生時代と変わらぬ容姿をしているが、学生時代よりも饒舌になっておりニーナをやり込めている。 深遊作の漫画版ではニーナが主役であるためか基本的な部分は本編と変化が無くツッコミ役だが、とあるエピソードで17小隊で面倒を見る事になった迷いフェレットに「ブリリアントエクスカリバー」と名付けるなど何処と無くズレた感性を持っている。ニーナが「隊の人気を上げたい」と14小隊隊長のシンに頼まれ、協力を依頼された際には小隊員達に突き刺さる評価を下した上、面白半分で様々な格好をさせて楽しんでいる(後に正式採用されており、面白半分だった本人は絶句しており他人のフリをするほど)。 シャーニッド・エリプトン 声 - 谷山紀章 / 小野大輔(ラジオドラマ版・ドラマCD版) 第17小隊の狙撃手を務める武芸科の4年生。長身と後ろでまとめた長髪が特徴の青年。第10小隊の現隊長ディン、副隊長のダルシェナとは1年の頃からの仲間で、以前は3人でツェルニを守る誓いを立てて共に第10小隊に所属していた。しかし、その誓いの下で戦うことに無理を感じるようになり、昨年の中頃に第10小隊を脱退した。その後ニーナの誘いを受け、3人一緒に居るのとは別の形でツェルニを守る誓いを果たすために第17小隊に移籍した。 普段の言動は不真面目で、授業をサボったり小隊の訓練に遅れてくることもしばしばあり、常々ニーナから叱咤を受けながらも意に介さず飄々としているが、実際は他人と居ると練習しにくいためで普段は1人で訓練を行っている。そのため周囲からは協調性が欠けていると言われることもあるが、対抗試合などでは自らの役割を忠実にこなし、時折冷静な言動を見せ、不器用なメンバーの多い第17小隊の潤滑油、緩衝材的な存在ともなっている。女好きな軽い性格を装っているが以前はダルシェナに好意を抱いていて、本人によると現在はニーナに好意を持っているようである。軽く飄々とした性格は自分の本心を他人に晒すことへの抵抗感があるためで、腹を割って本音を言い合う事が少ない。幼少期から父親に連れられて各都市を巡って旅をしており、故郷というものを知らない。 外力系衝剄による銃撃と殺剄が得意で、狙撃手としての腕前はツェルニでもトップクラス。また、拳銃を使った格闘術「銃衝術」の使い手でもあり、「軽金錬金綱」のライフルと黒綱錬金綱のごつい拳銃2丁を使い分ける。 連れ去られたニーナを助けるためにレイフォンとフェリと共にグレンダンに潜入。緊急時の逃走用に傭兵である父親・エルラッドから剄脈を加速する技「倍力法」なるものを伝授されている。この能力はレイフォンに使わない方がいいとの指摘を受けている。 第3部では、植物状態であるディンを故郷である彩薬都市ケルニスへ連れ帰る依頼を受けたエルラッドがツェルニにやって来る。ディンの家庭の事情を知るシャーニッドとダルシェナは、複雑な心境の中ケジメをつける為にエルラッドと対峙。二人かかりでもまるで歯が立たず、最終的にディンは連れて行かれたものの、その結果を受け入れた。『サマー・ナイト・レイヴ』ではメイシェンに告白されて動揺していたレイフォンを彼なりの方法で慰めた。レイフォンがグレンダンでレヴァンティンを撃破した後、錬金綱を全て失ったレイフォンに新たな簡易型複合錬金鋼を届けた。 本編から数年後のグレンダンにクララの依頼で訪れており、仕事後に何らかの報酬を受け取っている。ダルシェナに関わる依頼らしいが、詳しくは不明。また、自身の発言から浮気癖がついた模様。 深遊作の漫画版では力み過ぎるニーナに対してアドバイスを送るなど、フェリと同じく本編と余り差が無い。ただし練習をサボるために逃走したり、周囲を引っ掻き回すなどトラブルメーカー的な部分を持っている。とあるエピソードでハーレイにゴム弾を当てて気絶させた事がある。 ハーレイ・サットン 声 - 阪口大助 / 喜安浩平(ラジオドラマ版・ドラマCD版) 第17小隊の錬金鋼の整備を担当する錬金科の3年生。仙鶯都市シュナイバルの錬金鋼技師の家系の出身で、ニーナの幼馴染。こだわるところにはとことんこだわるがそれ以外は気にしない性格。武器の調整と個人への最適化を中心に研究を行っている。他に同じ研究室の技師と共に新素材の開発も行っており、同じ班の技師キリクと共に開発した複数の錬金鋼の長所を併せ持った武器を復元できる「複合錬金鋼」は、レイフォンが汚染獣と戦う際の主力武器となる。第三部では新しい戦い方を模索するレイフォンのために錬金鋼の新しい回路を開発している。「クライング・オータム」でメルニスクに旅立つレイフォンに対して「痛むのなら向き合って痛む理由を考えた方がいい」とリーリンの事で悩んでいる彼に対してアドバイスをした。最終決戦では無数の「簡易複合錬金鋼」を渡してレイフォンを支援した。 深遊作の漫画版では本編以上に不遇の扱いであり、作中では色々と悲惨な目に合う事が多い(おまけ漫画でハブられる・授業で教師のミスを指摘しようとしたらシャーニッドに顎にゴム弾を当てられ気絶・雑誌の特集で一人だけハブられるetc)とあるエピソードで本編では描かれていない制服姿を見る事が出来る。 ナルキ・ゲルニ #レイフォンのクラスメイト参照。 ダルシェナ・シェ・マテルナ #ディンとダルシェナ参照。
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