天剣授受者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:20 UTC 版)
王家に実力を認められ「天剣」を授けられた武芸者。天剣とは、グレンダン王家に秘蔵されている、アイレインの肋骨を基に汚染獣と戦うためだけに造られたあらゆる点において最高の性能を誇る白金錬金鋼のこと。全ての錬金鋼の特徴を兼ね備えており、使用者の望む形に変化することが可能。天剣授受者となった武芸者には、天剣とその称号を示すミドルネーム、様々な特権が与えられる。同時にグレンダンを汚染獣から守る義務を課され、他の武芸者では対処が難しい状況(主に老性体の襲撃)において出動し汚染獣を撃退する。
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天剣授受者
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槍殻都市グレンダンが誇る最強の武芸者にして、「天剣」の称号を持つ者達。皆が並外れた戦闘力を誇り、白金製の錬金鋼とミドルネームを持っている。十二人揃うことに何か意味があるらしいが、十二人目のレイフォン(ヴォルフシュテイン)がガハルドの告発とミンスの謀略によって追放され、さらにドゥリンダナとの戦闘においてデルボネ(キュアンティス)とティグリス(ノイエラン)が死亡。デルボネの後継者としてエルスマウが新たに天剣授受者(キュアンティス)となるが、ティグリスの孫で次期天剣授受者兼ロンスマイア家当主と目されていたクラリーベルがツェルニに出奔してしまったため、ヴォルフシュテインとノイエランの二人が欠けることになる。後にハイアがヴォルフシュテインを、クラリーベルがノイエランをそれぞれ継いだ。女王アルシェイラも含め天剣達はレイフォンが闇試合に出ていた理由を知っているが特に咎めている様子は無く、アルシェイラは民衆の暴動を防ぐため追放を決断したと語っている。レイフォンの義理の姉でルイメイの専属ダイトメカニックであるルシャによると、12個の天剣にはそれぞれ名前が付いているが材質はどれも変わらないので交換しても気付かれないらしい。終盤でのレヴァンティンとの決戦でリヴァース、カウンティア、カルヴァーン、カナリス、ルイメイ、サヴァリスの6人と、まさに半数が戦死。新たに天剣を継いだ3人を除いて、最終的に生き残った物語開始時の天剣授受者はリンテンス、バーメリン、トロイアットの3人だけだった。決戦時の戦死者達の天剣が引き継がれたかどうかの描写はされておらず、唯一、ヴォルフシュテインだけがアルシェイラによって、かつての所持者であったレイフォンの手に戻った。 サヴァリス・クォルラフィン・ルッケンス 声 - 諏訪部順一 初代グレンダン王に仕えた天剣授受者が創始した武芸の名門ルッケンス家から輩出された天剣授受者。ルッケンス門下では初代ルッケンスに次ぐ2人目の天剣授受者で、レイフォンを除けば最年少(13歳)で天剣授受者になった男。長い銀髪を後ろで結び、常に笑顔を浮かべ、通常時・戦闘時を問わずよく喋るが、その強さと技量は天賦のもの。己の強さを高め、戦いを楽しむことにしか興味がない戦闘狂で、弟であるゴルネオのみならず、自身の流派であるルッケンス家を含めたあらゆる事に何の執着も持っていない。ゴルネオ同様、格闘術を主体とする化錬剄の使い手で、この戦い方はルッケンス家の特徴でもある。リーリンの護衛のためにツェルニにも来ており、その時は汚染獣との戦闘と同時にかつての天剣授受者であり、自分と肩を並べる実力を持っているレイフォンに会う(あわよくば戦える)事を楽しみにしていた。 自ら望んでいたレイフォンとの戦いで首を半ば切断されて敗北したが、リンテンスによって一命を取り留める。傷が癒えた後に復帰するも、レヴァンティンとの戦闘で彼女が生み出した分身の巨人との死闘でルッケンス初代が自分と同じく戦闘狂だったことを悟りながら死の瞬間まで勁技を放ちながら戦死した。サヴァリス亡き後、ルッケンス家は弟・ゴルネオが継いだ。 なお、アニメ版では力を渇望するが故に廃貴族を取り込み、その力を持ってレイフォンを圧倒するも、グレンダンから突如飛来した天剣ヴォルフシュテインを手にしたレイフォンに倒された後、天剣を残して行方不明になる(サヴァリスとレイフォンの天剣はリンテンスが回収した)。 リンテンス・サーヴォレイド・ハーデン 声 - 桐井大介 現天剣授受者最強と目される壮年の武芸者。人嫌いで有名で、普段から不機嫌そうな顔つきや口調をしている。日数や時間をわざわざ「秒」で表現するなど、物事を数字で表現する時に大きな数を使うクセがある。初期と現在では喋り方が若干変わっている。自身の技を存分に活かせる環境を求めて故郷の都市を去り、5年間の放浪の月日を経てグレンダンに辿り着いた外来者。着いたばかりの頃にアルシェイラと戦った事があり、一撃で倒されている。天剣授受者でありながらグレンダンでも低所得者層が住むアパートに住み、ソファから動こうとせず指に付けた鋼糸で最低限の事を済まそうとする物ぐさな一面を持っている。極細の錬金鋼の糸「鋼糸(こうし)」の使い手で、無数の鋼糸を同時に操り一本一本が神経のように物を感じることができ、しかもその1本1本に汚染獣を切り裂くのに充分な殺傷力を持たせることができる。 その鋼糸を何故かレイフォンにだけ手解きをしており、レイフォンにとっては鋼糸の師なのだが、手解きをした理由については結局最後まで明かされなかった。 師だけあって鋼糸の技量はレイフォンの遥か上を行き、操る鋼糸の本数は万単位とも億単位とも言われる。かつてディックと共に戦ったことがあるが、深く関わらなかったためかそのことを忘れている。 レヴァンティンとの戦いでは都市内部の防衛に当たっていた為最初はレヴァンティンに挑んでいなかった。レイフォンが到着すると同時に都市内部の掃討を済ませ共にレヴァンティンの迎撃に向かい、最下層においてレイフォンとの連携攻撃で撃破に成功。またその戦いの最中武芸者として住民を守るという信念を見せている。現天剣授受者の数少ない生き残りとなる。 カナリス・エアリフォス・リヴィン 声 - 渡辺明乃 アルシェイラの影武者を務める黒髪、長身の女性武芸者。三王家の亜流である武門リヴァネスの出身者で、幼い頃からアルシェイラの影武者となるべく育てられ、整形手術によってアルシェイラに似た外見をしている。単に影武者を務めるだけでなく、アルシェイラ不在時は執政権も預けられている。アルシェイラに絶対の忠誠を誓っており命を捨てることすら躊躇わない一方、生真面目な性格が災いし、執政権を放り出して上級学校に通い中々戻ってこないアルシェイラに散々手を焼かされ、辟易している。レイピアを扱う武芸者で、現天剣授受者の中でも特に殺剄に長ける。第三部では狼面衆のリーリン暗殺の際にアルシェイラとリンテンスの足止めを行わされた。 レヴァンティンとの決戦で彼女の分身である巨人との死闘の中で光線を受けて戦死。 デルボネ・キュアンティス・ミューラ 声 - 沢田敏子 現天剣授受者唯一の念威繰者。白炎都市メルニスクの出身。日々の大半を病院のベッドで寝て過ごす100歳間近の老女であり、式典などの際にも代理を立てているためレイフォンも直接会ったことは数度しかない。しかし念威の能力は全く衰えておらず、汚染獣が都市に接近した際はそれを感知して目覚める。彼女が天剣授受者になってからの数十年、彼女を越える念威繰者は見つかっておらず、彼女が死ぬまでその地位、役割は揺るがないといわれている。念威端子はチョウの形をしている。数十年前にその絶大な念威から汚染物質の正体に気づき、それを生み出す原因を排除しようとするがナノセルロイド達の妨害により失敗。ディックとリンテンスの協力により脱出には成功するもメルニスクは崩壊し、その後グレンダンに辿り着いた。 ドゥリンダナとの戦いで弱点を探ろうとするもドゥリンダナの生み出した落雷を受けた念威端子のフィードバックが致命傷となり、その長い生涯を閉じる。死ぬ寸前に戦闘データはフェリに、天剣はエルスマウに引き継がれた。 リヴァースとカウンティア 基本的に単独で戦う天剣授受者の中では珍しい、常にコンビで戦う恋人同士の武芸者。あらゆる面で対照的な特徴を持ちながら、それを逆に活かした抜群のコンビネーションで多くの汚染獣を倒している。後にアルシェイラの命によって王位継承者となったリーリンの護衛という重大任務を任されるが、当人たちはそれを認識していないのか、イマイチ真剣みに欠けている。 レヴァンティンの襲撃の際に当番だったことで天剣で最初に迎撃に当たるが、二人の合わせ技である複合勁合技・金剛点破をレヴァンティンに反射され二人とも戦死する。リヴァース・イージナス・エルメン 声 - 四宮豪 身長の低い色白の太った男で、戦いに消極的。交通都市ヨルテムの出身。カウンティアからは「リヴ」と呼ばれている。防御系剄術「金剛剄」の達人で(レイフォン曰く「この技のみで天剣授受者になった」との事)、汚染獣の攻撃を受けても傷1つ負わないほどの鉄壁の防御力を誇る。錬金鋼は盾で、錬金鋼のプレートを多数縫いこんだ防護服を着る、あらゆる点で防御に特化した武芸者だが、剣型の錬金鋼を所持していた時期もある。また、レイフォンにとっては天剣授受者の中で鋼糸の師であるリンテンスを除いて唯一心を開いていた相手であり、レイフォン曰く「彼を殺そうとは考えられないし、考えたら、そんなことを考えた自分自身を嫌悪する」らしい。レイフォンの訓練を自ら見に行くなど、彼とつるんで行動していた時期もあり、これが元でレイフォンは激怒したカウンティアに殺されかけた。ロストエピソードではリーリンと喧嘩して悩むレイフォンの気持ちを察して相談に乗っており、面倒見の良い一面も見せている。第三部ではカウンティアと共にリーリンの護衛の任務に付く。 なお、恋人であるカウンティアの額の傷は、初めて彼女と出会った際、極度のトランス状態から戻すためにリヴァースがつけたもので、二人はこれがきっかけで恋人同士となった。 カウンティア・ヴァルモン・ファーネス 声 - 藤村歩 外来者。長身、色黒のスレンダーな女性で、短気かつ好戦的な性格。リヴァースからは「ティア」と呼ばれている。大刀を用いた超攻撃的な技の使い手で、動き易さを極限まで重視した耐久力の低い防護服を着る。加えて超攻撃的な技を放つため、10回以上技を放つと防護服が完全に破れてしまう。また、怒ると無意識の内に剄が暴走してしまう。 以前、レイフォンが天剣授受者だった頃、“リヴァースが自分をほったらかしてレイフォンとリンテンスの訓練を見ていた”という理由だけで激怒した挙句にレイフォンを殺しかけた事があり、その猛烈な嫉妬深さは厄介極まりない(レイフォンもこの一件以来、カウンティアに対していい感情を持たなくなった)。女性とは普通に会話を行えるが、その反面リヴァース以外の男性から話しかけられたら冷淡な態度を取る。第三部ではリヴァースと共にリーリンの護衛の任務に付く。 額と胸に刃物で切られたような切り傷があるが、額の傷はリヴァースと初めて出会ったときに彼に付けられたもの。 ティグリス・ノイエラン・ロンスマイア グレンダンの三王家の1つ、ロンスマイア家の現当主。齢80を数える老人で、現天剣授受者の中ではデルボネに次ぐ年長者。アルシェイラとクラリーベルの祖父でもあり、アルシェイラからはティグ爺と呼ばれている。長弓の使い手。子沢山らしい。 14巻で勝手に持ち場を離れたバーメリンを庇い、大量の汚染獣弾の直撃を受け死亡。 孫であり、ロンスマイア家の後継者だったクラリーベルが勝手にグレンダンを出奔したため、息子の一人であるテリオスという人物がロンスマイア家当主となり、天剣は最終的にクラリーベルが継いだ。 カルヴァーン・ゲオルディウス・ミッドノット 声 - 上田燿司 現在グレンダンで最も栄えている武門「ミッドノット」の創始者。幅広の長剣を扱う50代の武芸者。苦労性な性格であると保守的な性格で、外の都市から来た外来者や若年層が天剣授受者の多くを占める昨今の状況に懸念を抱いている。半物質化した剄を纏い、攻撃を受け止めつつ相手にダメージを与える「刃鎧」を得意とする。その苦労性故に嘗てミンスが計画した女王暗殺計画に乗った事があり、女王を暗殺しようと他の天剣授受者と挑むもアッサリと返り討ちにあった過去を持つ。 レヴァンティンの襲撃の際、リヴァースとカウンティアが敗死した後に迎撃体制を整える時間稼ぎのためにレヴァンティンに挑む。二人が敗れたこともあり油断なく全力で挑みレヴァンティンを勁技で閉じ込め攻撃を続けるが、彼女の分体の攻撃により止むなく技を解除したところに繰り出された貫手への迎撃が間に合わず喉を裂かれ、戦死。 バーメリン・スワッティス・ノルネ 声 - 伊瀬茉莉也 陰気で短気、その上非常に身勝手な性格で非常に口が悪い女性天剣授受者。奇抜過ぎる化粧の趣味も相俟って非常に肌が白く、不健康そうな顔をしておりリンテンスによると匂いのキツい香水を付けている模様。長大な砲身を持つ銃の天剣と通常の錬金鋼で作られた多数の銃を状況に応じて使い分ける。気の短い性格であり幾ら撃っても消えない大量の汚染獣弾に対して、遂にキレて自分の持ち場を勝手に放棄した事でティグリスを死なせた(ただし他の天剣授受者もバーメリンがキレなかったら自分がキレていたと認めている)。しかも、かなりの潔癖症であり、女王の命令で下水道に潜った際には匂いが取れなくなったため延々と匂いが強い花を浮かべた風呂に入っていた。身に付けている鎖は剄を込めると形状が変化する特殊な銃弾であり、かなりの重量を持つ。天剣スワッティスは銃と言うよりも大型のバズーカ砲であり、実弾と剄弾の両方を発射する。 元々は「戦うのがめんどくさい」という理由で試合にも戦場にも全く出たことがなかったのだが、たまたま出会ったアルシェイラに自分の趣味を笑われた事に怒って暗殺計画に参加して決行。初の実戦にしてカナリスと互角に渡り合う実力を持っていた。両親は武芸者だが「あれからなんでバーメリンが生まれたかわからない」と言われるほど実力・性格共に普通であるらしい。 トロイアット・ギャバネスト・フィランディン 声 - 近藤隆 化錬剄の扱いに長けた天剣授受者。女好きで金遣いが荒い。杖使い。攻撃するとき、攻撃の名前は毎回変わる。 本編ではそれほど目立った活躍は描かれていないが、クラリーベルの師匠である。また、飄々とした風貌でありながら、リンテンスと会話できる数少ない人物。 ルイメイ・ガーラント・メックリング 力任せの戦いを好み、錬金鋼も鉄球という大男の天剣授受者。豪快で、偉そうとよく人に言われ、他人に嫌悪の感情を見せないレイフォンがあからさまに嫌っている数少ない人物。カウンティアと同様、もしくはそれ以上に破壊に特化した武芸者で、本気で暴れると都市そのものを破壊しかねないという理由から、都市戦には一度も参加したことが無い(と言うよりは都市戦に参加出来ない)。妻帯者であるがその妻との間に子は無く、レイフォンと同じ孤児院にいたルシャという妾の間にマルクートという息子がいる。しかしルシャも妾になった時から既に子宮の病気を患っており、マルクートの出産と同時に子宮を摘出する羽目になった経緯がある。レイフォンがルイメイの事を嫌っているのはこれが理由である。ルイメイ自身は妻もルシャも愛していると語っている。ルシャはルイメイ専属のダイトメカニックも務めている。 時間に正確で、毎朝決まった時刻に自宅の庭で修練する習慣があり、その際に発せられる轟音はグレンダンの人々の目覚まし代わりとなっている。 レヴァンティンとの決戦で彼女の分体である巨人の頭部を消し飛ばすも、直後に反撃を食らい戦死。
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