市街安全保障局(市立戦隊ダイテンジン)関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 15:54 UTC 版)
「エクセル・サーガ」の記事における「市街安全保障局(市立戦隊ダイテンジン)関係者」の解説
市街安全保障局とは、蒲腐博士が設立した市役所の部署である。表向きは市街の安全を守ることが仕事となっているが、実際は博士の個人的な理由付けによる命令からの活動が多い。設立理由も不明確で、市長(博士)直属の直轄部署となっており自主退職はおろか「死ぬ権利」すらない。役所の地下には巨大な基地を持ち、市長の招集があると、基地に集合する。局員(職員)には備品として、四王寺五条が開発した、強化服やレーザー銃、レーザーウィップ(鞭)などの戦闘装備、それらを転送できるピンバッジ型のアイテムが配布されており、終盤にはライフル型のレーザー銃や、バズーカまで使用している。地下基地の格納庫には、巨大合体ロボットも配備されていたが、こちらは実戦に使われることはなかった。また、戦闘装備投入初期の頃には装備の転送は1回につき2,000万円以上の費用がかかっていた。なお、「市立戦隊ダイテンジン」という名称は元ネタとなった同人作品からの出典であるが、本作では「ダイテンジン」という名称は使用されていない(強化服のマスクなどに刻印されていた事はある)。なお彼らは全員、古代文明人の末裔である蒲腐博士の血縁者であり、大学を卒業して間もない、ほぼ同年代の若者たちである。 渡辺 通(わたなべ とおる) 声 - 置鮎龍太郎 市街安全保障局に勤める若者。第一話から登場している。基本的に真面目で常識人かつ小心者だが、純粋すぎるため激しい妄想に囚われる機会も多い。作中では周囲にいいようにいじりまわされ、しばしば暴走している。 住吉とは保障局に来る前からの付き合いらしく連載初期は2人でよく行動していた。岩田とはケンカしつつ気配りを見せており、彼が死ぬと判った時は号泣しながら叫ぶと言った友情に篤い一面も持つ。実家は飲食店を経営。 実家は商店を営んでおり妹がいる。没原稿となったが妹が訪ねてくるエピソードも用意されていた。作者の同人誌でこの話は読むことができる。 隣に住む綾杉(ハイアットの偽名)に一目惚れしてしまい、何度も声をかけるが、押しが足りず長い期間相手にされなかった(名前もなかなか覚えてもらえない上、間違えて呼ばれる事もあった)。大金紛失事件の際には私財を擲って借金塗れになりながら彼女を支援した事もある。後にアクシデントによって記憶喪失となった綾杉千早と一時同棲する。彼女のために無理な金策をし続けた後に、プロポーズをし、その際にキスまでしている。 しかし、その直後にイルパラッツォに彼女を奪取され人格崩壊する。その際に博士に洗脳されたらしく、一時期は鬼畜系ギャルゲーを愛好し、邪悪な思考をする歪んだキャラと化した。 偶然遭遇した六本松一式(エクセルver.)との戦闘を経た後は洗脳も解け、以前の性格に戻ったものの、後遺症で鬼畜系ギャルゲーからは足を洗えていない。 比較的地味なキャラながら劇中での人気は高かったらしく、メインで単行本の表紙に描かれた数少ない男性キャラである。また作者も自身の同人誌で漫画家仲間から「渡辺を幸せにしてやってくれ!」と懇願されたエピソードを明かしている。 岩田 紀國(いわた のりくに) 声 - 森久保祥太郎 市街安全保障局に勤める若者。バカで能天気な性格。雰囲気を無視して直情的に露骨な行動を取るなど、他人の配慮を台無しにする人で、ほぼ日常的に暴走状態である。 健康診断で大腸に癌が見つかり、まもなく死亡。発見時にはすでに手の施しようのないほど進行しており医者も(わざと)さじを投げていた。だが、「脳生き状態(脳以外は死んでいる)」だったため、数日後に四王寺の手でサイボーグとなって復活。当初は自分用のボディが仕上がるまで六本松一式のボディを使用していた。専用のボディはスペック上一式と二式の中間程度。スーツを用いた変身時は首から下がより戦闘向けの物に換装される。死亡したことにより戸籍は消滅し、対外的には「三越 紀国(みつこし のりくに)」と名乗る。基本的人権もなく、市街安全保障局の備品扱いとなっている。 普段は昼間は保障局、夜はメンテナンスと充電のために、四王寺五条の研究所を往復する日々を過ごしている。 前述の理由から、有事の際には真っ先に投入されるが、生来の性格も相まって状況を悪化させたり、自身が大破して研究所に運び込まれることも多く、装備転送の際の指定条件を無視したり、大食いメニューに挑戦して胃袋が破裂するなど「あまりに馬鹿馬鹿しいトラブル」が頻発し、四王寺を辟易させている。 五感の内「視覚」と「聴覚」以外は無いのと同じというサイバネティックボディのスペック不足から来る「現実感の喪失」がかなり危険なレベルにまで進行していたが、正体不明の「何か」のアクセスを受けた際に調整を受けて大幅にスペックアップ、五感を取り戻し意識レベルも回復したと思われたが、本人も驚愕するほどに認識能力などが向上している。渡辺いわく「主人公(ヒーロー)状態」で、六本松一式のボディを乗っ取ったエクセルを圧倒する能力を見せる。この頃から、前述のような奇行はなりを潜め、比較的冷静で常識的な発言や行動を行うようになっていく。 終盤、美咲を助けて死亡したと思われたが、実はサイボーグボディは岩田が遠隔操作していた物だということが判明。ほぼ同時に肉体は四王寺によって蘇生され、人間に戻る事が出来た。その際、美咲にキスされながらも叩きのめされている。蘇生こそしたもののずっと寝たきりの状態であった為、リハビリには苦労した。 六本松二式を「ロボ子」と呼んで毛嫌いするが、六本松一式は丁重に扱う「偏ったフェミニスト」(どちらも中枢部分は同一)。 美咲とは大学時代同じゼミに所属し、惚れて猛アタックをかけ続けるものの冷徹にあしらわれている(アタックの仕方が明後日の方向に見当違いなせいでもある)。 実家は医学系大組織「岩田総合医療協会(IMA)」だが、幼少の頃に奇行が過ぎたために疎外されている。 原作では1巻のMISSION7にて渡辺達と正式に交流が始まるが(それまでは「同じアパートの住人」程度の間柄だった)、アニメ版では当初から渡辺達とは友人関係である。 住吉 大丸(すみよし だいまる) 声 - なし 市街安全保障局に勤める若者。パソコンと美少女ゲームに造詣が深い。 吹き出しのない字幕調の独特なしゃべり方をし、アニメ版でもそれは引き継がれた(字体は原作とアニメ版で異なる)。四王寺と同志として仲が良い。また美咲とは対戦型格闘ゲーム友達である。 仲の良い両親と歳の離れた妹・かなるを持つ。岩田のイメージでは一族全員がそっくりな顔というものであったが、実際は妹と父親は普通の顔をしており、住吉には全く似ていない。しかし字幕調のしゃべり方は同様で、口調も同じ。母親だけは住吉にそっくりだが、逆にしゃべり方は普通である。 常識的なものの考え方で非常識な周囲を突き放しているが、あまり自己主張をしないため、結局なしくずし的に状況に巻き込まれている。 放っておいても自分の道を進んでいるマイペースタイプ。自分の部屋ではなく、ほとんど渡辺の部屋か屋外で食事を採っている(調理を行うとパソコンに悪影響があるため)。 松屋 美咲(まつや みさき) 声 - 今井由香 市街安全保障局に勤める紅一点。クールな性格で、そのため周囲から距離を置かれることも多い。対戦型格闘ゲームに造詣が深い。 岩田とは大学時代同じゼミに所属し、人付き合いが苦手な自分と周囲の壁を崩してくれた岩田には素直になれず複雑な感情を抱いている。時おり岩田にアクセスしてくる「何者」かによると彼の「大切な誰か」によく似ているらしい。 両親と弟がいる。 卓越した行動力を持っており(とある際に、国外脱出を試みるために1日も待たず偽造パスポートを準備したりできるほど)、目を離したすきに与えられた仕事をソツなくこなし、ついでに自分の用事も済ませている。 そのほか驚異的な洞察力を持っていたり、なぜか戦闘慣れしていたり(ヨーロッパを放浪した時期がある)する。 真顔でとんでもないことを口走るなど、微妙に台無しな行動をごくまれにやる。また、渡辺達がトラブルに巻き込まれても自分だけは運良く回避する事が多く、内心「自分の悪運が怖い」と思う程。 当初は常にマイペースで、他者に対しても極めて冷淡であったが、徐々にペースを崩される場面も見受けられるようになり、雪山で遭難した際に弱気になって岩田に胸の内を打ち明けたり、それを一部始終聞いていた四王寺に声を荒らげて激怒すると言った年相応の一面も見せるようになった。 岩田・渡辺・住吉・松屋の4人とエクセル・ハイアット・エルガーラは同じアパートに住んでいるが、元々蒲腐博士を監視するため1か所に集まっていた4人にエクセルが紛れ込んだためである。 アパートが火事で全焼した後も、全員同じマンションに移って暮らしている。 終盤、岩田が自分を助けて死亡したと思われ、直後に彼の生存が明らかになった際は、彼を叩きのめしながらも号泣するなど、自分でも混乱するほど狼狽していた。 アニメ版では「岩田と旧知の間柄」という設定は無く、研修の際に知り合っている。 作中での人気は高かったらしく、作者が自身の同人誌で「出番が少ないわりによく描いてくれとせがまれた」と語っている。 蒲腐博士(かばぷはかせ) 声 - 大友龍三郎 独特の髪型とヒゲを持つ、自称「超古代文明ソラリアの生き残り」。政財界に大きな影響力を持っており、オーバーテクノロジーにも通じている。 局員に博士と呼ばせたり、自己紹介や秘書の様式美にこだわるなど、独特の感性で動いている。 夜は眠らない(そのため、夜間は朝までの時間潰しが悩み)・数十年程度では容姿が変わらないなどの謎の一面を持っている。イルパラッツォとは古い友であるが、今は敵対している。全ての騒動が収束した後、ようやく眠る事が出来た。 彼が創設した市街安全保障局は、実は隠れみのにすぎない。その実態は、蒲腐博士がアクロスの市街征服に対抗するために事情を隠して若者を集めて結成させた、自称「正義の戦隊」である。 長らくまともな活動を行わず、局員には書類の清書や検算など、やりがいのない仕事ばかりあてがっていた。その後、ようやく正義の味方としての活動の場を得ても、自滅的な展開により撤退ばかりしていた。 加えて、蒲腐博士提供の安全装置など微塵も考慮されていない危険な武器のせいで、市民からは悪の権化扱いされている。また蒲腐博士のエキセントリックな行動は、しばしば同組織を混乱させ、周囲に大迷惑を誘発させている。 一度はイルパラッツオの画策によって失脚する。保障局もかなり縮小され、この時期は庶務課の下請けのような仕事をしており、あてがわれたプレハブで尾羽打ち枯らしたあり様だった。資産凍結の解除によって復活した後、イルパラッツオと市長選を繰り広げて見事当選、名実ともにF市の支配者となる。 百道秘書(ももちひしょ) 声 - 中西裕美子 蒲腐の秘書を務める。下の名前は不明。保障局メンバーの中では唯一人、蒲腐の体をいたわるなど、色々と謎の多い女性。 普段はあまり目立たず秘書の仕事をこなし、美咲たちには万能かつ有能な仕事ぶりから信頼されているが、蒲腐の無茶振りに際して彼女の一言「何とかなります(彼女が「できる」と言った以上、実現は可能なため)」がトドメとなる事も多い。 壊滅危機にあった市街安全保障局をほぼ1人で取り仕切り、再び立て直す。これは、ダミーを含めて資産を分割・凍結していた。当局からの追求が早すぎて資産を解凍する手段が無かったが私物に紛れ込んでいた金塊を使って資産を復活させた。 普段は沈着冷静な物腰を崩さないが、時折ツボを突くアクシデントなどの際には気を緩めることもある。 四王寺 五条(しおうじ ごじょう) 声 - 井上和彦 六本松の生みの親である天才科学者。蒲腐博士との個人的な関係で、六本松開発などの仕事を請け負っている。 父の天満宮は五条をしのぐ天才科学者だったが、現在は行方不明である。夫の失踪後、性格が下劣になった母親に過剰な愛情を押しつけられて育ち、反動でロリコンとなった。 従姉妹の連歌屋宇美(れんがや うみ)を助手としている。初めて出会ったとき、彼女に何事か感銘を受けた様子だったが、時が経つにつれ彼女も成長し、苦手とする母に巨乳という嫌なところが似てしまったため、敬遠している。ただし心底嫌っているわけではない。 研究所近くの公園で、女児たちが遊んでいる姿を眺めるのが趣味で、気に入った少女たちの映像記録を膨大にファイリングしており、住吉とは互いに所有している映像記録を、たびたびやりとりする姿が作中で描かれている。 行方不明の父には、科学者として遠く及ばないと自覚しているが、母親の美和に関しては現在の知識は認めつつ、普通の女性だった20年前より急激に変化した事を訝しんでおり、自分を超えるのは父のみ、この世で2番めの天才を自称する等、その正体に薄々感づいていた節が見られる。、極めて高度な技術・存在に出くわした際の表情は父親似らしい(蒲腐・談)。 六本松(ろっぽんまつ) 声 - 雪乃五月 死亡した「(配属以前から入院加療中だった)五人目のメンバー」に代わって市街安全保障局に配備されたアンドロイド。開発者は四王寺五条。中枢となるコアは1つだが、搭載される機体によって一式と二式に分かれる。 目的によって機体を入れ替えて運用がなされるはずだが、しばしば逆の状態で無理やり運用されるため、しょっちゅう壊れている。 壊れても大して周囲からは心配されておらず、修理を押し付けられる五条の悩みの種となっている。 実際には核(コア)と呼ばれるパーツとその周辺機器、基本設計を行ったのは五条の父「四王寺天満宮(しおうじ てんまんぐう)」で五条自身も最も重要な中枢部分にはほとんど手が出せない。 中枢部分が共通しているために、岩田がリンクして動かしたことが何度かあったが(一式に一回、二式に二回)その際には岩田自身のバイタルコンディションが極端に低下した。一式(いちしき) 成人女性の姿で、オールインワンタイプの万能型(蒲腐博士の要求)。そのため機体重量は数百キロにおよぶ上、機能制御に容量が割かれているために情動には乏しい(不可能ではないが、感情表現に容量を割くとバランス制御もおろそかになる)。 大幅なVer.UP後にイルパラッツォに連れ去られ、外装をエクセルの姿に改装しILL社長を務める。紆余曲折を経てエクセルが支配下に置いたり、ボディを乗っ取ったりした(美和博士によると「根性」でこの状態を維持していた)が、四王寺の二式(二体目)に撃破・回収されるが中枢であるコア部分に深刻な損傷が生じている。 予備フレームから構築された一式LE(リミテッドエディション)も製作されたが、「命令を聞く」以上の知能は無く、対人リアクションも「照れ(博士のオーダー)」のみと極めて限定的。 アニメでは感情の起伏に乏しいながらも、一キャラとして独立している。 二式(にしき) 五条の趣味性が如実に反映された幼女タイプ。機能を絞って軽量化されており、表情豊かで性格も明るい。コアが一式ごと奪われたため、長らくお蔵入り状態だったが、ボディ自体のシステムは同一なために岩田が憑依する現象も起きたりした。四王寺がもっとも力を入れている機体で自分の技術のみで組み上げた機体も存在する。区別の方法は頭部センサーの形状で、初期型は三角、新機体は丸型。ただし機能の低下は否めず、一式回収の際に全損。初期型は美和博士に奪われた末、エクセルに撃破された。 最終話にて、四王寺によって以前の記憶も保持して再生された機体が住吉に譲渡された。 アニメでは一式とは別個の存在で、それぞれ独立稼働している。 二式PIECE 手持ちの六本松全てを失った四王寺が投入した監視用の機体で「手のひらサイズの人形型」。見た目にたがわず、戦闘力は無いに等しい。
※この「市街安全保障局(市立戦隊ダイテンジン)関係者」の解説は、「エクセル・サーガ」の解説の一部です。
「市街安全保障局(市立戦隊ダイテンジン)関係者」を含む「エクセル・サーガ」の記事については、「エクセル・サーガ」の概要を参照ください。
- 市街安全保障局関係者のページへのリンク