分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/09 09:18 UTC 版)
ひだを備えたハラタケ型(agaricoid)の子実体を形成するものではあるが、系統分類学上ではイグチ目(Boletales)に属する。子実体に、イグチ属やヌメリイグチ属の菌と共通する化学成分を含有していることも、この位置づけの根拠の一つとなっている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「オウギタケ科」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「オウギタケ科」の記事については、「オウギタケ科」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/06 09:43 UTC 版)
単純な球塊状の子実体を形成することから、古くは腹菌類の一種として扱われてきたが、マツ属の樹木に限って外生菌根を形成することや、胞子の所見・子実体が含有する色素成分などが共通することに加え、分子系統学的解析の結果に基づき、現在ではヌメリイグチ属に類縁関係を持つとして、イグチ目のヌメリイグチ亜目に置かれている。外生菌根の形態も、ヌメリイグチ属の種類のそれとよく似ている。 和名がやや似ているセイヨウショウロ(Tuber spp.)は子嚢菌門に属するもので、ショウロとの間の類縁関係は非常に薄い。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「ショウロ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「ショウロ」の記事については、「ショウロ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 03:46 UTC 版)
タイプ種はLentinula boryana (= L. cubensis) で、熱帯から亜熱帯を中心に分布するものとされている。 樹上生の生態や、強靭で腐りにくく、いったん乾燥しても吸水すれば再び原形に復する子実体の質とともに、非アミロイド性の胞子を有することから、ながらく マツオウジ属(Lentinus)の異名として扱われていた。しかし、子実体の組織が単純な一菌糸型であり、生態的には木材の白色腐朽を起こす(マツオウジ属においては、子実体は厚壁でかすがい連結を持たない菌糸を多数含んだ二菌糸型の組織構造を持ち、生態的には木材の褐色腐朽を起こす)ことなどを根拠としてマツオウジ属から分離され、独立した属として認められた。 科レベルの分類については、古くは広義のハラタケ科(ひだを有するきのこ全般を包含する)に置かれていたが、後にキシメジ科に移された。さらにマツオウジ属に併合されたままヒラタケ科に置かれたが、線虫捕捉能を持たないことから再び除外された。今日では、分子系統的解析結果をもとにホウライタケ科 (Marasimiaceae)の一員として扱われ、狭義のモリノカレバタケ属(Gymnopus )やアカアザタケ属(Rhodocollybia)などと類縁関係を持つと考えられている。ちなみに、かつてシイタケが所属していたマツオウジ属は、現在サルノコシカケ科に移されている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「シイタケ属」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「シイタケ属」の記事については、「シイタケ属」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/01 02:22 UTC 版)
1898年、北アメリカのメイン州で初めて採集され、アンズタケ属(Cantharellus)の一新種として記載され、そのタイプ標本は、ニューヨーク州植物園に収蔵されている。 アンズタケ属に所属させることに疑念を抱き、新属を設けるべきではないかと考える研究者もあった が、その後、再度の採集記録は長きにわたって皆無であった。 のちに、カラスタケを基準種として新属Polyozellusが提唱された が、その後のカナダ(ケベック州、1935年9月8日および1936年7月31日)からの再発見に関するレポート 上でも、なおアンズタケ属の所属種として扱われていた。さらにワイオミングおよびコロラドにまたがるロッキー山脈の山中や、ワシントンおよびオレゴンにかけてのカスケード山脈での観察結果に基づき、Cantharellus clavatus(ラッパタケ)の単なる異常型とみなす説が提言された り、あるいは北アメリカ(コロラド州、1936年夏)からの採集報告 に伴って クロラッパタケ属(Craterellus)に置く意見も出されたりした。 1947年の時点でも、アンズタケ属を、カラスタケのみを含む新節(Polyozellus)を含め五つの節 (Sectio) に分けるにとどまっていた。 その後、胞子が明らかにいぼにおおわれて金平糖状をなす点や、子実体に特殊な色素を含有する点 を根拠として、独立した一属として認められる とともに、さらにイボタケ科 (Thelephoraceae) に転属されることとなり、その科内に新たに設立されたカラスタケ連(Tribe Polyozelleae Imazeki)に分類された。前後して、カラスタケをイボタケ科の基準属であるイボタケ属(Thelephora)に置く見解もおおやけにされた が、イボタケ属の菌では子実体が強靭な革質で、乾いてももろい炭質とはならない点が重視され、現代ではカラスタケ属を独立させるのがほぼ定説となっている。 日本では、1920年9月5日に霧島山で採集されたのが最初 である。この標本は初めは子嚢菌と誤られ、Phyllocarbon Yasudai Lloydという新属新種として発表された が、この学名は、現在ではカラスタケの異名として扱われている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「カラスタケ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「カラスタケ」の記事については、「カラスタケ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:25 UTC 版)
ザラメタケ属の一種(Resinomycena acadiensis) スズメタケ(Dictyopanus pusillus) ワサビタケ(Panellus stipticus) クヌギタケ(Mycena galericulata) クヌギタケ属の一種(Mycena rutilanthiformis) クヌギタケ属の一種(Mycena clavicularis) ワサビタケ属の他の種 (Panellus spp.) および アカヤマタケ属の一種(Hygrocybe citrinopallida) リボソームDNA を対象とした分子系統解析結果に基づくワサビタケおよびその類縁種群の関係 種としては古くから知られており、18世紀後半にはすでにAgaricus stypticus の学名が与えられていた。当時は、ひだを有するきのこはすべてAgaricus属に含められていたが、後にその細分化がなされ、多数の新しい属が提案されるにつれて、ワサビタケもさまざまな属へと移されてきた。19世紀後半に及び、本種をタイプ種とするワサビタケ属が設立され、20世紀を迎えてからはさらにキシメジ科(Tricholomataceae)に所属させられることになったが、その理由は「子実体がひだを有し、胞子が無色(胞子紋が白色)で、枯れ木や枯れ枝を腐朽させる性質がある」という程度のあいまいなものであった。当時のキシメジ科の定義については「千差万別の種類を含み、ほかの科におさまらないものを一括したかのような印象を受ける。おそらく、将来は別の科に移されるものも多いと考えられる」という評があったが、ワサビタケ属も最近の分子系統学的分類体系の構築によってクヌギタケ属(Mycena)に近い位置にあること・キシメジ科のタイプ属であるキシメジ属とは直接の類縁関係がないことなどが明らかになり、科レベルでの所属も移されることとなった。また、ワサビタケ属に置かれてきたほかの種との類縁も、形態学・生態学的所見から推定されていたほどには近くはないことも明らかになっている。 ワサビタケ属の内容も分子系統学上のデータに基づいて改変され、子実層托が管孔状をなすことで従来は別属とされていたズズメタケ属(Dictyopanus)が、ワサビタケ属に包含されることとなった。スズメタケ属が設立されたのは1900年 であり、いっぽうでワサビタケ属の設立は1879年のことであるため、国際藻類・菌類・植物命名規約上の先取権を有する後者の属名が存続している。ちなみに、もとスズメタケ属の所属種とされていた菌の中にも、いくつかの発光きのこが含まれるが、分子系統学的解析の結果から推定される類縁関係もまた近いとされている。 なお、所属する科の名称としては、Mycenaceae(クヌギタケ科)を適用する説.と Favolaschiaceae(ラッシタケ科)を採用する説とがある。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「ワサビタケ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「ワサビタケ」の記事については、「ワサビタケ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 22:54 UTC 版)
俗に、赤~赤褐色系の休色をもつアカコ(「アカナマコ」・トラコ:以下、「アカ型」と記す)・青緑色を基調とするアオコ(「アオナマコ」:以下、「アオ型」と記す)・黒色の体色を呈するクロコ(「クロナマコ」:以下、「クロ型」と記す)と呼ばれる三つのタイプが区別され、「アカ」型は外洋性の岩礁や磯帯に生息し、一方で「アオ」型と「クロ」型とは、内湾性の砂泥底に棲むとされていた。 これらの三型については、骨片の形質の相違をも根拠として Stichopus japonicus 以外に S. armata という別種を設ける見解 もあり、あるいは S. japonicus var. typicus なる変種が記載 されたり、S. armatus および S. roseus という二種に区別する意見 も提出されたが、「生息場所の相違と成長段階の違いとによって生じた、同一種内での体色の変異(変種?)であり、異なる色彩は保護色の役割を果たしている」として S. japonicus に統一されて 以来、これを踏襲する形で、体色の異なる三つの型は Apostichopus japonicus (=Stichopus japonicus)の色彩変異とみなす考えが採用され、日本周辺海域に生息する「マナマコ」は唯一種であるとされていた。また、シトクロムcオキシダーゼサブユニット1および16S rRNAの解析結果から、これら三型を同一種の変異と結論づける見解が再び提出されている。 しかし、「アカ」型は、薄桃色または淡赤褐色を地色とし、体背部は赤褐色または暗赤褐色の模様がまだらに配色されており、体腹部は例外なく赤色を呈する。一方で、「アオ」型は一般に暗青緑色を呈しているが、淡青緑色が優るものから黄茶褐色~暗茶褐色の変化がみられ、体腹部も体背部と同様な色調をとる。また「クロ」型は、全身黒色を呈し体色の変異は認め難いとされている。2年間にわたる飼育結果では、相互の型の間に体色の移行は起こらなかったとの観察例もある。アイソザイムマーカーを用いた集団遺伝学的な検討結果をもとに、マナマコとされている種類は、「アカ」型と「アオ型・クロ型」の体色で区別される、遺伝的に異なった二つの集団から形成されているとの報告もなされている。さらに外部形態および骨片の形態による分類学的再検討の結果から、狭義のマナマコは「アオ型・クロ型」群であると定義されるとともにApostichopus armata の学名が当てられた。一方で「アカ」群には A. japonicus の学名が適用され、新たにアカナマコの和名が提唱された。 mtDNAのマイクロサテライト解析の結果からは、「アカ」型・「アオ」型・「クロ」型の三型は少なくとも単系統ではない とされ、中国および韓国産のマナマコを用いた解析でも、「アカ」型と「アオ」型とは独立した分類群とみなすべきであるとの結果 が報じられている。 「アオ」型や「クロ型」と比較して、「アカ」型は海水中の塩分濃度の変化や高水温に対する抵抗性が弱い とされ、広島県下においても、アカナマコの産額が多いところは音戸町や豊島のような陸水の影響がほとんどないと思われる場所に限られている など、生理・生態の面でも相違が認められている。 環状水管に附着している1個(まれに2個)のポーリ嚢の形態(一般に、「アカ」型では細長くて先端が突出しており、鈍円状を呈するものは少ないのに対し、「アオ」型のポーリ嚢の形態は太くて短かく、先端が鈍円状をなすものが多い)も、解剖学上の数少ない相違点のひとつになるとされている。また、「アカ」型・「アオ」型の間には、触手の棒状体骨片と体背部の櫓状体骨片においても若干の形態的相違点が認められる。 すなわち、「アカ」型においては触手の棒状体の骨片形態が複雑化し、これをさらに二つの型(骨片周囲に顕著な枝状突起をもち、細かい刺状突起を欠くタイプと、枝状突起とともに細かい刺状突起が骨片全体に密生しているタイプ)とに分けることができ、体壁の櫓状骨片の底部はほぼ円形で、縁部が幅広く、孔は不定形で角のない形状を呈し、4-2本の柱からなる塔をもつ のに対し、「アオ」型の触手の棒状体骨片は全体的に形態が単純で、骨片周囲には小さい枝状突起が散在し、さらに骨片の両端部に限って細かい刺状突起をもっており、いっぽう体壁の櫓状骨片の底部の外形は不定形で、角部は突出し角張り、縁部の幅は狭く、孔はほぼ円形を呈し、4-2本の柱からなる塔をもつ。 このほか、成熟卵の表面におけるゼラチン質の被膜(gelatinous coating)の有無も、両者を区別する根拠の一つであるとされている(後述)。 体表面がほぼ全体的に白色を呈する個体がまれに見出され、一般にはアルビノである とみなされている。 中国の膠州湾で得られた白色個体について、相補的DNAの遺伝子オントロジー解析を試みた結果 によれば、白色個体では、生体調節遺伝子や色素の合成・沈着を司る遺伝子に多くの欠落が生じているという。 また、チロシンの代謝や分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPキナーゼ)経路を司りメラニンの生合成に関与する遺伝子として14個が特定されたが、白色個体では、線維芽細胞増殖因子4(FGFR 4)やプロテインキナーゼA およびプロテインキナーゼCあるいはRas遺伝子などの表現活性は著しく小さい一方で、ホモゲンチジン酸-1,2-ジオキシゲナーゼやCREB、あるいは転写因子AP-1およびカルモジュリンなどの表現活性は顕著に亢進していたとされ、これらの遺伝子群の活性の大小が、マナマコの体色の発現に大きく影響していると推定されている。 属レベルの所属としては、新種として記載されて以来、伝統的にシカクナマコ属(Stichopus:タイプ種はシカクナマコS. chloronotus)に置かれてきたが、タイプ種との触手や骨片の形態的な差異 や、体内に含まれるサポニン配糖体の構造の違い を根拠として、新たにマナマコ属(Apostichopus)が設立された。マナマコ属は、設立当初にはマナマコのみを含む単型属 であった。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「マナマコ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「マナマコ」の記事については、「マナマコ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 01:28 UTC 版)
石川県金沢市の第四高等学校教授であった市村塘(つつみ)により、新種記載がなされた。なお、新種記載に際して用いられた標本について、原記載には「石川県輪島市門前町剱地周辺の竹林の地上で採取されたものである(ad terram in silvis Bambusarum, Tsurugiji, Noto, Japonia.)」と記述されているが、採取年月日については記されておらず、タイプ標本としての指定もなされていない。さらに標本の収蔵機関などについても記述がなく、原記載に用いられた標本は、現時点では所在が不明となっている。また、Clitocybe amblicata (Schaeff.) Quél.との異同について疑問を呈する研究者もある。 かさの裏面がひだ状であること、ひだが柄に対して垂生し子実体の側面観が多少とも逆三角形を呈すること、胞子が無色(胞子紋が白色)でありヨウ素溶液で呈色しない(非アミロイド性である)こと、ひだなどの組織には顕著なシスチジアを欠くこと、かさの表皮がゼラチン化しないことなどの形質は、旧来の形質分類学上におけるカヤタケ属(Clitocybe)の定義にほぼ合致するため、菌学者の間では長きにわたりClitocybe acromelalgaの学名が使用されてきた。 なお、ドクササコをNeoclitocybe属(タイプ種はN. byssiseda (Berk.) Sing.)に置く意見もあった。Neoclitocybeは、原記載によれば、柄の基部に厚い綿毛状の菌糸マットを備えること、およびかさの表皮層の構成菌糸が多数の短い側枝を生じて魚の骨状をなす(ラメアレス構造 Rameales-structureと称される)ことによって定義づけられており、原記載の段階ではタイプ種を含め9種が所属させられていた。のちにその定義は多少の修正・補足が加えられるとともに、計18種が分類されることとなったが、ドクササコのかさの表皮層の構造はNeoclitocybe属の定義とは異なっており、これをNeoclitocybeに包含して扱うことに賛同する研究者は少なかった。 近年の分子系統的な観点からの再検討により、形質的所見に基づいた旧来のカヤタケ属は解体され、ホテイシメジ属(Ampulloclitocybe)・カヤタケ属(Infundibulicybe)およびハイイロシメジ属(Clitocybe)の三つの属に再編成された。この時点では、供試材料に日本産のドクササコは含まれておらず、上記の三属の定義に照らして最も矛盾がないハイイロシメジ属に含められていた。 その後、供試材料として日本産のドクササコをも用いた分子系統的研究 が行われた結果、新たに設立されたParalepistopsis 属へと移され、2014年11月末の時点ではP. acromelalga (Ichimura) Vizzini の学名が用いられている。ちなみに、Paralepistopsis 属の基準種であるP. amoenolens (Malençon) Vizzini は、ドクササコ同様にかつては広義のカヤタケ属に所属するものとして扱われていた種で、ヒトが誤って食べればドクササコと同様の特異な中毒症状を起こす(後述)。また、Paralepistopsisの所属種としては、ドクササコとP. amoenolensとの二種のみが認められている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「ドクササコ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「ドクササコ」の記事については、「ドクササコ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 15:06 UTC 版)
日本産のハナビラタケは、ヨーロッパや北アメリカ産の種類と同一種と考えられ、Sparassis crispa Wulf: Fr.の学名の下に扱われてきた。ただし、北アメリカ産のS. crispa の菌株のうちでも、北西部で見出された子実体に由来するものでは、日本産ハナビラタケの菌株(日本における産地は不明)やヨーロッパ(西ドイツ、チェコスロバキア、イギリス)産の菌株との間で交配が成立するのに対し、アメリカ合衆国アリゾナ州などから得られたものは交配しないことが報告され、北アメリカでS. crispa の学名の下に扱われてきた菌のうちに、実際には二つ以上の分類群が混同されている可能性が示唆された。北アメリカにおいてS. radicata の学名で呼ばれていた菌は、ヨーロッパ産のS. crispa と交配可能であることから、後者の異名(シノニム)とされたが、米国アリゾナ州などに分布し、ベイマツやポンデローサマツなどの根株腐朽の原因となっている型 については、その後の分子系統学的解析 により、独立した未記載種であると結論づけられ、2006年にSparassis latifolia Y.C. Dai & Zheng Wangの学名の下に新種記載された。日本産のハナビラタケにはS. latifolia の学名を当てるのが妥当であると考えられているが、S. crispa が混在する可能性も皆無とは言えない。 分子系統学的な相違のほか、S. latifolia は子実体を構成する裂片が長くて幅広く、縮れがより緩いこと、裂片の縁がしばしば鋸歯状をなすこと、胞子が小さいことなどによって、S. crispa と区別されるという。なお、Sparassis crispa のタイプ標本(ネオタイプ)は、西ドイツのヨーロッパアカマツ(Pinus sylvestris L.)の林内で採集されたもの であり、Sparassis latifolia のそれは、中国の吉林省において長白山自然保護区内の針葉樹林で採集された(1997年8月14日)ものである。 胞子を形成する子実層托が平滑で、ひだ・管孔・針状突起などを生じないため、かつてはコウヤクタケ科(Corticiaceae)に置かれていた。また、子実体に背面・腹面の区別がないことから、シロソウメンタケ科(Clavariaceae)への類縁関係が想像されたこともある。最近の分子系統学的研究によれば、ハナビラタケ属は単系統群であり、針葉樹の根株から侵入して褐色腐朽を起こすことで知られるカイメンタケ属(Phaeolus)あるいはアイカワタケ属(Laetiporus)などとの間に類縁関係を有するのではないかと推定されている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「ハナビラタケ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「ハナビラタケ」の記事については、「ハナビラタケ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 08:56 UTC 版)
「シャグマアミガサタケ」の記事における「分類学上の位置づけ」の解説
古くはノボリリュウ属(Helvella)に置かれた。長くノボリリュウ科 (Helvellaceae)の一員として扱われていたが、分子系統学的解析によればフクロシトネタケ属(Discina)やマルミノノボリリュウ属(Pseudorhizina)、およびクルミタケ属(Hydnotrya)との類縁関係が深いとされ、後3者とともに独立したフクロシトネタケ科(Discinaceae)に置かれている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「シャグマアミガサタケ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「シャグマアミガサタケ」の記事については、「シャグマアミガサタケ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 05:14 UTC 版)
従来はシャグマアミガサタケなどとともにノボリリュウタケ科に置かれてきたが、最近の分子系統学的な解析結果に加え、胞子や側糸の形態的相違、あるいは条件的とはいえ樹木への寄生性を有することなどから、独立したツチクラゲ科に移された。また、同時に、ツチクラゲはPsilopezia 属(かつてはピロネマ科 Pyronemataceaeに置かれていた)とともに、ピロネマ科・クロチャワンタケ科(Sarcosomataceae)・キリノミタケ科(Chorioactaceae)・ベニチャワンタケ科(Sacroscyphaceae)およびキチャワンタケ科(Caloscyphaceae)などの祖先型であろうとも推定されている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「ツチクラゲ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「ツチクラゲ」の記事については、「ツチクラゲ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/29 18:56 UTC 版)
他の多くの冬虫夏草と同様、本種も伝統的にノムシタケ属(Cordyceps)に分類されてきたが、分子系統学的解析の結果に基づいて別属Ophiocordycepsに所属が変更され、さらに科のレベルでも分離されるに至った。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「セミタケ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「セミタケ」の記事については、「セミタケ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/27 08:11 UTC 版)
小石川植物園(東京都文京区)で見出された標本をもとに、Isaria属の新しい未知種ではないかと考えられたが、結局はIsaria arachnophila Ditmar(ドイツ産)と同定・報告された。しかし後者は徘徊性のクモ類を宿主とするとともに子実体が非常に小型かつ繊細であることから、日本産のクモタケとはまったく別の菌であると改めて判断され、新たにIsaria atypicolaとして新種記載された。比較的発達した分生子柄束を形成する点で共通する別属 Spicariaに移し、S. atypicola (Yasuda) Petch の学名を用いる意見もあったが、Isariaに置く処置が伝統的に続いていた。 その後、分生子形成細胞(フィアライド)が分生子柄の先端のみに束生することなく、分生子柄の中途からも輪生する点を重視し、Isaria属からNomuraea属に移されたが、文献によってはいまだにIsariaが属名として用いられているものも多く、混乱を招いている。さらに、21世紀に入って分子系統解析が行われた結果からは、Nomuraeaとも異なるグループに分類されるべきであることが示唆されている。 日本では、科レベルの所属について未詳とする文献もあるが、テレオモルフとしてはOphiocordyceps属に所属するものであることが示唆されている点から、この属が所属するオフィオコルジケプス科(Ophiocordycipitaceae)に置くのが妥当である。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「クモタケ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「クモタケ」の記事については、「クモタケ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/09 09:46 UTC 版)
「キショウゲンジ」の記事における「分類学上の位置づけ」の解説
ショウゲンジ属(Rozites :現在ではフウセンタケ属Cortinarius の異名とされている)に置く意見もあったが、かさの表皮の構造が異なることから別属に移された。 かさの表皮構造にはむしろオキナタケ科(Bolbitiaceae)のきのこを思わせるものがあるが、後者はすべて腐生性で外生菌根を形成することはない。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「キショウゲンジ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「キショウゲンジ」の記事については、「キショウゲンジ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/09 09:28 UTC 版)
1821年、エリーアス・フリースによって、初めて記載された。この時点では、ひだを備えたハラタケ類全般を意味する広義のAgaricus 属(現代の分類学上のハラタケ属とは定義が異なる)に置かれ、Agaricus glutinosus(現代の分類体系上でのシロエノクギタケを指す)の一変種として扱われた。後(1838年)、フリース自身によって変種から種のランクに引き上げられ、同時に、広義のAgaricus属から、シロエノクギタケをタイプ種としてフリースが設けたGomphidius 属に移され、Gomphidius roseus (Fr.) Fr. の新組み合わせ名が作られた。以後、この学名が正式なものとなっている。 胞子を形成する子実層托はひだ状をなしてはいるが、系統分類学上ではイグチ目に属する菌の一つである。その根拠として、ひだの構造(散開型)や、前述したような子実体の含有成分の共通性が挙げられている。また最近では、分子系統学的な解析からも、この位置づけが広く認知されている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「オウギタケ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「オウギタケ」の記事については、「オウギタケ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/09 09:43 UTC 版)
「コショウイグチ」の記事における「分類学上の位置づけ」の解説
柄の表面に、ときに微粒状の粒点を生じること・シスチジアがしばしば褐色の粒状物におおわれることなどの特徴からヌメリイグチ属に分類する意見もあるが、かさの表面の菌糸がほとんどゼラチン化しないことや、胞子紋が橙褐色を呈すること、あるいはマツ属に限定されることなく、広葉樹を含めてさまざまな樹木との間に生態的関係を結ぶ ことなどから、今日では独立したコショウイグチ属に置かれている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「コショウイグチ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「コショウイグチ」の記事については、「コショウイグチ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/09 09:39 UTC 版)
本種は、形態分類学上のチチタケ属(Lactarius)のタイプ種である。分子系統解析の結果からは、 むしろチチタケ(Lactarius volemus(Fr.) Fr.)に近縁であり、外観が類似していてツチカブリとともにツチカブリ節(Section Albati)に置かれているケシロハツとは、むしろやや縁が遠い。この一例からして、形態情報のみによる従来の分類体系は、チチタケ属に対しては信頼性に欠ける点があると考えられる。最近では、形態分類に基づく旧来の概念によるチチタケ属の一部と、同じくベニタケ属(Russula)の一部とを併合し、新属ウズゲツチイロタケ属(Multifurca)が提案されている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「ツチカブリ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「ツチカブリ」の記事については、「ツチカブリ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/27 08:01 UTC 版)
形態および生態に重きをおいた従来の分類体系ではハラタケ目のイグチ科に置かれ、アミハナイグチ属(Boletinus)やPsiloboletinus属とともにヌメリイグチ亜科に置かれることが多かったが、現在では独立したイグチ目に移され、かさや柄を形成しないショウロ科や、胞子を作る子実層托が管孔状ではなくひだとなるオウギタケ科などとともに、ヌメリイグチ亜目のヌメリイグチ科に分類されている。 ヌメリイグチ亜目のなかでも、マツ属の樹木に外生菌根を形成する性質・菌根の形態や胞子およびシスチジアの形態の類似性・管孔の壁の構造・あるいは子実体や菌糸に含まれる化学成分の共通性などから、オウギタケ科のクギタケ属との類縁関係が比較的深いとされている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「チチアワタケ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「チチアワタケ」の記事については、「チチアワタケ」の概要を参照ください。
分類学上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/27 07:58 UTC 版)
ヌメリイグチ属のタイプ種である。従来はハラタケ目イグチ科に置かれていたが、現在ではイグチ目に移され、その中でもショウロ科やオウギタケ科などとともに独立したヌメリイグチ亜科に所属し、ヌメリイグチ科が設けられている。 ヌメリイグチ亜科のなかでも、マツ属の樹木に限って外生菌根を形成する性質や、胞子およびシスチジアの形態が類似すること、あるいは子実体や菌糸に含まれる化学成分の類似性などから、特にオウギタケ科のクギタケ属との類縁関係が深いとされている。
※この「分類学上の位置づけ」の解説は、「ヌメリイグチ」の解説の一部です。
「分類学上の位置づけ」を含む「ヌメリイグチ」の記事については、「ヌメリイグチ」の概要を参照ください。
- 分類学上の位置づけのページへのリンク