シカクナマコ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 13:47 UTC 版)
シカクナマコ | |||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) |
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Stichopus chloronotus Brandt, 1835[2] |
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シノニム[2] | |||||||||||||||||||||
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英名 | |||||||||||||||||||||
greenfish sea cucumber spiky sea cucumber black knobby sea cucumber |
シカクナマコ(学名:Stichopus chloronotus)は、シカクナマコ科に分類されるナマコの一種。インド太平洋に広く分布し、個体数も豊富である。
分布と生息地
紅海と東アフリカからマダガスカル、セーシェル、コモロ、レユニオンを経て、オーストラリア、インドネシア、中国、日本、グアム、フィジー、トンガ、サモアまで、インド太平洋に広く分布する[1]。日本では奄美大島以南で見られる[3]。沿岸の砂地や藻場[4]、礁原の外側にある岩礁の浅瀬に生息し[5]、水深約12mまでの瓦礫の上でも見られる[6]。
形態
体長25cmに達する大形の種である。体は硬いが柔軟性があり、断面は名前の通り四角形である。皮膚は滑らかだが、多数の円錐状の突起が縦に並んでおり、下側の側面角ではより大きくなっている。体色は濃い黒緑色で、突起の先端は黄色や赤色である[5][6]。
生態
触手で海底の堆積物をあさり、植物や動物の残骸、細菌、原生生物、珪藻、排泄物などのデトリタスやその他の有機物を食べる[7]。その過程で大量の砂を飲み込むため、海底をかき混ぜて通気させる重要な役割を果たしている[8]。
横分裂によって無性生殖し、新たに生まれた2個体は、それぞれ失われた部分を再生する。有性生殖も可能である[1]。触られるなどして刺激を受けると、溶けたように柔らかくなる[9]。
人との関わり
食用として重要な種では無いが、一部地域ではマナマコの代用として捕獲されることがある。分布域は広く、個体数も多いため、国際自然保護連合のレッドリストでは低危険種に指定されている[1]。インドのラクシャディープ諸島にあるDr. K.K. Mohammed Koya Sea Cucumber Conservation Reserveなど、いくつかの保護区に生息している[10]。
脚注
- ^ a b c d Conand, C.; Gamboa, R.; Purcell, S. (2013). “Stichopus chloronotus”. IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T180477A1635468. doi:10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T180477A1635468.en 2025年3月19日閲覧。.
- ^ a b WoRMS (2025). "Stichopus chloronotus Brandt, 1835". World Register of Marine Species. 2025年3月19日閲覧。
- ^ diver813. “#338 シカクナマコ”. ランゲルハンス島の海. 2025年3月19日閲覧。
- ^ “シカクナマコ”. 沖縄美ら海水族館. 2025年3月19日閲覧。
- ^ a b “Stichopus chloronotus”. North Australian Sea Cucumbers. Marine Species Identification Portal. 2022年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月8日閲覧。
- ^ a b “Greenfish sea cucumber”. Florent's Guide to the Tropical Reefs. 2025年3月19日閲覧。
- ^ Choo, P. S. (2008). “Population status, fisheries and trade of sea cucumbers in Asia”. FAO Fisheries and Aquaculture Technical Paper (FAO): 81-118 .
- ^ 『Marine Biology Papers, Volume 19』Carnegie Institution of Washington、1924年 。
- ^ ken (2021年1月7日). “シカクナマコ”. feel okinawa. 2025年3月19日閲覧。
- ^ Mohammednowshad, B.; K.K., Idreesbabu; S., Sureshkumar (4 May 2021). “Habitat wise variability in the diversity of sea cucumbers in Lakshadweep Archipelago, North-Western Indian Ocean”. Regional Studies in Marine Science (Elsevier) 41. doi:10.1016/j.rsma.2021.101805 2025年3月19日閲覧。.
関連項目
- シカクナマコのページへのリンク