シカクナマコとは? わかりやすく解説

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シカクナマコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 13:47 UTC 版)

シカクナマコ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 棘皮動物門 Echinodermata
: ナマコ綱 Holothuroidea
: 楯手目 Aspidochirotida
: シカクナマコ科 Stichopodidae
: シカクナマコ属 Stichopus
: シカクナマコ S. chloronotus
学名
Stichopus chloronotus
Brandt, 1835[2]
シノニム[2]
  • Holothuria quadrangularis Lesson, 1830
  • Holothuria viridis Quoy & Gaimard, 1952
  • Stichopus chloronotos Brandt, 1835
  • Stichopus chloronotus fuscus Pearson, 1903
  • Stichopus cylindricus Haacke, 1880
  • Stichopus hirotai Mitsukuri, 1912
英名
greenfish sea cucumber
spiky sea cucumber
black knobby sea cucumber

シカクナマコ(学名:Stichopus chloronotus)は、シカクナマコ科に分類されるナマコの一種。インド太平洋に広く分布し、個体数も豊富である。

分布と生息地

紅海東アフリカからマダガスカルセーシェルコモロレユニオンを経て、オーストラリアインドネシア中国日本グアムフィジートンガサモアまで、インド太平洋に広く分布する[1]。日本では奄美大島以南で見られる[3]。沿岸の砂地や藻場[4]、礁原の外側にある岩礁の浅瀬に生息し[5]、水深約12mまでの瓦礫の上でも見られる[6]

形態

体長25cmに達する大形の種である。体は硬いが柔軟性があり、断面は名前の通り四角形である。皮膚は滑らかだが、多数の円錐状の突起が縦に並んでおり、下側の側面角ではより大きくなっている。体色は濃い黒緑色で、突起の先端は黄色や赤色である[5][6]

生態

触手で海底の堆積物をあさり、植物動物の残骸、細菌原生生物珪藻、排泄物などのデトリタスやその他の有機物を食べる[7]。その過程で大量の砂を飲み込むため、海底をかき混ぜて通気させる重要な役割を果たしている[8]

横分裂によって無性生殖し、新たに生まれた2個体は、それぞれ失われた部分を再生する。有性生殖も可能である[1]。触られるなどして刺激を受けると、溶けたように柔らかくなる[9]

人との関わり

食用として重要な種では無いが、一部地域ではマナマコの代用として捕獲されることがある。分布域は広く、個体数も多いため、国際自然保護連合レッドリストでは低危険種に指定されている[1]インドラクシャディープ諸島にあるDr. K.K. Mohammed Koya Sea Cucumber Conservation Reserveなど、いくつかの保護区に生息している[10]

脚注

  1. ^ a b c d Conand, C.; Gamboa, R.; Purcell, S. (2013). Stichopus chloronotus. IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T180477A1635468. doi:10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T180477A1635468.en. https://www.iucnredlist.org/species/180477/1635468 2025年3月19日閲覧。. 
  2. ^ a b WoRMS (2025). "Stichopus chloronotus Brandt, 1835". World Register of Marine Species. 2025年3月19日閲覧
  3. ^ diver813. “#338 シカクナマコ”. ランゲルハンス島の海. 2025年3月19日閲覧。
  4. ^ シカクナマコ”. 沖縄美ら海水族館. 2025年3月19日閲覧。
  5. ^ a b Stichopus chloronotus”. North Australian Sea Cucumbers. Marine Species Identification Portal. 2022年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月8日閲覧。
  6. ^ a b Greenfish sea cucumber”. Florent's Guide to the Tropical Reefs. 2025年3月19日閲覧。
  7. ^ Choo, P. S. (2008). “Population status, fisheries and trade of sea cucumbers in Asia”. FAO Fisheries and Aquaculture Technical Paper (FAO): 81-118. https://digitalarchive.worldfishcenter.org/items/228673e1-9bbb-48bc-a510-66a0a6217b09. 
  8. ^ Marine Biology Papers, Volume 19』Carnegie Institution of Washington、1924年https://books.google.co.jp/books?id=myJFAAAAYAAJ&redir_esc=y 
  9. ^ ken (2021年1月7日). “シカクナマコ”. feel okinawa. 2025年3月19日閲覧。
  10. ^ Mohammednowshad, B.; K.K., Idreesbabu; S., Sureshkumar (4 May 2021). “Habitat wise variability in the diversity of sea cucumbers in Lakshadweep Archipelago, North-Western Indian Ocean”. Regional Studies in Marine Science (Elsevier) 41. doi:10.1016/j.rsma.2021.101805. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352485521001973 2025年3月19日閲覧。. 

関連項目

   




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