所属種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/09 09:36 UTC 版)
ここでは、各種を種小名のアルファベット順に配列した。 G. bolearis O. K. Miller, Aime and Peintner かさの径3cm以下、柄の長さ6-9cm程度の細長い子実体を形成し、かさは緋色あるいは帯橙赤色を呈する。柄の上部はほぼ白色であるが、下部では明るい淡橙色の地に不規則な黒っぽいしみをあらわし、内部の肉は、かさでは肌色ないし象牙色(淡クリーム色)、柄では帯橙クリーム色を呈する。ダフリアカラマツ(Larix gmelini (Rupr.) Rupr.)を主とする林内に発生するもので、ロシア北東部(サハ)から新種記載された。 G. flavipes Peck 柄の内被膜が繊維状をなし、肉は白色であるが柄の下半部では明らかに黄色を呈し、胞子が大形(長さ30μm 近くに達する)であるのが特徴である。柄にはシスチジアを備えるが、無色であるため目立たない。トウヒ属・ツガ属・カラマツ属の林内で見出されるもので、北アメリカ東部に分布する。 シロエノクギタケG. glutinosus (Schaeff.) Fr. var. glutinosus 属のタイプ種である。かさは帯紫灰色ないし帯紫灰褐色(まれにほぼ白色)で著しい粘液におおわれ、特に老成時には、しばしば不規則な灰黒色のしみを生じる。柄は白っぽく、下半部は黒紫色・繊維状の鱗片を生じることがあり、基部は明らかに黄色を呈する。幼い子実体の柄の基部のみ、まれにかすがい連結を有する。主にトウヒ属、ときにモミ属やトガサワラ属・マツ属などの林内地上に見出され、北半球温帯以北に広く分布するといわれている。かさが、帯褐紅色(サケ肉色)を呈するものや暗紫色ないし紫褐色のものを変種として区別し、それぞれ var. salmoneus O. K. Miller および var. purpureus O. K. Miller の変種名で呼ぶこともある。 G. largus O. K. Miller ときにかさの径20cmにもおよぶ大形種で、かさは帯桃灰褐色ないし帯紫灰褐色を呈し、柄は白色であるが、基部は表面・肉ともに黄色である。柄のシスチジアは存在しないことも多く、もし存在しても多数が束をなすことはなく散在し、目立たない。ひだの実質に、大きな楕円体状ないし球嚢状の細胞(径40μmに達することがある)が混在する点が特徴である。トウヒ属の樹林に発生し、北アメリカ西部に産する。ひだの実質部の構造以外の点では、シロエノクギタケによく似ている。 キオウギタケG. maculatus (Scop.) Fr. 子実体は束生することなく、完全に内被膜を欠いている。かさは幼時はほぼ白色であるが、成熟すれば帯橙黄褐色(アンズ色)となり、柄の基部はときに黄色を帯びる。さらに老成した子実体のかさや柄の表面には、不規則な紫黒色のしみを生じる。カラマツ属の樹下に限って発生する点も特徴的である。日本・中国・ロシア北西部・ヨーロッパおよび北アメリカに広く分布する。柄の基部が黄色を帯びないものを別種 (G. furcatus Peck) としたり、あるいはキオオギタケの一変種(G. maculatus var. furcatus (Peck) Sing)として扱う意見もある。 G. nigricans Peck かさは初めは類白色ないしくすんだ淡黄色であるが、次第に帯紫淡ピンク色となり、老熟すれば暗赤褐色ないし黒褐色を呈する。ひだは密生し、かさの肉から離れやすい。柄は上下同大または基部に向かって細まり、上部は類白色、基部は淡紅色ないし淡黄色であるが次第に黒ずんでくる。肉もほぼ白色であるが、柄の基部ではやや紅色あるいは黄色を帯びており、傷つけると次第に黒っぽく変色する。トウヒ属やストローブマツ (Pinus strobus L.) の林内地上で見出される種類で、北アメリカ東部とカナダとに分布するが、むしろまれであるという。なお、ひだの実質は、顕微鏡下において水酸化カリウム溶液で青く染まるとされている。 G. oregonensis Peck 幼時から、全体が厚いゼラチン層をこうむる。かさは径2-15cm、幼時は橙色を帯びた淡黄褐色であるが、次第にくすんだ赤褐色となり、縁はしばしば暗紫褐色を呈する。柄は長さ6-12cm、径1-5cmに達し、ゼラチン質に包まれた不完全なつばより上部はほぼ白色、下方に向かって濃黄色を帯びる。柄の頂部にはシスチジアの束を備えるが、無色であるために肉眼では目立たない。トウヒ属・トガサワラ属・モミ属などの林内に束生ないし孤生する。北アメリカ(主に西部)に分布する種である。なお、子実体の肉は白色である(傷つくと、やや赤みを帯びる)が、硫酸鉄(II)で青黒く変色するというしばしば、ヌメリイグチ属の Suillus caerulescens A. H. Smith and Thiers やS. lakei (Murr.) A. H. Smith and Thiers、あるいはS. ponderosus A. H. Smith and Thiers と同時に混生するが、後三種の生態的関係については、まだ明らかでない。 G. pseudoflavipes O. K. Miller and F. J. Camacho 種小名が示すようにG. flavipes に類似した種であるが、内被膜はさらに繊細かつ痕跡的であり、肉は柄の基部においてのみ黄色を呈することや、胞子はG. flavipes のそれと比較してもさらに長大(長さ40μmに達することがある)なことで区別される。モミ属・マツ属の混交林内の地上に発生するもので、北アメリカ(カリフォルニア)産の標本をもとに新種として記載された。 G. pseudomaculatus O. K. Miller かさは暗赤紫色ないし帯紫淡褐色であるが、古くなると次第に黒っぽくなり、柄の上部は白く、下半部は黄色を呈する。内被膜はゼラチン質ではない。また、柄のシスチジアは細くて短く、ほとんど無色である。カラマツ属(原記載ではニシカラマツ Larix occidentalis Nutt.とコメントされている)の樹下に束生する。北アメリカ(アイダホ)から知られている。 オウギタケG. roseus (Fr.) Fr. 明るい淡紅色のかさを持ち、柄はしばしば基部に向かって細まるとともに、下部は帯褐淡紅色を帯びることが多く、基部は黄色を呈する。日本では、主にアカマツ・クロマツの林内で見出され、しばしばアミタケと混じって発生し、後者に寄生していると言われる。後述するように、G. subroseus と同一種とする研究者もあるが、分子系統学的解析によれば、後者とは別種である可能性が大きいという。 詳細は「オウギタケ」を参照 G. septentrionalis Sing. オウギタケやG. subroseus に似て、帯橙淡紅色ないし淡紅褐色のかさを持ち、柄もピンク色あるいは淡い肉色を呈するとともに、その基部は濃黄色となる。トウヒ属やモミ属の林内に発生する点でオウギタケと区別される。また、しばしばアミハナイグチ属のきのこを伴って発生するという。本種を認めず、G. subroseus と同一種であるとする見解もある。 G. smithii Sing. (var. smithii) 暗灰紫色ないし帯赤淡紫灰色のかさと、ほぼ白色(基部は黄色を帯び、古くなったり傷ついたりすれば、暗灰紫色ないし灰黒色となる)で基部が急に細まり、下半部がゼラチン質の被膜におおわれた柄とを持つ。かさの肉は、切断すると赤みがかる。トガサワラ属やロッジポールマツ (Pinus contorta Douglas ex Loudon) の樹下に発生するという。柄の基部が鮮黄色となるものを、一変種 (var. xanthobasis Sing.) として区別する意見があるが、これを単なる変異とする説もある。 G. subroseus Kauffman かさはくすんだ紅サンゴ色ないし帯褐紅色あるいはレンガ色を呈し、湿った時には厚いゼラチン層におおわれる。柄は通常は基部に向かって細まり、頂部近くにゼラチン質の内被膜のなごりを備えることが多く、白色であるが老成するとやや黒ずみ、下方では淡黄色ないし帯橙黄色を帯び、基部は黄色を呈する。トウヒ属・トガサワラ属・モミ属あるいはツガ属の林内に生え、北アメリカ(おそらく全域)およびカナダに分布する。本種については、日本に産するオウギタケとの異同に関して、研究者の間で意見が分かれており、両種を同一種ではないかと疑う意見もあるが、G. subroseus では柄の下半部が黄色ないし明るい橙褐色を呈する(オウギタケでは淡紅色から淡い帯紅褐色)であることや、通常はマツ属以外の樹下に発生することで区別されている。ただし、マツ属(ポンデローサマツ Pinus ponderosa Douglas ex C.Lawson)の林内にも生えるとする観察例も報告されている。なお、柄の基部が細まることなくほぼ上下同大なものを一変種 (var. homobasis Sing.) として区別する研究者もある。 G. tyrrhenicus D. Antonini and M. Antoninii かさの径3-4cm以下の、比較的小形な種である。かさの表面は粘性を有し、初めはまんじゅう形であるが次第に中央部がくぼむにいたり、サケ肉色ないし桃色であるが、しばしば黒いしみを生じる。柄は汚白色で基部は黄色を帯び、粘液質の内被膜のなごりを備える。胞子は、原記載によれば大きさ 18.2-21×6.4-8.2μmであるとされている。外観はオウギタケやG. subroseus に似るが、内被膜が綿毛状でなく、粘液に包まれる点で異なる。スペインおよびイタリアから知られているが、発生環境としてはコナラ属 Quercus ilex L.およびイチゴノキのみでマツ科の樹種が生育していないところでも見出されるとされており、一般にマツ科の樹木と外生菌根を形成するというオウギタケ属の定義に合致しない。同属のほかの種との分子系統学な比較検討が望まれる。なお、本種は、初めはG. mediterraneus D. Antonini and M. Antoninii の学名の下に記載されたが、国際藻類・菌類・植物命名規約上の原則から、この名はG. mediterraneus Finschow (1978年に有効かつ正式に発表されている)の(ホモニム)と見なされる。そのため、原著者ら自身によって、新たにG. tyrrenicus の学名が与えられることになった。
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所属種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 03:46 UTC 版)
Lentinula aciculospora Mata and Petersen かさは赤褐色を呈し、やや放射状に配列した小さなささくれ状鱗片を有する。ひだは密で柄に上生ないし直生しており、白色であるが古くなると赤褐色のしみを生じる。柄は白色(下部はしばしば赤褐色を帯びる)の地に暗色のささくれ状小鱗片を備え、中実で堅い。常緑のカシ類に生じ、タイプ標本はコスタリカ で得られたものであるが、ニカラグアにも産する。胞子が細長い円筒形ないし舟形をなす ことで日本産シイタケ(およびシイタケ属の他の種)と区別され、日本産のシイタケや L. boryana あるいはL. raphanica との間では交配は成立しない。分子系統学的解析の結果 からは、アメリカ大陸産のシイタケ属(L. boryana ・L. raphanica など)と、環太平洋地域に分布するシイタケ属(シイタケ、L. lateritia、および L. novae-zelandiae)との中間に位置づけられるとされている。 Lentinula boryana (Berk. and Mont.) Pegler かさは平滑あるいは多少の亀裂を生じ、幼時は帯黄白色(象牙色)であるが、しだいに中心部から褐色を帯びるにいたる。:先端が大きく球状に膨らんだ縁シスチジアを備え、柄の上部にも同様のシスチジアを有する。北アメリカの南部(ミシシッピ・ルイジアナなど)から南アメリカにかけて分布する。タイプ標本はブラジルで見出されたものである。分子系統解析の結果からは、属内においては比較的古く出現した祖先型であろうと推定されている。なお、ドミニカ共和国周辺の多くの島では、食用菌として利用されている。 Lentinula edodes (Berk.) Pegler (シイタケ) 詳細は「シイタケ」を参照 Lentinula guarapiensis (Spegassini) Pegler かさの径 1-3(-5) cm 程度の小形種で、かさは赤みを帯びた褐色を呈し、ほぼ平滑である。胞子は小形で、シイタケなどに比べて丸みを帯びている。パラグアイから唯一回だけ採集された のみで、その後の再記録は知られていない。 Lentinula lateritia (Berk.) Pegler シイタケによく似るが、全体に小形で肉も薄く、柄も細くて貧弱であり、かさは赤みを帯びた褐色を呈する。顕微鏡的形質は、シイタケとほとんど変わらない。タイプ標本はオーストラリアで採集されたものである が、東南アジア(ボルネオ島キナバル山)やインドおよびブータンにも分布する。また、マレーシア(サバ州) やパプアニューギニア で採集されてシイタケと同定された菌も、本種を誤同定したものであるとされているインド東北部ではシイタケと混生している例が知られ、両者は交配可能であるという報告 もある。また、次のL. novae-zelandiae とも交配するという。 Lentinula novae-zelandiae (G. Stevenson) Pegler シイタケに比べやや小さく、かさはより暗色であり、柄は多少立ち上がった赤褐色の繊維状鱗片を備えていること・胞子がやや細いことなどにおいて区別され、 ナンキョクブナ属などの樹上に発生する。タイプ標本はニュージーランド北島から得られたもの で、元来はニセホウライタケ属(Crinipellis)の菌として新種記載されたが、後には広義のモリノカレバタケ属(Collybia sensu lato)に移され、さらにシイタケ属に転属された。リボソームDNAを対象とした分子系統学的解析によれば、前種L lateritia とは比較的近年に分岐した種であろうとされる。なお、日本産のシイタケとの間で交配が可能であることから、両者を同一種とみなす意見もある。 L.entinus raphanica (Murr.) Meta and Petersen 北アメリカフロリダ産の標本をタイプとし、初めはナラタケ属Armillaria の一種として記載されたもので、原記載 によれば「かさは径4-7 cm程度で帯紫赤褐色を呈し、平滑無毛で縁に被膜片を着ける:肉は薄く、白色で傷つけても変色せず、少なくとも鮮時には無臭、ダイコンのような味がある:ひだは柄に直生し、幅狭くて密生し、ときに分岐することがあり、ほぼ白色:柄は下方に向かって細まり、白色(あるいは下部が褐色を帯びる)で繊維状あるいは微細な鱗片を有し、中実で強靭な軟骨質ないしいくぶん木質である:被膜は綿毛状で、かさの展開後には柄につばを形成しない:胞子はヨウ素溶液に反応せず、ひだにはシスチジアを欠く」とされているが、北アメリカおよびベネズエラ産の標本では縁シスチジアを備えることが確認されている。L. boryana の異名として扱う意見もあるが、L. boryana は縁シスチジアを欠く のに対し、本種には、不規則なこぶ状隆起を備えたシスチジアが存在するとされる。また、両者の間には交配が成立しないという。
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所属種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 19:39 UTC 版)
所属種は以下の通り。 Rucervus duvaucelii バラシンガジカ Rucervus schomburgki ションブルグジカ(1938年絶滅) 他に、いくらかの化石種が記載されている。 ターミンジカ(Panolia eldii)は、長らくRucervusの所属とされてきたが、分子系統によって、バラシンガジカよりもシフゾウに近縁なことが判明し、角の構造もバラシンガジカとは異なることから、独立したPanoliaに移すことが提案されている。
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