インプレッサ
インプレッサとは紋章。金言などの意味の英語impresaからの造語。水平対向エンジン、4WDなど、スバル伝統のテクノロジーをベースに、若さ、軽快さ、スポーティなどのイメージを付加したクルマとして、新しい時代に新鮮な印象を与える意味を込めたネーミングだった。初代モデルは1992年11月の発売だが、それに合わせるようにレオーネは消滅。
新型は4ドアハードトップのセダンと5ドアワゴンがあり、エンジンは水平対向4気筒SOHC・16バルブ・1.5Lの97psをベースとして、1.6L100ps、1.8L・115ps、2L・DOHC・16バルブ・インタークーラー付きターボ・240psの4種。駆動方式はFFと4WDがあった。4WDシステムはAT車が電子制御多板クラッチによるアクティブ・トルクスプリット方式、5速MT車はベベルギヤによるセンターデフとビスカスLSDの組み合わせだった。サスペンションは基本的にレガシィのものを流用。
93年9月、ワゴン型にスポーツ車WRXとWRX-SAを追加した。2L・DOHC・16バルブ・ターボ付き・220psエンジンを積むフルタイム4WD車。セダンWRXに電子制御E-AT(VTD・不等L可変トルク配分装置付き)車も設定した。
94年1月、スバル・テクニカ・インターナショナル(STI)が手がけた受注生産車、WRX-STiを加えた。鍛造ピストンなど高度のチューニングを施した250psエンジンを積むセダン/ワゴンで、ともに4WD仕様。9月、マイナーチェンジ。EJ20型エンジンのパワーアップやエントリーモデル(1.5CS)の追加を行った。11月、STIチューンのWRX・タイプRA・STi発売。275psのハイパワーエンジンを搭載、4WDシステムは前後トルク配分35:65、デフのロック比はフリーからロックまでをドライバーが走行中も任意に行える機構付き。12月、2ドアクーペをリトナの名前で追加設定。エンジンはSOHC・16バルブで、1.5Lが97ps、1.6Lが100ps。1.5LエンジンはFF車だけ。1.6Lエンジン搭載車は5速MTがパートタイム4WD、ATはフルタイム4WD仕様だった。リトナとはスペイン語のRETONO(若枝、再び芽を出す)からの造語。発売は95年1月から。
96年9月、エンジン大幅改良。従来のSOHC・16バルブの1.6Lはなくなり、1.5L・102ps、1.8L・120ps、2L・135psの自然吸気と、2L・240ps/同ターボ280psを機種により積み分けた。
97年9月、マイナーチェンジ。インテリアを改良したほか、WRX系のエンジン性能をアップ、安全性の向上をはかった。
98年9月、おもにエンジンを改良。低・中速トルクを強めて加速をよくし、燃費向上も果たした。エクステリアでは新デザインのフロントグリル、マルチリフレクター・ヘッドランプを採用。12月、ワゴンにレトロ調の特別仕様車カサブランカを設定。名前は、カサブランカの花のようなイメージからとった。99年9月には標準設定に移行した。
2000年8月、8年ぶりの衣替え。2代目。4ドアセダンと5ドアワゴン、2ドアクーペの布陣を、セダンとワゴンだけとし、セダンは3ナンバー幅に広げて2L専用車とした。シリーズ名はWRX。4WD仕様だけ。ワゴンはエントリーカーのFF1.5L車とスポーツモデルの4WD仕様1.5L/2L車に分けた。2Lエンジンは155psとターボの250psの2本立て。これに5速MTとスポーツシフト付きE-AT(1.5LはスポーツシフトなしのE-AT)を組み合わせていた。10月、より走行性能を高めたSTiシリーズを追加。セダンが3グレード、ワゴンが1グレードの計4機種。セダンのタイプRAには17インチ・タイヤ+ブレンボ製ブレーキと16インチ・タイヤ仕様の2タイプがあった。エンジンは2L水冷DOHC・16バルブ+ターボで、ボア×ストローク92×75mraは8月発表時のものと変わらないが、STIがシリンダーブロック。ピストンおよびコンロッド、ターボチャージャー、インタークーラーのほか、排気系にも入念なチューニングを施した。最高出力280ps/6400rpm、最大トルク38.0kg-m/4000rpm。新開発のクロスレシオ6速マニュアルミッションが付く。デュアルSRSエアバッグを標準装備。走りに撤したスペシャル仕様だった。
12月、装備見直しにより購入しやすい価格としたセダンのSTi-S仕様を追加。2001年9月、フロントグリルのリファインなど意匠変更を行った。また、パワートレーン、シャシーの改良による運動性能と燃費の向上、EBD付きブレーキシステムの展開拡大など、全車を改善した。フロントグリルのオーナメントも、スバルエンブレム(六連星:むつらぼし)に変更した。同じ月、WRX・STiをベースにSTi Prodrive Styleを設定した。スバルのWRCカーをチューニングするイギリスのプロドライブ社と共同開発した、専用バンパー、グリル、サイド/リヤスポイラーなどをまとった本格的ロードスポーツ車。続いて12月にはSTi type RA spec Cを追加した。競技使用を前提とした軽量化やエンジン性能の強化、シャシーの大幅改良をはかったモデル。
2002年1月、スポーツワゴンにTYPE EURO設定。第35回東京モーターショーに参考出品したモデルを市販したもので、ポルシェデザイン社が專用につくったバンパーやグリル、ルーフスポイラーなどを架装。エンジンは1.5L/2.0L/2.0Lターボ付きの3タイプがあった。11月、フロントを中心としたエクステリアの一新、同時に商品力強化をはかった。特にWRX STiシリーズの動力性能を大幅に高めるとともに、スバルのMT車初となる電子制御の4WDシステム。ドライバーズコントロールセンターデフ(オートモード付き)方式を採用した。グレードの呼称も改めた。ターボエンジン搭載車は「WRX」、NAエンジン車は排気量を数字で表す呼び方(1.5Lの場合は「15」、2Lの場合は「20」という数字が最初に付く)になった。2003年9月には仕様装備の充実をはかった。
スバル・インプレッサ
(インプレッサ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/20 13:58 UTC 版)
インプレッサ(IMPREZA)は、SUBARU(旧・富士重工業)が生産・販売している乗用車である。
- ^ 初代のみ「グラベルEX」として日本でも販売。
- ^ イスラエルにおいてはデビュー当初『グランドレオーネ』として販売された時期があった。別項「スバル・レオーネ#幻の4代目」も参照のこと。
- ^ ただし、スバルでこの程度のモデルサイクルは珍しくなく、サンバーは3代目 - 5代目までいずれも8 - 9年、最後の自社生産車となった6代目で13年、初代ドミンゴは11年、初代ジャスティは10年、初代プレオは11年(乗用モデルに限れば9年)である。
- ^ 同社のヴィヴィオも同様の意匠。
- ^ 無塗装、エンジン・補器類・内装を装備しない基本骨格構造のみのボディ。
- ^ 電磁石を持つ円盤、鉄製円盤の2枚の円盤(クラッチプレート)からなり、回転する電磁石側の円盤に電流を流すと発生した磁力によりもう片方の鉄製円盤が吸い寄せられ摩擦力が発生し、トルクが伝わるというもの。電流のオンオフで動力の伝達・非伝達が切り替えられ、また、電力を調整することで伝達率も調節できる。
- ^ 「WRX type RA」には「インタークーラー・ウォーター・スプレー」を装備している。
- ^ 1994年から北米で販売されていた初代アウトバックスポーツの日本向けモデルである。アウトバックスポーツはアウトバック(日本名:レガシィグランドワゴン)のように専用デザインのバンパーは用意されていなかったが、グラベルEXは当時のRVブームに合わせガードバーやスペアタイヤキャリアを装備していた(のちに背面タイヤなし車も設定)。日本では人気を得ることができず、総生産台数は1,313台にとどまった。日本でのグラベルEX廃止以降も北米では2代目 - 3代目のインプレッサの5ドアをベースにした2 - 3代目アウトバックスポーツが存在し、2代目XVの北米導入に伴い廃止。
- ^ 一般販売車に設定されていたメタリックカラーの青とは別色の、スポーツブルーと呼ばれる当時のワークスラリーカーの塗装と同じ、ソリッドカラーの青である。
- ^ 1997年と1998年にもWRCメイクスタイトル獲得を記念して「V-Limited」が発売されたが、1999年と2000年はWRCでタイトルを逃したため、特別仕様車「Limited」として発売された。また、ベース車両は年によって異なる。
- ^ 22B-STI Versionはエンジンが無鉛プレミアムガソリン専用であり[14]、レギュラーガソリンの使用は厳禁であった(給油口蓋の裏に「レギュラーガソリンを給油するとエンジンが壊れます」との警告ステッカーが貼ってある)。
- ^ 厳格な分類上は2ドアセダン
- ^ ワゴンは215/45ZR17タイヤまでの対応であったが、セダンは225/45ZR17タイヤに対応している。発売当初は2.0 Lターボモデル (WRX NB、20K) でも205/50R16タイヤが装着されたにとどまった(ノンターボのWRX NA、20Nは195/60R15)が、後に発売されたSTiには前記の17インチタイヤがそれぞれ装着された。また、フロントロアアームもセダンの2 L車(NA車AT車も含む)のみアルミ鍛造になっている。一方ワゴンはSTiでもプレス鋼板製である。
- ^ A,B,C各ピラーの上下端を左右一対で環状に繋ぐことで籠のような構造を成し、衝突時の衝撃を各フレームに分散させることでキャビンの変形を防ぎ、結果乗員を保護するというもの。全方位衝突に対応するという。3代目レガシィで初めて採用された。
- ^ プリ触媒:従来の触媒の他に高温度になりやすいターボチャージャーの直後にもうひとつ触媒を設置して、エンジン始動後早期に触媒の活性化、エンジン始動直後の排出ガスのクリーン化を図る。
- ^ 低燃費・低公害車の自動車税・自動車取得税を軽減する[22]。
- ^ AT車はアクティブトルク スプリット4WD、MT車はビスカスLSD付センターデフ方式四輪駆動となる。
- ^ 5ドアは2代目スポーツワゴンの全長とほぼ同等とした上でハッチバックへ変更。
- ^ インプレッサが全車3ナンバー化されたことにより、スバルの軽自動車やトヨタとダイハツからのOEM車種であるDEXを除く乗用車は、すべて3ナンバー登録の普通乗用車となっている。
- ^ 国外向けには4ドアセダンのWRXも存在する。
- ^ デュアルAVCSと呼称。
- ^ 5速MTは1.6 L・四輪駆動車のみ。
- ^ 「1.6i-L」の四輪駆動車・5MT車はオプション装着により「平成22年度燃費基準+25%」達成となる。
- ^ ルーフアンテナを含む数値。ルーフ高は1,455 mm。
- ^ 板厚を連続的に変化させて圧延した鋼板。
- ^ ホンダ・オデッセイで使用された英語バージョンではなく、オリジナルバージョンを起用。
- ^ 先代モデルでは「インプレッサSPORT HYBRID」の専用色として設定。
- ^ 但し中国専売でホイールベースを延長した上で用意される見込み
- ^ ガソリンモデルはエアコンや車両設定に特化した7インチ(オーディオレス仕様)となるが、メーカーオプションにより11.6インチの装着が可能。反対にe-BOXERモデルの「ST-G」はメーカーオプションで7インチ(オーディオレス仕様)への変更が可能
- ^ WRC1999後はシーケンシャル)
- ^ 「555」の数字は、当時スバルチームのスポンサーであったタバコブランド「ステートエクスプレス555」をタバコ広告禁止国でもアピールすべく、車両名にブランド名として付与したものである。
- ^ 同車系に2ドアモデルがない場合のみ4ドアモデルも使用できる。
- ^ スバル車としてはクスコのインプレッサに代わって、この年フルモデルチェンジしたレガシィB4がR&D SPORTより参戦している。
- ^ 若さ、軽快さ、スポーティなどのイメージを付加したクルマとして、新しい時代に、新鮮な印象 (=impression) を与える意味を籠めて命名した[149]という。
- ^ 企業名の表記は一貫して「STI」であるが、製品名には2005年4月24日まで末尾のみ小文字の「STi」が使われていた。
- ^ スバル車一般に対する愛称として “SUBIE”(スビー)があり、そこからScoobyが派生して、知名度の高いインプレッサを特に指すようになった。英語発音のSUBARU(soo-ba-roo)とScooby-Doo(スクービー・ドゥー)が韻を踏んでいる。
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