かて飯とは? わかりやすく解説

かて飯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/29 01:33 UTC 版)

かて飯(かてめし)は、に他の穀物野菜海藻などの食品を混ぜて炊いた。「かて」ともよび、「糅飯」とも書く[1][2]


注釈

  1. ^ 「日本の食生活全集 東京」編集委員会 (1988)には、どのような時に白米飯を食べたかの記載があるが、白米飯を常食にしていたのは東京都区部のうち下町山の手に限られ、葛飾大森海岸では常食は2-3割程度の麦を混ぜた麦飯とあり、ここでいう都市部には含まれない。
  2. ^ 「日本の食生活全集 千葉」編集委員会 (1989)には、九十九里浜の漁村の例があるが、稲作地帯であり漁師でも水田を所有し米は自前であるにも拘らず、日常的には購入した麦を混ぜるとある。しかし忙しい時やに出た際の船上での炊飯は手間を省くため米だけの飯を炊き、ハレの日でなくとも白米飯を食べる例である。また、『聞き書 富山の食事』にある氷見灘浦の漁村の例は、冬場は脚気防止のため1割り程度麦を混ぜるが、ふだん食べるのは白米飯とある。
  3. ^ 「日本の食生活全集 埼玉」編集委員会 (1992)には、北足立台地の上尾の兼業として豆腐屋を営む農家の例があり、米と麦半々の飯を食べているとあるが、「日本の食生活全集 東京」編集委員会 (1988)武蔵野台地久留米の農家の例は、麦を7割あるいはさらに稗を1割入れた米3割か2割の飯となっており新谷尚紀ほか (2013)の記述と整合する。これは南側の世田谷喜多見なども同様であった。
  4. ^ 野本寛一 (2011, p. 254)は、1933年(昭和8年)生まれの女性の幼少時の体験を一例としてあげている。なお、これが不幸な例というわけではなく、ひもじさをこらえていた都市部の子供よりむしろ恵まれていたということもできる。
  5. ^ 増田昭子 (2001, p. 40)には、秋田県は米の国であり、雑穀の生産が少ないこともあって、明治の初め県令島義勇の政府への報告書のなかに、「県民は山間僻地でも白米を食している……」と驚きの様子を示しているとあり、東北地方の山村でも、明治以前から白米飯を食べているところもあった。

出典



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かて飯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 10:19 UTC 版)

「飯」の記事における「かて飯」の解説

米に他の食品混ぜて炊いた飯。

※この「かて飯」の解説は、「飯」の解説の一部です。
「かて飯」を含む「飯」の記事については、「飯」の概要を参照ください。

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かて飯

出典:『Wiktionary』 (2021/08/13 09:59 UTC 版)

名詞

かてめし(て)

  1. 米と一緒に米以外穀物・豆・野菜海草などを混ぜて炊いた飯。かつて貴重な米を食い延ばすために作った日常食である。きのこのような良い味が出る材料が入ると、炊き込みご飯という。混ぜる材料穀物(雑穀)・などに限られても、その地方家庭ご馳走として食べられる(御強おこわ(wp)など)なら、かて飯とは言わない

語源

混ぜ合わせる意味のてるを語源とする。
これが転じて糅飯と言い大根飯麦飯などを指すとされる

(異説)学界にも依然異論があり(糅飯は、『穀物食い延ばしをはかる目的日常食なので、麦飯玄米食などを含まないと言う概念と、上記の説の矛盾指摘する。=穀物節約食、飢饉備荒食説)は残る。こちらの説を一部辞書でも採用

関連語


「かて飯」の例文・使い方・用例・文例

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