海藻飯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 09:52 UTC 版)
リアス式海岸が連なり、耕地に乏しい三陸海岸南部宮城県の十五浜では、海産物との物々交換で入手した米に海から得られる海藻を炊きこんだ「昆布飯」「ひじき飯」、「わかめ飯」を日常的に食していた。さらに「アワビ飯」「しらす飯」など、魚介類を炊きこんだ「かて飯」も存在した。米と増量材の割合は3:7だったため、ヒジキ飯などは黒く米粒が見えないほどだった。この地では芋類を炊きこんだ「芋飯」が、かて飯として一番上等であり、他地域からは「贅沢」に感じられるアワビやシラスの飯は「続けて食べれば飽きる」として好まれなかった。 伊豆大島では、2月も末になると、はんば(ハバノリ)が採れはじまるのではんば飯を炊く。磯から採ってきたはんばを軽く水洗いし、砂や細かい石を取り除く。岩から手でちぎり取った物は、特に細かくきざむ必要もない。そのまま米の中に入れて炊き、味付けに醤油と酒を少し入れる。冷たい潮風を受けての岩場でのはんば採りであるが、春の喜びが感じられるという。
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