山菜飯、きのこ飯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 09:52 UTC 版)
山形県は米どころであり、県北最上の真室川でも食べるのに困るわけではないが、凶作に備え米を節約し大根飯や芋飯を食べる。しかし、それとは別に季節の楽しみとして、初夏にはたけのこ飯を炊き、秋にはまえだけ(マイタケ)の飯を炊く。虫を取り除いて醤油につけたマイタケに酒を加えて味をつけ、白米とともに炊き上げる。また県南置賜では、最上川が北流し水田が開けうまい米が収穫される地域であり、長井ではふだんでもほとんど白米に近い八分搗き米の飯を食べ、正月やお盆でも特別白く搗くことはしないほどであるが、それでも米は倹約されていた。各家庭の生け垣としてウコギが植えられ、これが芽吹く春には「うこぎ飯」が炊かれる。米1升に対し掌に山盛り3杯分くらいのウコギの若葉を炊きこむ。食用植物のウコギを生け垣に仕立てる方式は、名君として名高い上杉鷹山の指導によるものであるという。 富山県氷見灘浦では、じょうぼ飯やたけのこ飯、こけ飯を炊く。春の初め、じょうぼ(リョウブ)の芽を摘んで茹でて細かく切り、よくしぼって味噌で味をつけ、炊き上がったご飯に入れよく混ぜて食べる。たけのこは採りたての新鮮なものを使うとアクがなくて良い。皮をむいて切ったたけのこをといだ米に入れて炊く。味付けはこんぶと醤油で薄味にする。たけのこのだしが出て美味しい。秋には、山から採ってきた、ねずみたけ、しばたけ、しめじ、もたせなどのこけ(キノコ)のごみを取り除き、塩水に漬けてからよく洗い、細かく切ってこけ飯をつくる。といだ米に醤油を入れて薄味をつけ、出汁のこんぶとこけを入れて炊く。炊き上がったらよく蒸らす。こけの香りがしてとても旨い。 多摩川上流の東京都の七生でもたけのこの季節にたけのこ飯を炊く。アク抜きしたたけのこをよく洗い、小さく切って砂糖と醤油で味付けし、炊き上がった飯に混ぜる。このときの飯は麦を入れずに炊く。
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