Sガンダム Ex-Sガンダム

Sガンダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/13 22:01 UTC 版)

Ex-Sガンダム

Ex-Sガンダム(イクスェス・ガンダム、Ex-S GUNDAM)は、Sガンダムの強化装備形態。正式名称はExtraordinary-Superior ガンダム(エクストローディナリィー-スペリオル・ガンダム、Extraordinary-Superior GUNDAM)である。

諸元
Ex-Sガンダム
Ex-S GUNDAM
型式番号 MSA-0011[Ext]
所属 地球連邦軍
建造 アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態 試作機
全高 25.18m
頭頂高 21.73m
本体重量 69.24t
全備重量 162.5t
装甲材質 ガンダリウムγコンポジット
出力 12,250kW(Gクルーザーモード)
7,180kW(MSモード)
推力 1,182,000kg
センサー
有効半径
18,800m
武装 60mmバルカン砲×4
テールスタビレータ部バルカン×4
インコム
リフレクターインコム×2
背部ビームカノン×4
大腿部ビームカノン×2
Iフィールド発生器
ビームサーベル×2
オプション
ビームスマートガン
搭乗者 リョウ・ルーツ
その他 姿勢制御バーニア×15

Sガンダムに計8個の強化パーツを追加・交換した形態。Sガンダムは計画当初より多くのオプションパーツが作られていたが、RX-78からの念願であったMSと巡航形態の並立を可能とし、MSの戦闘力も極限まで高められている。一方、本形態はSガンダムと比較して8割もの質量増加がなされたため、追加パーツでは推力とプロペラント量を強化しており、バックパックだけでも11倍に強化されている。このバックパックはBst型と共通のもので、2基をスタビレーター基部に接続している[22]。「Ext.」は、「extraordinary=extra-ordinary」(常識外れな、桁違いな)を意味する[23]

ガンダムタイプMSにおけるフルアーマーファミリーに属するが、機体と並行して設計されたものであり、Gクルーザーモードによって戦闘空域へ巡航した後、MS形態に変形する運用を主眼としている[24][25]

Gクルーザー
Ex-Sガンダムの巡航形態。手足を動作させるシステムが容積を占め、航続距離・行動時間の短いMSの欠点を補うために開発されたサブフライトシステムやTMSの延長線にあたり、ΖΖガンダムのシステムが変形の際にコア・ブロックに大きな負担をかけたことと、Aパーツの乗員の脱出システムに問題があったことから、Sガンダムにおいては巡航形態となるために追加パーツを使用する方式を取った[26]。Sガンダムが元々持っていた3つのパーツへの分離は想定されていないが、A、Bパーツは強化パーツを排除することによって分離可能である[23]
武装・装備
Iフィールド発生器
胸部中央に張り出した四角いパーツはビーム・バリアー発生器。コクピットの防護と変形時の補強を兼ねており、Gクルーザーへの変形時に応力がかかりやすい胸部をフォローする。MS形態時は防御用のビーム・バリアーとして機能するが、4基の熱核反応炉を有するSガンダムであっても全身を覆うフィールドは展開できないため、普段はジェネレーターから供給されるエネルギーの一部をチャージし、必要な瞬間のみコクピット周囲に秒単位で展開する方式を取っている[22]
リフレクター・インコム・ユニット
ビーム・サーベル・ボックスに代わり膝部に装備。リフレクター・インコムが格納されており、これを展開することで発射したメガ粒子ビームを反射させる。その際は機体のコンピュータが最適値を求め、いかなる目標にも致命傷を与える。リフレクター面にIフィールドを展開する都合上、大量のエネルギーが必要なためインコム射出中にリフレクターを使用できるのは1回のみとなる。リフレクター・インコムにより、思いがけない方向からの攻撃が可能となっている[22]。ただし、このリフレクター・インコムを防御に使うことはできない[27]
また、このユニットにビームサーベルも格納される[22][25]
ビーム・スマート・ガン
腹部(Bパーツ・コクピット保護用アーマー上端)に増設されたムーバブル・フレームにマウント可能となった[22]。Sガンダムよりも行動半径が拡大したことから、Ζプラスのディスク・レドームを装着したタイプを用いることが多い[25]
大腿部ビームカノン
ビーム・スマート・ガンがムーバブル・フレームにマウント可能となったことから、そのまま生かすことが可能となった[22]
ブースター・ユニット
背部に2基装備[22]。エネルギー供給用ムーバブル・フレームラッチが2個あり、そこにビーム砲やスマートガンを装着可能としている[28]。Ex-Sガンダムでは、ここに左右で2基ずつ、計4基のビーム・カノン(出力12MW)を装備する[22]
プロペラント・ユニット[22][注 4]
両肩部に装備。大気圏内ではフェアリングとしても機能するプロペラントタンクで、無重力下であれば装備したままGクルーザーへの変形が可能であり、これを装着した際のEx-Sガンダムの総推力は大気圏を脱出できるほどとなる。MS形態ではデッドウェイトになることも多く、プロペラントを消費しきった段階またはMS形態への変形時点で廃棄されることも多い[25]
劇中での活躍
作中ではエアーズ市攻略戦で登場。ニューディサイズ首領だったブレイブ・コッドの駆るガンダムMk-Vと交戦する。コッドの卓越した技量、及びガンダムMk-Vの性能の前に翻弄されるものの、ALICEの覚醒により、辛くもこれを撃破する。
なお、「Anaheim Journal」100号には地球・ネパール地区で運用試験を行っていた当時の写真が掲載されているが、夕方に撮影された写真(アングルは左後方)ということもあり、塗装やマーキングからどの機体が地上に降ろされたかを判断することは不可能に近い。そのため、4機製作された機体のうち地上での試験に供されたのが何番機かは不明。

リファイン版Ex-Sガンダム

上記の「Ex形態はあくまでGクルーザーに付随するもの」という設定を生かす形で、「GクルーザーありきのEx-S」としてカトキハジメのイラストによるリファイン版Ex-Sガンダムが発表された[29]。カトキはある種の最新稿にあたると説明している。

従来の設定に比べて肩と腰部ジャケット(主翼)が二周り以上大型化され、肩からは腕より長い大型プロペラントタンクを吊り下げている。このプロペラントタンクはMS形態時に切り離されるほか、ゲーム『ガンダムアサルトサヴァイブ』ではシールドとしても使用されている。また、脚を開いて機体正面前方に水平に構えたビームスマートガンに両手を沿えるポーズ、パステル調のキースフェリス風分割配色(いわゆるスプリッター迷彩)やグラフィカルなロゴマーキングなど、Ex-S本来の姿として描かれている。

立体造形では、『ガンダム・センチネル』別冊に1/144フルスクラッチ(胴体の基本寸法は旧キット)作例[30]が、ホビージャパン別冊『ガンダム・ウェポンズ』Sガンダム特集号にてMGをベースにした変形可能な改造作例が[要ページ番号]それぞれ掲載されているほか、玩具『GUNDAM FIX FIGURATION』でもこのスプリッター迷彩とマーキングの機体が発売されている[要出典]


注釈

  1. ^ ΖΖガンダムの再設計機とする資料も見られるが[7][8]、『大型艦艇をも凌駕する重火力MSに対抗する機体』を求めたΖΖガンダムと『相手戦力に応じて柔軟にコンポーネントを換装する』Sガンダムでは開発コンセプトがまったく異なる。
  2. ^ 口径を50mmとする資料も見られる[17]
  3. ^ 膝部の同パーツを「サーベルホルダー」と記述した資料も見られる[18]
  4. ^ 「プロペラントタンク」と記述する資料も見られる[25]

出典

  1. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、124頁。ISBN 4-499-20530-1
  2. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、68-71頁。ISBN 4-499-20530-1
  3. ^ a b c d e f g h i j k 『ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、76-79頁。ISBN 4-499-20530-1
  4. ^ a b プラモデル「MG 1/100 Ex-Sガンダム/Sガンダム」
  5. ^ 『ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、135頁。ISBN 4-499-20530-1
  6. ^ 『機動戦士ガンダム ガンダムウェポンズ ニュージェネレーション編』ホビージャパン、2001年11月、30頁。ISBN 4894252600
  7. ^ 『機動戦士ガンダム MS大図鑑Part3【アクシズ戦争編】』 バンダイ、1989年6月、95頁。ISBN 4-89189-019-3
  8. ^ 『機動戦士ガンダムMS大図鑑PART.8SPECIALガンダム大鑑』バンダイ、1993年2月、94-96頁。ISBN 4-89189-206-4
  9. ^ 『1/144 Sガンダム』バンダイ、1988年9月、組立説明書。
  10. ^ a b 『1/100 MG Sガンダム』バンダイ、2002年10月、組立説明書、2頁。
  11. ^ a b c d e f g h 『ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、260-261頁。ISBN 4-499-20530-1
  12. ^ GUNDAM FIX FIGURATION #0014 MSA-0011(Ext) Ex-S GUNDAM[TASK FORCE α]』パッケージより。
  13. ^ 『アナハイム・ジャーナル U.C.0083-0099』エンターブレイン、2004年1月、34-35頁 ISBN 978-4757716636
  14. ^ a b c d e f g h i j k 『ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、80-81頁。ISBN 4-499-20530-1
  15. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、147頁。ISBN 4-499-20530-1
  16. ^ 『1/144 HGUC Sガンダム』バンダイ、2001年8月、組立説明書。
  17. ^ 『機動戦士ガンダム MS大図鑑Part3【アクシズ戦争編】』 バンダイ、1989年6月、96頁。ISBN 4-89189-019-3
  18. ^ 『1/100 MG Sガンダム』バンダイ、2002年10月、組立説明書、3頁。
  19. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、42頁。ISBN 4-499-20530-1
  20. ^ a b c d e f g 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、90-93頁。ISBN 4-499-20530-1
  21. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、94-95頁。ISBN 4-499-20530-1
  22. ^ a b c d e f g h i 『ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、82-83頁。ISBN 4-499-20530-1
  23. ^ a b 『1/100 MG Ex-Sガンダム』バンダイ、2003年3月、組立説明書、2頁。
  24. ^ 『ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、133頁。ISBN 4-499-20530-1
  25. ^ a b c d e 『1/100 MG Ex-Sガンダム』バンダイ、2003年3月、組立説明書、9頁。
  26. ^ 『ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、84-88頁。ISBN 4-499-20530-1
  27. ^ 『機動戦士ガンダム MS大図鑑Part3【アクシズ戦争編】』 バンダイ、1989年6月、99-100頁。ISBN 4-89189-019-3
  28. ^ a b c d e 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、89-90頁。ISBN 4-499-20530-1
  29. ^ 『ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、238-239頁。ISBN 4-499-20530-1
  30. ^ 『モデルグラフィックス スペシャルエディション ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、131-133頁、および168-169頁。ISBN 4-499-20530-1
  31. ^ MG誌のバンダイキット製作法作例より[要文献特定詳細情報]
  32. ^ 『機動戦士ガンダム MS大図鑑Part3【アクシズ戦争編】』 バンダイ、1989年6月、101頁。ISBN 4-89189-019-3
  33. ^ 『1/144 Sガンダム/ブースター・ユニット装着型』バンダイ、1988年11月、組立説明書。
  34. ^ ガンダムウェポンズ Ver.Ka&Sガンダム編
  35. ^ MG 1/100 PLAN303E ディープストライカー
  36. ^ MG 1/100 Ex-Sガンダム/Sガンダム






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