ムーバブル・フレームとは? わかりやすく解説

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ムーバブルフレーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/29 14:39 UTC 版)

ムーバブルフレーム (Movable Frame) は、メカニックデザイナー永野護によって考案・ネーミングされた[要出典]ロボット架空の機構。フレーム構造の一つで、可動骨格、可動骨組みの意味である。

なお、「ガンダム」シリーズにおけるモビルスーツについてなされているムーバルフレームというカナ表記/表音表記は、Movable Frameという綴りから分かるように明らかな間違いであるが、アニメ重戦機エルガイム』放映当時の設定資料でも、そのように表記しているものがある。

重戦機エルガイム

ムーバル・フレーム (MOVABUL F-LAME) [1]は、アニメ『重戦機エルガイム』に登場する架空の機構である。

機体の骨格をフレームによって構成し運動性の向上をはかる目的で採用された。また、規格を共通させることによって生産性を高める役割も持っている。フレームのサイズによってS型、M型、L型に分類されており同じサイズであれば装甲・装備の変換を容易に行うことができるために汎用性が高い[要出典]

ガンダムシリーズ

『ガンダムシリーズ』では『機動戦士Ζガンダム』において初めて「ムーバブル・フレーム」という、モビルスーツ(MS)のフレーム構造の設定が登場した。

RX-78ガンダムを含む従来のMSは外骨格(モノコック構造)で設計されており、装甲も骨格の一部として機体を支える構造をとっていた。そのため、大型機械であるMSを安価に生産できる反面、運用効率には課題を残していた[2]。また、ビーム兵器の普及により、重装甲化が有用ではなくなり始めた事を受け、運用は防御力より運動性を重視するものにシフトした[3]。こうして開発されたムーバブル・フレームは機体骨格と装甲を二分した構造をとり、整備性や運動性の向上に寄与した[3]。同時に、このフレームの採用により装甲そのものは第1世代MSのような骨格との兼用から純粋な装甲板へと変遷し、可動装甲板(フローティング・アーマー)となったことで可動域も向上した[4]。加えて、ガンダリウムγの採用によって、装甲そのものは軽量かつ剛性が高いものとなっている[4]。この技術の原型となったのはコア・ブロックシステム[3]マグネットコーティングである[2]

宇宙世紀0083年頃より可変モビルアーマー(MA)の開発が始まると[5]、その変形機構においてムーバブル・フレームは大いに活用され、機体サイズの小型化と剛性の強化を両立させた[5][注 1]

このムーバブル・フレームの実用化は地球連邦軍が先んじて成功し[5]ガンダムMk-IIで初の導入が行われた[2][注 2]

時を同じくして、ティターンズの意向によりガンダムMk-IIの開発に参加できなかったアナハイム・エレクトロニクスエゥーゴと協力し、独自に試作型のムーバブル・フレームを開発しリック・ディアスへの採用に漕ぎ付けている[5]。しかし、ガンダムMk-IIのそれよりも完成度は低く、一連のΖ計画の過程でデルタガンダムの開発に失敗していた。そこに、エゥーゴのガンダムMk-II強奪によって完成度の高い技術がもたらされ、Ζガンダムといった可変MSを実用化する事にも成功した[5]

一方で、宇宙世紀0111年にフォーミュラ計画が発動されると、MSの骨格や装甲には、サイコフレームで培われた技術をベースとしたMCA構造が取り入れられるようになった[6]

機甲戦記ドラグナー

ムーバブルフレームMovable Frame)は、アニメ『機甲戦記ドラグナー』に登場する、架空の機構。メタルアーマーのフレーム構造。

メタルアーマーのフレーム構造は全てムーバブルフレームであるとされ、超小型核融合のジェネレーターと最小限の駆動系、バーニア・ロケットモーターがワンパッケージとなっている[7]

脚注

注釈

  1. ^ なお、アクシズではムーバブルフレームに依らない独自の可変モビルスーツ、ガザシリーズを比較的早期に開発しているが、これは独自のブロック移動方式によるものである[5]
  2. ^ ただし、腕部等の限定的な導入はジム・クゥエルにその先駆型が導入されている[3]

出典

  1. ^ 永野護著、角川書店編『重戦機エルガイム』1-2、ザ・テレビジョン・アニメシリーズ、角川書店、1984-1985年
  2. ^ a b c 『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.8 SPECIALガンダム大鑑』バンダイ、1993年2月、36-37頁。(ISBN 978-4891892067)
  3. ^ a b c d 『パーフェクトグレード RX-178 ガンダムMk-II(エゥーゴ)』バンダイ、2001年11月、説明書。
  4. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、72頁。(ISBN 978-4891890186)
  5. ^ a b c d e f 『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、38-42頁。(ISBN 978-4891890186)
  6. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE35 機動戦士ガンダムMS大図鑑PART5 コスモ・バビロニア建国戦争編』バンダイ、1991年6月、60-61頁。ISBN 4-89189-157-2
  7. ^ 『Bクラブスペシャル ドラグナー モデル&設定集』バンダイ、1987年9月10日、42頁。ISBN 4-89189-324-9


関連項目


ムーバブルフレーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 22:49 UTC 版)

ガンダムMk-II」の記事における「ムーバブルフレーム」の解説

詳細は「ムーバブルフレーム」を参照 ジム・クゥエル腕部ガンダムTR-1ヘイズル2号機]のポッド可動フレームなどの技術をより発展させたもの。このムーバブルフレームを全身採用した機体本機が初となる。本機搭載されたムーバブルフレームの構造斬新かつ優秀で同時期に開発されリック・ディアスプロトΖガンダム搭載されフレームの設計凌駕している。そもそもジオンMSモノコック構造連邦MSセミモノコック構造設計概念異なっており、この時代MS両者必要に応じて使い分けていた。純粋な連邦技術のみで開発することにより、統一したフレーム機体構成するムーバブルフレームの発想至ったとも言われている。 ムーバブルフレームは装甲武装機体基本構造フレーム)と分離させることによってフレーム自身可動優先理想的な構造設計することが可能であり、可動に応じて装甲スライドすることによってフレーム保護するのである。これによって機体運動性能大幅に向上しメンテナンス性向上することになった。このムーバブルフレームにはフィールドモーター技術使用されており、フレーム自体伸縮するうえ、捻れることでストレス軽減することが可能である。また、フレーム各部設けられヒンジシリンダー自重加速衝撃時の応力分散させる機能兼ねているフレームには各種センサー内包され得られデータ管制頭部設けられコ・プロセッサーを介してメイン・プロセッサー伝達するとともにプロセッサーから各アクチュエーター指令出し応力衝撃分散最適化する機能有している。しかし、これらのデータメイン・プロセッサー統制しきれないほど膨大なであったため、データ優先度設けて処理がおこなわれている。 本機フレーム材質問題から関節軸の摩耗生じデータ処理優先度の関係からこの軸の偏摩耗情報機体制御十分に反映されていなかった。ムーバブルフレームの採用によって可動軸が増えたため、機体全体としてこの偏摩耗による影響無視することができなくなりパイロットはこれを補正しながらの操縦強いられた。これらの機体不安定さが、後述する墜落事故はじめとする頻発する事故の要因となっていた。後にエゥーゴはこれらの欠陥改良し本機主戦力として活用した結果として本機エゥーゴ強奪されることによって本当の意味完成したMSとなり、その性能発揮することとなったまた、本機コア・ブロック・システム廃し一年戦争末期提案され球形コクピット発展させた全天周囲モニター・リニアシート採用している。コア・ブロック・システムは「機体制御」と「パイロット保護」の2つ役割兼ねていたが、イジェクション・ポッド採用でこれらを分離することが可能となり、機体制御四肢にまで委ねるというムーバブルフレームへと昇華した

※この「ムーバブルフレーム」の解説は、「ガンダムMk-II」の解説の一部です。
「ムーバブルフレーム」を含む「ガンダムMk-II」の記事については、「ガンダムMk-II」の概要を参照ください。

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