MZ23関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 14:15 UTC 版)
メガゾーン(MZ) 巨大都市宇宙船の総称。地球管理システムによる地球再生に伴い、人類が新たな惑星に移民する目的で建造された。総数29隻が建造されたが、建造中に4隻がデザルグ側に奪われ、最後の1隻は建造を中断した(これが、後述のエデンシティの基礎となる)ため、最終的に24隻が外宇宙へ向けて旅立った。移民可能な惑星を発見できなかった場合は、出発時から500年後に地球へ帰還するようにプログラムされている。 なお、500年間という期限付きで外宇宙と地球圏を往来するには超光速航法が必須となるはずであるが、MZがそれを実現可能かについては作中で描かれていない。メガゾーン1(MZ01) 最初に建造されたメガゾーン。全長140キロメートル、1300万人が居住可能。内部には1950年代のニューヨークが再現されていた(通称「BIG APPLE」)。 MZ23 『PART I』『PART II』の舞台である「MZ23」はメガゾーンの23番艦を意味しており、その内部には「東京ベース」と呼ばれる第1層とバハムートが存在する第2層、そのほか複数の階層で構成され、最下層宇宙港には脱出用宇宙船が存在する。 東京ベースには、ビジョンホンが街中にあること以外は1980年代の東京が完璧に再現されており、VHS方式VTRやVHD、LDといった電化製品、自動車やバイクなども忠実に再現されている。 軍人以外の住民はバハムートによる情報操作や洗脳処理により、そこが1980年代の東京であると信じ込まされている。都外へ続く道はいずれも警察の交通部などによって封鎖されているが、住民には不自然と思われないように情報操作や洗脳処理が行われており、それらは住民が出張や旅行などで都外へ出る際や都内へ戻る際にも空港などにて行われているため、住民は地方や外国が存在すると信じて疑わない。 『PART II』の設定資料「メガゾーン断面図」によると、第1層と第2層の隔壁の厚さは40メートルくらい。第2層は高さ2000メートルの空間で重力が上下方向に働き、複数のエレベーターシャフトで天井と地上の都市をつないでいる。500年前の激戦の際に第2層は放棄されて廃墟となり、軍の管理下に置かれている。第2層の600メートル下には第3層と呼ばれる高さ1500メートルの空間があり、複数の支柱や隔壁で外壁を支えているが、先述の激戦で外壁が破れて真空になり、重力制御装置も動いていないため、無重力状態になっている。第2層の軍中央指令ビル地下には戦闘指揮所が設けられ、第3層の前線基地(『PART II』の冒頭で登場したもの)と直結されている。軍は外壁破損部を最終防衛ラインに設定し、破損部の外側にビーム砲台を設置していたが、デザルグの自動攻撃弾の侵入を阻止できなかった。 『PART II』のファイナルプロテクションモード発動シーンでは、崩壊していく第1層の各所から支柱や隔壁が出現する様子も描かれている。また、デザルグが消滅していくカットとMZ23内が崩壊していくカットの間には、消滅していくデザルグの横に球体のような外見で浮かんでいるMZ23が確認できる。 バハムート 巨大都市宇宙船「MZ23」を統括している巨大コンピュータで、正式名称は「メガゾーン23維持システム・バハムート1021」(『PART III』による)。 高さ1000メートル近い円錐台状の構造物が第2層の上下から向き合う形式で設置され、中央部(作中では光って表示される箇所)には隙間が存在する。EVE CPUは上部構造部(東京ベース側)に存在し、軍のバハムート解析センターは下部構造部の近くに設置されていた。 推進機関として、下部にメインスラスター5基、補助スラスター8基、外周部に6基の補助推進機関(『PART II』で崩壊していくMZ23から離脱した直後にパージされた丸いパーツ)を搭載しており、最終的には脱出用カプセルと化して地球に降下した。軍がバハムートのプログラムを解析していた際に表示されていた文字列は、Z80のアセンブラである。その後、バハムート掌握時にプログラムを「マシン・ランゲージ(機械言語)」に変換していたが、こちらはBASICで記述されている。 ガーランド シリーズ全作を通しての主役ロボット。通常バイクでの製造メーカー名が記される箇所には「BAHAMOUD」と刻印されている。『PART I』では、バハムート内のデータを基に軍が製造した機体。『PART II』では、前作のラストでの半壊状態から軍が量産型のパーツを用いて修復した機体(名称:プロトガーランド)として登場する。劇中の省吾の台詞で語られるようにベンベ(BMW)にぶつけても無傷で、パトカーを容易に横転させるなど常識外れの強度とパワーを有している。 その実体はMZ軍部がメガゾーン23を実効支配・管理しているコンピューター「バハムート」から未開放の最終プロテクト「7G」を解除する為、不完全ながらも読み出したデータを基に再現した機体であり、それ自体がバハムートへのアクセス権を持つ端末となっている。軍はそれを知らず強奪し町中で堂々と乗り回す省吾を付け狙う。単純に一兵器としてみても、MZ軍所有兵器よりも遥かに高性能で完成度が高く、その後の軍の兵器開発に大いに影響を与えている。 バイク型のマニューバクラフト(MC)形態から人型のマニューバスレイヴ(MS)形態に変形する。搭乗者の装着するヘッドコネクター(ゴーグル状のパーツ)が思考伝達装置を兼ねているため、手動操縦しながら考えるだけで複雑な動きが可能であるが、GR-IIガーランドのパーツで改修されてプロトガーランドと化してからはヘッドコネクターが不要となっている。 外装のベースカラーは真二が持ち出すまではロールアウト状態のオリーブグリーンだったが、省吾の手に渡った後は彼に依頼されたココの手で真っ赤に再塗装されている。こちらも、改修されてプロトガーランドと化してからは軍の手でやや渋めの赤に再塗装されている。 全長3.85m。動力源は反発動力システム。機体各所に設置されたバーニアにより短時間なら空中戦も可能である他、宇宙空間での稼動も可能なバーニアを装備。各種センサーおよびその妨害装置(センサーリダクション)も内蔵し、建物内でも遠距離の会話を傍受出来るほどの高性能を誇る。武装はレーザーオーブガン(ガーランドの腕部外側にレーザーオーブガンの予備カートリッジを内蔵)。最高出力:525馬力、最大トルク:60.6キログラム、最高時速:320キロメートルのモンスターマシンである。なお、レーザーオーブガンは『PART I』で失われたため、『PART II』では事実上の非武装状態で登場した後、GR-IIガーランドから奪取したレーザーオーブライフルを使用している。 『PART III』にも残骸として登場。プロトガーランドの機体内に残されていたチップが、ヤコブのオリジナルガーランドに追い詰められたエイジのE=Xガーランドを勝利へ導くこととなる。名称は日本語の「がらんどう」のもじりとされる。人間が乗り込むためには内部構造はがらんどうにせざるを得ない(空中戦を行うためのプロペラントの置き場所すら考慮されていない)という、自虐的な名称である。 ただし、メカニックデザインとして『PART I』に参加していた宮尾岳はこの説を否定している。当初は「ガリアード」とする予定が、語感のよく似た作品が出てきたことで没になったために急遽別の名称を考え出さざるを得なくなり、「ガ」で始まり「ド」で終わる単語を考えた結果、アメリカの歌手(『虹の彼方に』の歌唱者)であるジュディ・ガーランドから取ったという。 講談社X文庫版の小説『メガゾーン23』では、英語表記が「Garland」であるべきところが間違って「Garand」と記載されていた。執筆した石黒昇自身も、ファンからの電話による問い合わせまで気が付かなかったという。 2008年にアオシマより発売されたプラモデルでは、MC形態時でのレーザーオーブガンは腕の間に挟まった形で収納されている。 GR-IIガーランド 『PART II』に登場。ガーランドのデータを軍が解析して一般兵士用に量産した機体であり、ハーガンに代わる普及機として配備されている。主武装はレーザーオーブライフルであるが、プラズマサーベルも搭載していることが劇中の台詞から示唆されている。反重力システムが採用されており、ホバー・クラフトのように地上スレスレを浮上走行(マニューバ・「クラフト」の名称の由来)するため、ガーランドのようなタイヤは装備されていない。スペックはガーランドに劣らないものの、デザルグの自動攻撃弾には敵わず、次々と倒されていく。 E=Xガーランド 『PART III』に登場。E=Xの主力機体。タイヤによる走行機能や人型時(「Gモード」)のタイヤ配置などはガーランドと同様のものへ立ち返っているが、全身のデザインは手足を中心に細身かつ怒り肩へ変更されており、武装も中長距離射撃用のハンドガン(エイジ機はバハムートで拾ったGR-IIのレーザーオーブライフルを使用)、ミサイル(両腕の外側に2発ずつ内蔵)、近距離戦闘用のダガー(両腕の内側に1本ずつ内蔵)など、強化されている。 分類上はどれもオレンジハーガン共々、「マシンソルジャー」と呼称される。また、エイジ機のほか、コストパフォーマンスを重視してデザインを簡略化して性能を落とした量産型も登場する。デザイン時に武装の置き場所が考慮されている(ダガーは内蔵ゆえにヤコブのオリジナルガーランドとの最終決戦まで失われず、最後の1本がエイジに逆転勝利をもたらすこととなる)点はガーランドと異なるが、背部スラスター用プロペラントの置き場所が考慮されていない点はガーランドと同様である(マニューバスレイヴの推進器が化学燃料式でなく反発動力式であれば問題ない)。 オリジナルガーランド 『PART III』に登場。1千年以上前に建造され、すべてのガーランドの基礎となった未解析の機体であり、エデンシティの奥底に隠されていた。E=Xガーランドのようなバイク型への変形機能やダガーのような近距離用武装こそ持たないものの、E=Xガーランドより大型で細身ながら黒い機体の強大な出力に合わせ、大型ライフル、肩部の多段ミサイル、腹部のビーム砲(主砲)と揃った中長距離用武装により、総合性能はE=Xガーランドやオレンジハーガンを易々と凌駕する。最終決戦ではエイジのE=Xガーランドの攻撃をものともせず半壊に追い込むが、止めのビーム砲を発射する直前に砲内へダガーを投擲され、その命中による誘爆で撃破される。 なお、「ガーランドは、元々はバハムート内に残されていた最終戦争時の(非変形のロボット)兵器(おそらくオリジナルガーランドのこと)のデータが、他の(バイク型の)兵器のデータとごちゃ混ぜになってしまったために、MZ軍によって可変機として再設計された」、「ガーランドは反重力クラフトを搭載した形態こそが真の姿」、「『PART I』のガーランドは、バハムートからデータを得た時点でまだ反重力クラフトに関する情報は取り出せていなかったために車輪駆動を採用」、「プロトガーランドも再生に当たった段階ではMS形態で手足となるGR-IIのパーツこそ用意はできたものの、反重力クラフトの解析が進んでいなかったために再び車輪駆動を採用した」「GR-IIの反重力クラフトはあくまでメガゾーンの人工重力に対して機能する物で地球上では全く浮き上がらない」などと記述した文献も存在するが、その設定がアートミックによる公式なものかは不明。 ハーガン シリーズ全作を通じてガーランドと対を成すロボット。『PART I』では軍の主力としてガーランドへの追撃に投入されたほか、クライマックスでバハムートへ特攻してきた省吾とガーランドの迎撃にも当たった。B.D.も使用したが、特に一般機との違いは見受けられない。武装としては、格闘戦用のビームサーベル(劇中では「ライトサーベル」とも称されている)やシールドがある。 なお、『PART I』ではガーランドと違って単独での可変機構は搭載しておらず、MC形態からMS形態への変形の際は専用トラックへ入り、車体の変形と共に手足のパーツを接続させる必要がある。スペースハーガン ハーガンからMC形態への変形機能を排除する代わりに、装甲を強化して機体の各所にバーニアを設け、無重力戦闘に特化させたMS。巨大なプロペラントタンクにより、最大出力や稼働時間はガーランドやハーガンを大幅に上回る。『PART I』ではMZ23の外壁部分にて対デザルグ戦に投入され、『PART II』ではその改良型(名称:ゼロゼロハーガン)が投入された。名称のゼロゼロは「0気圧0重力」対応型の意。 オレンジハーガン 『PART III』に登場。オレンジ社の主力マシンソルジャー。外見は『PART I』『PART II』のものとほぼ異なっており、手も3本指になっているが、『ハードオン』が実はハーガンの操縦者育成用シミュレータだったこともあり、操縦系統は同ゲームのままである。 フラッガ 軍の一般兵士用飛行メカで、ファイティング・クラフトと称される兵器類に属する。2枚並んだ回転翼の真ん中に申し分程度にある胴体に、兵士が中腰で乗りながら装備されている機銃を撃つ、といった機体。ハーガンの空中運用のほか、併用する形でガーランドの追撃に投入された。『PART II』にはその改良型(名称:フラッガII)が、『PART III』にはE=X用ホバーバイク(名称:E=Xフラッガ)として登場。こちらは外見が『PART I』『PART II』のものに似ており、エデンシティの一般警備に出動するその役割は、E=Xガーランド隊の前座に等しい。 ヴィルデ・ザウ 『PART II』に登場する発展型MSで、最高の戦闘力を有する宇宙と地上の汎用機体。変形は可能だか外装をパージする必要があるいわゆるフルアーマー状態だから可変は封印される。その大きさはガーランドの約2倍にも及び、登場機体の中では極めて大型。末端肥大な脚部は、歩行に適しているとは言い難いが、変形せずとも、MCのように地面を滑るように浮上走行することが可能(その点では末端肥大な脚部の方が安定的)。ガーランドにも搭載されていた思考伝達システムを用いており、反応速度も向上している。その反面、制御できるパイロットが限られてしまい、配備数はセンチュリアンの中でもエースパイロットに向けに少数が生産されたのみとなった。本編では、FX艦隊がデザルグと交戦した際にセンチュリアン第一師団長ウッズマン大尉が搭乗し、デザルグの戦闘機を数機撃墜するなど健闘した。プロトガーランド追撃時にも白鳥の乗る指揮官機として投入されており、最終的には本機がプロトガーランドを撃破した。ラストではB.D.の直属と思われる数名が、彼の駆るザーメ・ザウと共にMZ23から脱出する際に使用している。 武装は両腕部に内蔵のビームガン(肩部ユニットとの接続により、プラズマキャノンとして用いることも可能)のほか、携行武装としてプラズマライフルやプラズマサーベルを装備している。 名称はドイツ語で「野生の豚」の意。なお、「ザウ」には「猪」の意もある(発表当初の書籍類[要出典]には「野生の猪」と記述されている)が、バンダイより発行されたムック『アートミック・デザインワークス(アートミック:編)』では「豚」と記述されている[要ページ番号]。ザーメ・ザウ ヴィルデ・ザウをB.D.専用にカスタム化した機体。共通なのは基本設計部分のみで、各パーツの形状は大幅に変化している。 名称はドイツ語で「飼い慣らされた豚」の意。B.D.が専用機として、文字通り意のままに操れることを表している。『アートミック・デザインワークス』では「アブない名前」との旨が記述されている[要ページ番号]。なお、ヴィルデ・ザウとザーメ・ザウの名称は、どちらも第二次世界大戦時のドイツ空軍における夜間迎撃戦術の名称に由来する。
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