サンクワール
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レイン 声 - 森田成一 主人公。平民。傭兵上がりのサンクワールの上将軍。年齢は25歳だが見た目も肉体も18歳のまま停止している。コートクレアス城城主。自称「神童」「疾風のレイン」「世界最強の男」「怪盗ブラック仮面」。二つ名は「知られざる天才剣士」、「知られざる天才」、または「ドラゴンスレイヤー」。なお、「ドラゴンスレイヤー」の名はレインが本編で明かすまでほとんど知られていなかったので「知られざる天才剣士」のほうが有名で、明かされた後でも本人の実力を見たことがなく、その噂を聞いただけの(もしくは「もしかしたら」と忠告された)者はほとんど皆信じない。 いつも黒ずくめの格好をしており、戦いのときでも鎧など防具の類は一切着用しない。ホークによると、「年齢問わず女性をひきつけるタイプ」、ラルファスは「なんと女性と縁ができやすい男か」と感心している。現在は悪名高い魔剣“傾国の剣”を持つ。豪放磊落に見えるが実はかなりの策士で、優しい一面も持つ。 本編上では寝るのは数日に一度という生活を送っており、夜は比較的早いうちから周りの人間にバレないように夜通し修練を積んでいる。ドラゴンスレイヤーの体質がそんな無茶を可能にしているようだ。それらを知るのはシェルファをはじめ城内でも数人だけ。一種の自己暗示により一瞬で寝たり起きたりすることができ、起きた直後も寝ぼけない。 15歳で旅に出始め、盗賊団などを潰しつつ(少年時代のレインは盗賊団やゴロツキなどは基本的に皆殺しにしている)名だたる傭兵や騎士などに戦いを挑んでいった。ホークと戦った時は剣を握り始めて半年未満(一応寝る間も惜しんで修練を積んでいたらしい)で勝利し、その後同年に劣勢に追い込まれながらもシルヴィアに勝利し、彼女から魔法を教わった。その実力は彼女がレインの攻撃魔法を取り入れるほど。 18歳のときに瀕死の重傷を負いながらもドラゴン(古龍)を倒し、ドラゴンの持つ不死性、体力、筋力、魔力、特殊能力(アンチ・マジック・フィールドなど)を受け継いだが、肉体年齢は18歳で永遠に停止することになった。古龍をしてその実力から人間の例外だと言わしめた。他にも魔界より迷い出た鬼神、ソウルイーター、バーサーカーなどの数々の魔物とも戦い、勝利しているらしい。ひどい音痴なのだが本人はうまいと思っているらしく、人目を気にせずよく歌っている。ファヌージュ産の紅茶が好み。リトルドラゴンでさえも飲むと死ぬと言われている、バライソの死酒を通常の殺人に使われる量の(1杯当たり)30倍混ぜた物を飲んでも平気(何杯か飲んでも特に体調を崩す訳でもなく、いつも通りの体調のまま)。どうやら、暗い過去を持っているらしい。 シェルファ・アイラス・サンクワール 声 - 水橋かおり ヒロイン。設定当時はシエルという名前だった。サンクワールの王族。16歳。金髪に碧眼で欠点をあげつらうことのできないくらいの美貌を持つ。 亡き母親・エレノア王妃は魔法使いであり、父親のダグラス王には嫌われ、ほぼ軟禁状態にされていた。シェルファが13歳の時にレインと出会い電撃的に恋に落ちた。その際、「ミシェール」と偽名を名乗ったため、レインは彼女を見付けることが出来なかった。本人は記憶を消されていて、自身は覚えていないものの幼少時代に幾度もレインの夢を見ていた。これは魔人が持っているビジョンと呼ばれている能力に近い。後にサンクワールの姫王になる。主城のガルフォート城には東西南北にシェルファの気配を外部に漏らさないよう特別な魔法陣が埋められており、彼女自身にも消えかかっているが封印が施されている。後にこの結界が王妃によって築かれたことが判明する。 時折人格が豹変する時があり、普段の彼女からは考えられない言動や行動を見せるほか、気配を読む能力や一時的にレインに匹敵するほどの力の波動を出すこともあり、同時に身体能力も爆発的に向上する。シルヴィアがシェルファの記憶を探ろうとした際に豹変したときは、ドレス姿にも関わらずレインから貰った魔法剣(銘はレイン)でシルヴィアに切りかかり、スピード、剣技のキレともにシルヴィアと互角に渡りあっていた。ミシェール 魔族であり上位魔人。シェルファが未だ母親の胎内にいた際、衰弱しきっていたために緊急避難として彼女と同化した。シェルファが豹変する時の人格とはまた別である。既にシェルファと同化していて、シェルファには影響力を持たない。シェルファに同化した理由を明かしていないが、レインは薄々気付いている。シェルファが子供の時に見ていた夢を頼りにレインの行動を蔭ながら見守っており、彼女の経緯を見ているうちにミシェール自身もレインに恋心を抱くようなった。シェルファがレインに最初に名乗った偽名もミシェールと同化していたがゆえに、出てきた名前である。 ラルファス・ジュリアード・サンクワール(ラルファス・ジュリアード・ジェルヴェール) 声 - 浪川大輔 サンクワールの上将軍および筆頭貴族。長年の戦功で特別にサンクワール性で名乗ることを許されている。25歳。金髪に碧眼。かつての聖戦の英雄ジョウ・ランベルク(ジョウ・ジェルヴェール)の子孫。レインからレイグルが置き去りにした魔剣“ジャスティス”を譲り受けた。レインの親友で、シェルファほどではないが、レインのことを理解している。 誠実で高潔な性格のため平民、貴族問わず人望があるが自分では自覚していない。シャンドリス戦では元々二千程度だった自身の部隊を、一般市民に偽兵の募集を呼びかけることで九千にまで増加させるほどの求心力を見せた。サンクワール貴族としては珍しく有能な指揮官である。普段は兵士一人一人にも気配りを忘れない。戦闘の際には戦士としてなかなかの実力を見せる。レインが上将軍として初めて軍議に参加した時から、彼の言動に怒る王から何度もかばっている。これにより王から次第に見限られ、ザーマイン戦の直前彼の部隊のみ野営地に置き去りにされることとなる。 レインからルナン遠征時に注意と助言(積極的に攻撃に参加するな・殿を志願するな)を受けたが、元々の性格が災いし撤退時に殿を志願してしまう。しかしそれすらも見越したレインが助太刀し、危機を救う。それ以降、一生の恩人として、また、親友として接するようになる。レインに辛い過去があるらしいのを薄々ではあるが気付いている。 ギュンター・ヴァロア 声 - 中尾みち雄 元々はレインと敵対していたらしいが、対決で敗れ後に臣従。以降「股肱の臣」として尽くしている。年齢不詳だが、見た目は20歳そこそこ。サンクワールの中で唯一貴族以外で姓を名乗っている。無愛想で、黒ずくめ。いつも慇懃かつ渋い顔をしている(しかし、シェルファに対しては稀に一瞬だけ笑顔を見せることがある)。サンドイッチが好物。 自らの主人であるレイン以外には一々頭を下げたりせず、シェルファとレインに対する態度はラルファスと正反対であるが、口調は誰に対しても敬語である。レインの命令は絶対服従のようで、長にもかかわらず自ら間諜として行動したり、看板を立てたりするなどの命令もこなしている。レインとは過去に、お互い隠し事はしないと約束をしている。黒い刀身に赤いオーラの魔剣を持っている。レニよりも剣技は上。工作や諜報に関わる部隊の長。レインが付近に居ない時シェルファを影で護衛している。セイル達が捕虜としてコートクレアス城に捕えられている間は、彼らの見張り兼護衛役として城に留まった。またアリサがガルフォート城に乗り込んできた際には、城警護の『影の』総責任者であると発言している。 レインの命なのかは不明だが、人を殺めることに抵抗が出来てしまったセルフィーをさり気無く諭したり、自身の正体が明らかになることでレインに嫌われるのではないかと悩むシェルファの相談を聞いたりと、登場人物の悩みを多々解決している。 レルバイニ・リヒテル・ムーア 声 - 山口勝平 レインの副官。通称レニ。24歳。レインの傭兵時代からの部下。かなり臆病だが、剣技は二刀流を得意としており、いざという時に本来の力を発揮する。母が没落貴族だった。可愛い女の子に弱い。 セノア・アメリア・エスターハート 声 - 水城レナ レインの副官。20歳。サンクワール五大貴族の出身だが、根は素直でやさしい。いつも何かにつけてレインに文句を言っているが、ひそかにレインに想いを寄せている。かなりの乙女趣味。 朋輩であるレニに対し臆病者と決めつけ、レニのことを理解せずにいたが、廃坑内で助けられたことで見直した。レイン曰く「セノアが使えるのは戦闘が始まる直前まで」。ただし、原作では戦闘力が皆無であり剣を全く扱えていないが、漫画版では戦場で剣を持って戦う姿が確認できる。 サフィールの登場で一旦ガルフォート城を去ることになった時には、ギュンターの「敵となるか味方となるか」という問いに、貴族である自分が祖国を裏切るような形をとっていいものかとして、ただ一人答えあぐねていた。しかし、最終的にはレインの臣下として付いて行くことを決心する。 ガサラム 55歳。かつてはファヌージュの騎士団の隊長だったが、引退後は警備隊隊長になる。その後レインと出会い斬り合いになり、危うく死に掛けたことをきっかけに警備隊を引退(歳が歳なのでクビになったとのこと)。後にレインの副官となる。根っからの親父肌。剣技も立つが戦慣れしていて場の空気を読むのが上手い。レイン曰く「お買い得な親父」。また、傾国の剣がある遺跡の場所をレインに教えたのは彼である。 セルフィー レイン直属の騎士見習い。17歳。騎士志願の貧乏少女。父親が警備隊所属の騎士だったが、無能な貴族に汚名を着せられ殺害されたため、ほとんどの貴族を嫌っている。始めは人を殺すことにかなりの抵抗があり、初めて人を斬った時には吐くほどであったが、徐々に戦いに慣れていく。レインの優しさに触れ彼に恋をする。レインの過去を知る数少ない内の1人。転んだり着替えの度に何故かタイミングが悪く、レインに下着を見られてしまうことが多い。 ユーリ 声 - 井上麻里奈 レイン直属の騎士見習い。16歳。元はザーマインの間諜であったがレインの説得(買収、もしくは脅し)に応じて仲間に。セルフィーの親友。レインに対しよく文句を言う。レインに仕える経緯が他と異なることや、敬語が元々苦手であることが原因となり、何かの拍子に上司(主にレイン)に対してため口になることが多い。 ミラン レインに仕える誠実な性格の正騎士。19歳。レインのおかげで騎士見習いから一気に五人隊長になる。位を上げてくれたレインに言葉に尽くせないほど感激し恩義を感じている。部下に任せればよい嫌なことも自分から進んでやっている。ゴースト騒動の際にはゴーストに出会い、シェルファの護衛をしていたが皆と同様に記憶を消されている。武闘会でもシェルファの護衛についていたが、実は幻視の術を使ったレインだった。今や城内外で伝説化している“悲惨なMの話”の発端者(?)。 シルヴィア・ローゼンバーグ ホークの親友。原始のヴァンパイアにして最強のヴァンパイア・マスターで、人間からは様々な二つ名で呼ばれている(史上最強のルーンマスター、ブラッディアイ、ナイトフライヤー、クリムゾンファング、ダークビューティーなど)。上位魔人のノエルから見ても、強大な力を持つ。年齢は3700歳以上。人族が使う魔法体系を確立し広めた、いわば現在のルーンマスターの始祖。少年時代のレインの過去を知る理解者(同時に本気でレインに惚れてしまった)であり、過去のシェルファを知っている。 本来ヴァンパイアは直射日光の下では外を歩けないが、シルヴィアのみ例外である。また、レインと同等かそれ以上の魔力に加えて二刀流も使いこなし、少年時代のレインを凌駕するほどの剣技を持っていたが、シルヴィア自身が気づかなかったわずかな隙をつかれることにより自ら負けを認める(ただし実際には決着が着かずじまい)。レインに負けるまで無敗。以前にも魔人と戦ったこともあるようだ。ミニスカートやショートパンツなど、肌の露出が多い服装を好む。 レインとの決闘後、彼に請われ(ホークの紹介状もあって)魔法の師匠となる。レインの噂を聞いてサンクワールを訪れた際に、ついでで参加した武闘会で全勝(大会はシェルファを暗殺しようとした騒ぎで本戦の途中で中止)を遂げてレインの臣下になる。レイグルの使った転移系の魔法も使えるが、レインには教えていない。 霧の国の長だったが、レインの部下になってからは国政を誰に任せているかなどは一切不明。 ノエル 超強気な魔人少女。120歳前後。レオタードに近い、露出過多の服を着ている。 眠いと感じると場所が何処であろうとすぐに眠れる。武器は柄から出現する光の剣(ブレード部分はノエル自身の魔力であり、並みのルーンマスターが使おうとすると1秒も持たずに魔力が枯渇する)。傾国の剣以外に唯一遠隔攻撃が使える。レインとの戦いに敗れて今は部下同然になっているが、立場上は客人の扱いである。レインに好意を持っているようだが、頑として認めようとはしていない。シルヴィア曰く「妙なところで純情」であるらしい。得意技はナイトワールド。 ファルナ シェルファに仕える正騎士。23歳。武道会で本戦まで残ってシェルファの正騎士となった。実はガルブレイクの養娘。ガルブレイクをレインに殺されたことでレインに復讐することを誓っており、その罪は自らの命で購うと決めている。 アベル シェルファに仕える正騎士。自称勇者。武道会で本戦まで残ってシェルファの正騎士となった。勇者の血を受け継いでいることから常人よりタフで回復力が高い。また、魔法を詠唱なしで使うことができる。普通の人間よりかは強いが武道会本戦でシルヴィア・ローゼンバーグに手加減された上に完膚無きまで倒されたことから人の範疇の強さでしかない。 フェルト 愛と美と調和の女神メナム神に仕える神官。武道会本戦ではギュンターと対戦し手も足も出ないまま敗北する。しかし本戦まで残ったことからシェルファにより教会をつくることを許され、シェルファに仕える。後に神官長になったらしい。 リエラ シェルファに仕えているメイド。シェルファがガルフォート城を出奔したときに途中まで同行した。その後は実家に戻っていたのだがレインの配慮から再びシェルファに仕える。好奇心が強く、レインとシェルファの関係を有らぬ方向へ想像していたりする。 タロン レインに仕える正騎士。十人隊長。 グエン ラルファスの副官。35歳。斧使い。ラルファスのことを「大将」と呼ぶ。レインのことも「レイン将軍」ではなく、「レインの大将」などと呼んでいる。山賊の頭のような顔をしているがとても優しい。力自慢だが、以前レインに腕相撲で勝負しあっけなく負けている。 ナイゼル ラルファスの副官。見かけは華奢な美少年。一時レインに対する危惧から彼に対して不信感を抱いていたが、ラルファスに諭されてからはある程度解消されたようである。 エレナ・フェリシア・ハルトゥール 現在ハルトゥール家の当主代行を務めている。18歳。ラルファスにベタ惚れであるが、根本的にラルファスのことを誤解している。レインのことを「成り上がりの平民」と毛嫌いしている。また、部下に何度かレインの暗殺や失脚を命じるも、全て失敗している上にバレている(レインの項目にあるバライソの死酒についても彼女の仕業)。 ギレス 元サンクワールの上将軍。ガノアと共にザーマインに寝返るが、裏切りを知って駆けつけたラルファスに殺害された。 サフィール・ダルマナック・フォスティール 元サンクワールの上将軍。ザーマイン戦で行方不明になっていた。ダグラス王の遺言書を持ってガルフォート城に帰還して、その遺言書をもって王になろうとしたが、レインとラルファスに反発されサンクワールは内乱状態になった。その後。内乱に介入してきたシャンドリス軍にサフィールは戦いを仕掛けるも惨敗。グレートアーク城(サフィールの居城)に逃げ延びる。 その際、自らの傲慢な態度を改め、ルディックや和解を求めに来たレインも驚くほどに人柄が変わった。その後、レインとラルファスの混成軍に一掃された際、自らの望みによりレインとの一騎討ちによって死亡するが、遺言書は本物であったようだ。 ルディック サフィールの副官。42歳。元はサフィールの同僚貴族の部下でサフィールから見れば陪臣だったが、軍を統率するにあたりサフィールが直臣として引き抜いた。引き抜かれるまでは子爵で100人隊長だったが、直臣に取り立てられた際に1000人隊長の将軍職に抜擢された。サンクワール貴族にしては珍しく戦術眼に優れており、一流の将帥。軍を指揮するにあたり、爵位が低く軽く見られがちと不満を持っていたところ、サフィールによって伯爵位へ引き上げられた。抜擢当初は嬉しく思い家族にも喜ばれていた。サフィールや反王女派に対し失望し不満を抱いていたが、シャンドリスに敗れたサフィールが今までの傲慢な態度を改めたことにより、再び固い忠誠を誓う。グレートアーク城にて、サフィール一派がレインとラルファスの混成軍によってほぼ壊滅した時点で、レイン軍に突入し殉死した。
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サンクワール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 14:55 UTC 版)
ミュールゲニア大陸の海に面した南西に位置する小国。大きさは日本の本州程度。首都はリディア。かつて5人の冒険者が国を立ち上げ、現在のサンクワールの上級貴族であるサンクワール王家を筆頭とする五家の始祖となる。始祖となった冒険者たちの血を受け継ぐサンクワール貴族が他の人族より長寿で、なにもなければ数百年も生きることから、冒険者たちはエルフではないかと後世に言われるが定かではない。また、始祖となった冒険者の特徴が色濃く受け継いだのかサンクワール貴族は金髪に碧眼である。
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