放射線 放射線の線量概念

放射線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/23 14:39 UTC 版)

放射線の線量概念

放射線の線量概念はその測定したいものに応じて様々存在している。詳細は各線量概念の項目参照。放射能の強度については、放射能#放射性崩壊の速さとしての放射能 (activity) とその単位を参照。

用語 意味 単位
吸収線量[注釈 23] 放射線によって物質が得たエネルギーを表す尺度 Gyグレイ[注釈 24]
等価線量 人体の各臓器に対して定義される、放射線の影響を表す尺度 Svシーベルト[注釈 25]
実効線量 個人の体全体に対して定義される、放射線の影響を表す尺度 Svシーベルト
照射線量 照射された放射線の総量を表す尺度 Rレントゲン[注釈 26][注釈 27]

放射線の検出・測定

放射線は肉眼にも見えず熱くもないので、検知するために特別な測定器具を用いる。測定したい線種と目的に応じて適切な器具を選ばなければならない[12]

放射線検出器に用いられる反応

放射線は物質と相互作用するが、そのうちの一部及びそれらから誘発される二次的な現象は放射線検出器の原理として利用されている[13][注釈 28]

電離 (ionize)
放射線と物質との相互作用によって原子は電離される。このとき放出された電子と陽イオンとでイオン対が生成されることになるが、これらを電気的に集めて入射した放射線(電離をもたらした放射線)を検出することができる。電離反応を利用した検出器としては、比例計数管ガイガー=ミュラー計数管、半導体検出器、電離箱霧箱泡箱、放電箱などがある。
励起 (electrical excitation)
放射線によって励起された原子や分子が、その後に発光することがある。発光する物質をシンチレータ (scintillator) と呼ぶ。この発光現象を利用して放射線を検出器の原理とするものをシンチレーション検出器と呼ぶ。
その他の現象を利用したもの
  1. 化学反応:放射線により誘発された化学反応や写真作用を検出器の原理としているものもある。フィルムバッジなど
  2. 放射線損傷 :放射線によって、物質の結晶に格子欠陥が生じたり、物質の材料科学的な物性値が変化したりすることを放射線損傷を受けたという。放射線損傷を利用した検出器としては固体飛跡検出器と呼ばれるものがある。
  3. チェレンコフ放射:チェレンコフ検出器

用途に応じた測定方法

環境にある放射線の測定
  • 数日から数ヶ月の積算線量の測定:写真乳剤、ガラス線量計、熱ルミネッセンス線量計
  • 原子力施設や放射線利用施設の中の作業環境における線量測定:サーベイメーター
個人線量の測定

放射線障害とその防護

人体が放射線にさらされることを被曝と言う。被曝は、放射線を身体に外部から浴びる外部被曝と、体内に放射性物質を取り込んだことによる被曝である内部被曝に分類される。

放射線は生物にとって有害であり[4]、浴びた放射線の線量に応じて何らかの障害、放射線障害が現れる。放射線障害は大まかに線量に応じて確率的影響 (stochastic effects) と確定的影響 (deterministic effects) に分類される[注釈 29]

放射線障害の歴史は概ねレントゲンによる X線の発見(1895年(明治28年 ))から始まるが、放射線の防護については1940年(昭和15年)ごろの原爆開発から保健物理という名称で調査・研究されている。

国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、「事故などによる一般公衆の被曝量[注釈 30]は、年間 1 mSv(ミリシーベルト)を超えないように」とされた(1990年(平成2年)勧告による)[15]。(なお、放射線を扱う作業者については諸事情を考慮して)、5年間で 100 mSv を超えてはならないとされた[15]。2007年(平成19年)の勧告では、これに追加する形で、個人が直接利益を受ける状況では1から20 mSv 以下とし、事故発生時等の被曝低減対策が崩壊している状況下では20から 100 mSv 以下とした[16]









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