最尤法
一致性,有効性,十分性を満たす最適推定量は,最尤法 により求めることができる。
母数が θ である母集団 f ( x | θ ) から,n 個の標本 X1,X2,... ,Xn が抽出されたとする。
このとき,確率密度は(1)式で表せる。

今までは,母数 θ を持つ母集団から抽出された一つの確率変数 x が X という実現値をとるとして,f ( x | θ ) を x の関数と見てきたが,x が固定されていると考えれば (1)式は θ の関数とみなすこともできる。
このとき,フィッシャーは(1)式を 尤度関数 と呼び,(2)式で定義される θ の取りうる種々の値に対する L を θ の 尤度 と定義した。

最尤法とは,X1,X2,...,Xn を固定した場合に θ の尤度が最大になるように 最尤推定量

最尤推定量は(2)式を θ で微分すれば求めることができる。 しかし,実際の計算では L の対数をとった(3)式を用いる方が便利である。 L の最大値を与える



なお,(2)式の θ の最尤推定量を



最尤法
最尤法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/13 07:51 UTC 版)
「Partial Response Maximum Likelihood」の記事における「最尤法」の解説
詳細は「ビタビアルゴリズム」を参照 最尤 ( ML ) 復号では、ビタビアルゴリズムを利用して、"1"、"0"の推定を行う。このビタビ復号器には、PR後 ( 波形等化後 ) の信号が入力される。 このMLでは、今しがた入力された信号に応じて即座にその"1"、"0"の判別を行うわけではなく、ある程度時系列的にまとまった複数のビットを観察した後、それらの尤度が最も高くなるように判別する特徴がある。 最尤復号とPR 4の組み合わせでは、以下の4つの磁化の状態を準備する: ( 1 1 )、( 1 0 )、( 0 1 )、( 0 0 ) 。( 1 0 )は現在の磁化の状態が0で、その直前が1であった事を意味する。PR 4では3値 ( -1, 0, 1 ) しか持たない事を説明したが、この3値の何れかを入力として受け取ると、状態間の遷移が起こることになる。ここで、現在の状態から次の状態に遷移するのに必要なPR 4の理想値は決まっている、という事が重要である。例えば、現在の状態が( 0 1 )の時、次に ( 1 1 )に遷移するには、PR 4の値として 1 を、( 1 0 )に遷移するには 0 が入力されねばならない。それと同時に許可されない遷移も定義され、例えば、( 0 1 ) から ( 0 0 ) 及び( 0 1 )には直接遷移し得ない。 これらを考慮すると、実際に入力されたPR 4の信号値と各理想値の差分を取れば、次にどの状態に遷移するのが確からしいのか、その尤度を定量化する事が出来る。これを時系列的に複数ビットで繰り返し、起こり得る遷移の「パス」毎にその尤度を積算していけば、最も確からしい遷移の一連のパスが最終的に見つかり得る。PRMLではこの生き残りのパスが見つかって初めて、"1"、"0"を判別する。
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