最尤法とは? わかりやすく解説

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さいゆう‐ほう〔サイイウハフ〕【最×尤法】

読み方:さいゆうほう

数理統計学で、与えられ観測値標本)から、それらが得られる確率最大化する確率分布母数推定する手法最尤推定法


最尤法


 一致性有効性十分性満たす最適推定量は,最尤法 により求めることができる。
 母数が θ である母集団 f ( x | θ ) から,n 個の標本 X1,X2,... ,Xn抽出されたとする
 このとき,確率密度(1)式で表せる。
最尤法  ……(1)
 今までは,母数 θ を持つ母集団から抽出され一つ確率変数 x が X という実現値をとるとして,f ( x | θ ) を x関数見てきたが,x固定されていると考えれば (1)式は θ の関数とみなすこともできる
 このとき,フィッシャー(1)式を 尤度関数呼び(2)式で定義される θ の取りうる種々の値に対する L を θ の 尤度定義した
最尤法  ……(2)
 最尤法とは,X1,X2,...,Xn固定した場合に θ の尤度最大になるように 最尤推定量 最尤法求めることである。
 最尤推定量(2)式を θ で微分すれば求めることができる。 しかし,実際計算では L の対数をとった(3)式を用いる方が便利である。 L の最大値与え最尤法求めることは,(3)式の最大値与え最尤法求めることと同じである。
最尤法  ……(3)
 なお,(2)式の θ の最尤推定量最尤法 とおくと,最尤法 は,n → ∞ のとき漸近的に正規分布 最尤法 に従う。ただし,I(θ) はフィッシャー情報量である。

最尤推定

(最尤法 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/20 23:22 UTC 版)

最尤推定(さいゆうすいてい、: maximum likelihood estimationという)や最尤法(さいゆうほう、: method of maximum likelihood)とは、統計学において、与えられたデータからそれが従う確率分布母数点推定する方法である。


  1. ^ Romano & Siegel 1986, p. 182.
  2. ^ a b Lehmann & Casella 1998, p. 445.
  3. ^ a b 隈啓一、加藤和貴「実践的系統樹推定方法」『化学と生物』第44巻第3号、2006年、185-191頁、doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.44.185 
  4. ^ a b c 松井求「分子系統解析の最前線」『JSBi Bioinformatics Review』第2巻第1号、2021年、30-57頁、doi:10.11234/jsbibr.2021.7 
  5. ^ a b 三中信宏分子系統学:最近の進歩と今後の展望」『植物防疫』第63巻第3号、2009年、192-196頁。 
  6. ^ 渡辺澄夫. “ベイズ推論:いつも何度でも尋ねられること”. 渡辺澄夫. 東京工業大学. 2019年8月1日閲覧。


「最尤推定」の続きの解説一覧

最尤法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/13 07:51 UTC 版)

Partial Response Maximum Likelihood」の記事における「最尤法」の解説

詳細は「ビタビアルゴリズム」を参照 最尤 ( ML ) 復号では、ビタビアルゴリズム利用して、"1"、"0"の推定を行う。このビタビ復号器には、PR後 ( 波形等化後 ) の信号入力される。 このMLでは、今しがた入力され信号に応じて即座にその"1"、"0"の判別を行うわけではなくある程度時系列的にまとまった複数ビット観察した後、それらの尤度が最も高くなるように判別する特徴がある。 最尤復号PR 4の組み合わせでは、以下の4つ磁化の状態を準備する: ( 1 1 )( 1 0 )、( 0 1 )、( 0 0 ) 。( 1 0 )現在の磁化の状態が0で、その直前が1であった事を意味するPR 4では3値 ( -1, 0, 1 ) しか持たない事を説明したが、この3値の何れか入力として受け取ると、状態間の遷移が起こることになる。ここで、現在の状態から次の状態に遷移するのに必要なPR 4の理想値は決まっている、という事が重要である。例えば、現在の状態が( 0 1 )の時、次に ( 1 1 )遷移するには、PR 4の値として 1 を、( 1 0 )遷移するには 0 が入力されねばならない。それと同時に許可されない遷移定義され例えば、( 0 1 ) から ( 0 0 ) 及び( 0 1 )には直接遷移し得ない。 これらを考慮すると、実際に入力されPR 4の信号値と各理想値の差分取れば次にどの状態に遷移するのが確からしいのか、その尤度定量化する事が出来る。これを時系列的に複数ビット繰り返し起こり得る遷移の「パス毎にその尤度積算していけば、最も確からしい遷移一連のパス最終的に見つかり得る。PRMLではこの生き残りパスが見つかって初めて、"1"、"0"を判別する

※この「最尤法」の解説は、「Partial Response Maximum Likelihood」の解説の一部です。
「最尤法」を含む「Partial Response Maximum Likelihood」の記事については、「Partial Response Maximum Likelihood」の概要を参照ください。

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